いやー、流石ブッチー上げて落とすのがうまい。三部作って先にわかってたんでダメージが小さかったのですが、それでもあの絶望感のさじ加減は最高ですわ。
さて、今回は書いてる最中の精神状態が酷かったのでそれがモロに出ています。ただでさえ稚拙なのに。
やっぱり書いてる時の精神状態って文章に出るんですね。あれ、だとするとブッチーって一体……。
「オラァ!」
ダイスケの拳と、メカゴジラMk-2の拳がぶつかり合う。威力は拮抗。ダイスケがまだ獣具のすべての力を目覚めさせていないとはいえ、これは脅威である。
しかも、体勢が悪い。身長差によって拳を振り下ろす形のムガールに重力が味方し、ダイスケを徐々に押している。しかし、不意に力の均衡は崩れる。ダイスケは意図的に脱力し、ムガールの腕をとって投げ飛ばす。力技の旧式背負い投げだ。
体勢がひっくり返ったムガールに、メカゴジラが追撃のフィンガーミサイルを連射する。しかし、ことごとく分厚い装甲に阻まれて跳ね返されてしまう。
「効かぬわぁ!!」
効果のないミサイルの霰に苛立ったムガールは、体勢を整えて二人に向けてすべての火砲を斉射する。腕からはビーム、腹部からメーサー、爪先に備えられたミサイル、そのすべてが放たれた。放出されるエネルギーの渦に、二人は吹き飛ばされる。
「うおぉぉぉぉ!?」
「ぐわぁぁぁぁ!?」
アクション映画のように爆風で舞い上げられた二人の体が地面に叩きつけられる。
「おい、あれ本当にパワードスーツだけの力か!?」
「恐らく肉体にも何かしているはずだ。俺の知らないところで、何かやっていたらしいからな。」
「当然。より獣具の力を使えるように筋肉組織を培養した
そこまでの執念にダイスケは戦慄した。彼らの地球侵略の動機はミステリアンからも聞かされていたし、原典を知っている身としては想像もできた。だが、ここまでの執念までは想像だにしていなかったのだ。
何よりも今のムガールには彼なりの正義がある。方法の善悪はともかく、ムガールは己の種族の未来を背負っているという自負と任務遂行のための覚悟がある。その姿はダイスケにはどこかライザーからリアスを取り戻そうとしたときのイッセーを感じさせた。
だが、ダイスケにも引けない理由がある。
「だからって……好きにさせるかよぉぉぉぉぉぉ!!」
ダイスケは立ち上がり、メイスを投擲する。眼前で爆発するメイスの威力に、ムガールは思わずたじろぐ。その隙を突き、ダイスケはムガールに飛びかかる。手にした熱線剣で串刺しにするつもりであった。しかし、それはムガールが振るった何かに邪魔され、ダイスケは弾き飛ばされる。
それは、電撃を纏った鞭のようであった。
「ショックアンカー。放電破壊を目的にした私好みの武器だ。」
そう言ってムガールはまたショックアンカーを振い、ダイスケにぶつける。バチッという放電音と共に鎧が傷つけられた。再びショックアンカーを振われ、その重たい一撃がダイスケを打ちつけ、吹き飛ばす。
「やられてばかりじゃねぇよ!!」
しかし、ダイスケは吹き飛ばされつつも熱線を放つ。しかし、見事に命中するもよろめかせるにとどまって必殺の一撃に足りえていない。しかし、最大威力の口からの熱線は下手をすると基地を味方も巻き込んで崩壊させる可能性があるので使えない。するとメカゴジラが目からのスペースビームを放つ。しかし、これもダメージを少々与えるだけで必殺には届かなかった。
「ならこれはどうだ!!」
今度はメカゴジラが黄金の双眸から虹色のスペースビームを放つ。しかし、これも派手に火花を散らしたものの決定打となる破壊には至っていない。
だが、偶然にもダイスケとメカゴジラがムガールを挟み込む立ち位置になっている。これを利用して二人は即座に連携を組んで各々熱線とビームで挟み撃ちにする。
発生する大爆発は狭いハンガー内を揺らし、黒煙が立ち上る。もくもくと上がる黒煙はムガールの死を現しているように見えたが、その黒煙を何かが払い、ダイスケとメカゴジラの首に絡まる。ムガールのショックアンカーだ。
やがて晴れる黒煙の中から、ボロボロになりながらも立つムガール操るメカゴジラMk-2の姿があった。
「ここで斃れるわけにはいかん……せめて貴様らの首だけでも刈り取ってくれる!!」
膨大な量の電流が流れ、ワイヤーが二人の首を徐々に絞める。このままではいかに頑強とはいっても放電破壊の作用でいずれ二人の首はもがれてしまう。しかし、いくらもがいてもショックアンカーは外れない。先端の錨が体に突き刺さっているのだ。
どうにかしてこの状況から逃れなければならない。そこでダイスケは命の危機に陥りながらもあることを思い出していた。
「おい、メカゴジラ!お前、操られてた時のこと覚えているか!?」
「少しだが、それがどうした!!」
「合わせて撃つって言ったらわかるか!?」
「……そうか、その手か!!いつでもいいぞ!」
「ならいくぞ!3!」
「2!」
「「1!」」
同時に発射される熱線とスペースビーム。しかし、狙ったのはムガール本人ではない。
空中でぶつかり合う熱線とビーム。その急激なエネルギー同士に歩反応が生み出す結果は、エネルギーの暴走。ありていに言ってしまえば大爆発だ。しかも、強大なエネルギー同士の反応ということで直撃時よりも破壊力は上である。その破壊力はハンガーにあったすべてのファイヤードラゴンも巻き込み、両手を塞がれていたムガールは受け身も取れずにもろに受けてしまう。
そして、その破壊のエネルギーは確実にメカゴジラMk-2を破壊し、ムガールに致命的ダメージを与えた。見れば機体からムガールの上半身がむき出しになっており、その姿は誰がどう見ても戦闘の続行が不可能に見える有様だ。
ショックアンカーに流れていた電流も止まったということは、全機能が停止したことを意味する。それを知ったダイスケとメカゴジラはワイヤーを振りほどき、錨を引き抜く。
さらに周囲を見れば駐機されていたファイヤードラゴンはみな爆発によって鉄くずと化している。その状況を確認してメカゴジラは言った。
「これでここにあったファイヤードラゴンはすべて破壊された。あんたの計画も、これで潰えたな。」
メカゴジラの言う通りであった。しかし、ムガールは不敵な笑みを見せる。
「これで……終わったわけではない。こういうことに備えて、一機別のハンガーに移してある。例え一機でもそちらに乗った同志が計画を遂行させる。さらにさっきこの基地の自爆装置を起動させておいた……もう一分もない。」
その証拠に、突如としてサイレンが鳴り響く。そして空中モニターが投影され、小刻みに変わる文字が表示されている。記された文字は判別不可能だったが、見るからにそれはカウントダウンの表示であった。
「……おい、これって地球の時間に換算して残り何分だ?」
「……三十秒を切っている。」
「はぁ!?」
メカゴジラの答えに、ダイスケは驚愕する。それを見て、ムガールは笑った。
「フハハハハ!!このムガール様がそう簡単にやられると思うなよ!!邪魔してくれた貴様らまとめて死の奈落に突き落としてくれるわ!!」
その時間、今まさに地球標準時間換算においてのこり一秒。そして――
*
「――っと、こんなものか。少々ギリギリだったかな?」
「まさか……本当に?」
ミステリアンたちは驚愕していた。
他の文明の機材は正直いくら技術が発達しているといっても扱いづらい。使う言語が違えばそれだけ翻訳に時間がかかり、基本のプロトコルも違ってくる。
だが、目の前のX星人北村は自爆装置のカウントダウンを残り一秒で停止させたのだ。本来であれば不可能な速度での操作だ。それも「ちょっと代わってみろ」と急に割り込んで数秒も立たないうちにすべての操作を済ませてしまったのである。
「奴らのことはある程度知っていたからな。それに自爆装置のことも奴らは仄めかしていた。それだけの前情報があれば私にとってこの程度朝飯前だ。」
さらっと言ってのける北村にミステリアンも、黒木も、MMSの面々も驚愕していた。
そして黒木が北村に尋ねる。
「一つ聞きたい。……君はいったい何者だ?」
「ならば自己紹介させてもらおう。X星人、北村だ。」
*
投影されていたカウントダウンの表示が呈した時、さしものムガールも驚愕していた。
「バカな!?いったいなぜ!?」
「そりゃあれだろ。俺の日頃の行いがいいからだろ。」
「いや、オリジナル。俺の日ごろの行いがいいからという可能性もあるぞ。」
「お前ついさっきまで侵略者の手先だったろうが。」
そんな二人のやり取りも耳に入らなくなるほど、ムガールは狼狽する。しかし。
「まだだ……まだ残ったファイヤードラゴンがある!あれさえあればこの地球上の都市の半分は簡単に破壊できる!!」
ムガールは立ち上がり、腕を広げて言い放つ。
「そしてこの地球支配者は我らとなり、貴様たち地球人を駆逐する!!今に見ているがいい、これから地球人に終焉の時が――」
だが、ムガールはすべての言葉を吐き出すことはできなかった。メカゴジラの放ったフィンガーミサイルが、その胸に突き刺さったのである。
その場で崩れ落ちるムガール。そしてそのまま息絶え、正体である猿人の顔を露わにした。ダイスケはミサイルを放ったメカゴジラを見やる。
「お前……。」
一応ではあるが、自分の生みの親を手にかけたのである。その心中をダイスケは案じる。
「……これでいいんだ。たとえ生け捕りにしても奴は死を選んだだろう。それにこれでブラックホール第三惑星人の移民強硬派の巨魁であるこいつが死ぬことで彼らもこの星を諦めるだろう。そう、これでいいんだ。」
そのメカゴジラの言葉はまるで自分を納得させるようであった。
だが、地下全体を震わす謎の揺れが彼らを次の状況へ案内する。揺れそのものは小さいものであったが、先ほどのムガールの言葉が脳裏をよぎり、いやな予感をダイスケに感じさせた。
「……今のまさか。」
「ひょっとするとそうかもしれない。」
「どこから出たかわかるか?」
「俺もこの基地のすべてを知ってるわけではないが……心当たりはある。」
メカゴジラがそう言うと、二人はともに意を決して走り出す。先ほどの揺れはおそらくムガールが言っていた最後のファイヤードラゴンが発進したものだろう。だとすれば、何をしてももう間に合わないかもしれない。
そうだとしても、二人の足が止まることはなかった。まだひょっとしたら間に合うかもしれないという一縷の希望にかけて、二人は走った。
途中途中には先行したアーロンが殺害したと思われるブラックホール第三惑星人の死体が散見できる。そうして開かれたハッチの向こう側にたどり着くと、その光景は広がっていた。
結果から言えば、その場に、ファイヤードラゴンはなかった。しかし、そのかわりにアーロンが持っていた十字架がその場に落ちていたのだった。
「……どう思う?」
その十字架を拾い、ダイスケは尋ねる。
「ひょっとしたら発進するギリギリで乗りこめたか、乗り込んだ後に発進したかのどっちかだろう。……なら、まだ希望はある。」
*
ダイスケとメカゴジラがコントロールルームについたとき、メカゴジラは大勢の者から銃口と武器を向けられた。それを鎧を解除したダイスケは制する。
「大丈夫。もうこいつに戦う理由はないから。」
そう言ってダイスケはメカゴジラを見る。その視線の裏にある意思をくみ取ったのか、メカゴジラも鎧を解除して両手を上げる。
「戦闘意思が無い場合は両手を上げてその意思を見せる。大丈夫だ、そのことも学んでいる。」
それでも、なかなか信じられないのか向けられた武器はなかなか下されない。
「本当に信じていいのか?」
黒木からすれば当然の問いである。
「こいつがここのボスを殺したっていえば信じてもらえますかね?それに、さっき発進したファイヤードラゴンを止められるかもってこいつが言ってるんです。」
「……できるんだな?」
「特佐!?」
黒木の判断に、ジョンは驚く。当然であろう、つい先ほどまで破壊の優先目標であった者に運命を預けようというのだ。
「わざわざこれだけの手勢がいる中にやってきて、手を貸すと言っている。当然不審な動きをすれば即座に撃つが、それを覚悟してきているのだろう。なら信じてもいいと思う。それに、北村氏もいる。」
「あまり期待されても困るのだがね。だが、今は彼の力も借りないとダメだろう。で、どうする?」
「まず、俺の電子頭脳とここのメインコンピュータを繋ぐ。アクセス権限はあるからできるはずだ。」
そう言ってメカゴジラは目を瞑り、脳内の遠隔コントローラーから逆にアクセスを試みる。その必死な様子に、徐々に向けられる銃口が下されていく。
だが、エドはしっかりとメカゴジラの頭に銃口を向けたままだ。だがそれも致し方がない。彼は一度身内であるアーロンがメカゴジラによって倒された現場を見ている。
「言っとくが俺は信じたわけじゃねぇからな。こいつがアーロンをやった過去は消えるわけじゃねぇ。不審な素振りを見せたら即座にドタマ撃ち抜くぞ。」
「かまわない。作業の邪魔さえしなければな。」
「……やっぱ今撃っていいか?」
周囲に制止されるエドをしり目に、メカゴジラはシステムにアクセスする。
「……どうやらコントロールはこちらで行われているのではないらしい。船そのもののコンピュータにアクセスできない限り船をコントロールするのは不可能だ。どうにかして通信をつなげられればハッキング出来るかもしれない。」
「なら任せたまえ。」
そう言ってコントロールパネルの前に座る北村は指ををせわしなく動かしていく。すると、中央のモニターにアーロンの姿が映った。
「アーロン君、聞こえるか!?」
黒木がモニターの前にあるマイクで呼びかけるその声に気付いたアーロンはモニターに向き直り、正面に陣取った。
『すみません、とっさに飛び乗ってしまいました。中の乗組員は全員排除できたのですが、止め方がどうにもわからず……。』
モニターの奥を見ると、わずかにだが、アーロンがやったらしいブラックホール第三惑星人の死体が見える。
「いや、それでも十分やってくれた。こちらからのプログラム改変を瀬戸際で阻止される可能性がなくなったからな。」
北村が言う。
「よく聞け、これからそのファイヤードラゴンを止めるためにこちらからハッキングを掛ける。いつ墜落してもいいように対ショック姿勢をとるんだ。」
黒木の指示通り、アーロンは手近にあった椅子に座り、対ショック姿勢をとった。これでいつ行動に起こしても大丈夫だろう。しかし、メカゴジラの顔が苦渋にゆがむ。
「だめだ、プロテクトが固い。飛行を停止させる簡単なコマンドを入力しようとしてもキラアクの言語に一旦直さねばならないから時間がかかる。」
「そんな時間はないぞ!速度によっては西海岸に到達してしまう!」
ジョンの懸念は的を射ていた。現在、ファイヤードラゴンは太平洋上を東に進んでいる。まだハワイにも到達していないだろうが、今出ている速度によってはすぐにでもアメリカ西海岸に到達する恐れもある。
『いや、まだ手はある……。』
「どういうことだ?」
黒木の問いに、アーロンが答える
『俺が中からこの船を破壊すればいいんです。』
「……それは危険すぎる。破壊に成功しても、そのあと高速で海上に放り出されて、コンクリート以上の固さの海面に激突することになる。リスクが大きすぎる。」
黒木の言う通りである。いかに落ちるところは水の上と言っても、その高度の速さによってはコンクリートの地面にぶつかる以上の衝撃が起きる。いかに獣具の使い手が身体能力に優れるといってもただでは済まない。
『確かに危険ではあります。しかし、これをそのままにしておく方がもっと恐ろしいことになります。……他にこれをすぐに止める手はありません。やらせてください。』
「……空自と海自に救助要請を出す。くれぐれも安全を第一にだ!」
苦渋の決断を黒木が下す。半ば死ねというのと同等のその指示に、アーロンは笑顔を持って受け入れる。
『ありがとうございます。では――』
タァン――
先ほどまでの銃撃戦で聞きなれた発砲音がモニターの向こうから聞こえてくる。すると、アーロンの胸から鮮血が飛び出し、モニターを赤く染める。ズサッという音から、アーロンは斃れたのであろうことがわかる。すると別人の声が赤く染まったモニターの向こうから聞えてきた。
『邪魔など、させるものか……。聞えているか地球人ども。』
息も絶え絶えの男がモニターにべっとりと付いた血糊をぬぐう。そこにはブラックホール第三惑星人の正体である猿人の姿があった。
『これでお前たちの希望は潰えた。あとは私がムガール様の副官としての責務を果たす。この地球上を掃除し、我らの新天地に作り上げ――』
すべてのセリフは言えなかった。なぜなら、倒れたアーロンが渾身の力で《暴龍の粉砕星槌(アンギラス・スマッシュ・モーニングスター)》を振い、男の頭をトマトのように潰したのである。
「アーロン!!」
モニターの真ん前にいるジョンが叫ぶ。
『……すまない、虚を突かれた。だが……これは自分でもかなりまずいとわかるな。』
胸からとめどなく流れる血液。いかに獣具によって身体能力が向上しているといっても、治癒能力はさすがのゴジラには及ばない。その差がここに出てしまった。
『だけど……やらないと。』
「だめだ!今はそこで安静にしていろ。すぐにでも彼らに船のコントロールを――」
ジョンはそう言ってメカゴジラにむかうが、彼の表情は苦々しげなままだ。
「すまない。言語の翻訳とプラグラム改変をやっても恐らく、彼は間に合わない。」
「そんな――「そんなのありかよ!?」パン?」
「だってよ、あいつが俺たちを引き合わせてくれたんだぜ!?一番まじめで、俺たちのことを考えてくれていて……それなのにこんなことでッ……会議の時に突っかかったのだってまだあやまってねぇのに!!」
パンがそれまで隠してきた感情をあふれ出した。言葉をつぐむ他のメンバーを代理するように。しかし、モニターの向こうのアーロンは口の端から血を流しつつも笑顔だ。
『いいんだ。それだけで十分俺がやったことの価値はあった。』
そう言いながら、アーロンは手に持ち直した槌を振り上げ、構えた。
『後のことは任せた。』
その直後、衝撃音が響き通信は即座に途切れた。
*
通信途絶から五時間後、ファイヤードラゴンが墜落したとみられる海域は徹底的に捜索されたが、引き揚げられたのはファイヤードラゴンの残骸と、その中に入っていたブラックホール第三惑星人の死体のみであった。
死体が見つからないことが一縷の希望ではあったが、捜索の打ち切りにより正式にアーロン・ブロディの名は墓碑銘に刻まれることになった。
*
撤収作業を行う自衛官たちの姿を見ながら、ダイスケは一人たたずむ。その顔には世界を救った達成感はない。
メカゴジラはいつの間にか姿を消していた。このドタバタした中のどさくさに紛れて雲隠れしたのだろう。追跡しようと黒木が動いていたが、さすがにとらえられえなかったらしい。
だが、すでに地球侵略の意思は消えている。不安因子であっても危険因子ではなくなっているため今すぐどうこうという危険もないだろう。
北村は北村であわただしかった。何せ今まで密入星者であったためそのあたりの処分だが登録だか申請だかが目白押しらしい。まあ、今回の件での活躍を差っ引けばそれほどひどい罰則もないだろう。
だが、MMSの面々は沈んでいた。何しろ初の戦死者が出てしまったのだ。心情は察せても声をかけることができない。そんな彼らを見ていると、黒木がダイスケの傍にやってきた。
「気になるか?」
「はい。何せ、知らない仲じゃないんで。アーロンも。」
「なるほど。」
みれば、MMSの面々は手慣れた手つきで用具を収めているが、普段のふざけあいがなかった。彼らを知っているものからすれば非常事態であることがわかるだろう。
「だが、君が心配する必要もないだろう。戦友というものはいついなくなるかわからない。それを覚悟した付き合いだ。彼らを見ているとわかるが、彼らの人となりはふざけていても、その芯は紛れもない兵士だ。だから、今は慰めは必要ない。いつか、この日のことを思い出話として話し合える時が来るのを待て。それが君が彼らにしてやれることだ。」
「時が解決してくれる、ですか……。」
「だがどうやら君には時間がないらしい。」
そう言って黒木はダイスケに通信機を渡す。いぶかしげに受け取ったダイスケは、恐る恐る耳をあてた。
『ああ、例のボーヤ変わったか?』
「はい、ただいま変わりましたけど……どちらさまで?」
『俺か?俺は留守を預かってる権藤ってもんだ。今回はまぁ大変だったな。』
「はぁ。」
『まあ今はそれはいいんだ。今こっちにお前さんへのお客が来て居てな。すぐ変わるわ。』
「え、あの、ちょ。」
『ただいま変わりました。はじめまして、私はサーゼクス・ルシファーの僧侶、マグレガー・メイザースと申します。』
「マクレガーって、黄金の夜明け団の?」
『はい、創設者の一人です。そちらの筋から得た情報をあなたにお教えしたほうがよいと思いまして。あなたのところにご厄介になっているマサノ姉妹のことなのですが。』
「あの二人……確か今故郷のイギリスにいるはずですけれど。」
『その二人、下手をすると今夜中にも殺されるかもしれません。』
ということでオリジナル回メカゴジラ篇はこれにて終了、次回よりマサノ姉妹の物語となります。なんでアーロン殺してもうたんや!というご意見もあるでしょうが、すいません、完全にこっちの都合です。いつかアーロンの過去とかを補完する回を作りたいと思っていますのでご勘弁を。
また、最近キャラクター紹介を更新していました。怪獣王の王装の簡単なイラストも載せています。下手なイラストですがこちらもどうぞ。一応設定画は増やしていく予定です(予定は未定)。こちらの方の感想も待ってます。うまいよとか、絵汚いんだよバカヤローとか、なんで手書きだペンタブ使えやとか。
なお、感想などもお待ちしております。ただ、メンタルが非常に弱いのできついことを言われると「ダイカイガン!オレ、オメガドライブ!!」になりますのでご勘弁を。
それではまた次回。いつになるかは分かりません!!!