ハイスクールD×G 《ReBoot》   作:オンタイセウ

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書き溜めの枯渇、今後の展開についての思案、祖母の緊急入院で一ヶ月近く開けてしまいました。申し訳ありません。
 書き溜めと今後の展開についてはまだ解決しきってはいませんが、祖母の緊急入院に関しては先日無事退院できたのでなんとかなりました。

 それはともかく、ゴジラ キング・オブ・モンスターと、ゴジラ 星を喰う者の予告が公開しましたね。KoMのほうは来年絶対に初日に映画館に行きます。そして星を喰う者は黄金の終焉を伏して拝みます。きっとメトフィエスは最後まで胡散臭いんだろうなぁ。


VS66  怒りが頂点に達して逆に冷静になることもある

 現在、イッセーの部屋は大所帯となっている。

 アザゼルとセラフォルーを中心にそれを囲むようにグレモリー眷属、シトリー眷属、イリナにヒオ・マナ姉妹、エリー、そしてダイスケがいる。

 ちなみに現在榛名は英雄派に拉致されてしまったため、身代わりの堕天使のスタッフと認識阻害術で誤魔化しているのが現状だ。

 畳の上に置かれた地図に手を置き、アザゼルは始める。

 

「では作戦を伝える。現在、二条城と京都駅を中心に非常警戒態勢を敷いた。京都の探索に出ていた悪魔、堕天使の関係者を総動員して怪しい輩を探っている。京都に住む妖怪たちも協力しているところだ。いまだに英雄派に動きは見られないが、京都の各所からに上場に向けて不穏な気の流れが観測されている。」 

 

「気の流れ、ですか?」

 

 木場がアザゼルに尋ねる。

 

「京都っていうのは陰陽道、風水に基づいて作られた大規模な術式都市だ。故に各所にいわゆるパワースポットを持つ。晴明神社の晴明井、鈴虫寺の幸福地蔵、伏見稲荷大社の膝松さんと挙げればきりがないほど不思議な力に富む力場が多い。それらが現在、気の流れが乱れて二条城のほうにパワーを流し込んでいる。」

 

「ど、どうなるっていうんです?」

 

 匙が生唾を飲みながら問う。

 

「わからんが兎に角ろくでもないことは確かだ。奴らはこの都市の気脈を司っていた九尾の御大将と柳星張を使って《実験》とやらを開始しようとしているんだからな。それを踏まえた上での作戦だ。」

 

「まずシトリー眷属とマリー。お前たちは京都駅周辺で待機。このホテルを守るのがお前たちの仕事だ。一人くらいは獣具使いがいてほしいからな。一応このホテルは強固な結界が貼ってあるが、一般生徒が河内のように万が一だが襲撃される可能性もある。不審者が近づいたらこのメンバーで当たってくれ。指揮には――」

 

「私が担当するわ♪いざとなったら大暴れしちゃうから!」

 

 そう言いながら腕をまくるのはセラフォルーだ。その言葉に、指名された一同は頷く。

 

「すまんな、エリー。本当はお前も河内を助けに行きたいんだろうが……。」

 

「いいえ、話は分かりますから。」

 

 そういうエリーではあったが、内心は歯噛みしている。それでも、それが指示であるのなら受け入れるほかなかった。

 

「次にグレモリー眷属とイリナにダイスケ。いつも悪いがお前たちはオフェンスだ。二条城のほうに向かってもらう。正直、相手の戦力は未知数だ。危険な賭けになるかもしれないが、最優先は八坂姫と河内の救出。それができたらソッコーで逃げろ。わかってるな、ダイスケ。」

 

「……はい。」

 

 そう返事をするダイスケではあったが、握るその拳に力が入っている。それこそ鉄の塊すら握りつぶせる強さで、だ。その手の上に、エリーとヒオは手を添える。

 

「ダーリン、ここはハルナの救出を最優先、ダヨ?仕返しなんて後からいくらでも好きなだけできるんだカラ。」

 

「悔しいのは分かります。相手を憎むのも。ですが、今は救出を最優先にしましょう。何より相手の戦力が読めませんから。」

 

「……わかってるよ。」

 

「で、でも俺たちだけで足りますか?渡月橋で見た英雄派の戦力から考えると、正直心許ないっていうか……。」

 

「安心しろイッセー。テロリスト相手のプロフェッショナルを呼んである。各地で禍の団相手に大暴れしている最強の助っ人だ。」

 

「助っ人?誰ですか?」

 

 木場の問いである。

 

「今は機密だが、とんでもないのが来るのだけは覚えておけ。それに対柳星張対策でこちらのモスラとバトラも参戦してくれることになった。」

 

「はい。そういうことで今回皆さんと共闘させていただきます。」

 

「ガキの背中くらいは守ってやるから安心しろ。これでも島じゃ破壊神扱いだ。」

 

「――我も行くぞ。」

 

 突然、部屋の襖が開け放たれる。一瞬皆が警戒するが、そこにいたのはアーロン、もといガメラであった。

 

「どうしてここに?」

 

「表の妖怪たちにここにいると聞いた。邪心を持つ者たちが柳星張を利用しようということもな。愚かなことだ。アレの邪念はただ力を持っただけの人間には扱いきれんというのに。」

 

「大丈夫か?その体は病み上がり……というより死に上がりだろうに。」

 

 アザゼルが問うが、ガメラは首を横に振る。

 

「奴は放っては置けない。それは我の存在意義と心に反する。それに、奴とは一度戦って勝っている。経験者は一人くらい必要、だろう?総督。」

 

「そうか。なら……こいつらを頼む。それとこれはあまりよくない知らせだ。今回フェニックスの涙は三つしか支給されなかった。」

 

「た、たったの三つ!?対テロリストの作戦でしょう!それなのに!?」

 

 匙が素っ頓狂な声を上げる。だが、それはこの場にいるものの心の代弁でもあった。

 

「ああ、わかってはいるんだ。だが、世界各地での禍の団がテロしてくれてるせいで涙の需要が急激に跳ね上がった。各勢力の重要拠点への支給すらままならない状態なんだ。もともと大量生産には向かない代物だからフェニックス家もてんてこ舞いだ。市場でも値段が高騰しちまってただでさえ高級品なのに超が二つは付く代物になっちまった。まだ噂だが、レーティングゲームの使用にも制限がかかるんじゃないかっていう話もある。今後のゲームに関わるかもしれないから悪魔組は頭の隅に置いておけ。そういうわけでこの涙はオフェンスに二つ、サポート側に一つ支給する。数に限りがあるから使いどころは間違えるなよ。」

 

 そういってそれぞれにアザゼルは涙を渡した。

 

「それから匙、お前は今回はオフェンスだ。」

 

「お、俺っすか!?――ひょっとして龍王、ですか?」

 

 予想外のオファーではあったが、すぐに自分の役割がわかったようだ。

 

「ああ。お前のヴリトラ形態は使える。あの黒い炎は相手を縛ったうえで力も奪う。ロキ戦の時のようにサポートしてやってくれ。」

 

「それはいいんですけど……あの状態って意識が朦朧としていて暴走気味になりやすいんですけど。」

 

「問題ない。ロキの時と同じようにイッセーがお前の意識を繋ぎ止める。イッセー、その時になったらひたすら匙に話しかけろ。」

 

「は、はい!」

 

 イッセーが答えた後、イリナが手を挙げて質問する。

 

「あの、このことは各勢力には伝わっているんですか?」

 

「そりゃ当然。この京都の外には三大勢力に妖怪の者たちが大集結している。奴らが逃げられないように包囲網を張った。ここで仕留められるならそうした方がいいからな。それと駒王学園にいるソーナにも連絡した。あちらはあちらでできるバックアップをしてくれるそうだ。」

 

「じゃあ、ウチの部長たちにも?」

 

 イッセーの質問だったが、アザゼルはそれに渋い顔をした。

 

「ああ、伝えようとしたんだが、タイミングが悪かった。現在あいつらはグレモリー領内で起きた暴動への対応で出張ったばかりだった。残念ながら行き違いだ。」

 

「ぼ、暴動!?」

 

 イッセーが驚く、と同時に一同も不安がよぎる。まさか禍の団絡みなのか――

 

「ああ、こっちは冥界に残っていた旧魔王派が原因だ。それでも無視できないためあいつらが出張っていったってわけだ。それに加え、グレモリーの奥方とグレイフィアも出陣したらしい。こっちの心配は必要ないだろうな。」

 

「まあ、『亜麻髪の絶滅淑女(マダム・ザ・エクスティクント)』、『紅髪の滅殺姫(ルイン・プリンセス)』、『銀髪の殲滅女王(クイーン・オブ・ディヴァイア)』が揃っちゃうのね☆あらら、暴徒さんたち、大変なことになっちゃうわね♪」

 

 セラフォルーが物騒な二つ名を連呼する。絶滅、滅殺、殲滅とまるでどこかの薬物を決めたガンダムパイロットだ。

 

「まあ、お前も将来大変だな……。」

 

 そう言ってアザゼルはイッセーの肩をポンとたたき、うんうんと頷く。

 いまいち理解できていないイッセーは「はぁ」と一応反応した。そんなイッセーを見て意味が分かっていないと理解したアザゼルは咳払いをする。

 

「と、俺からの作戦説明は以上だ。俺も京都の上空から独自に奴らを捜す。各員、一時間後までにはポジションについてくれ。怪しい奴を見かけたら速攻で連絡。――死ぬなよ?修学旅行は帰るまでが修学旅行だ。いいな?」

 

『はい!』

 

 一同がそう返事して、作戦会議は終了となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 準備を終えたイッセーは部屋の外に出る。すると、ちょうどダイスケも部屋を出たところであった。

 タイミングがあったので一緒に集合場所であるロビーに行く。そこにはすでにアザゼルとロスヴァイセがいた。ロビー横のテーブル席に共に座っている。

 そのアザゼルはイッセーを見つけるや否や立ち上がった。

 

「イッセー。ちょうどいい。」

 

「な、なんです?」

 

 怪訝に思うイッセーに対し、アザゼルは懐から何かを取り出す。それは赤い宝玉だった。

 

「ついさっきホテルの外で痴漢騒ぎがあった。で、偶然俺が居合わせて女の乳を揉もうとした痴漢をとっちめたんだが……そしたらこれが男の体から飛び出てきた。何かと思って解析をかけたんだが――」

 

『その宝玉は――』

 

 ドライグが思わず声を出す。

 

『この宝玉は新幹線の中で相棒から飛び出ていった箱の中身だ。』

 

「やっぱりな。解析の結果こいつからイッセーのオーラが確認された。だからそうじゃないかと思ってな。」

 

 飛び出ていったきり見つからずじまいだった箱の中身がこのタイミングで姿を現したのだ。

 念のためにイッセーが宝玉を持ってみる。

 

『間違いない。俺とお前の波動を感じるぞ。いや、まて……な、なんてことだ。』

 

「ど、どうした、ドライグ?」

 

『……軽く宝玉の中身を調べてみたんだが、箱の中身、すなわちお前の可能性は様々な人間の体を乗り移りながら京都中を旅してまわったようだ。――相手の、ち、乳を触ることで。』

 

「……はい?」

 

「なるほどな。京都の各地で起きていた痴漢騒ぎはこれが原因が。男女問わず乳も揉むことで力を蓄えながら京都中を巡っていた。それでこの宝玉に乗り移られた人間は乳が触りたくなってしょうがなくなった、と。」

 

「え、じゃあ全部おれが原因……?」

 

 それを聞いて真っ先に怒ったのはダイスケであった。現在ただでさえピリピリ来ているところにこの情報。ダイスケがエリーの胸を揉んでしまったのは間違いなくこれが原因だ。

 

「おまえなぁ……。」

 

 そう言いながらダイスケがイッセーの頭にアイアンクローを決める。

 

「いだだだだだだだ!なんで!?」

 

「お前のせいでエリーの乳を揉んじまったんだよ、馬鹿!!!」

 

「そ、そうなの!?ただ単に揉みたかったから揉んだだけじゃあ――うそです、うそです、ごめんごめんごめんごめんごめんごめん!」

 

 謝るイッセーを前に、ダイスケもその頭から手を離す。

 

「いたかったぁ……それでドライグ、宝玉の塩梅は?」

 

 これだけのことをして元の居場所に戻ったのだ。何か変化があるはずだ。

 

『……まだわからん。力が高まっているのは確かだ。し、しかし、乳を触って力をためるなんて、それでいいのかお前の可能性?』

 

「俺が聞きたいわ!」

 

「京都の方々には多大な迷惑をかけたわけですからね……イッセー君のせいで痴漢を働いた人たちの救済策を考えないと。」

 

 ロスヴァイセが言う。確かに特殊な事情が関わったのだからここは何らかの措置が必要になるだろう。

 

「そこは俺が何とかする。しかし、イッセーの可能性は何か特殊な力でもかき集めてきたのか?まさか乳の力と書いて乳力(にゅーパワー)なんてのが存在するんじゃないだろうな。」

 

「まったく彼は理解不能なことだらけですね。人を救ったり迷惑をかけたり……うっ、吐き気が。」

 

 昼間しこたま飲んだロスヴァイセはずっとこの調子である。エリーがあり合わせで調合した酔い覚めの薬と自分で調合したものを合わせて飲んではいるが、一向に調子は戻らずずっと吐き気と戦い続けている。

 

「お前大丈夫か?まあ迷惑と言えばお前さんも酔っぱらって散々暴れた挙句ホテルに帰ってから吐いてばかりだから人の事も言えんと思うが。」

 

「あ、あなたがあんなところで昼酒なんてしているからでしょう!?……うっ、これやばいかも。」

 

「まあ、俺も悪かったよ。……本当に大丈夫か?」

 

「すいません、お花を摘みに……。」

 

 そう言ってロスヴァイセはトイレに直行していった。

 

「……ゲロ吐きヴァルキリー、略してゲロキリーか。とりあえず、これはお前が持っておけ。いつ、どんなきっかけで宝玉が力を発揮するかわからんからな。」

 

「はい、そうしときます。」

 

 これ以上宝玉を野放しにして京都の無関係の人々に迷惑をかけるわけにもいかない。イッセーは宝玉をポケットに仕舞う。

 

「そういえば先生、曹操ってどんな人だったんですか?あ、もちろん三国志のほうの。」

 

 いちおう、知っておかなければならないとイッセーは思った。何しろこれから戦う相手の事だ。少しは何らかの情報があるといいだろう。

 

「そうだな。まあいろいろやった。悪行で言えば虐殺とか酒飲むなとか理不尽なこと言ったりな。だが、当時としては画期的な政治手法も用いた政治家であるというのも確かだ。俺個人としてはいちばんだと思うのは人材の発掘だな。」

 

「人材、ですか。」

 

「ああ、荀彧や荀攸のように曹操は才能さえあればどんな身分の者でも使った。そのせいか後の歴史家にも魏は人材に富んだ国だと評されるようになった。皮肉なことに、英雄派の曹操も人材に目を付けたようだ。あいつはあらゆる才能をかき集めているらしいからな。先祖とは違っている点もあるが。奴は人間中心に人材を拉致に近いやり方で集めている。あくまで人間。ここに連中のこだわりというか、目的が見え隠れしている。そしてその目的のためならそいつらを洗脳してでも使い、テロに投入する。禁手使いの増加と魔獣創造のためにやった一連のテロは実にえげつない。」

 

「言われてみりゃ英雄だった奴ってのはえげつない手を使う奴が多いな。英雄っていう存在は嫌が応にも何かの犠牲の上で成り立つ。でも、たとえそうだとしてもそれでも俺は奴らは認めない。」

 

 そう吐き捨てるのはダイスケだ。

 

「別に英雄を目指すのは悪じゃない。結果、それが誰かのためになるんならな。だが、奴らは俺の領域に土足で踏み込んできた。それだけで俺は奴らを否定する。たとえエゴで否定していると言われてもな。」

 

 榛名を拉致されたことで英雄派に対してもう悪感情しかないダイスケだ。それに対し、アザゼルは答える。

 

「……そうだな。英雄っていうのは特別な力や能力を持ち、それを使って人々にとって大きな功績を遺したり巨悪を打倒することができる存在を指す。まあ、神器をもって生まれたものの大抵はそうなれるといっていい。だから神は神器を人間のみに扱えるものとしたんだろうが……それらすべてが英雄になれるわけじゃない。「英雄になれる力をもって生まれた」ことと「英雄になった」っていうのはイコールじゃない。神器所有者にも悪人はゴロゴロいた。」

 

「英雄、か。それを考えたらドラゴンで悪魔の俺と怪獣であるダイスケは格好の標的、いい悪役でしょうね。」

 

「なんだなんだイッセー。お前悪魔になった自分の存在と英雄――というより人間という存在について考えていたのか。ったく、じゃあおまえは何になりたい?なにがしたい?」

 

 そのアザゼルの問いにイッセーは間髪をいれずに答える。

 

「上級悪魔になってハーレム王!というか、眷属や仲間のために頑張ります!」

 

「ならそれでいい。何も悩むことはない。それで突き進め。お前はそれで前に進めるはずだ。」

 

 その言葉にイッセーはハッとなって気付く。

 

「あ、そっか。俺はそれでいいんだ。でももう一つ。――九重のお母さんと河内さんを助け出します!」

 

 アザゼルはそれを聞くと、イッセーの頭をわしゃわしゃと撫でる。

 

「お前がそれでよかったよ。で、お前はどうだダイスケ。」

 

「別に。ただ榛名を助け出したうえであいつらを捻じり殺す。」

 

「お前ならできそうで怖いよ。だが、お前らはいいとして、アーシアたちは人間相手だと割り切れない部分があるかもしれないからな。だが、お前たちが突き進むのならあいつらも迷わないだろう。特にグレモリー眷属の面々はイッセーを精神の支柱にしている節がある。そういった意味でもイッセー、お前はお前のままでいろ。それが眷属仲間の成長につながる。」

 

「そういうことならわかりました!不肖、兵藤一誠。仲間とともに突貫いたします!」

 

「おう、行って来い。」

 

 そうしてちょうどロビーに現れた仲間たちとともに、一同はホテルを出る。

 決戦は、近い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホテルの入り口では匙が仲間のシトリー眷属が激励を受けていた。なんでも夏休みの一戦以来急激に距離が縮まったらしい。

 

「あれで会長とも距離がつめられればいいんだけど、な。……今のお前には何言っても無駄か。」

 

 そう言いながらイッセーはダイスケに言葉をかける。

 

「当たり前だ。今の俺にはあいつらをどうやって苦しめてやろうかしか頭にない。」

 

 やれやれ、となるイッセーであったが、重圧は突然やってくる。木場がイッセーの肩に手を置いてこう言うのだ。

 

「イッセーくん。部長不在の今、仮としての僕たちの王を君にやってほしいんだ。」

 

「お、俺!?確かに俺は将来王になろうとはしているけど……いいのか?」

 

 戸惑うイッセーに木場はうんと頷く。

 

「昼間の一銭、君は土壇場とはいえあの場で誰よりも冷静に大局を見ていた。そして、指示を出した。あれが正しいものだったかはわからない。でも、僕らは無事だった。だから、僕はあの場では君の指示は的確だったといえる。だからこそ、今夜は君の指示で動きたいんだ。」

 

 その横からゼノヴィアも同意する。

 

「そうだな。私やイリナ、アーシアは指示をもらう立場の方が動ける。昼間のイッセーはとっさとはいえよくまとめた。リーダーに向いていると思う。」

 

「同意ね。だけど、イッセーくんが無茶して前に出すぎるっていうのはなしよ?」

 

「そうです、無茶は禁物です。私たちも支えますから。」

 

 イリナとアーシアも続く。

 

「私はこのチームに入って間もないので、チームでは先輩のイッセーくんにお任せします……うぷ。」

 

 具合の悪そうなロスヴァイセも同意した。問題は眷属ではないヒオとマナとガメラだが。

 

「そうですね。ダイスケくんは今頭に血が上っている状態ですし、冷静な判断ができるというのなら貴方に任せてもいいでしょう。」

 

「私は別に誰が指揮しようとかまわん。体を動かせればそれでいい。」

 

「我の最優先は柳星張。それに口出しをしないのなら従おう。」

 

 どうやら合意のようだ。

 

「……よし、わかった!ここは俺が司令塔になる!みんな、ついてきてくれよ。」

 

 そのイッセーの言葉に、一同は頷いた。

 

「悪い、ちょっと話し込んじまった。」

 

 匙もこの場に合流する。これで役者はそろった。

 

「それじゃみんな……いこうか!」




 買い物して帰ってきたら祖母が土気色の顔でぶるぶる震えていたのであわてて119にかけました。熱中症かと思ったら胆管結石で手術もあっさり終わり無事退院できたので一安心です。皆さんも体の異常を感じたら無理せず、すぐ病院に行きましょう。この季節は熱中症もありますからね。
 こんな風に突然更新がぱたりと止まることもありますが、これからもまったり更新していきますのでよろしくおねがいします。
 なお、感想などもお待ちしております。いつでも待ってますのでどしどし送ってきてくださいね。皆様から頂く感想はオンタイセウの活力となります。
 それではまた次回。いつになるかは分かりません!!!
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