ハイスクールD×G 《ReBoot》   作:オンタイセウ

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 艦これイベントの真っ最中ですが、何とか投稿まで持ち込めました。
 そして今回、あとがきで重大発表があります。


VS71  無事に家に帰るまでが修学旅行

 曹操が逃げた後、九尾の御大将はすぐに玉龍とヴリトラによって鎮圧された。だが、その眼はまだ洗脳の色を残し、意識が戻らなかったが初代孫悟空とイッセーの乳語翻訳の応用技と九重の必死の呼びかけで無事意識を取り戻し、元の姿に戻った。

 そのあとは絶霧の結界は解け、一同はそれぞれ戦後の処理に当たった。ただし、ダメージの大きい木場や匙たちは担架で搬送。榛名は大事をとって堕天使の息がかかった京都市内の病院に搬送された。

 そして今、ダイスケは病室で榛名に付き添い今までに起きたことすべてを話した。

 

「――って、訳だったんだ。信じられないかもしれないけど、これが真実だ。」

 

「……信じます。だって、ダイスケ君が言う事ですから。」

 

 ベットに横になる榛名がそう言う。そんな榛名に、ダイスケはある提案をする。

 

「いちおうな、記憶を消すこともできるんだ、アザゼル先生たちは。なんだったら、俺から頼んで捕まっていた間の記憶を消すことだってできる。望むのなら――」

 

 だが、榛名は首を横に振った。

 

「――いいえ、消しません。」

 

「いや、だってさ。柳星張に捕まっている間、とても嫌な感じだったんだろう? 無理に覚えてなくていい、いやなことくらい忘れても俺はいいと思う。」

 

「たしかに、そうです。あのとき、私じゃない私の声がして、ダイスケ君を殺すといいました。あれを聞いたとき本当に嫌な気持ちになりました。……でも、それを忘れたらダイスケ君が私を助けてくれたあのときのうれしい気持ちも忘れることになるんです。それだけは……いやです。」

 

「榛名……。」

 

「あの時、本当にうれしかった……。小学生の時、先生に責められた私をダイスケ君が助けてくれたときみたいで。あの気持ちを忘れるくらいなら、あの時のことも忘れずにいたい。それだけです。」

 

「……わかった。先生にも伝えておく。きっともっと詳しく裏の世界のことを教えてくれるはずだ。」

 

「はい。」

 

 そう言ってダイスケは榛名の肩まで布団をかぶせてやる。

 

「俺、ずっと付き添いできるから、してほしいことがあったら言ってくれよ? 明日にでも退院できるらしいから、一緒に帰れるぞ。みんなとは時間的に違う新幹線でだけどな。」

 

「はい。あ、すいませんけど、お茶を買ってきてもらえますか? 私、点滴を打っているうえに絶対安静なので……。」

 

「わかった。買ってくる。」

 

 榛名に渡された財布を持って、ダイスケは病室を出ていく。そして、榛名はカーテンを開けて病室の窓から夜の京都の街並みを眺めながら考える。

 柳星張が言ったことがずっと気になっているのだ。あのときいわれた「ダイスケと一つになる」という言葉。その言葉に榛名は激しく惹かれてしまった。

 あの時、自分が指摘されたダイスケのへの好意。それはまだ自覚できないがあると確信できる。そのうえで多くいるライバルたち。彼女たちと差をつけるには柳星張の言うとおりにしたほうがよかったのではないかとあのとき思ってしまったのだ。

 当然、理性と良識が邪魔をした。だからはっきりと嫌と言うことができた。だがもし、柳星張の言う事、いやもう一人の自分が自分の望みに最も近いのであればそうするべきなのか。

 そう思い悩む榛名の胸元で、あのクリスタルのネックレスが怪しく光っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「別に見送りに来なくてもいいのに。」

 

「いいえ、柳星張を倒す手伝いをしてくださった恩人を見送らないわけにはいきません。」

 

「そうだ。それに共に戦った仲間に餞別を渡すのは当然。京の漬物の詰め合わせだ。家で食べるといい。」

 

 ヒオにたしなめられ、マナからは漬物が入った紙袋を手渡されるダイスケ。ホームにはこれから新幹線に乗るダイスケと榛名、そして付き添いで残ったアザゼルが、ヒオとマナの見送りを受けていた。

 

「今回の件に関してはあなた方にはお礼の言いようもありません。どうかこれからもこの協力関係を……。」

 

「もちろんだ守護神殿。八坂の御大将とも俺たちの意見は一致している。こちらからもこれからもよろしく頼む。そして礼は俺からも言わなければならない。……うちの生徒を助けてくれて、本当にありがとう。一教師として礼を言わせてほしい。」

 

 頭を下げるアザゼルに合わせ、榛名も礼をする。

 

「お顔を上げてください。河内さんを助けたのはダイスケ君ですし、それを手伝うのは守護神の役目です。お気になさらずに。河内さんも、どうかこれに懲りずまた京都へ遊びに来てくださいね。今度は私たちがご案内いたします。」

 

「護衛なら私に任せろ。何せこれでも破壊神だ。」

 

「はい、お気遣いありがとうございます。」

 

「そういえばアーロン……もといガメラの姿が見えないけど。」

 

 ダイスケが辺りを見渡すがどこにもその姿はない。

 

「ああ、彼は特自のほうに行きました。なんでも向こうから部隊を助けてもらった礼として異星人由来の治癒技術で右腕を再生させるとか。」

 

「それに、しばらくは世界を放浪するつもりらしい。柳星張の眷属が残っているかもしれないそうだからな。それを探し出すとのことだ。肉体の持ち主の意識もそのうちに回復してくるだろう。」

 

「そっか、あいつも道を見つけたか。」

 

 ちょうどそのタイミングで発車の時刻を知らせるアナウンスが流れる。

 

「じゃ、俺たちもそろそろ乗るか。それじゃあな。また会おう。」

 

「お二人ともありがとうございました。このとこ、忘れません。」

 

 そう言って榛名は若干ふらつく足取りをアザゼルに介助してもらいながら車両に乗り込む。

 

「じゃ、俺も行くわ。二人とも、本当にありがとう。それじゃあ――」

 

 そうい言ってダイスケが手を差し出して二人と握手する。

 

「今度もし一人でいらしたら京の女の良さというものをその身で存分に味あわせて差し上げますわ。」

 

「いや、お前は私と一緒で(インファント)の女だろ。」

 

「あー、その……光栄に思います。」

 

「ふふっ、エリザベスさんに伝えておいてくださいね?調子に乗っていられるのも今のうちだって。」

 

「いずれまた手合わせしよう。その時は全力で、だ。」

 

「……勘弁してくれ、両方とも。」

 

 そう言い残し、ダイスケが車両に乗るとドアは閉められた。閉じられたドアの向こうではヒオとマナが走り始めた後もずっと手を振り続けてくれた。

 その見送りにこたえてダイスケも彼女たちの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。

 さあ、この線路の行きつく先は、これまでとは少し違うがそれもいつも通りの駒王町の生活――

 

 

 

 

 

 

 

 そのとき、権藤一佐と黒木特佐は京都のとある大学に足を運んでいた。

 

「こっちはまだ柳星張探索の後片付けがあるっていうのに……いったい何の呼び出しだよ、ここの大学様は?」 

 

「わかりません、防衛機密にかかわるなにかだ、としか。」

 

 案内された研究室のドアを開くと、そこは見事に散乱していた。警察の鑑識も入っているので産業スパイによる窃盗事件だろうか。担架で運ばれる死体もある。足元には不要であったのか「抗核エネルギーバクテリア」と書いてある資料や「オルガナイザーG1存在の可能性」と題された資料が散乱していた。

 

「伊集院教授、お連れしました。」

 

「ああ、ご苦労。申し訳ありません、こちらが散らかっているので応接室にご案内いたします。」

 

 伊集院といわれた男が権藤と黒木を応接室に通す。

 

「はじめまして。わたくし国立物理化学研究所所属の物理学者の伊集院の申します。いや、東京の研究所にいたのですがこっちの惨状を聞いて今日一番の便で駆け付けたのですが……。」

 

「いや、さっきのは酷かったですなぁ。……産業スパイですか?」

 

「ならまだいいのですが……ですが、おそらくもっと性質の悪いものかと。」

 

 そういいながら伊集院は二人に一枚の紙を見せる。どうやらレポートの表紙らしい。その題を黒木が読み上げる。

 

「……『酸素原子構造解析による極小元素破壊挙動について・芹沢大助』。――これは?」

 

「盗まれた研究資料の中で唯一残っていたものです。おそらく、わざと残したんでしょう。ですが、問題は持ち去られた方の資料です。もしあれが世に出れば――」

 

「いったいなんなんです?その、研究の内容は?」

 

 痺れを切らせた権藤が訪ねる。

 

「私の研究は、ここで研究をしていたそこに名のある芹沢大助教授の研究を受け継いだものです。本人とは面識はないのですが……。彼の研究はまず、酸素原子の徹底的解明でした。それがとんでもない副産物を生んだのです。」

 

「副産物?」

 

 黒木の問いに伊集院が答える。

 

「『オキシジェン・デストロイヤー』……水中の酸素破壊剤です。もし、これを使用すれば効果範囲内の水中酸素をすべて破壊したうえでその中にいた生物もすべて溶かして葬り去ってしまう……砲丸大のものが一つあれば東京湾なら一日で壊滅です。」

 

「そんなものが……。」

 

「それだけではありません、万が一大気中でこれを使用したとなれば効果範囲の生物中の水分内酸素はすべて破壊されまた同じように……水産資源への打撃という点で見ても十分すぎる破壊力をもつものです。グラム当たりの効果範囲と破壊力だけならまさに原水爆以上の脅威です。」

 

 額に流れる汗をぬぐいながら、伊集院は続ける。

 

「私の研究はこれの基礎技術から発展した極小酸素原子、『ミクロオキシゲン』です。これは養殖栽培漁業における魚類の個体の巨大化や作物の巨大化につなげられるものです。もちろん、極小原子による脆性破壊など危険な面もありますが、それでも平和利用のための研究です。ですが、ここまでできるミクロオキシゲンですら、オキシジェン・デストロイヤーにつなげるには何段階もハードルがあります。ですが、犯人があの資料を奪ったということはオキシジェン・デストロイヤーを生産するだけの技術があるという事なのです。」

 

「つまり、犯人はその危険物質を用いて大規模破壊を目論んでいると?」

 

 黒木の言葉に伊集院はうなずく。

 

「そうとしか思えません。オキシジェン・デストロイヤーはミクロオキシゲンと違い応用が効く技術ではないのです。ただ、破壊のための存在するもの。産業でつかうというのならミクロオキシゲンの研究を狙うはずです。ですが犯人はそれをしなかった。まっすぐにオキシジェン・デストロイヤーを狙った。目的はただ一つ。破壊のためです。」

 

「それで、我々特自にどうしろと?」

 

 権藤が訪ねる。

 

「オキシジェン・デストロイヤーは強制的に無酸素状態を引き起こします。それのよって地球の無酸素時代の生物がよみがえる可能性があるのです。これに警戒していれば、おそらく使用ないし実験の兆候をつかめるはずです。私からも生物調査チームと連携して調査に当たります。ですが、復活した生物が酸素環境で激変して怪獣化する恐れもあります。」

 

「なるほど、そうなったら我々の出番、と。」

 

「はい。協力体制に関しては後程――」

 

 伊集院との話し合いは長く続き、話は夕方までに及んだ。

 その帰り道のことだ。

 

「黒木、そういえば研究室から運ばれた死体、見たか?」

 

「ええ、首元に二か所の刺し傷、その後体液を吸い取られたかのような遺体……。」

 

「何が言いたいか、わかるか?」

 

「ええ、当初南飛鳥村を襲い、住民を殺害したのは柳星張と思われた。しかし、死体の刺し傷と柳星張の攻撃手段では全く違い傷が残る。その死体の刺し傷は先ほど搬送された死体のものと同じ。つまり――」

 

「ああ、この事件、裏の世界の……それも報告と照らし合わせれば禍の団、英雄派が関わっている可能性がある。下手すりゃ昨日の京都の騒ぎも陽動の可能性があるぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「京都での実験は失敗に終わった。だけど()()の方ともう一つの計画の方は調整が進んだよ。近いうちにお披露目できそうだよ、曹操。」

 

「それは何よりだよ、ジークフリード。そうか、彼女はうまくやったか。」

 

「ええ、あなたたちが表で派手に暴れたおかげでうまくいったわ。量産型獣具を作り出せるほどの技術を持つミレニアンたちの協力があれば、この資料を基にすぐにでもオキシジェン・デストロイヤーを少量でも生産できるわ。」

 

「噂をすれば何とやら、だな道満。ネタの仕込みの方はうまくいったのかい?」

 

「もちろん、あれは彼女にしっかりと渡したわ。そろそろ魂に定着を始めたはず。柳星張がいい刺激になったでしょう。彼がそばにいるというだけで定着もうまくいく。計画を実行に移すのと同じタイミングで覚醒できるはずよ。」

 

「いいね。でも、向こうもオキシジェン・デストロイヤーを盗んだのが僕らだって気づいてるころじゃないかな。何しろ証拠が残っちゃってるし。」

 

「しょうがないわ、柳星張に確実に餌を届けるには私の群体吸血死蟲(チーム・ショッキラス)を使うしか手がなかったもの。わざわざショッキラスに血を吸わせてから柳星張に与えなきゃああも効率よく急成長はしなかったわ。」

 

「過ぎたことは仕方がないではないか。余はそれよりもそのオキシジェン・デストロイヤーを基に作る怪獣と獣具が気になる。」

 

「そっちも大丈夫よ。適合する生物はレイナルドが作ってくれたし、今は順調に進化し続けているわ。獣具の完成も計画発動には間に合わせられるわよ。で、曹操。やるのね?」

 

「ああ、赤龍帝と怪獣王を両方相手どることになるんだ。パワーアップは必要さ。」

 

「はははは! 曹操、卿も我らの仲間入りか!!」

 

「ああ、その時はご指導ご鞭撻よろしく頼むよ。」

 

「でも赤龍帝にやられた眼と、左腕はどうするんだい?」

 

「まあ、もうだめだな。使い物にならない。ふふっ、やられたものだ。」

 

「フェニックスの涙をわざと使わないとはな。で、卿に代わりのあてはあるのか? いずれ代償を奴らに払ってもらう気か?」

 

「まさか、三流の悪役じゃあるまいし。まあ、代わりの目はペルセウスが何とかしてくれるらしいし、左腕も義手で何とかなるだろう。これはいい勉強になったさ。この傷は記念だよ。――まったく、彼らは俺をどこまでも楽しませてくれる。楽しいなぁ、まったく。」

 




 ということでいろいろな陰謀が渦巻きながらも終わった修学旅行編でした。
 そして重大発表ですが……しばらく投稿できません。個人的に何かあったとか、PCがぶっ壊れたとかではありません。書き溜めていた5話ほどあった短編が設定や時系列の齟齬が見つかり一気に没になったのです。文字数にして約六万字が一気にパーになりました。また書き溜めを作らなければならないため、しばらく籠って書くことにします。
 なお、感想などもお待ちしております。いつでも待ってますのでどしどし送ってきてくださいね。皆様から頂く感想はオンタイセウの活力となります。
 それではまた次回。いつになるかは分かりません!!!
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