艦これで節分の豆を集めて銀河を手にしていました。あ、やめて、季節外れの豆投げないで。
それは置いておいてうれしいお知らせが。なんとマサリー様から二つ目の評価☆10をいただきました! 高評価ありがとうございます!!
「
『Change Solid Impact!!』
イッセーが剛腕でダイスケに殴りかかる。以前サイラオーグと手合わせした時は生身でいなされたが今はあの時以上に強化されている。それでも、
「もう一発!」
ラッシュの最後にダイスケは体内放射込みの拳を叩きこんでイッセーの顔面で爆発させる。
しかし、イッセーはその爆発の威力を利用し、バク転で一旦距離をとった。
「
『Change Fang Blast!!』
両肩のキャノンから放たれる閃光はダイスケを包み込む。膨大な魔力とオーラだ、普通ならただでは済まない。
だが、ダイスケは非対称性透過シールドでこれを完全に防ぎきって見せる。
「くっそ、やっぱチートだろ、そのバリヤー!!!
『Change Star Sonic!!』
スピードに関して言えばイッセーに分がある。ダイスケには追いつけないスピードでまず攪乱、そしてアスカロンの刀身を籠手から出してダイスケに切りかかった。
だが、追いつけないからと言って反応できないというわけではないのだ。ダイスケはすぐさま熱線剣を生み出してこれを受けきる。
「まだだっ、アスカロンに譲渡!」
『Transfer!!』
高まったエネルギーがアスカロンに譲渡され、その破壊力が増す。そして、勢いのままに熱線剣をへし折る。だが、ダイスケにとってはそれも想定内。武器破壊の衝撃をうまく逃がすと、アスカロンを振り切ったイッセーの腹に一撃を入れる。
「グっ……!」
腹部を抑えながら、イッセーは後方へ飛ばされていく。だが、この間に仕込みはできた。
『Cardinal Crimson Full Dlive!!!!』
「
飛ばされている間に呪文を唱え終え、着地した瞬間にイッセーの鎧は真紅の鎧と化した。
『Star Sonic Booster!!』
ドラゴンの翼が開き、イッセーが超高速でダイスケに向かう。それに対しダイスケも電磁化と電磁加速で真っ向から向かう。そしてお互いに拳が届く距離に近づいた時、二人は自分の拳を最大限に弓を引くように引いた。
『Solid Impact Booster!!』
イッセーの引いた右腕に剛腕化した際のエネルギーがたまる。対してダイスケの拳には体内放射の爆発力が秘められている。
そのお互いの拳が放たれ、炸裂した。その衝撃は周囲の岩はこの粉々になって吹き飛ばし、クレーターを形成させるほどだ。お互いにダメージが通るが、だが、まだ決定打ではない。
お互いに超至近距離。イッセーは翼に格納したキャノンをダイスケに向けて展開、そしてダイスケはそのマスクのクラッシャーを開く。
「クリムゾンブラスター!!!」
『Fang Blast Booster!!』
圧倒的魔力とオーラの奔流に対するは螺旋描くスパイラル熱線。が、それにとどまらない。熱線は徐々に赤みを増し、真っ赤な熱線に変わる。これがダイスケが最近編み出した赤色熱線だ。本来、炎の温度は赤よりも青が強い。なのになぜこの場合は赤くなるのか。
それは熱線の周囲までも燃えているためである。大気が熱線の熱で自然発火し、その勢いが激しいから真っ赤な熱線になるのである。
相対した互いの最大火力攻撃はぶつかり合い、大爆発を起こす。その余波でイッセーもダイスケも吹き飛ばされるが、吹き飛ばされる度合いとしては、イッセーのほうが大きかった。
これはダイスケの火力のほうが大きかったということだろう。しかし、イッセーはすぐに体勢を立て直して第二射を放とうとした。が、しかし。
「時間切れだよ、二人とも。お疲れ様。」
木場がタイマーを止めてそう言った。
*
「紅の鎧、展開時間が短くなったな。」
「まあ、慣れだろう。そっちはいいよな、
「一応、前の鎧から始めることもできるんだけど、特にメリットもないし、その……恥ずかしい呪文言わなくて済むからな。」
「恥ずかしいとかいうなや。真女王になるたび俺、毎回あの呪文言ってるんだぞ。」
今日はトレーニング空間でグレモリー眷属とダイスケたちの共同訓練の日だ。ウォームアップの後に本格的な実戦形式の一対一の模擬戦をやるのがメインになる。その一戦を終え、イッセーとダイスケは反省会中だ。ちなみに今はゼノヴィアとエリーの戦いのさなかだ。
「エリーさん頑張ってるんだな。お、デュランダルの斬撃を獣具で真剣白羽どりして返した。」
「あ、ゼノヴィアもろに喰らったぞ。でもまあ、あいつなら無事だろ。……まあ、獣具にも禁手が見つかったわけだし、張り切るか。無茶だけはしないでほしいけどな。」
「で、俺らの方の反省点だけど……。」
そんなこんなで先ほどまでの模擬戦で互いに戦いあった感想を語る二人。バトルスタイルがもともと似ている二人である。お互いに有益な自分の実際の動き方などの情報を得ていくことでより的確な動きを目指すことができる。
あらかた語り合った後、興味は別の話に移る。
「そういえば、サイラオーグさんのおふくろさん、目が覚めたってな。」
「ああ、それは本当によかったよ。」
前回のテロ騒ぎの後、サイラオーグに一つの知らせが届いた。それは眠りの病に侵された母ミスラが目覚めたというものであった。
イッセーの
「低級から中級への昇格おめでとさん。」
「まだだよ。試験を受けて、それからだ。スタートラインに立ったってだけのこと。」
そう、前回のテロのあと、冥界政府から正式にイッセー、木場、朱乃の三人に中級悪魔への昇格試験受験が許されることになったのだ。
「でもこっちは学校の中間テストも控えているわけだしなぁ。昇格試験の学力テストと実力テスト、どっちも不安なんだよ、俺はぁぁぁぁ!!」
「大丈夫ですわ。サーゼクス様より下命承った私がしっかりとイッセーさまをサポートいたします。何せ魔王様直々に命ぜられたマネージャーですから、わたくしは。」
そう言ってイッセーにスポーツドリンクと新しいタオルを渡すのはレイヴェルだ。実は彼女は先日サーゼクスより直々にこれから忙しくなるであろうイッセーのマネージャーをするように言われたのだ。
木場と朱乃は冥界にまだなじみがあるからいいとして、イッセーはつい最近悪魔になったばかりで冥界の事情には疎い。なのにおっぱいドラゴンなど活躍の場が広がっているため個人の負担が大きい。なのでフェニックス家の子女であるレイヴェルに白羽の矢が立ったのだ。
ついでに言うと、ロスヴァイセは今この町にはいない。前回の戦闘で自分の至らない点が見えたらしく、北欧に一時帰還し、ヴァルキリー時代のつてを使ってこれまで攻撃魔法重視になっていた点を見つめなおしに行くらしい。
そういうことで現在、いたりいなかったりする面々はいるものの、イッセー、木場、朱乃の三人の昇格を中心に動いているのがいまのグレモリー眷属の動きだ。
「ご安心くださいませ、イッセーさまならば必ず昇格できますわ!」
「いや、わかんないって。学力テストは勉強するからいいとして、実力テストがなぁ。」
「まぁなぁ。仮にもお前と同期でやる奴が多いわけだろうし、そういうやつは俺らと一緒で実戦経験も組んでいる奴が多いだろうからなぁ。大変だな、お前。」
「いいよな、中間テストだけの奴は。何か不得意科目ないのかよ。」
「とくになし。平均点以上は大体いつも出てる。」
「あら、意外に成績優秀ですのね。」
「そうなんだよ。こいつ英語は爺さんに小さい時からすげぇ難しいの習ってるし、数学とかも叩き込まれてるんだよ。」
「弾道計算できまーす。」
「いや、普通いませんから。弾道計算できる高校生。」
「まあとにかく、明るい話でもちきりなわけだ、今は。今までがいろいろあった分のご褒美みたいなもんだ。」
思えば前学期の初めごろからいろいろな目にあってきている。そのどれもが生死に関わる死線ばかり。こういった明るい話題が並ぶのはめったになかった。
だからこそ、イッセーはこう思う。
「このまま何事もなく、試験を終えられるといいなぁ。」
「うーん、フラグっぽい。」
*
数日後のことである。
兵藤家にアザゼルが呼んだという来客が来るというのだ。
だが、どうも曰くつきらしい。アザゼルが言うところが確かならその来客はヴァーリがらみの人物で「合えば確実に警戒、ないし敵意殺意を抱く」という相手らしい。
そんな人物を連れてくるなと言いたいところだが、どうもかなり重要な人物らしくアザゼルが珍しく真面目に来訪の許可を申し出てきたため受け入れることになった。
本当なら重要な試験の前だ。お断りするのが普通だが、アザゼルたっての真剣な頼みである。小猫の発情期という問題もあったが全員が承諾した。
その場にはダイスケも来てほしいということで今日はダイスケも兵藤家に朝早くからお邪魔している。ダイスケが到着して二時間ほどたった後だろうか、ピンポーンとインターフォンが鳴った。
イッセーが出迎えに行き、そしてすぐに叫び声が聞こえた。
「お、お、お、お、お、オーフィスゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!?????」
イッセーの叫びに眷属全員プラスダイスケが玄関に急行すると、それは本当にそこにいた。
禍の団首領にして最強の無限の龍。まごうことなきこの世界最強の存在であるオーフィスがまるで親戚の家に遊びに来た子供のよう(実際幼女の姿だが)にそこにいた。
当然全員が戦闘態勢に入るが、そこにアザゼルが間に割って入る。
「待て待て待て! 言ったじゃねえか、だれが来たって殺意は抱くなって! 攻撃は無し! 向こうも攻撃してこねぇ……っていうか、束になっても勝てねぇよ。」
「冗談じゃないわ、アザゼル! なんでこの家に敵の首領が来るのよ!! こいつは全世界に被害を与えているテロリストの親玉、いわば私たちの怨敵よ!? こいつがここにいるということはこの街を警備する者にも黙って、いえ、むしろ騙してまで連れてきたのよね!?」
この駒王町は三大勢力の重要拠点の一つである。となれば当然各勢力から防衛を担当するスタッフが多数派遣されている。それらが現在何の異常も報告してこないということはアザゼルがそのスタッフすら煙に巻いてオーフィスをここまで通したということだ。
さらに、このことに関してはサーゼクスやミカエルから何の話も来ていない。ということはこれは同盟関係である悪魔と天界に対する背信行為でもある。
「これは協定違反よ、アザゼル! どうして誰よりも協調を訴えていたあなたが……。」
リアスはヒートアップしていたが、徐々にその熱が冷めていく。
「……そうよね。誰よりも協力体制の重要性を説いていたのはあなただわ。そのあなたが私たちのだれにも黙って進めいていたこのオーフィスの訪問、何か意味があるのでしょう。」
「すまねぇ。確かに俺はこいつをここに招き入れるために大勢を騙している。それも、大事な同盟仲間を、このおれ自身がだ。だが、こいつの願いは、もしかしたら禍の団の存在そのものを根底から崩すことにつながるかもしれないんだ。これで無駄な血が流れるのを防げるのなら、俺はこのチャンスを生かしたい。改めてお前たちに、謝罪し、願う。――頼む、こいつの話を聞いてやってはくれないか。」
そう言ってアザゼルは頭を下げる。普段ちゃらんぽらんで子供がそのまま大人になったような言動で周囲を振り回す男ではある。だが、それと同時に堕天使の長であるという矜持を決して捨てない男であるということも知っている。
そんな男が頭を下げたのだ。それに、これまでイッセーたちが生き延びてきたのはこの男の導きがあったからこそだ。ならば、今回も信じてみてもいいのではないかとイッセーは考えた。
「俺、先生を信じますよ。先生のやることです。意味があることだって……信じます。」
そいってイッセーは出していた籠手をしまい、戦闘態勢を解く。そんなイッセーを見て、他の眷属たちもひとりづつ矛を収めて行った。
「……まあ、俺も先生には世話になってるし、信じますよ。その代わり、何かあったら真っ先にオーフィスの首もらいに行きますよ。たとえ敵わなくても。」
ダイスケもこれまでのアザゼルの行動を基に彼を信じることにした。
「ハァ。それで、彼女を上にあげてお茶でも出せばいいのかしら? オーフィスだけっていうんじゃないんでしょう。」
リアスがそう言うと、玄関先に魔方陣が出現し、そこからいかにも魔法使い然とした格好のルフェイといつも通りの崩した和装の黒歌があらわれる。
「ごきげんよう、みなさま。京都ではお世話になりました。」
「おひさ~、赤龍帝ちん。相変わらずおっぱい好きなのかにゃん?」
「どういう組み合わせだよ……本当にこれだけか?」
「いえ、もう一人、というか一匹……。」
そう言うルフェイの背後から灰色の毛並みの大型犬、いや狼が現れる。それは紛れもなくかつて戦ったフェンリルである。
「フェンリルちゃんです。ああ、大丈夫。むやみやたらに噛む子ではありませんから。」
ルフェイの言葉通り、フェンリルにかつて見たような凶暴さは感じない。敵意もこちらには向けていないようだ。だが、それでも怖いものは怖い。
相手は獣なので何をするかわからないとイッセーとダイスケが警戒するが、その二人に向けてオーフィスは指を突き付けて言う。
「我、この二人、話したい。」
「ほんとうにすまねえ、相手してやってくれ。このセッティングのために俺は自勢力までだましてるんだ。もしこれがばれて悪いほうに転がったら比喩じゃなく俺の首が飛ぶ。」
「……わかってますよ。」
「……最強の存在とティータイム、か。」
かくして一同は歓待用のVIPルームにオーフィス一同を通す。
「お茶ですわ。」
朱乃が警戒しながら紅茶とお茶請けの菓子をオーフィスとヴァーリチームに差し出す。その反対側ではピリピリとした空気でグレモリー眷属(ギャスパーと小猫除く)とイリナが警戒している。オーフィスが来たと知らせを聞いて文字通り飛んできた木場などオーフィスやヴァーリチームの一挙手一投足を注視している。
小猫は発情期のせいで具合が悪いということなのでギャスパーがついている。一応診てくれる者がいるので安心だ。
(……あの、具体的には何すればいいんですか、先生。)
イッセーが耳打ちしてアザゼルに尋ねる。
(どうも奴はお前たち二人に興味があるらしい。とりあえず、質問されたら答えろ。これはあいつを理解する俺たちにはいい機会だ。)
(だからって下手に答えて即戦闘で皆殺しってのもあるでしょうよ。こっちの何気ない一言で奴さんが切れたらどうするんです。)
(その心配が一番強いのがダイスケ、お前なわけだが……まあそうそう簡単に切れるような奴じゃあない。足元の有象無象の言うことにいちいち腹を立てることはないさ。それに、グレートレッド以外にはそんなに敵意を抱いていないはずだ。いいか、お前らは各勢力のいわば代表、いいお茶会にしろ!)
((そんな無茶な!!))
そそくさと二人のそばを離れるアザゼルに抗議しながらも目の前の相手を見る。確かにこちらに敵意の類はむけていない。むしろ興味を抱いている様子なのは間違いない。ならば質問を引き出すまでだ。
「えーと、俺たちに興味があるというお話でしたけど、いかようなお話なのでしょうか……?」
オーフィスは勇気をもって第一声を放ったイッセーに向けて問う。
「ドライグ、天龍やめる?」
「えっと、つまりどういう……?」
「宿主の人間、今までと違う成長している。我、見ていて不思議。いままでとちがう。ヴァーリも。それが不思議。曹操との戦い、先日の戦い、ドライグ、違う進化した。鎧、赤から紅になった。これ、我の知る限り初めてのこと。」
どうやら組織のトップにまでイッセーたちの成長の情報は届いているらしい。オーフィスにも耳に入れているということはよほど組織として禍の団は警戒しているのだろう。が、そんな気配はおくびにも出さずオーフィスは続ける。
「だから、訊きたい。ドライグ、一体何になる?」
これまでのイッセーの成長は我武者羅に続けた努力とひとえに乳のおかげだ。イッセーは自分ですらこの後自分がどうなるのかなんてわからない。もとより歴代でイレギュラーなのだ。誰が「何になる」という答えを知っているというのか。本人ですらわからないのである。
だからイッセーは何を言っていいのかわからない。答えに困るイッセーだったが、代わりにドライグが籠手を出してその宝玉から答える。
『それは誰にもわからんよ、オーフィス。こいつが何に変貌するのかなんて誰にもわからんさ。ただ、面白い成長をしようとしているのは事実だ。』
「二天龍、我を無限、グレートレッドを夢幻として、『覇』の力の呪文に混ぜた。ドライグ、なぜ、覇を求めた?」
『……力を求めた結果さ。その末に俺は滅ぼされた。『覇』以外を高めようなんてあの時は思いもしなかった。俺の赤が紅に変わるなんて、なおさらだ。』
「我、『覇』、わからない。禍の団の者たちも『覇』、求める。わからない。グレートレッドも、我も、『覇』、違う。」
『最初から強い奴が、『覇』なんて理解できるわけがない。お前も、グレートレッドも別次元の存在だったのだろう。方や無限の無から、方や夢幻の幻想から。オーフィスよ、お前はこの世界に来て、何を得て、なぜまたもといたところに帰ろうとする?』
「我、ただ静寂がほしいだけ。ならば、我も尋ねる。ドライグ、なぜ違う存在になろうとする? 『覇』捨てる? その先に何がある? ドライグ、乳龍帝に変わる? ドライグ、乳をもんで天龍超え、乳を司るドラゴンになる?」
その質問を聞いたドライグが宝玉越しにわかるほど呼吸が荒くなる。
『うっ! こ、こいつまでそんなことを……。うぅ! ひひゅー、ひひゅー、うぅあああああ、あ、ああっ、い、意識が朦朧としてきた。た、たのむ、カウンセラーを! せめて薬をくれぇぇぇぇぇ!!!!!』
「お、落ち着けドライグ! ほら、薬だ!」
実は最近、ドライグは心を病んだ。すべてイッセーが起こす乳の奇跡のせいだ。
ドライグ自身は変わった奴が相棒になったのだ程度に最初は思っていたが、ところがどっこい、命の危機をすべておっぱいで乗り切るうえにその言動のせいで「大いなる赤の天龍」から「おっぱいドラゴン」という卑猥かつわけのわからない存在として世間に認知されてきているのだ。プライドの高い、それも龍の中の龍である天龍のドライグの孤高のプライドがマッハで削られているのである。
自尊心と存在意義をゆがめられたものがどのようになるか、それは明白。ドライグは徐々に心を病み、ついにカウンセラーと定期投与される液薬を宝玉にかけてもらわねば心の平穏を保てない状態に追い込まれていた。
「大丈夫か? なんならカウンセラーさんに緊急回線で通信つなぐか?」
『い、いや、大丈夫だ。すまん、取り乱した。だが、少し休まさせてくれ……まさかオーフィスからも言われるとは思いもしなかった。』
そう言い残し、イッセーの籠手と宝玉は姿を消した。
「えっと、すいません、うちのドライグがこの調子で、俺も話についていけそうにないんで俺への質問はここまででお願いできますか?」
「わかった。ドライグ、具合悪いなら、しかたない。なら、質問、変える。ゴジラ、宿すもの、訊きたい。」
そう言ってオーフィスは視線の先をダイスケに向ける。
その瞬間、イッセーたちの緊張の度は増した。なにせいままで敵対者と必ず場の空気も読まず口論になってきた歴史があるダイスケだ。いったい何をしでかすか分かったものではない。
「……いや、さすがに今回は空気読むから。で、なんなんですか。訊きたいことって。」
「まず、我の蛇、喰った。与えなければ得られない、我の力、奪ったに等しい。それをもって何を為す。」
依然駒王町に現れた禍の団の神器所有者に与えられていたオーフィスの蛇を殺していた時の話だろう。アザゼルも一応経緯観察をしてはいるが、特に目立った影響もないためそのままにしていた。
それがまさかダイスケがオーフィスの力を奪ったことにつながるとはだれも思いもしなかった。
「あーっと……返せってことですかね? 蛇の力を。」
「別にいい。どうせ、無限。無限にあるものを奪われても、もとは変わらない。ただ、何をするつもりか、それ、知りたい。」
「いやぁ、今のところ特に影響もないんで何とも言えないんですけど。」
「それ、ありえない。蛇の力、強大。だから旧魔王派、強くなった。なにもないとしたら……完全にゴジラに喰われた。いずれ、影響、出る。もしかしたら、もう出ている、かも。」
「嫌なこと言うなぁ。」
「事実。それから、なぜ、今になってゴジラ、目覚めた? 我も、グレートレッドも、神も力合わせたあの時から、ずいぶん経った。なのに、なぜ今まで目を覚まさなかった?」
「それは……時代の変わり目に反応したから?」
「それ、答えにならない。時代の変わり目、今までいくつもあった。なのに、ゴジラ、目覚めなかった。お前個人に、何かある。そうとしか思えない。だから、お前にも、ドライグの宿主にも興味、ある。しばらく、観察したい。」
「……それってつまり、しばらくこの町にいるってこと?」
ダイスケの問いに、オーフィスは小さくこくんと頷く。
「ということだ。しばらくこいつをここにおいておいてこれないか? こいつのこの興味が、ひょっとしたらこれがいい方向に転がるかもしれない。何の意味がそこにあるのかは俺にもわからないが……。どうだ、リアス?」
アザゼルがリアスに問う。
「イッセーが良いと言うのなら、私はいいわ。もちろん警戒は最大限でやらせてもらうし、何かあったら全力で実力行使するしかないでしょうね。それで構わないというのなら、私は呑むわ。どう、イッセー?」
「……OKです。OKですよ。っていうか、OKするしかないでしょう。まったくもう、俺はただ平和でいられればそれでいいのに何でこう……。ただ、昇格試験と中間試験が近いんで、その勉強の邪魔をしなければそれでいいですよ。」
「毎度毎度すまないな。いつも余計な負担をお前にかけさせてしまう。ただ、これが大きなチャンスだっていうことはわかってくれ。でだ、引き込んだ俺が言える義理じゃないが、オーフィス、黒歌、こいつらは大事な試験前だ。その邪魔だけはしないでやってくれ。」
「わかった。」
「どーせ私はテキトーに寛ぐだけにゃん。赤龍帝ちん、試験がんばってねー♪」
向こうも条件を呑んでくれたらしい。こうしてしばらくの間、オーフィスという爆弾を抱えつつ、試験に向けて努力しなければならない日々が始まることになった。
ということで波乱を呼ぶオーフィス来訪なVS80でした。いやぁ、やりたいことをこれからできるということで緊張で吐きそうです。
あと、活動報告にひとっつも返事が来ないので……出しちゃいますよ、第八形態。本当に出しちゃいますよ、いいんですね!? どうなってももう知らねぇぞ!!!!
なお、感想などもお待ちしております。いつでも待ってますのでどしどし送ってきてくださいね。皆様から頂く感想はオンタイセウの活力となります。
それではまた次回。いつになるかは分かりません!!!