ハイスクールD×G 《ReBoot》   作:オンタイセウ

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今回のタイトルの元ネタはPSのゾイド2から。
……なんて言ったらネタバレか?


VS8  ソウル・エクスチェンジ

はぐれ悪魔を討伐したそのあと、イッセーは衝撃的な光景に出くわした。

昨夜のイッセーの依頼主がイカれたエクソシストに惨殺されていたのだ。

さらに何の因果か、その場にアーシアがいた、つまり彼女は堕天使の側にいたということが判明する。

その場はリアスがなんとかイッセーを退かせたものの、今日の昼間に偶然、イッセーとアーシアが出逢ってしまったのだった。

そこでイッセーは彼女の過去を知る。

かつてアーシアは、神器の力を元に神の恩寵を受けた聖女として崇められていた。

が、偶然に傷ついた悪魔をそれと知らずに助け、協会から追放された。

そこまで知った時、天野夕麻(本名はレイナーレというらしい)が現れてアーシアを攫い、その狙いが彼女の神器を自分のために利用しようとしている事を知った。

そして、イッセーは見てしまった。

アーシアが別れ際に涙を流していたのを。

その上でのイッセーの選択は実に明快だった。

「アーシアを取り戻す。」この一点だった。

だが、先ほどイッセーの頬を打った者がそれを許さない。

 

「何度言ったらわかるの?ダメなものはダメよ。……彼女のことは忘れなさい。そのことより、ダイスケの心配をしなさい。昨日から連絡が取れないんだから。」

 

リアスだった。

彼女にすれば、可愛い下僕が敵であるシスターの為に命を張ろうというものだ。

ビンタの一つもしたくなるだろう。

さらにダイスケが昨日の晩から連絡を絶っているということも響いている。

イッセーがエクソシストに遭遇したときは、リアスが眷属であるイッセーと主従の契約で繋がっていたことで危機を探知することができた。

だが、眷属ではないダイスケとは何の繋がりもないので何も感じることができない。

つまり眷属ではない身内が自分たちの感知できていない何らかの自体に巻き込まれたのだ。

であれば、ダイスケの方のの案件の方に神経を向けたほうがいいのは目に見えている。

身近な人間が巻き込まれているのだから。

 

「いい?あなたはグレモリー家の眷属なのよ。そのことを忘れないで。」

 

「……じゃあ、その眷属から俺を外してください。そうすれば、部長に迷惑をかけることもなく、俺一人で行けます。ダイスケだって、一人で堕天使相手に出来るって言うし……。」

 

「出来るわけないでしょう、そんなこと。」

 

イッセーの意地の張りように、流石のリアスも呆れ顔になる。

だが、イッセーがそれほどまでに真剣であるということでもある。

友人を放っておくのか、と言われるかもしれないがイッセーはアーシアが置かれた状況の危険さをその身で感じたのが大きかった。

 

「俺、チェスの兵士なんでしょう?だったら、俺なんか捨て駒扱いで、部長はダイスケの方の心配をしたほうがいいじゃないですか。下っ端が一人消えたって――」

 

「お黙りなさい!!」

 

言ってはいけない一言だった。

グレモリー。ソロモン王が使役した72柱の悪魔の内の一柱。グリモワール『レメゲトン』によれば、それが司るのは過去・現在・未来、そして隠された財宝について知り、それを語る力。

そして、愛。

初めて依頼をこなしたあと、イッセーは『グレモリー』なる悪魔がどのようなものなのか気になって自分で調べていた。

そして、独自に朱乃や木場に自分の主がどのような人物なのか聞いてみたのだ。

それは、グレモリーの血筋は眷属に愛を持って接するということ。

だからこそ、どんなに力がない下僕だとしても一度下僕としたならば主がどれほど傷ついても下僕を守るとも語っていた。

朱乃たち他の眷属を見ても、それは真実だとわかる。

誰ひとりとして、リアスに仕えることに嫌悪を抱いていない。

そのリアスに対して放ったイッセーの言葉は、リアス本人にとっては許されない言葉だったのだ。

 

「イッセーは兵士がただの弱い駒だと思っているの?」

 

チェスのルールを知らないイッセーは黙るしかない。

 

「昨日私は言ったわよね、悪魔の駒は実際のチェスの駒の特性を与えるって。」

 

「……はい。」

 

「兵士はね、敵陣地の最奥まで進むと“昇格《プロモーション》”できるのよ。」

 

リアスの説明に、イッセーはイマイチ理解できていない。

そこへ木場が補足する。

 

「つまりさ、将棋の歩が“と金”に成るのと同じように、兵藤君が王以外のすべての駒に成ることができるってことさ。」

 

「王以外のすべての駒……じゃあ、みんなの駒の特性が俺の中に全部あるってことなのか?」

 

「祐斗の言うとおりよ。私がそこを敵陣地と認識すれば、だけどね。例えば……教会とか。」

 

ハッ、とイッセーの目が開かれる。

 

「部長、もしかして……。」

 

リアスが僅かに微笑む。

 

「それとあなたの神器だけど……。」

 

「俺の力を倍にできるんですよね。ダイスケの神器と一緒で。」

 

「ええ、でもそれだけじゃあない。神器はね、その人の想いが強ければ強いほどそれに応えてくれる。それを忘れないで。」

 

そこにいつの間にか部屋にいた朱乃が、リアスに携帯の画面を見せながら何か耳打ちする。

 

「……私は急用が出来たわ。朱乃と共に外出します。」

 

「部長……。」

 

「それと……ダイスケから連絡が来たわ。このことに関してはあなたは心配しなくていいから。」

 

朱乃は移動用の魔法陣を展開し、リアスと共に陣の中央に入る。

 

「駒一つで勝てるほど、堕天使を相手にするのは甘くはない。よく覚えておきなさい、イッセー。」

 

その言葉を最後に、リアスと朱乃は陣の放つ赤い光の中に消えた。 

 

「駒一つで勝てるほど、堕天使を相手にするのは甘くはない、か。さすがは悪魔である僕たちの主だ。上手いこと言うなぁ。」

 

「……だけど、だからこそ、そんな部長だから私たちはついていける。ですよね、祐斗先輩。」

 

それまでソファーの上で静観していた木場と小猫が立ち上がる。

リアスが教会を敵陣地と認めたこと。

駒一つでは勝てない、つまり木場と小猫にイッセーのフォローに回れという暗黙の指示。

この二つが、彼らのこの先がどうなるかを物語っていた。

 

「みんな……ごめん、俺のわがままで。」

 

「いいんだよ。部長からの指示だし、命を掛けようっていう仲間を放っては置けない。」

 

「先輩達だけでは不安です。」

 

「小猫ちゃん……。」

 

二人の心遣いに、思わず目頭が熱くなる。

だが今は喜びの涙を流すときではない。

全ては事がうまく運んだら、である。

 

「よし!それじゃあ一丁、囚われの美少女を助けに行くとしますか!作戦名は『グレモリー作戦第一号』で!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「神聖な場所とは思えねぇな、こんな殺気まみれだと。」

これがイッセーの率直な感想だった。

イッセーは、教会なんてものは中学の修学旅行で行った、広島の某観光地の教会ぐらいにしか行ったことがない。

それでも、救済を願う場所らしい荘厳さは感じることはできた。

だが、今目の前にあるこの教会はどうだろう。

荘厳さはかけらもなく、異様な殺気が立ち込めている。

 

「どうやら神父も大勢いるみたいだね。」

 

木場がその気配を読む。

 

「団体さんでお出迎えか。ほんとにみんなが来てくれて助かったぜ……。」

 

これから相手するであろう数を思い、イッセーが改めて二人に礼を言う。

勢いに任せて一人で突っ込んでいたら、間違いなく殺されていただろう。

 

「気にしないでよ、仲間じゃないか。」

 

木場がその爽やかな笑みでイッセーに微笑む。ああ、これがコイツがモテる理由なのか、とイッセーはひとり納得する。

 

「それに、個人的に神父や堕天使は好きじゃあないからね……いや、恨んでいるといっていい。」

 

「木場、お前……?」

 

端正な木場のその顔が、言葉通りの憎しみに歪む。その理由は、イッセーにはわからなかった。

すると、小猫が不意に立ち上がり、教会のドアへと無警戒に近づいていく。

 

「お、おい!小猫ちゃん!?」

 

警戒するイッセーに対して、ずかずかと入り口のドアへと向かう二人。

 

「……向こうもこちらに気づいています。」

 

「いやいや、だからって無闇に突入するのは……。」

 

「……えい。」

 

ドッバァァァアアアアン!!!

 

小猫の拳で分厚い扉が豪快にぶち破られた。

 

「俺の話聞いてた!?」

 

「……先手必勝は戦いの常です。」

 

「驚いている暇はないよ、行こう!」

 

木場が先頭になって突入する。

外からでも感じた多数の殺気に対して最初から戦闘態勢である。

だが、礼拝堂の中は無人。

あれだけ感じた多数の殺気の基となるような大人数の敵が見当たらない。

 

「やあやあやあ、感動的な再会ですなあ悪魔くん!」

 

「フリード!!」

 

イッセーが先に遭遇したエクソシストとはこのフリードである。

大人数分の殺気を感じたのに出迎えたのはフリードただひとり。

これが何を表すかといえば答えは簡単、フリード一人の殺気で大人数だと勘違いしてしまったのだ。

それほどフリードが悪魔を侮蔑し、見下しているという事の証左であるといえる。

 

「おやおや、ボクちんのことを覚えていてくれるとは涙ちょちょ切れでござんすなぁ!!」

 

「いっそのことそのまま脱水症状でくたばれよ。」

 

「おや、これまた手厳しい。……さてさて、俺としては二度会う悪魔なんていねぇと思ってたんすよ。ほら、俺めちゃくちゃ強いんで、一度会ったら速コレよ、でしたからねぇ。」

 

そう言ってフリードは手で首を切るジェスチャーをする。

 

「だからさァ、非ッ常にムカつくわけよォ。俺に恥かかせてくれたクソ悪魔のクズどもがよぉ……!」

 

そうして光の剣と銃を手にし、銃に舌なめずりをする。

 

「……アーシアはどこだ。」

 

怒りを抑えながら、イッセーは問う。

 

「ああ、あの悪魔に魅入られた哀れなクソシスターちゃんは、その祭壇の下の隠し部屋にいらっしゃいますよ?欲しけりゃどうぞお進みになって。俺を倒せればだけどねン!!だけどぉ、あんまり悠長してらんないよ!!」

 

「どう言う意味だ!!」

 

「それがですねぇ、チミ達がお間抜けに主をほったらかしにしたおかげでなんと!五十名以上の超!手練!エクソシストがチミ達の主を滅するために急行しております!!あ、もちボクちんとおんなじはぐれの方々なんですけどねィ!!」

 

「何ッ!?」

 

全く想定外の展開だった。

いや、よくよく考えれば有り得る事ではあった。

元より悪魔は堕天使からすれば滅するべき対象。

それがわざわざ本丸を手空きにして防御に使うべき人員を、本来何のメリットもない理由でわざわざ自分たちの有利な環境で迎え撃つことができるのだ。

たとえリアス達が動かないと決めていても、レイナーレは得たいものを得ることになる。

どちらに転んでも最低でアーシアの神器を、あわよくばその上にこの駒王町という一個のテリトリーを奪うことができる。

つまり、イッセーが動いてしまったことでイッセーは自分の主を不利な状況に追い込んでしまったと言えてしまうのだ。

 

「……俺がアーシアを助けようとしちまったからなのか?」

 

つくづく自分はリアスの足を引っ張っている。

そう思い、悔しさに拳を強く握るイッセー。

だが、イッセー以上にリアスとの付き合いが長い木場と小猫が言う。

 

「大丈夫。たかが五十人程度なら朱乃さんだけでも楽勝だよ。」

 

「……なんて言ったって、私達の主なんですから。」

 

その二人の目は決して嘘をついていない。

心の奥底から自身の主を信じている証拠だ。

 

「……そうだよな。きっと、部長だって俺のことを信じてくれている。だったら俺も部長を信じるだけだ!!」

 

決心がついたイッセーの中の力が一気に増幅する。

それはイッセーに眠る神器を目覚めさせるためのスターターとなる。

人の“想い”が神器の力の源とはリアスが言った言葉である。

その想いの力は既に、偶発的に神器が目覚めた時の比ではない。

 

「かー!!クソッタレの悪魔がいっちょ前に『友情・努力・勝利』ですか!?気持ち悪いったらありゃしないっつーの!!!」

 

悪魔に対する嫌悪感をこれでもかと露わにしたフリードが三人に向かって飛びかかる。

 

「ふん!!」

 

斬りかかった光の刃を受け止めたのは、木場の神器によって生み出された魔剣だった。

 

「神器ァ!!」

 

イッセーは神器を装着し、木場に押さえ込んでもらう形ででフリードに殴りかかる。

 

「洒落臭ぇ!!」

 

木場の魔剣を弾いた上で跳躍し、イッセーの拳から空中へ逃れるフリード。

しかし―――

 

「ガラ空き。」

 

小猫が長椅子をフリードに投擲する。

 

「またまた洒落臭ェ!」

 

長椅子は光の剣によって断ち切られた。

が、小猫は身近にある長椅子や彫刻を次々と投げつける。が、それらもよけられるか切られていく。

 

「調子乗んなよ、チビィ!!」

 

「……チビ?」

 

触れてはいけない所に触れてしまったためか、小猫の投擲のペースが上がった。

 

「おいおい、おかんむりですかァ?でも、当たらければどうという事はないんだよね!?」

 

軽口を叩きながら、フリードは軽々と避けていく。

しかし、それは失策だった。

投擲された物の落下によって大きな土煙が上がってしまった。

 

「クソ、目隠しか……!」

 

が、そこに躍り出る影が一つ。

 

「はァアアアア!!」

 

木場が土煙に乗じて斬りかかる。

 

「なーんちゃって!土煙とか意味ねぇんだよ、クソ悪魔くん!?」

 

フリードが余裕を持って、木場の剣戟を受け止める。

 

「ああ、確かに目隠しそのものには意味はないさ。でもね……!」

 

木場の魔剣から闇の触手が伸び、光の剣の等身を蝕み始めた。

 

「な、何だよ、こりゃ!?」

 

フリードが本気で焦った。

 

「光喰剣《ホーリー・イレイザー》。光を喰らう魔剣さ。」

 

徐々に光の剣の刀身が失われていく。

が、手数は減ることを考えると剣を捨てることはできない。

それに光喰剣そのものがフリードの剣に食いついて離れない。

 

「だったらァ!!」

 

左手の銃を木場に向ける。しかし、

 

「させるかってんだ!!」

 

《ブースト!!》

 

イッセーの神器から音声が鳴る。力が倍になった証だ。

 

「アーシアを泣かせた分だ!!喰らってぶっ飛べ!!」

 

腹部への鋭い一撃。

その一撃は、木場の拘束を振り切ってフリードの体を飛ばした。

が、これで終わりではない。

 

「止め。」

 

室内にあった彫刻の中でも、一際大きいものを小猫が投げた。彫刻はフリードに命中して砕る。

 

「ガハッ……!」

 

さすがに効いたのだろう、フリードの口の端から血が流れる。

 

「クソがァァァ……。でも、俺っちとしては悪魔に殺されるのはマジ勘弁なのよね。つーことで、はい、サラバ!!」

 

フリードが閃光弾を投る。

激しい光と音が室内を包み、イッセー達の視界を遮る。

これに乗じて奇襲してくるやもと身構えるが、煙と閃光が晴れた後にフリードの姿はなかった。

 

「逃げやがった……!」

 

イッセーが悔しがる。

 

「兎に角、先を急ごう!」

 

木場の言葉を受けて小猫が「えい」と祭壇を殴り飛ばすと、そこには地下へと続く階段があった。

四人は階段の上を急ぐ。

その先は、広い地下室になっていた。

 

「いらっしゃい、悪魔の皆さん。遅かったわね。」

 

天野夕麻。いや、堕天使レイナーレがそこにいた。

そこには大勢の神父たちが犇めいている。

しかし、何よりも目に付いたのは……

 

「アーシア!!」

 

イッセーが思わず叫んだ酷い有様、十字架に磔にされたアーシアだった。

 

「……イッセー、さん?」

 

「待ってろ、今行く!!」

 

「危険だ、兵藤くん!」

 

急ぐイッセーを木場が抑える。そこへ、レイナーレが光の槍を放つ。槍は床に突き刺さり、光の衝撃波を生んだ。

 

「うわッ!」

 

衝撃波に跳ね飛ばされるイッセーと木場。

 

「感動の対面だけど残念ねぇ。もうすぐで儀式はクライマックスを迎えるわ。」

 

「ああああああ!!」

 

レイナーレの言葉に反応してか、アーシアが苦しみ始める。

 

「何をするつもりだ……?」

 

イッセーが疑問を口にする。

その疑問に木場がアーシアが掛けられている十字架から答えを見つけた。

 

「そうか、堕天使たちの目的は……。」

 

「な、なんなんだよ木場!?」

 

「彼女の神器を奪うつもりなんだ!」

 

それが正解だ、と言わんばかりにアーシアが一層苦しみだす。

 

「神器を奪うって……そんなことをしたらどうなるんだよ!?」

 

「兵藤くん……神器はね、その人の心、つまり魂と深く結びついている。それが奪われるということは……。」

 

「アーシアが……死ぬ……?」

 

その答えに震えるイッセー。

だが、それとは裏腹にアーシアの苦しみはより強いものへと変わる。

 

「あ、あああああああ!!!」

 

「巫山戯んな!アーシアを離せ!!」

 

アーシアの苦痛の声に、イッセーの怒りは頂点に達する。

 

「ハッ、なんで私がアンタみたいなゴミの言う事を聞かなきゃならないのよ。そこで黙って見ていなさいよ。」

 

同時に振られるレイナーレの手。

それを号令に三人の堕天使が現れる。

 

「ドーナシーク、ミルテット、カラワーナ。そこの悪魔三匹が動かないように見ていなさい。」

 

「「「畏まりました。」」」

 

四対三。

先程までのイッセー達の数の上での有利が一気に覆ってしまった。

しかもイッセー側の一人につきそれぞれに堕天使がつき、肝心の本丸であるレイナーレは完全にフリーだ。

 

「よう、小僧。また会ったな。」

 

イッセーについたのはよりにもよって一度殺されかけたドーナシーク。

公園での出来事がフラッシュバックし、思わず恐怖で後ずさってしまう。

 

「あの時はグレモリーの小娘の邪魔が入ったが……今回は確実に仕留めさせてもらおう。」

 

「テメェ……!」

 

人を小馬鹿にした態度に思わず左手に力がこもる。

神器が覚醒した今なら手傷を負わせるぐらいはできるだろう。

木場と小猫の実力は知っているし、二人なら堕天使に勝つこともできるだろう。

だが、それだけでは足らない。

アーシアの命は風前の灯、さらにリアスたちにも危機が迫っている。

どちらも救うには短時間で決着をつける以外にないが、それを実行できるような状況ではない。

もどかしさと焦燥感でイッセーの顔が歪む。

 

「あらあら、随分とひどい顔だこと。とてもお姫様を助けに来た王子サマには見えないわね?あなたもそう思わない?ダイスケ。」

 

「全くだな。」

 

一瞬、イッセーは聞き間違いかと思った。

それは木場も小猫も同様である。

だが、目の前の憎い堕天使は間違いなく今ここにいない仲間の声を読んだ。

そして答えた。

 

「今度は見事なまでに呆けてるな。おい、木場。お前がやったらイケメンが台無しだぞ。」

 

「……なんで?」

 

木場は思わず十字架の裏から出てきた人物の姿を見て、敵前であるにもかかわらず剣を落としそうになる。

 

「嘘ですよね……!?」

 

小猫は自身が見ている光景が悪い夢であると信じたかった。

だが、この現実を信じたくなかったのはイッセーだった。

 

「なんで、お前がそこにいるんだよ……ダイスケェェェェェエエエエエエ!!!!!」

 




今回の出来事を簡潔にまとめると……
・オンドゥルルラギッタンディスカー!
・ウゾダドンドコドーン!    
・ワーチョマーチョマチョナチョノーン?
スゲェ、全部オンドゥル語で片付いた。
それではまた次回。いつになるかは分かりません!!!
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