Girls High School Monster   作:騎士見習い

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部活決めには思いと想いが交差する

「うっす岩沢」

 

男=彼氏だと思っている諸君。悲しまないでくれ、こんな挨拶をするのは私の友達に一人しかいない。ていうか、友達みたいなのは一人しかいない。

 

「おはようひさ子。今日も可愛いね」

 

「ついに脳までおかしくなったのか岩沢……」

 

目の前でため息をつかれてしまう。その拍子にポニーテールも動く。

 

「チャームポイントがポニーテールのJKひさ子は入学式からの友達だよね?」

 

「なぜ説明口調なんだよ。それに友達?ってなんだよ」

 

「だ、だって。よくあるじゃん自分が友達だと思ってたら、相手は違っていた。みたいな」

 

「はぁ……。あたしはお前を入学式から今まで友達だと思っていたが、岩沢は違うのか?」

 

そんなかっこいいこと言われたら百合の花が辺り一面に咲いてしまうじゃないか!!

 

「ひ、ひさ子ぉぉぉ!!!愛してるぅぅ!!!」

 

 

これぞJK的なノリで登校できて嬉しかったです。 岩沢。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ皆さん今から配るのは部活動の一覧表です。これを明日までに書いてきてください」

 

「明日?までなんて決められないっすよ」

 

田中くんがこれはご尤もな意見を言うと佐倉先生が涙ぐみながら

 

「だ、だってぇ〜新入生テストの採点にPTAの保護者会の資料作り、一学年教員との飲み会とかとか大変だったんだもん」

 

後半がすべてを台無しにしたけど、先生も忙しいからしょうがない。

 

 

気を取直して、部活動一覧表を見ると各部活の名前と成績が書いてある。陸上、野球、サッカー、吹奏楽とメジャーなものから漫画部、薙刀部と珍しいものまである。

 

ふむふむ。なるほどなるほど。ふ〜む。

 

な、な、ない!軽音部がない!!!!

 

 

 

 

 

「ひひひひひひひさ子!!緊急事態だ!!」

 

胸ぐらを掴みぐわんぐわんと揺らしていく。

 

「おおお落ち着けいいい岩沢」

 

途中からひさ子を揺らすことが楽しくなってきた。ハマりそうだこれは。ポニーテールが揺れるのみるともっといい感じ。

 

「やめろ」

 

頭上から振り下ろされるチョップを無駄のない動きで避ける。

 

「腕が落ちたなひさグボッ!」

 

な、何が起きたんだ?正体を確認すべくひさ子を見ると固く握られていた拳が腹部に突き刺さっていた。

 

「気づいてないと思っていたか?途中から満面の笑みで揺らしてたぞ」

 

「ほんとごめんなさい。もうしません」

 

悪ふざけも大概にしたほうがいいな。

桜の花が見なくなってきた今日この頃。あたしは悪ふざけにも限度があると知った。

 

「で?何が緊急事態なんだ」

 

「い、いいかひさ子。落ち着いてよく聞け。ここには……軽音部がない!」

 

「うん知ってる。それだけか?なら帰ろうぜ」

 

あり?反応薄くないか。こう、もうちょっとリアクション欲しいんだけど。

 

「軽音部がないんだぞ。ギターが弾けないぞ」

 

「いやいやギターを弾くのに場所なんて関係ないだろ。それにあたしは遊びでギターをしてない」

 

じゃあなと言葉を残しひさ子は帰っていった。

遊び?遊びと言ったのかひさ子は。そうか……そう思われていたのか。

 

「ふ、ふざけんな!!ポニーテールゥゥ!!」

 

突然の大声にクラスの誰もがあたしに視線を向けてくるが無視して全力疾走でひさ子を追いかける。最終的には疲れて歩きながら追いかけていると、反対側の歩道に目的の人物を発見した。

信号待ちをしながらひさ子を見てると一つの建物に入っていった。

 

 

「ギタースクール?」

 

ひさ子がギターを習ってると言っていたのはここのようだ。建物はガラス張りで覗くには十分過ぎるほどの面積がありそこから中の様子を伺う。

 

講師と思われる女性に指導をされているひさ子の顔は必死だった。

こりゃあ、あたしを遊びって言うのもうなずけるよ。

 

 

それから二時間後にようやく終わった。帰るかどうか悩んでいたけど、やっぱり帰れなかった。

 

「ふぅ〜疲れた、って何でいんの?」

 

「お疲れ」

 

ギターケースを背負って疲れた顔をしたひさ子は体育座りをしていたあたしを見て、驚きというよりも呆れた顔になっていた。

 

「ひさ子が遊びって言ったから怒って歩いて追いかけたらここに着いて見てた」

 

「走って追いかけろよそこは。まぁいいや、帰るぞ」

 

会話がない。違うな互いに沈黙を守りたいのかもしれない。だけど、黙っていては伝わらないこともある。

 

「ひさ子はギターをしてて楽しい?」

 

「なに当たり前のこと言ってんだよ。楽しいに決まってんじゃん」

 

「じゃあなんで、あんなに苦しそうだったんだ?」

 

ひさ子の足が止まる。それに合わせてあたしも足を止める。

 

「苦しくなんてない」

 

「嘘。見てた限り辛そうだった」

 

「お前に何が分かるんだ!!」

 

拳を固め下向きながら怒りを顕にする彼女にあたしは『悲しみ』の気持ちが芽生えていた。

 

「プロになりたいから必死に練習に決まってるだろ!!苦しいのは当たり前なんだ!」

 

「それは違うんじゃないか?必死に練習はすると思うけどさ。それよりも音楽っていうのは、まずは演奏している本人が楽しむことが重要なんじゃないか」

 

「ッ……。なら教えてくれ、あたしに音楽を楽しむ気持ちを教えてくれ、下さい」

 

顔をあげた顔は涙で濡れ、悲痛の表情をしていた。

 

あたしに何ができるだろうか?励ましの言葉?それとも同情?全くもって、不正解。

 

正解は。

 

「セッションをしよう」

 

 

 

 

 

全国にチェーン店がたくさんある。まにゃきねこの一室にあたしたちはいた。

 

ギターアンプにコードを挿しチューニングをし調律する。

 

岩沢 まさみ。あたしにとって彼女との出会いは幸運だったのか不運だったのか。美点なのか汚点なのか。どっちなのだろうか?

 

「何をこれからセッションするんだ?」

 

「これを弾いてもらう!」

 

テンションがよく分からないが岩沢から見せられた譜面を見る。知らない曲だった。なぜか見てるあたしをチラチラと見て、モジモジしている。

ま、まさかな。

「これは、岩沢が作曲したのか?」

 

「もち!」

 

な、殴りてぇ〜。けど、良く出来てると思う。こういう才能があったのか。人は見かけによらないな。

 

「じゃ早速やるからおk?心の準備おk?」

 

む、ムカつく。

 

「OKOK」

 

このセッションにあたしの求める答えがあるはず。きっと、彼女が教えてくれる。

音楽は嘘をつかない。

 

 

演奏中何を思っているかは人それぞれ、あたしの場合は遠い遠い記憶?が蘇る。

自殺をした友達。後悔するとある彼女。そんな記憶の欠片みたいなのが浮かんでくる。その度にギターを手放したくなるけど演奏をやめることは最低なことだ。

 

「ひさ子、聞いてるかひさ子」

 

演奏中に話しかけてくるバカがいるなんてな。

 

「なんだよ」

 

「ひさ子は誰のために弾いてるんだ?」

 

「誰のためって。それは自分のためだろ」

 

「なら、自分の弾きたいように弾きなよ。決めたんだひさ子を必ずあたしのバンドに入れるって」

 

突然の誘いに音を外しそうになる。

 

「バンドってマジで言ってんのか?」

 

「マジマジ大マジ!あたしの夢なんだよね大勢の観客の前で自分の作った曲を歌いながら演奏するのが」

 

その言葉はどこか遠くで聞いたことがあった気がした。それは夢幻なのかはあたしには分からないけど、思った。彼女の隣で演奏できたならもっと楽しいだろうなって。

想像しただけでも笑みが出てくる。あれ?もしかして今あたし笑ってる?

 

「ひさ子!笑ってるよ!」

 

画面が消えているテレビに顔を向けると笑顔のあたしがいた。

そうなんだ。楽しむってこんな簡単なことなんだな。

 

それを知ったのと同時に演奏は終わった。

「ん〜〜!!!セッションがこんなに楽しいなんて初めて知ったよひさ子!それもあたしの曲で!」

 

「あたしも久々に知ったよ。誰かと弾くことがこんなに楽しかったなんてな」

 

岩沢のやつセッションぐらいしたことがあるかと思ったが初めてで、ここまでできるなんてな。正直驚いた。

 

そんな評価よりももっと大切なことを伝えなきゃいけないよな。

 

「ありがとう岩沢」

 

「どういたしましてひさ子」

 

あたしにとって彼女との出会いは幸運であり美点だとこの時初めて知った。

 

やっぱり高校は初めて知ることがたくさんあって飽きないぜ。

 

「この盛り上がる曲には名前があるのか?」

 

「うん。Alchemyって名前にしたんだ」

 

「錬金術だっけ?和訳すれば」

 

難しい単語を知ってるんだな岩沢のやつ。バカなのか頭が良いのかはっきりしないもんな。

 

「そうそう。錬金術ってさ、普通の物質を合わせて完全な物質に変えることらしくってバンドの曲にはピッタリだと思ったんだ。」

 

「な、なるほどな」

 

まさかそこまで深い意味があったとは、音楽キチなのかもしれないな。

 

「もう一回だけ頼む!ひさ子」

 

人差し指をたて、お願いする。時間はもう遅いがあたしも今のだけじゃ足りなかった。案外似てるのかもしれないなあたしたちは。

 

「いいぜ!あたしもそのつもりだった」

 

歌詞がない未完成の曲をあたしたちは弾いていた。いつの日か完成した曲を弾きたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日は天国から地獄を味わった気分だった。ひさ子と気持ち良くセッションしたはいい。でも家に帰った後、待っていたのは母こと阿修羅の説教であった。

怖かったよ〜、この歳で一部分だけの洪水を起こすところだったよ。

 

 

「うっす岩沢。昨日は楽しかったぜ」

 

「おはようひさ子。あたしも楽しかったよ」

 

あの体験を何度もしたい。

 

「ほんとは二回で終わらせようとしたけど、気持ち良すぎて何回もしちゃったね。ひさ子は(ギター捌きの)テクが激しすぎて何度もあたし(プライドが)壊れちゃったよ。おかげで体が火照り過ぎて寝れなかったんだよ」

 

「おい!岩沢それだと誤解を生む!」

 

ん?なんのことだ。そんな必死な顔をしておかしなやつだな。

 

「ふ、不純同性行為をせ、先生は認めませんからね!!」

 

いつの間にか来ていた先生は顔を真っ赤にしていた。 そしてなぜか説教を受けることになってしまった。何がなんだか分からないんだが。

 

身に覚えのない説教が終わり、二人して教室に戻ると女子は顔を赤くし、男子は中腰になっていた。分からん、高校は分からないことだらけだ。

 

ひさ子は必死に休み時間を使い一人一人に誤解?を解いていたらしく、放課後には疲れ果てていた。

 

「い、岩沢。部活のことなんだが」

 

「うん。どうしたらいいと思う?やっぱり吹奏楽に入った方が弾けるかもしれないよな」

 

「そんなことしなくていいだろ。創ろうぜ軽音部」

 

その提案はあたしに衝撃をもたらした。まさに神のお言葉。

 

「その手があったか!!早速申請しに行こうひさ子!!!」

 

「お、おい、ちょ待ってて岩沢!」

 

 

 

 

 

 

 

走っていく彼女の夢にあたしの夢を載せるよ。彼女とならきっとこの先上手くいくに決まってる。

根拠は簡単。

 

 

 

───音楽で通じあったから

 

 

 

 

 

 

 




二話目なのに展開が早い気がするけどいいよね!!だってガルデモのデビューまで書くから物語では何年間時を動かさなきゃいけないしね!

ギターのことまったく分からないからどうやって表現していいか苦戦してます。まさにHelpme!!状態です。

次回はうん!分からん!

では、あらためまして読んでくださってありがとうございます。書き慣れてない分変なところがあるかもしれませんがよろしくお願いします。



それと!!この作品の名前というか〜〜編?みたいな略称募集してます
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