ラブライブ!一年男子は俺だけ・・・えっ?   作:飛翔翼刃

11 / 14
やっと完成しました!
作成時間が休憩中の15分ぐらいと帰ってきて、寝る間を惜しんで一時間弱・・・
睡魔に負けては明日、明日と繰り返していたら投稿が遅くなってしまいましたorz

自分でもなぜこんなに書いたのかわかっておりませんw
ではでは本編をどうぞ!




番外編
extraNo01 A-RISEとの出会い


 

 

 

今日は日曜日。

楯は都内から、元住んでいた市内のほうにある物を取りに行くついでに友達と遊ぶ約束をしていた。

 

「おじさん、こんにちは」

 

「よお、楯坊じゃねえか」

 

ここは昔からの楯がよく使うお店で、スポーツ関連のものを販売しており、今日は特注で頼んでいたものが出来たと連絡があったので取りに来たのである。

 

「頼んでたもの出来たんだよね?」

 

「ああ、いつもの木刀だよな。てかまた猛と稽古して壊れたのか?」

 

「そうなんだよ。猛さん、容赦ないからねー」

 

「ま、それだけお前さんに期待してるってこった」

 

「そうなのかな?」

 

「そうだぞ。猛も来る度に何かとお前の話を聞かせてくるからな」

 

「なんだか恥ずかしいな」

 

楯は少し照れる。

 

「ほんじゃ、お代はいつも通り二万八千な」

 

「相変わらず色々手を加えると高いね」

 

「でも、普通のやつだとしっくりこないんだろ?」

 

「確かにそうなんだけど、お小遣いが…」

 

楯は親の遺産があるが、学費以外ではなるべく使わないようにしているのである。

自分が汗水流して、苦労して稼いだわけではないからだ。

まあ父も母も自分の為に貯めていたのだろうから、必要なことがあったら使わせてもらうが、今は使おうとは思ってないのだった。

 

「ほんと楯坊は真面目なこった。手伝いって形で猛達の手伝いして、その雀の涙をやりくりしてるんだから尊敬しちまうよ」

 

「手伝いっていっても、掃除とかお茶汲みぐらいだよ。後は訓練に参加するぐらいかな」

 

「それが偉いんだよ。お前ぐらいの歳なら手伝いなんてしないで、普通のバイトなりして遊んでるもんだろ」

 

「まあ人それぞれだよ。じゃあおじさん、友達と約束してるからそろそろ行くよ。これお代」

 

楯はお金を渡し、木刀を袋に入れる。

 

「おう、毎度あり。友達と楽しんでこいよ」

 

「うん!じゃあまた」

 

楯はお店を出て、友達との待ち合わせ場所に向かうのだった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

楯は待ち合わせ場所に着いたが、相手はまだ着いてないようだ。

10分ぐらい待っただろうか、相手がやってきた。

 

「悪い、待たせたな」

 

「楯兄こんにちは!」

 

「乃愛ちゃんこんにちは。隼、またお姉さんに捕まってたのか?」

 

二人の名前は神崎隼(かんざき はやと)と神崎乃愛(かんざき のあ)兄妹である。

隼とは幼稚園からの腐れ縁で、乃愛ちゃんは元気一杯の小学生五年生。

 

「さて、どこに行こうか」

 

「俺はどこでも構わないぞ」

 

「乃愛、水族館に行きたい!」

 

乃愛のご所望は水族館。

 

「おいおい乃愛、水族館なんて都内のほうまで行かないといけねーじゃねえか」

 

「今お兄ちゃんどこでもいいって言ったじゃない!乃愛お魚さんが見たいー!」

 

乃愛が駄々をこね始める。

 

「まあまあ隼、たまにはいいじゃないか。いつもゲーセンとかしか行かないんだから」

 

「まあ今日は乃愛もいることだし、行ってみますか。でだ、池袋と品川どっち行くよ?」

 

「乃愛ちゃんどっちがいい?」

 

「うーん…池袋のほうがいいな。可愛いお店もいっぱいあるから!」

 

「だそうだ隼。切符買ってきなよ」

 

「はいはい。ちょっと待ってろ」

 

隼は切符を買いに券売機に並ぶ。

 

「ねえ楯兄」

 

「ん?」

 

「新しい学校で…か、可愛い子いた?」

 

「何でそんなこと聞くんだい?」

 

「い、いやあのね…そう!お兄ちゃんが気になってたの!」

 

「相変わらず可愛い子探してるのかあいつは…」

 

隼は本当に好みの子がいたらナンパとかするぐらい女の子が好きなのである。

それで何回ダシにされたことやら…

 

「やっぱりいっぱい居た?」

 

「まあ可愛い子はいたよ。でも乃愛ちゃんだって負けてないよ」

 

そう楯が乃愛に笑いかけると乃愛は真っ赤になって俯いてしまうのだった。

 

「なに真っ赤になってんだよ乃愛。素直にありがとうって言えばいいじゃねえか」

 

切符を買ってきた隼が戻ってきていた。

 

「うるさいバカ兄!!」

 

ドスン!

乃愛の見事な右ストレートが隼の鳩尾に決まった。

素直になれないお年頃な乃愛ちゃん。

 

「の、乃愛ぁ、流石に鳩尾はや、やばいって…」

 

「ふんっ!」

 

乃愛は隼の手か切符を取り、さっさと改札を通ってしまう。

 

「ほら隼早く行くぞ」

 

「いやマジでタンマ」

 

「ファイトだ」

 

サムズアップする楯。

 

「あとで覚えてろよ楯」

 

恨めしそうな顔でトボトボ歩いていく隼。

その後についていく楯であった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

電車を乗り継いで池袋に着いた三人。

さきほどから乃愛はテンションが上がってるせいかソワソワしている。

 

「水族館は逃げないんだから落ち着けよ」

 

「はしゃいでないもん!」

 

「はいはい。とりあえずここに居ても邪魔になるから行くぞ」

 

改札を出て、地上に出る階段を上り地上に出る。

 

「やっぱ都内は人が多いな。俺なら一日でギブだわ」

 

「最初はそんなもんさ。慣れればどうってことないぞ」

 

「そんなもんか。乃愛はちっこいから、もみくちゃにされて、さらに小さくなったりしてなw」

 

「そんなことあるわけないでしょうが!」

 

隼を叩く乃愛。

相変わらず仲の良い兄妹なことで、と二人を眺めている楯。

 

(やっぱ兄妹は羨ましいな)

 

楯はこの兄妹を見ているといつも思う。

兄か姉が欲しかったなと。

心のどこかで甘えられる兄か姉を求めているのを楯は知らないまま。       

そんなこんなで水族館に着いた三人。

 

「さて、チケット買わなくちゃいけないが…凄い人だな」

 

日曜日だけあって家族連れやカップルなど、かなりの人が並んでいる。

スタッフさんに誘導されながら並び、20分近くしてやっとチケットを購入。

水族館のついでにプラネタリウムも見ていくことになった。

 

「早くお魚さん見に行こうよ」

 

「乃愛走ったらあぶねえぞ」

 

「大丈夫だいじょう…きゃ!」

 

乃愛は前を歩いていた人にぶつかってしまい、その弾みでしりもちをついてしまう。

 

「いつつ…」

 

「何やってんだよ乃愛。妹がすみません」

 

「大丈夫よ。貴女は大丈夫?」

 

乃愛に手を差し出す女の子。

 

「はいちょっとお尻が痛いけど大丈夫です。ぶつかっちゃってごめんなさい」

 

差し出された手を掴み立ち上がる乃愛。

相手の顔を見て何かに気付く乃愛。

 

「あ、あの!もしかしてA-RISEの綺羅ツバサさんですか!?」

 

「ほ、ほんとだ。綺羅ツバサだよ」

 

「私のこと知ってくれてるなんて光栄だわ」

 

「ツバサ、どうした?」

 

A-RISEのメンバー、統堂英玲奈と優木あんじゅもこちらにやってくる。

 

「わわ!A-RISEのメンバー皆いる!?」

 

乃愛はA-RISEの三人に会えた事が嬉しいのか凄く舞い上がってる。

 

「私、A-RISEの大ファンなんです!!」

 

「嬉しいわ。ありがとう」

 

笑顔で応えるツバサ。

 

「お、俺も大ファンなんす!」

 

隼もそう言うが、楯と乃愛はジト目で隼を見る。

 

「なんだよ二人ともその目は」

 

「どうせお兄ちゃんは三人が綺麗だから一目惚れしただけでしょ」

 

「隼だしなー」

 

「そ、それもあるけど…純粋に歌とかダンスとかいいなって思ってるぞ!!」

 

「君達面白い兄妹だね。お名前はなんていうのかしら?」

 

「あたしは神崎乃愛だよ!こっちのバカ面がお兄ちゃんの隼だよ」

 

「乃愛ちゃんに隼君ね。そちらのあなたのお名前は?」

 

「僕は城宮楯です」

 

「楯、お前なんでそんなあっさりしてるんだよ」

 

隼はもっとリアクションあるだろみたいなジェスチャーをしてくる。

 

「いやそう言われてもA-RISEの人たちを見た事なかったからさ」

 

「はぁ!?今まで一度も?」

 

「ああ、猛さんの部下の林さんがA-RISEがどうこうぐらいしか聞いた事ないんだよね」

 

「でも楯兄ならありえるよ、お兄ちゃん」

 

「ああ、ありえるな」

 

「それはどうしてかしら?」

 

「うむ、それは私も気になるな」

 

「そうね。少し気になるわねー」

 

ここで傍観していた英玲奈とあんじゅも会話に入ってきた。

やはりファンの二人が目の前にいるのに、一人は知らないときては理由が気になるのだろう。

 

「こいつ、小さい頃から親父さんの影響で格闘技とかばっかりで、アイドルというか女の子にアピールされてもからっきしで」

 

「アピールなんてされたことないと思うだが」

 

「これですよ!この、俺モテませんアピールばっかりするんですよ!何か俺への嫌みなのか…」

 

「お前だって、それ直せばモテるだろ………」

 

「うるせー。この性格あっての俺だー!」

 

「だってよ、乃愛ちゃん」

 

「大人になろうよ、お兄ちゃん」

 

妹に諭される兄。

 

「妹さんがこう言ってるのだから、頑張って大人になりましょ」

 

「そうだな」

 

「そうねーガンバ!」

 

「なぜ味方が一人もいない!この場は戦場の如く四面楚歌でしかないのか!」

 

哀れな隼。

 

「君達本当に面白いね。良ければ一緒に水族館廻らない?」

 

「何言ってるんだ、ツバサ」

 

ツバサは英玲奈とあんじゅに手招きして、コソコソ話し始める。

 

「せっかくならあの楯君って子にも私達を知ってもらって、ファンにしちゃいましょうよ」

 

ツバサは楯に目線を送る。

 

「ふむ、彼は真面目そうで好感がもてるしな」

 

「私は賛成ね」

 

英玲奈とあんじゅも楯に目線を送る。

楯は何か得たいのしれない何かを感じてか、背筋に悪寒が走ったのだった。

 

「!?。…気のせいだよな。

 さて俺は構わないが、二人はどうなんだ?」

 

二人に返事を聞く楯。

 

「私は大賛成だよ!」

 

これまた大はしゃぎの乃愛。

 

「こんな機会なんて早々にないんだから、俺だって大賛成だぜ!」

 

隼はこれを期にお近づきできればと企てる。

 

「そちらは決まったかしら?」

 

「ええ、騒がしいのが一人いますがよろしくお願いします」

 

「なんか俺の扱い雑じゃない!?」

 

「そんなことないよー(棒)」

 

「ところで今更で失礼なんですが、綺羅さんと…お二人のお名前をお伺いしても宜しいでしょうか?」

 

「そういえばまだ自己紹介していなかったな。私は統堂英玲奈だ」

 

「私は優木あんじゅだよ。よろしくね」

 

「綺羅さんに、統堂さんに、優木さんですね。よろしくお願いします」

 

「ツバサちゃん、英玲奈ちゃん、あんじゅちゃんよろしくね!」

 

礼儀正しい楯と軽い隼。

 

「お兄ちゃん!いきなり名前呼びなんて失礼だよ!」

 

「いいのよ乃愛ちゃん。乃愛ちゃんも好きに呼んでね」

 

「じゃあ、ツバサさん、英玲奈さん、あんじゅさん。今日はよろしくお願いします!」

 

「こちらこそよろしくね。それじゃ行きましょうか」

 

六人は入り口を通り、順路に従い展示ホールに入っていく。

そこに広がるのは透き通るような青色で、海の中にいるのではないかというぐらい綺麗。

そこかしこに色とりどりの魚やサンゴ礁、大小様々な魚達が優雅に泳いでいたり、競っているのではないかと思えるぐらい水槽の中を泳いでいた。

 

「うわー綺麗だね。楯兄」

 

「そうだね。これだけの魚がいると圧巻だね」

 

「楯君はここには来たことないの?」

 

「ええ、ここの水族館には来たことないですね。綺羅さん達は結構来るんですか?」

 

「頻度は高くないけど、来てるほうじゃないかしら?」

 

「お店とかも多くて、秋葉原とは違った便利さがあるから、私は好きだぞ」

 

「美味しいお店とかも多いもんね」

 

「はいはーい!三人に質問!今度誰か二人っきりで案内してよー」

 

「嫌」「却下」「遠慮しとくわー」

 

隼撃沈。

しかしこれぐらいでは諦めないのが隼。

機会を窺いつつ、狙っていくスタイルに変更。

 

「楯兄!ラッコさんだよ」

 

「ちょうど食事の時間みたいだね。ほんと器用に殻を割るもんだね」

 

「でも食べ方は結構ワイルドよね」

 

「ちなみにメスだそうだ」

 

「肉食系なのね」

 

「俺も肉食系です」

 

「肉食系お断り」

 

「興味ないぞ」

 

「私も興味なーい」

 

「隼いい加減にしないと嫌われるぞ」

 

「そうだよ、お兄ちゃん」

 

「なぜだ!なぜいかんのだ!」

 

一人で豪語している隼を置いて違う魚を見に行ってしまう五人。

その後も面白い魚やアザラシや水辺に生きてるカエルなど色々見て周り、パフォーマンスショーを見て一息つく為カフェに入り、それぞれ飲み物を注文する。

 

「楯兄。アシカのパフォーマンスとかペンギンさん可愛かったね!」

 

「アシカもかなり練習したんだろう。ペンギンも泳ぐのが上手かったな」

 

「こうしてみてると君達二人のほうが、兄妹みたいね」

 

「仲の良い兄妹にみえるな」

 

「こんな可愛い弟や妹なら、私もほしいわ」

 

「楯兄が私のお兄ちゃん…それもいいけど、楯兄は仲の良い友達でいいかな…」

 

「あらなんで?」

 

「いや…その…やっぱり楯兄とは………」

 

顔が真っ赤になってしまう乃愛。

それを見て理解するA-RISEの三人。

楯はいじけてる隼の話し相手になっていたため、聞き逃していた。

 

「乃愛ちゃん。先は長いから頑張ってね」

 

「応援しているぞ」

 

「何かあったら相談乗ってあげる」

 

「ありがとう!」

 

女の子同士でワイワイ会話が弾んでいる横で…。

 

「なあ隼」

 

「あん?」

 

「さっきから気になってるんだが、あの二人組みどう思う?」

 

楯が目線で位置を教え、隼が横目で見る。

 

「さっきからこっち…いや綺羅さん達を監視してる気がして仕方ないんだよ」

 

「悪質なファンなんじゃね?ああゆう輩は何しでかすわかったもんじゃねえよ」

 

「だよね。一応警戒はしとくけど、隼も気にかけといて」

 

「わかったわ」

 

隼が二人組みのほうに目線をやると建物の影に隠れるのであった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

カフェで話し続けること一時間ぐらい経つだろうか。

 

「じゃあ、そろそろプラネタリウムに行きましょうか」

 

「今日はどんなストーリーなのだろうか」

 

「楽しみね」

 

「お兄ちゃん、楯兄、行くよー」

 

ツバサ、英玲奈、あんじゅ、乃愛は先に入り口に向かった。

 

「ああ、すぐ行く」

 

「隼、乃愛ちゃんは大丈夫だと思うけど、気をつけて」

 

「楯のほうに三人任せちまってわりいな」

 

「大丈夫。このくらいならなんとかなるよ」

 

「じゃ、お姫様達が待ってるから行きますか」

 

「そうだね。んじゃ何かあったら教えて」

 

「りょーかい」

 

二人は入り口に向かう。

 

「「………ちっ」」

 

怪しい二人組みもプラネタリウムのほうについていくのであった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

プラネタリウムに入った六人は席をどうしようかと相談していた。

 

「俺、三人とロマンチックな星空を見たいな」

 

隼が三人に申し出る。

 

「隼、たまには乃愛ちゃんと二人で楽しめよ」

 

「ええー楯兄も一緒に見ようよ」

 

「まあまあ乃愛ちゃん。たまには隼に付き合ってあげてよ。乃愛ちゃんとは今度一緒に見にいってあげるからさ」

 

「本当?」

 

「ああ、約束」

 

「わかった!じゃあお兄ちゃんに付き合ってあげる!ほらお兄ちゃんいくよ」

 

「俺の意見は無視なのね」

 

乃愛は隼の手をひいてオススメ場所に行ってしまう。

 

「ではお姫様方宜しければ、一人寂しい哀れな私と星を眺めてはくれませんか?」

 

三人に手を差し出す楯。

予想していなかった楯からの言葉に、少し顔を紅潮させる三人。

 

「ええ、いいわよ」

 

ツバサは差し出された手を掴む。

 

「私でよければ、一緒に見よう」

 

英玲奈は手こそ握らないが、快く承諾する。

 

「うふふ、もちろんいいわよ」

 

あんじゅは空いているほうの手を掴む。

 

「じゃあ、王子様行きましょうか」

 

「よろこんで」

 

楯は三人を席まで案内する。

席に座る順はツバサ、楯、あんじゅ、英玲奈の順。

座って少ししたら、とても澄んだ夜の空へ星を巡る旅が始まった。

 

「とっても綺麗ね」

 

ツバサが楯に話しかける。

 

「そうですね。手を伸ばしても届かない、手に入らないものだからこそ、儚くも美しく輝き続けるのが星だと思います」

 

「そうね」

 

「でも星よりも近く、星のように輝いてるものならありますよ」

 

「乃愛ちゃんかしら?」

 

「乃愛ちゃんもそうですが、それよりも輝いてるのは貴女達ですよ。

 綺羅さん、統堂さん、優木さんは色々な人に笑顔や元気といった素晴らしいものを与えてくれる一等星ですよ。

 今日貴女達を見ていて思いました。ダンスや歌の事はほとんど知らない僕でさえ、貴女達は人知れず笑顔にさせる力を持っているんだなと。

 それはとても素晴らしい事です。これからも大変だと思いますが、その力で星が紡ぐ道標の様に照らしていってください」

 

それを聞いたツバサ、聞き耳を立てていたあんじゅと英玲奈は星が照らす明かりの中、真っ赤に紅潮させるのであった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

プラネタリウムも見終わり、色々なお店を見て回り、入り口付近に戻ってくる六人。

 

「さてと時間も良い感じだし、そろそろ帰りますかー」

 

時刻は19時前。

 

「そうね、そろそろお開きにしましょう」

 

「じゃあ、とりあえず駅に向かいましょうか」

 

「その前に美味しいクレープ屋さんで、クレープ食べましょうよ」

 

あんじゅはクレープを食べようと提案する。

 

「僕は構わないけど、隼と乃愛ちゃんはどうする?」

 

「食べたいのは山々なんだが、そろそろ帰って支度しないと姉貴が…」

 

「そうか、隼も大変だな」

 

「まあ仕方ねえさ。乃愛も少し眠そうだしな」

 

乃愛は疲れがきてるのか、目がウトウトしている。

 

「わりいが俺達は帰るわ」

 

「じゃあ僕は残るよ」

 

「わかったわ、また連絡くれや。それじゃツバサちゃん、英玲奈ちゃん、あんじゅちゃんまたねー」

 

「ええ、乃愛ちゃんまたね」

 

「またな、乃愛」

 

「乃愛ちゃんバイバーイ」

 

「ばいばーい」

 

「俺にはなしなのかよ!」

 

乃愛と三人が手を振って別れる。

隼には今度飯でも奢ってやろうと思った楯であった。

 

「じゃあ行きましょうか」

 

あんじゅは楯の手と自分の手を繋ぐ。

 

「あの、優木さん。なぜに手を繋ぐのですか?」

 

「繋ぎたいからかしら♪」

 

「じゃあ私も繋ごう」

 

英玲奈が反対の空いてる手と繋ぐ。

 

「統堂さんまで!?」

 

まさか英玲奈が繋いでくるとは思っていなかった楯。

 

「むむむ。ほら早く行きましょ」

 

手を繋げなかったツバサは少し不機嫌になる。

 

「あらツバサ。ヤキモチ?」

 

「ち、違うわよ!」

 

「ふふ、必死になってるツバサも可愛いぞ」

 

「英玲奈まで私をからかって!」

 

「…クレープ屋さんに向かいましょうか」

 

周りの目が痛いので移動を提案する楯。

 

「そうね、行きましょうか」

 

現在地から歩いて五分かかるか、かからないぐらいのところに目的のお店に到着。

 

「ほとんど女性客しかいないんですね」

 

何組かカップルはいるが、それでも女性客のほうが多数だった。

 

「楯君は何がいい?」

 

あんじゅは楯に何がいいか尋ねる。

 

「優木さんにお任せしますよ」

 

そこまでこだわりがない楯はオススメにしてくれるだろうと思い、あんじゅに任すのだった。

 

「ふふ、お姉さんにお任せ~♪」

 

あんじゅはご機嫌でお店に並ぶ、他の二人もその後にバラバラで並んでいるのだが…何か企んでいるようだ。

 

「お待たせ!私のオススメの二つを買ってきたから、半分こしましょ」

 

「結構なボリュームあるんですね」

 

「味はほんとに美味しいからペロリと食べれちゃうの♪」

 

さすがは女の子。

甘いものは別腹なのかなと思う楯。

 

「楯君!」「楯!」

 

ツバサと英玲奈も戻ってくる…手には二つずつクレープを持っている。

 

「これが私のオススメだから、半分こしよ?」

 

「私のオススメはこれだ!半分こしようじゃないか」

 

「ちょっとツバサに英玲奈!そんなに食べれるわけないでしょ」

 

呆れ顔のあんじゅ。

 

「それは…そうかも…」

 

少しシュンとしてしまうツバサ。

 

「仕方ない。頑張って食べよう」

 

二つ頑張って食べようと意気込む英玲奈。

 

「大丈夫ですよ。せっかく選んできてくれたんですから、味も六つ楽しめて僕は嬉しいですし」

 

笑顔で応える楯。

 

「じゃあまずは優木さんのをもらいますね」

 

あんじゅから一つ受け取り一口頬張る。

オーソドックスなバナナやイチゴなどの果実に生クリームとチョコが絶妙にマッチしていて、生地もパリっとしているのだが、ふんわりとしっとり感もあって飽きがこない。

半分食べ終わり、もう一つと交換してもらう。

 

「とっても美味しいです。綺羅さんのもいただいていいですか?」

 

「はいどうぞ!」

 

ツバサから一つ受け取る。

ツバサが選んできたのはケーキをベースにしたクレープで、アーモンドの香ばしさにチョコはビターでほろ苦いけど生クリームとケーキの甘さに馴染んでいて、こちらも飽きがこない。

あんじゅからもらったクレープは完食し、ツバサの半分と交換してもらう。

 

「さてと遅くなりましたが、統堂さんのもいただきます」

 

「お気に召すといいのだが」

 

英玲奈から一つもらう。

さすがにお腹にたまってきているが、表情には出ない。

英玲奈が選んできたのは、まさかのツナやチキンなどを使った、スナックタイプのクレープ。

上から覗くと具がてんこ盛り…味に飽きはないので問題なく半分食べ、交換してもらう。

 

「皆さんが選んでくれたクレープ、どれも本当に美味しいですね」

 

「楯君って結構食べるほう?」

 

「それなりじゃないですかね。綺羅さんは食は細いほうですか?」

 

「普通じゃないかしら」

 

「ツバサは甘いものより、ご飯食べたほうが背も伸びるんじゃない?」

 

「ちっちゃくないもん!平均より少し下なだけだもん!」

 

身長を気にするツバサ…なんだか可愛いなと思う楯。

 

「二人は身長あっていいわよね。楯君も…あるわね」

 

「男子の中ではまだ小さいほうだと思いますよ」

 

「楯君はどのくらいまで高くなるのか楽しみね」

 

「その言い方だと、僕が巨人にでもなるみたいじゃないですか」

 

他愛もない話で笑う四人。

なんとかクレープを全部完食した楯。

クレープを完食した楯を見て、三人はすごくご機嫌である。

 

「せっかくだし、プリクラでも撮らない?」

 

「さんせーい」

 

「いいと思うぞ」

 

「僕年齢的にアウトなんですけど」

 

楯は15のため、ぎりぎりアウトなのだ。

 

「大丈夫!一枚パパッと撮って帰れば!」

 

三人にがっちり拘束されてしまい連行される楯。

程なくしてプリクラコーナーに連れてこられ、撮影場所に入る。

 

「今日は楯君もいる事だし、フレームは大きめのにしときましょ」

 

慣れた手つきで操作をするツバサ。

 

「これで設定はオッケーね。じゃあ楯君はここに立ってて」

 

ツバサに指定された場所に立つ楯。

すると両脇に英玲奈とあんじゅが楯の腕に抱きつき、ツバサは台を使い、首に手を回し抱きついてくる。

楯は恥ずかしくなってしまい、顔が赤くなってしまう。

一回撮り終わると、三人がローテーションで同じポーズで撮っていく。

 

「赤くなってる楯君可愛いわね」

 

「初々しいな楯」

 

「楯君可愛すぎて、お姉さん困っちゃうな」

 

三人で楯を弄り始める。

 

「弄るのなしでお願いしますよ」

 

「「「楽しいから嫌♪」」」

 

見事にハモる三人。

楯を弄りながらも、プリクラの写真に加工を施し、プリクラを切り分け、外に出る。

 

「それじゃ今度こそ帰りましょうか」

 

「そうですね。もう八時過ぎですし」

 

「楯君はどこに住んでるの?」

 

「秋葉原のほうです」

 

「じゃあ駅は一緒ね」

 

「もしかして楯君の家ってご近所だったりして」

 

「どうですかね。まだこっちに越してきて日が浅いんで、土地勘がないんですよ」

 

「そうなのか、じゃあ今度私が案内してやろう」

 

「いや私がしてあげるわ」

 

「お姉さんがしてあげるから大丈夫よ」

 

なぜか笑顔で睨み合う三人。

 

「じゃあ今度、順番にオススメの所教えてください」

 

「うん」「ああ」「任せて」

 

やっぱりこの三人の笑顔には、元気になる力でもあるのかと錯覚するぐらい輝いている。

四人は改札を通り、電車に乗り、程なくして秋葉原に着く。

 

「今日は色々付き合っていただいてありがとうございました。とても楽しかったです」

 

「こちらこそとても楽しかったわ。ありがとね」

 

「楯君。お姉さんとメアドと番号交換しましょ」

 

「楯。私とも交換してくれ」

 

「私も!私も!」

 

「いいですよ。何かあったら連絡ください」

 

楯は三人と赤外線で交換する。

 

「それじゃあ名残惜しいですがこれで」

 

「うん。またね」

 

「またな」

 

「またねー」

 

三人と別れ、歩き始める楯。

三人も反対方向に歩き始める。

 

(やっぱりあの二人組みついてきた上に、三人についていってる)

 

そう、怪しい二人組みはずっと楯達を尾行しており、楯が別れたのを見たのを好機と思い三人についていったのだ。

 

(猛さんはあと15分弱かかるのか。何もないといいが)

 

電車で移動しているときに有事の際があってからでは遅いと思い、猛さんに連絡してみたところ、用事で有楽町にいるそうなので、応援を頼んだのである。

 

(さてと気付かれないように移動しますか)

 

二人組みを尾行する楯。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

所変わり、夜もあってか人が少ない道を歩く三人。

 

「それにしても楯君カッコよかったなー」

 

「ああ、私はああゆうタイプが好きだ」

 

「苛めがいあって、頼りになるタイプよね」

 

三人が楯のことを話していると。

 

「あんなやつのどこがいいんだよ」

 

三人は後ろを振り向く。

すると街灯の明かりが弱いせいか、暗くて顔は見えない二人組みが佇んでいる。

 

「何貴方達?」

 

「なあ俺達と遊ぼうぜ」

 

「嫌よ」

 

「そう言わずに遊ぼうぜ!」

 

一人はツバサと英玲奈の手を引っ張り、もう一人はあんじゅの手を引っ張る。

 

「痛い!離してよ!」

 

「いいじゃねえか。さっきあいつにもしてやってただろ」

 

「そうだよ俺達とも手繋いでくれてもいいじゃない」

 

三人は必死に抵抗するが力では勝てない。

声を上げようとしても恐怖心からなのか、大きな声が出せずにいた。

 

「ほら!こっちにこいよ!」

 

二人組みは三人を路地裏に連れて行こうとする。

 

「だ、だれか助けて………」

 

ツバサの願いは届かないと思った。

だが次の瞬間、三人を引っ張っていた力がなくなり、前に倒れそうになる。

しかし前に倒れる事はなかった………楯が両手を広げ三人を支えたのである。

 

「大丈夫ですか?」

 

楯は三人に尋ねる。

 

「じゅ…楯君…」

 

「楯…」

 

「楯君!」

 

三人は涙目になりながら楯に抱きつく。

 

「ごめんなさい。助けるのが遅くなってしまって。とりあえず今はあの二人をどうにかしますので、離れていてください」

 

三人を後ろに下がらせ、二人組みと対峙する楯。

 

「てめぇ!いい気になるなよ!」

 

「どうなるかわかってんだよな!ああっ!!」

 

しりもちをついていた二人は立ち上がり、楯に威嚇してくる二人。

 

「いい加減にするのはてめえらだろうが」

 

口調がいつもの優しい雰囲気の楯ではない。

自分よりも弱い彼女達に対して、力で服従させようとした彼らに怒っているため、口調も悪くなっている。

 

「昼間から三人を付き纏いやがって、何様のつもりだ」

 

「うるせぇ!お前だってそうだろうが!」

 

「確かに赤の他人だがよ、力に頼って暴力振るおうとしてるやつにとやかく言われる筋合いはないんだよ」

 

「てっめぇ…覚悟しやがれ!!」

 

そう言い一人殴りかかってくる。

 

「あぶない!」

 

ツバサが叫ぶ。

 

「遅い」

 

楯は振りかかってきた拳を掌で受け止め、相手の足を払い、倒れると同時に足で肩を押さえ、腕を上に引っ張り肩の関節を痛めつける。

 

「いででで!離しやがれ!」

 

「嫌だね。彼女達にしようとしたことはもっと痛いことなんだよ」

 

「てめえ!よっちゃんを離しやがれ!」

 

もう一人が殴りかかってくる。

楯は押さえていたやつを放し、バックステップで距離を取ると空振る音が聞こえる。

 

「もうゆるさねえぞ…クソガキが!!」

 

押さえられていた一人が近くのゴミ捨て場にあった鉄パイプを持ってくる。

 

「よっちゃん。さすがにそれはまずいよ!」

 

もう一人はさすがにまずいと思い止めるが。

 

「うるせえ!」

 

頭に血が上っているため冷静な判断ができない。

 

「それを使うと手加減できないからな」

 

「やれるもんならやってみろ!」

 

楯に向かっていき、鉄パイプを頭上から振りおろす。

 

「なにもしなければ怪我とかせずに済んだのにな!」

 

楯は袋にしまったままの木刀で鉄パイプを受け止める。

受け止めると木と鉄がぶつかり合い、鈍い音を立てる。

 

「な…」

 

「恨むなら自分の行動を恥じとくんだな!」

 

鉄パイプを押し退け、手の甲に素早く打ち込み、武器を落とさせる。

あまりの痛さに叩かれた箇所を庇おうとする相手に、鋭く重い一撃を、胴と肩に一太刀ずつ浴びせる。

相手は痛さと楯の威圧感に負けてしまい泣き出してしまう。

 

「おおーい!楯ー!」

 

応援を頼んでいた猛さんが来たようだ。

 

「大丈夫かい?」

 

「はい、大丈夫です。忙しいところすみません」

 

「気にしないで。それよりこれはどうゆう状況?」

 

楯は猛にいきさつを説明する。

 

「楯も相変わらずお人好しだね」

 

「そうですか?」

 

「とりあえず、彼らは俺が警察に連れて行って事情を聞くよ」

 

「よろしくお願いします」

 

「任された。じゃ行くぞ」

 

二人は猛さんに連れて行かれる。

しかし楯は思うことがあるのか。

 

「猛さん待って」

 

楯は猛を呼び止める。

 

「なんだい?」

 

「彼らに少しちょっと」

 

「少しだけだよ」

 

楯は二人に歩み寄り、話しかける。

 

「貴方達がやったことは下手をしたら相手を傷付けたかもしれない。

 どんなことがあっても相手を力をもって傷付けたりしないでください。

 貴方達の人生まで壊れてしまうかもしれないんですから。

 でも、心が許しあえる相手がもしできたのなら力に頼るのではなく、貴方達の本気の気持ちをぶつけ合ってみてください。

 悪い事もあるかもしれません、でも決して悪い事ばかりではないはずですから」

 

楯は二人に思う事を言う。

偽善だと言われようと楯は父や母、叔父や猛に教わってきた事を自分も教えていけたらと思って、二人に話したのだった。

 

「ああ、いつかそんなふうになりてえな」

 

「そうだね。悪かったよ」

 

「僕に謝るんじゃなくて、あっちの三人に謝ってください」

 

二人は言葉こそ出せなかったが、深々と三人に頭を下げ、猛と歩いていった。

 

「さてとまた何かあると嫌なんで、家まで送りますよ」

 

三人に送っていくと申し出るのだが、反応がない。

 

「どうしました?」

 

「か」

 

「か?」

 

「「「カッコよかった!!」」」

 

そう言って楯に抱きついてくる三人。

 

「いやあのかっこよくもないし、恥ずかしいので離れてください!」

 

「いいじゃない。楯君って強かったんだね!」

 

「それにしっかり触ってみると、引き締まった筋肉をしていて、結構鍛えてるのがわかるぞ」

 

「お姉さん、楯君に惚れちゃった///」

 

頬を染めるあんじゅ。

 

「猛さんのほうが強いですし、鍛えれば誰でも引き締められますし、ほ、惚れ!?」

 

テンパる楯。

 

「私も楯君が好きになっちゃったかも///」

 

「頼りになる男の子は好きだぞ///」

 

ツバサと英玲奈も頬を染めながら、告白紛いな言葉を呟く。

 

「お、俺よりいい人、い、いい、いっぱいいますよ!」

 

「「「君がいいんだよ!」」」

 

可愛い女の子三人が頬を染めながら、上目遣いで抱きついているのもあるせいか、どうすればいいのかわからなくなってる楯。

三人を家に送る間も抱きつかれたままで、家に帰るまで頭がショートしっぱなしの楯であったのでした。

 

 

 

 

extraNo01 A-RISEとの出会い        Fin

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

そんなこんなでA-RISEの三人に気に入られてしまった楯。

彼は三人とどんなお話を紡いでいくのかは、また別の番外編のお話で…。

 

 

次回   グループ名?作曲?トレーニング?何から始めるの?

 

 




最後までお読みいただきありがとうございます!

A-RISEのメンバーがチョロインな感じですが、それがいい!
自分が好きなだけですw

次回は楯君式トレーニングで悲鳴をあげる三人?
では次回もよろしくお願いします!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。