性別 男
学年・組 1年A組
学科 諜報科
武偵ランク Eランク
スラム育ちのただの男子。12歳の時、スラムで会った公安0課である義父が公安の「飼い犬」として育てるために養子にされ、天原を名乗る。
戦闘よりも逃げるのが得意。「逃げるが勝ち」と「他力本願」を信条にしている。
スラム在住の頃に致死量の出血・薬漬け・複数の男による強姦といった拷問を受けていたため、鋼の精神力を手にしている。ゲームでいうと素早さや回避等に極振りしているパラメータ。細マッチョだが紙防御。しかし、精神力でカバーしているので何とか武偵としてやって行けている。
顔は好みが大きく分かれる顔をしている。未だに良い意味で捉えてくれる人が居ない。
銃の扱いが下手。引き金を引いたら明後日の方向へぶっ放す。
基本的にナイフと体術を用いた接近戦が主な戦法。
本人からの一言
「屑だってな……物価が高い時代では価値があったんだぞ!」
「今日は武偵高の入学式だ。よーし、新しい学校生活の始まりだ!」
無事に試験には受かった。補欠合格だったがな。先日、封筒が送られてきて、その中の用紙には合否の判定とランクが記されていた。
ランクはもちろんEランクだ。この結果には満足している。平凡に学校生活を満喫できそうだから。
支度をしてリビングへ行くと、ステテコ姿で特撮ヒーローのビデオを見ているおっさんがいた。言うまでもない、僕の義父だ。
信じられないだろう? こんなだらしない格好しているのに国内最強と呼ばれる公安0課の一員なんだぜ?
「お、勇人。ちょいと話があるんだが……」
義父さんが困ったような顔をしながら話しかけてくる。しかし、その表情からは読み取るにそこまで困ってないらしい。どうせ自分には関係ない事だからと考えているからであろう。仮にも父親なんだから息子の事に関しては本気で考えて欲しいものだ。
「どうしました?」
「実は……お前、寮じゃなくて近くのアパートから通ってもらうことになったんだ……」
「はい……?」
今なんて言った? 寮じゃなくてアパート? どうして!?
「え、ちょ、ちょっと! 聞いてませんよ! なんで寮じゃないんですか!?」
「人員の関係だそうだ。諦めてくれ」
「ヤダ! ヤダ! 絶対にヤダァ!」
ジタバタ
その場に寝転び、手足をばたつかせて幼児のように拒否するが、既に決定事項で無駄な抵抗である事は分かり切っていた。しかし、僕は抵抗する。
「仕方ねえだろ! この通知きたの昨日なんだから! 俺だって掛け合ってみたんだよ!」
「そ、そんな~」
「嫌ならここから向かうか? 何回も乗り継ぎしなきゃなんないが」
「それは絶対にいやだ」
「まあ、そんな訳でほら。アパートの住所だ。荷物は俺が送っとくから帰ってきたら確認してくれ」
「はい……」
新しい学校生活の始まりだと楽しみにしていたが、まさかこんな事になるなんて……。
はあ、アパートかよ……。家賃とかも自分で負担しなきゃな……。
あんまり義父さんに頼るのもアレだし。
とりあえず登校しよう。初日から遅刻って世間からの評判がよろしくないものになる。
鞄を担いで外に出る。お日様が僕を照らして慰めてくれる。
でも眩しいから余計なお世話だ。
先日と同じようにバスを乗り継いで行き、東京武偵高校に向かう。
*
「えーと、A組だっけな」
指定されている教室へ向かい、入室して受験の時と同じようにざっと見回す。
何人か知った顔がいるが恐らく当の本人達は僕の事なんて覚えていないだろう。
人間観察の最中、栗色の髪をした小学生体型の女子が僕の前を通った。
……おい、なんで小学生が居るんだ? 飛び級か? だとしたらすげえな。それ以前に日本に飛び級制度なんてあったんだ……。
指定されている席に座り、担任が来るまで静かに待つ。まあ、しゃべる相手なんて居ないから静かに待つしかできないんだけどさ。
暫くしたら担任の教師が入室し、一通り自己紹介をした後に始業式兼入学式があるので体育館に移動した。壇上で校長先生が話している。あれが、「見える透明人間」と呼ばれている緑松武尊校長先生か。確かに、何もかもが日本人の平均的特徴を取っており、逆に全く記憶に刻まれない特徴のない特徴だ。気づいたときには既に遅い状況になっていそうだ。噂によれば、頭がイっている教師陣も恐れる存在だとか……。見た感じ温和そうなのでどう見ても恐れる要素が見当たらないんだが……。
そんな偉くてすごい人の話を受け流しているが別に大丈夫だろう……。話聞いていない奴なんてたくさん居るし。
式が終わり、教室に戻ると担任から連絡があった。
数分後に武偵校についての説明があるらしい。
時間が来るまで寝て待つ事にする。机にうつ伏せになり……。
眠りに落ちようとした矢先……。邪魔が入った。
「スゲー! Aランクってマジで半端ないわぁー!」
「ははっ、努力の結果さ」
「いやいや! 才能あるからっしょっ!」
うるせえ……。あいつら寝ている奴がいるのに気を使う事も出来ないのか?
仕方ねえ、携帯でも弄って時間潰すか……。
……あ、そう言えば僕って携帯持ってなかったわ。あれ? 皆携帯を持っているぞ? おかしいな? 僕だけ……?
ふ、ふん。携帯なんて友達とやり取りしてないと不安になるようなガラスのメンタルをしている奴が使うもんだし……。鋼のメンタルを持っている僕には不要な物だし。
いいか? 決して羨ましいとか強がってるとかそんなんじゃないからな?
「…………ホントにすることねぇな……」
そうだな。昨日見た夢の内容でも思い出すか。
アレは確か……。そうだ、狂犬病の犬に追い駆けられている夢だったな。
まあ、犬と言うよりは狼だったけどさ。
*
『ええから答えんかい!』
「ふぁっ!?」
あの暴力教師が怒鳴る顔を見て焦りながら目を覚ます。
「はあ、夢か……。クソーあの暴力女……。」
受験の際に、僕を中等部の連中が繰り広げる激戦区に投げ入れたあの教師に対して悪態をつく。人でなしとはあれの事を言うのだろう。
本当に世の中がクソだと思って来た今日この頃。
1年生全員に視聴覚室に集まるように放送があり、視聴覚室へ向かう。あらかじめ決められた席に着くと、武偵高の説明が始まった。黒スーツに身を包んだ男が入室した。
彼も武偵高の教師なのだと理解する。しかし、穏やかそうな顔を見たらどうしても頭がイっているとは思えない。
「みなさん、初めまして。東京武偵高、救護科の講師、小夜鳴と申します。今日は武偵高に入学した皆さんに、武偵高の極々基本的事柄や、校内の約束事についてお話ししたいと思います」
爽やかな笑顔を振りまくと、女子がキャーキャー言ってる。
くそ、ああいうのを見ると無性にイライラする。
大体、あんな奴に限って幼い女の子を監禁したりして「優秀な遺伝子を残すためです」って言い訳するんだよ。イケメン=優しいかと思ったら大間違いだぞ?
小夜鳴が武偵は恨みを買いやすいだとか、武偵殺しがどうとか言ってる。
「皆さんも注意して、在学中に命を散らすことがないように注意してください。まあそれでも、ここに居る何人かは卒業するの頃には二度と会えないんですがね……」
小夜鳴が手を合わせると「チーン」という音がした気がする。
途中で、爆発音が聞こえて立ち上がって外を見る。しかし、誰も爆発音に気づいていないところを見ると、どうやら自分にしか聞こえなかったみたいだ。
小夜鳴は突然立ち上がった僕を見ながらを口を開く。
「ん? どうかしましたか?」
「いえ……珍しい鳥を見つけたもので、つい……」
頭を下げて、席に着く。
今の爆発音……。やれやれ、早速物騒な事になってきたな……
説明が終わると今日は終わりだ。そそくさと学校を出て、アパートへ向かう。
今日の晩飯は何作ろうかな? まあ、サラダしか作れないんだけどね。
理由は簡単。野菜を切るだけで完成するからだ。
*
「ここか……」
義父さんから渡されたアパートの住所が記せれている紙を見ながら僕は目の前のアパートを見る。中々立派なアパートだ。
とりあえず大家さんに挨拶して詳しい事を聞くため。大家さんの部屋を訪れた。
「済みません。今日から此処に越してきた者なんですが……」
「ああ、お話は伺っておりますよ。お部屋へ案内しますね」
チャイムを鳴らしたら、人の良さそうなお婆さんが出てきて事情を説明するとすぐに部屋へ案内してくれた。荷物も僕が学校へ行っている間に届けられたらしいので、後は部屋の整理をするだけだ。
「此処です。ゴミ収集の曜日の表とかは机の上に置いてあるからそれを見てくださいね。分からない事があれば何時でも来てください」
「ありがとうございます」
大家さんに頭を下げて部屋へ入る。
荷物はすべてダンボールに入っていて、中身を確認する。だが、それよりも気になる事がある。
一際大きなダンボールがあるのだが……。ちなみにクソ重い。
ダンボールに紙が貼ってある事に気づいた僕は紙を剥がして目を通す。
『勇人へ。入学おめでとう。これはそのお祝いだ。本当ならベッドでも買ってやりたかったんだが、金が無かったのでこれにした。済まない、特撮ヒーローの変身ベルトを買ったら足りなくなったんだ』
「義父さん……」
最後の余計な文さえなければ完璧だった。早速中身が何かを確認する。
ダンボールを開封すると、それはソファーだった。通りで重いわけだ。
いや待て、ソファーって十分すぎるだろう。
そして変身ベルトはどんだけ高価だったんだよ……。
「義父さん、ありがとうございます……」
とりあえず、目を閉じてこのソファーの送り主に礼を言った。
今度会ったら改めて礼を言わなければ。
カサカサカサカサ……。
「っ……!?」
今の音は……いや、そんなはずがない。外見は立派なんだから中身も立派――
カサカサカサカサ……。
「うわあああっ! 出やがったあああ!」
台所に現れる黒色の奴……Gが僕の前に現れた。
パニックの余りソファーの上に上がり、スリッパを構えた。
「くっ……ええい!」
ソファーから降りると同時に奴に対してスリッパを振り降ろす。しかし、奴は軽快な動きで華麗にスリッパを躱し、逃走行動に入る。
「逃がすか!」
奴の後を追い、スリッパを構えるが、奴は突然跳び上がり、こちらに跳んできた。
「速いっ!? だが見切った」
体を横に反らして奴の攻撃を回避する。奴を再び視界に捉え、出方を伺う。
「落ち着け。天原勇人。奴は覚醒状態に入ると手が付けられない。仕留めるなら覚醒する前に“一気に”だ……」
自分に言い聞かせ、スリッパを握る手に力が入る。
呼吸を整え、落ち着くと同時に床を蹴って一気に奴との距離を詰める。
奴は危険を察知し、動き出そうとしているがもう遅い。既に僕の攻撃範囲内だ。
「G Must Die!」
掛け声と共にスリッパを振りおろし、奴を潰した。
ちなみに今の言葉を和訳すると「ゴキブリ、死すべし!」だ。
「はあ……はあ……」
勝った。初日から苦労したが何とかなった……。ああもう、疲れたから寝よう。
すぐにソファーに横になって目を閉じる。眠りに落ちるまでそう時間はかからなかった気がする。
*
ヂリリリリリリッ!
目覚ましの音で目が覚める。
「もう朝か……」
二度寝したいところだがそんなことをしたら確実に遅刻するだろう。
……仕方ない。起きよう。
あ~面倒くさいなぁ。学生なら誰もがこの朝の支度をする時間が面倒くさいと感じないだろうか? 月曜日なら特に。
ソファーから体を起こして、パンを頬張りながら机の上に置いてるナイフを懐にしまい、銃をホルスターに入れ、鞄を背負い、靴を履き外へ出る。
「うわ……寒い……。ジャンパー着ていこうっと」
一旦部屋に戻ってジャンバーを取り出して着る。これで幾分か寒さを和らげることができるだろう。
例の如く朝の日差しが僕を照らしてくるがこちらとしては眩しいだけなので良い迷惑だ。なんでそんなに僕を照らしたがるの? 慰めか? 同情か?
太陽よ、お前に僕の何が分かるんだ? そんなことはさておき、早く学校に向かおう。
お隣さんの部屋の前の通った瞬間――
『うぎゃーーーーっ!!!」』
「うおっ!? 隣の住人朝っぱらからどうしたんだ!?」
扉の向こうから凄まじい悲鳴が聞こえた。大方、寝坊して時計見たら時間がやばくてつい声を出したんだなと予想する。僕にも経験がある。まあ、悲鳴は出さないが。
あれ? なら僕も時間がやばいんじゃ……やばすぎるだろ!? 徒歩じゃ間に合わねえよ!
しかし、こんな時の為に義父さんに自転車を用意して貰っている。
少々古いが問題はない。自転車に跨り、ペダルを漕ぐ。風が気持ち良い。
偶にはサイクリングもいいかもしれない。
そんな事を思いつつ、僕は武偵高を目指した。
とりあえず色々と設定を詰め込んだ的な主人公ですw
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