屑を装いながら頑張って生きてます。   作:ロイヤルかに玉

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最近、何か調子悪いな……。
いつも以上の駄文しか書けない……。


第9話 ハハッ(甲高い笑い声)

「……うっ」

 

カーテンの隙間から入り込んできた朝日で目が覚めた。

もっとも覚めた瞬間、体中に激痛が走り、吐き気や目眩などに襲われる。

夾竹桃から受けた猛毒が本格的に体を蝕んできている様だ。こうやって冷静に考察できるのも鋼の精神で耐えているからだろう。もし、僕の精神力が弱かったら今頃、痛みに悶絶していて冷静に考える事もできないだろう。

「ハア……やべぇ。シャレにならねぇよ……」

息を荒くしながらソファーから体を起こし、壁に手を着いて歩き始めようとしたら携帯が鳴った。

携帯を手に取り、電話に応答する。

「はい……もしもし……」

『天原さん、大丈夫ですか!? 良かった、先ほど連絡しても中々でなかったので手遅れになったものかと……』

「何とか、生きてますよ。解毒剤、完成したんですね?」

手遅れって……。それなら救急車呼べよ。こっちは命の危機なのに……。

また後で伺おう的なノリで医者やってんのかよ……。いや、そんな事より解毒だ。

『はい、今すぐに来てください』

そう言って電話は切られ、僕は傘を杖代わりにしてアパートから出る。

しかし、ここから病院って中々距離があるぞ……。

高速丸・ジュニアはまだ購入してないから無いし、こんな状態で乗ったら確実に事故る。

いや、考えるより動けだ。

傘に少し体重を預け、足を前へ動かす。

そんな僕の目の前にタクシーが止まっていた。

「おお、神よ! 感謝します!」

体に鞭を打ち、急いでタクシーに乗り込む。

「お客様、どちらまでってえぇ!? 具合でも悪いんですか!?」

運転手さんが僕の顔を見るなり顔を青ざめて聞いてくる。どうやら、余程僕の顔色は凄い事になっているらしい。

「病院まで……お願いします……」

「か、畏まりました!」

そう言って運転手さんはアクセルを踏み、急発進する。

 

ウーウーウー

 

車の外からお世話になりたくない車第3位の車が鳴らすサイレンが聞こえる。

『そこのタクシー、止まりなさい』

かなりスピードを出しているらしい、警察が追ってくる。

「くそっ、ポリが来やがった! お客様、しっかり掴まっていてください!」

「え、ちょ」

車のエンジンが雄たけびを上げてさらにスピードが出る。

「ああくそっ。白バイまで……」

横を白バイが走っている。運転手さんは窓を開けて大きく息を吸い込み……。

「耳障りじゃっ! こちとら今にも死にそうなお客さんを乗せて病院に向かってんじゃ! これでお客さんの身に何かあったらおどれら責任に取れんのかっ!? おぉ!?」

この運転手さん怖すぎぃ! 最後の「おぉ!?」ってチンピラかよ!

心配してくれるのは嬉しいがここまでされたら逆に申し訳ないわ!

って、ああ! 白バイが退いて行く!? 運転手さんすげぇ!

「良し、お客さん、もうちょっとや。頑張るんや!」

タクシーが病院前に止まり、運転手さんが僕を担いで病院へ入る。

受付には、僕を診察してくれた医者が待機しており、僕の姿に気づくとすぐにタンカの用意をして僕を運んでくれた。

 

 

 

「はあ、助かったのか……?」

タンカに運ばれている間に僕はとうとう気を失い、目が覚めると白い天井が広がっており、病室に移されたのだと察する。

九死に一生を得る。正にこの事なのだろう。

起き上がろうとするが、体には力が入らず、すぐにベッドへ逆戻りしてしまう。

「こりゃ、ひでぇ。体が石の様だ……」

今まで、この体は猛毒から生命を守る為、常に鞭打って耐えてきたのだ。

相当な疲労が溜まって当然なのだろう。どちらにしろ、しばらく安静にするしかない。

窓から外の景色を見れば、日が傾き始めている。かなり長い間眠っていたようだ。

もう一度寝ようと、目を閉じた瞬間、病室の戸が開く音に反応して瞼を持ち上げる。

「おや、お目覚めになりましたか」

医者が安心したような顔をしながら入ってきた。

「いやいや、犯人があっさり口を割ってくれたおかげで解毒剤の完成が出来上がったんだ。これで安心だ」

「お世話になりました。そう言えば、あのタクシーの運転手さんは?」

「彼ならすぐに行ってしまったよ。金も要らないと言っていた。もし、機会があれば礼を言うといい」

「はい、そのつもりです」

「では、もう少し安静にしていてください」

「了解です」

返事を返すと医者は病室から出ていき、寝付けなくなった僕は、窓から外の景色を見て時間を進ませる事にした。

 

 

 

「うん、慣れて来たかな」

体をゆっくり動かし、痺れなどが無いか確認する。少しばかり、痺れはあるが問題ない。

立ち上がってロビーへ向かう。

あ、ののかちゃんの見舞いにでも行こうかな。でも、ケーキ持ってくって言っちゃったしな……。病院になんて当分の間来ないだろうし、近くで買って来るとしよう。

 

病院から出ると、すぐに近くにケーキ屋が無いか調べて、発見し次第、歩を進める。

「げっ、1個1200円って……。僕の財布が真冬を通り越して北極になるな」

どうやら、ここはかなり人気のケーキ屋なのだろうか? 売り切れと立札が立っているスペースが多々ある。

「ごめんねののかちゃん。貧乏人じゃ精々4個しか買えないよ……」

項垂れながらレジへ向かう。

「すいません、これを4個ください」

財布から野口さんを5枚取り出し、店員に渡す。手元には銀色の硬貨2枚が帰って来る。

ケーキが入った箱を手に取り、店を後にする。

 

再び病院に入り、ののかちゃんが入院している病室を目指す。

ノックをすると、「どうぞ」と聞こえてきたので戸を開けて病室に入る。

「こんにちはー。早速見舞いに来たよ、ののかちゃん」

「あ、勇人……さん?」

ののかちゃんが僕の顔を見るなり、急に黙り込んだ。

室内を沈黙が支配する。あかん、この空気マジで無理だよ……。何とか話題を振ろうと口を開こうとするが、中々良い話が思いつかない。なんで急に黙っちゃうのだろう? 

あれ? まさか、これって僕の顔が「あれ」だから黙っちゃったのかな……。

やっぱり、この顔を受け入れてくれる人って居ないのかな……。

「勇人さんって……あの時助けてくれた……」

過去に接点でもあるような言い方をしてくる。しかし、こっちにはあった事すらない――

……言われてみれば、なんか見覚えがある顔だな。

今までの記憶を遡るとすぐにハっとした。

そうだ、思い出したぞ! ロリコンくそ野郎どもに誘拐されてた子じゃないか!

それにしても気まずいな……。あの時は仕方ないとはいえ首筋を打って気絶させちゃったからな……。

「思い出したよ。あの時の子だね。いやーごめんね? 首筋打っちゃって」

「そ、そんな、勇人さんのおかげで助かったんです! ちゃんとお礼も言えないまま……」

お互いに気まずいな。こういう時こそ……。

「そんなことよりほら、その辺で買った物だけど、ちょっと早めの退院祝いって事で。お姉さんと仲良く分けてね」

「ありがとうございます! あ、これって人気のケーキ屋さんのですよね?」

「やっぱりな……値段がバカにならない訳だ……。それより、容体の方は?」

「はい、お姉ちゃんたちのおかげで良くなりました!」

「それは良かった」

いやー良かった良かった。これで皆幸せハッピーエンドだ。あ、まだ終わりじゃないな。

デュランダルがまだ潜入している筈だ。彼女も何とかしないと……。とりあえず、レポートでも出しておくべきだな。もっとも、落ちこぼれのレポートなんて信用されるか分からないけど……。まあいいや。どうせ優秀な超偵を誘拐されて困るのは僕じゃないし、気楽に行こうっと。

「あの、勇人さん」

「ん? 何かな?」

「勇人さんは……本当は……あの後」

「いやいや、僕はそこまで勇敢じゃないよ。僕の特技は、相手を煽るだけ煽って他人に任せる事だから。戦いなんて本業じゃないよ、ハハッ(甲高い笑い声)」

「そう、ですか……ふふ」

ののかちゃんが顔を俯かせ少しだけ笑い、すぐに顔を上げる。何だか気まずくなったのでささっと退散するとしよう。

「じゃあ、そろそろお暇するね。じゃあ、元気でね」

「はい! 勇人さん、助けてくれてありがとうございました!」

笑顔でそう言われ、僕はののかちゃんに向き直り、笑顔を作った。

「どういたしまして」

そう言って、病室から出て行った。

さて、明日から忌々しい学校だ。まずは言い訳を考えないと。

 

 

 

「成程、1人寂しく死体ごっこで遊んでいたら幽体離脱して何とか戻ろうと奮闘し、今朝方、やっと元に戻れたと……」

「はい……。軽率な行動をしていたと反省しています。どうかお許しを」

登校して早々、僕は尋問室にて担任に土下座しながら徹夜して考えた言い訳をする。馬鹿らしいかもしれないが、ありそうな言い訳をした。この話をした瞬間、担任はジト目になり、「あ、この言い訳だめだな」と思いながらも口を開く。

「とりあえず、無断欠席の罰として清掃活動などしてもらいます。放課後、すぐに教務課(マスターズ)まで来てください」

「はい……」

解放された僕は教室に戻り、仮眠を取るためにうつ伏せになった。放課後は汗水たらして働くことになるので今のうちに寝とかないと色々ヤバイ。

ウトウトしてきたところで、何者かが僕の背中を突いてきた。体を起こして後ろを向くと、小学生――ではなく、間宮が立っていた。

「間宮か、何の用?」

「えーっと……その……勇人……君?」

「っ!?」

突然、背筋が凍るような殺気を感じた。殺気を辿ると、間宮の後ろへ続いていく。恐る恐る首を動かして間宮の後ろにいる人物を見る。

「ヒィ!」

思わず口から裏返った声が出てくる。僕は恐ろしい物を見た。間宮の後ろには、禍々しいオーラを放つ少女が僕の事を睨みつけていた。

「あの……間宮さん? 後ろに居られる方は……? さっきからこちらを見ているのですが」

「え? あ、志乃ちゃん! おはよう!」

「はい、おはようございます! あかりちゃん!」

間宮があいさつした瞬間、彼女からは殺気が消え失せ、先ほどの表情が嘘だと言うように、満面の笑みで間宮に挨拶した。彼女は一体……。

「あ、勇人君。こっちは私の友達の志乃ちゃんだよ!」

「よ、よろしく志乃さん」

間宮の後ろで笑っている彼女に怯えながら僕は挨拶をする。

「ちっ……。気安く呼ばないでください」

「あ、はい。済みません。じゃあなんてお呼びすれば……」

「苗字で呼んでください」

「えーっと、佐々木さん。どうぞよろしく……」

どうしよう、この子めっちゃ怖いんだけど……。さり気無く舌打ちされたし……。これからは佐々木さんに関わらないようにしよう。うん、それが良い。

「勇人君、あの時はありがとね! 勇人君が割って入ってこなかったら私も夾竹桃にやられちゃってたよ」

「ああ、気にしないで。僕も用があったから偶然利害が一致しただけさ」

思ったんだけど、間宮が夾竹桃を逮捕していなかったら僕は毒でお陀仏だったんだよな。

こう考えれば、間宮は僕の命の恩人と言う事になる。

「ちっ、どうせあかりちゃん目当てなんでしょう……」

佐々木さん小声でつぶやき、刀に手を掛けていらっしゃる。ちょっと待て、ここでドンパチやらかしたら教師がすっ飛んでくるぞ。

「あ、間宮。そろそろ授業が始まっちゃうよ?」

「むぅ、名前で呼んでよ……」

頬を膨らませながら呟く間宮を見た瞬間、僕の脳に雷が落ちる。何この生物、超可愛いですけど。

「あかりちゃん! 駄目です、(けだもの)にそんなこと言ったら襲われちゃいます!」

「おいコラ、人を(けだもの)呼ばわりしやがって、人権って言葉知っているのか? 人として扱え、人として」 

「黙ってください。ブサイクに人権はありません」

それ言われちゃ、反論できねぇよ……。てかブサイクに人権ないって中学の時にも言われたんですけど、何なの? 流行語なの? 

「志乃ちゃん、そんなこと言ったら勇人君が可愛そうだよ?」

「分かりました、あかりちゃんがそう言うなら……」

笑顔で間宮と話す佐々木、しかし、一瞬こちらを睨みつけ、その瞳はこう語っていた。

『次は無い』と……。

平凡に生きて行くと決めていたのに、僕は波乱の嵐に巻き込まれるのを察していた。

 




原作のキャラが上手く書けないな……。
ここまで国語力が低いとは自分でも思わなかった……。
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