黒狼狐己録 -Life Harboring-   作:ふーか

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誰でしょうか。もう一章に性描写がないと言ったのは。

12~15話の内に、二章入ります。


十一 提案とロックオン

 唸り声を上げつつ、上半身を起こす。私が全裸なのはもう何も言うまい。言うだけ無駄だ。

 隣でスヤスヤと眠る藍を起こさぬよう、ベッドから降りて、服を探す。フラフラと足取りが危ういが、まあすぐ治るだろう。それにしても藍、貴女正直やり過ぎよ。本当に壊れるよ。私が。ていうか服何処?

 

「んぅ…狼戈?」

「あ、藍おはよ…きゃう!?」

「キャア!?」

 

 フラフラとしていた足取りと定まらない意識のせいで床につまずき、藍の胸へ全力でダイブしてしまう。嫌な予感が頭をよぎる中、私は一言おはようございますと呟いた。

 すると彼女は満面の笑みで“ああ、おはよう狼戈”と。そしてその笑顔のままに、畳み掛けるように次の言葉を口に出す。ああ、やっちまった。

 

「少し腹が減ったな」

 

 ああ、私を食うと。私は食われると。そうですかそうですか。今すぐ逃げ出していいかな。私。

 冷や汗を垂れ流し、ずりずりと下がる私に、藍が近付いてくる。裸故に目のやりどころがとても困る。同姓だから気にするなと言われても…。そんなことより。

 

「あ、あれ? 開かない…!?」

 

 私の背中に当たった扉。流石に裸では外には来れないだろう。そう思って逃げようとドアノブに手を掛ける…が。動かないんだよ、これが。

 

「私が許可しなきゃ、ここには紫様しか入れないぞ…♪」

 

 扉を背にずるずると座り込む私に、御機嫌な藍が近付く。デジャヴな気がするが…

 

「え、えと…こういうのは夜だけに…」

「そうか、なら毎晩犯し尽くしていいのだな」

「いや、勘弁してください」

 

 ならいいじゃないかと私に乗しかかる籃。素肌と素肌が重なりあい、私の悲痛な叫びが響く。

 もう嫌だよこの九尾様。私色んな意味で食べられちゃうよ。

 

 

 藍の尻尾に揺られ、館を移動する。私からの提案がある、とのことで紫の所へ案内して貰っているのだ。尻尾に乗せて貰って。ああ、気持ちいい。モフモフ尻尾最高。

 

「失礼します」

「失礼しまーす!!」

 

 藍の丁寧な挨拶に対し、私の元気な挨拶。無論、ただの嫌がらせである。これで嫌がるとは思ってない。

 

「どうぞ。そして提案とは? 狼戈」

 

 聞いていたのか、この覗き魔め。殴り飛ばしたくなる衝動を抑え、少し長くなると話す。すると机に体を向けて座っていた紫は、くるりと此方を向き、何処からか椅子を出現させた。本当にこの隙間便利だな。

 

「…先に言うけど。私は敬語とか却下するわよ。さて、本題ね。

 私は藍の式。でも、私は色々やりたいことがあるの」

「…つまり?」

「私を自由にさせて。もし私の力がいるとか、藍が寂しいなら、私を召喚して。それを設定する位なら貴女なら朝飯前でしょう?」

 

 私の提案に、藍が苦い顔をする。だが昨日と違い、強く反対はしないようだ。その理由は幾つかある。“召喚する権利は藍にある”こと、そして“いつでも会える”ということ。最後、“藍の精神が安定していること”。もしこれで藍が嫌だといったら、私の人生は楽しみを失っていただろう。

 しょっちゅうその言動に苛々させられる紫だが、今回は訳が違う。じっと紫を見つめ、真剣な表情で問い掛ける。

 私と目を合わせた時、顔を赤らめて視線を逸らしたのは何故だろう。服はしっかり着てるけど…

 

「ら、藍がいいなら好きになさい」

「…ありがとうございます。ご主人様」

「そ、その言い方はやめなさい!!」

 

 私が真面目にご主人様と呼んだのに、呼ばれた方は酷く取り乱していた。本当によくわからない。何処まで演技で何処まで本当なのか。

 藍を見ると少し考えた後、ゆっくりと頷いた。交渉成立…か。

 

「ありがとう、藍。私の家族、貴女の式。その事実に偽りはない…いつでも呼んで。貴方の危機には、全力をもって駆け付けるから」

 

 

「…藍」

「はい、何か御用ですか?」

 

 藍を呼び、質問を問い掛ける。あの少女は…

 

「あの子は…狼戈は、貴女にどう見えているの?」

「…とても優しく、お人好しです。私の…恩人ですので」

 

 顔を赤くしながら言う藍。この様子では、好意を越えた好意を抱いているのは確実だろう。

 

「なら、獲物として見たらどうかしら?」

 

 私の言葉に、籃の瞳孔がキュゥゥと狭まり、獲物を狙う蛇の如く鋭い瞳となる。

 

「美味で濃厚…恐らく誰がその場に居ても真っ先に狙う程極上です」

 

 その言葉と共に、私は確信した。あの時感じた謎の羞恥心。狼戈自身が、恐らく媚薬のような体質を持っている。その上、血と肉は極上と来た。妙に興奮するのも頷ける。

 

 ちょっと遊んでみようか。あの幼き妖怪で。




ふははは、グダグダになったぞ。
本当に申し訳ありません。精進します。
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