黒狼狐己録 -Life Harboring-   作:ふーか

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◆若干のエロ注意◆
え? タイトルで察しました?



二十二 深夜と発情

「あの…狼戈さん」

「うにゅ? どうしたの?」

 

 空の口癖をパクりつつ、狐火鴉の呼び掛けに答える。やけに恥ずかしそうだが、どうかしたのだろうか? 私の部屋に、見られて恥ずかしい物等無いはずだが…

 

「狼戈さんって…美味しいんですよね?」

「うぐっ!? 燐!! 絶対言ったでしょ!?」

 

 他愛ない茶番劇を繰り広げる真夜中。明日は休暇(さとりは快く許してくれた。流石燐達自慢のご主人様)。出発昨夜(現在)に準備をして行く予定だったのだが、ふと話の成り行きで私の部屋に全員集合且つそのまま寝ることになった。何故こんなことになったのかは私にもわからない。布団は能力でどうにでもなる上、室温自体も狐火鴉がいることで比較的暖かい。まあ問題はないのだけれども。

 

「あたいは事実を述べたまでだよ?」

「私も狼戈ちゃん食べたいな~」

 

 だから、誤解を招く言い方はおやめくださいと、何度言えばわかるんだ、空さん。

 

「私の記憶がある日から、何かと美味しい匂いの元は狼戈さんでしたから」

 

 燐が言おうが言わまいが、どちらにせよ私は美味しい獲物にしか見えていないらしい。

 

「…じゃあ何? 皆で私を襲って食べようとでも?」

「…別の意味でなら」

 

 かなりの問題発言をした気がする狐火鴉に、身震いひとつ。狐といい、性欲といい、籃に似ている気がする。私、狐に何か恨まれるようなことをしただろうか。燐が唖然とし、空は首をかじけている。

 

「ねぇ、狼戈さん…? 一緒に遊びませんか…?」

 

 不意に何を思ったのか、狐火鴉が少し頬を赤らめながら言う。

 ーーーおい、待て。どういう意味だ。わかっているがどういう意味だ。

 

「お、お空…あたいの部屋で寝ようか」

「え~? 私も狼戈ちゃんと遊びたいのに…」

 

 燐が見事に空気を読んだ。読まなくていい空気は読むのに、何故こんな空気は読むのか。しょぼんとする空を引きずって、部屋を退室していった。お願いだから二人にしないでください。

 

「…よし、私もお燐達のところで」

「逃がしませんよ? たまには…いいでしょう?」

 

 ゆっくりと歩み寄る狐火鴉に、ジリジリと後退する。ここでは襲われる事がないと思っていたのに、何故こうなってしまうのか…。私はそういう宿命なのか? いや、こんな宿命勘弁してくれ。

 

「ふふ…ね、狼戈さん? 楽しみましょう?」

「そ、そんな突拍子に…唐突に…!! ッ!?」

 

 ポテッとベッドに倒れる。後退した結果、何かに足を引っかけたようだ。即座に起き上がり、部屋を出ようとするものの、尻尾で巻きつかれて終了。何故か力が出ず、振りほどけない。

 

「…私の能力は“時を巻き戻す”。限度はありますけど…ね」

 

 気付けば衣服がブカブカになっている。衣服が大きくなった訳ではない。私が小さく…いや、幼くなっている…

 …然り気無くチート能力じゃないですか? リアルコインティニュー出来るじゃないですか。

 

 全力でもがいてみても、振りほどける様子はない。狐火鴉から見れば、逃れようともがいている可愛い小動物にしか見えないのだろう。15歳の時を巻き戻して楽しいのか。

 

 優しく抱き抱えられ、優しくベッドに寝かされる。衣服は上着を残して脱げている(大き過ぎる為、すり抜けた)。まだそれで全身隠れているものの…これはもうどうしようも出来ない。

 

 不意に、れろりと狐火鴉の舌が首筋を這う。尻尾で巻かれて、乗しかかられて、舐められて…

 

「さぁ…遊びましょう」

 

 

 

 

 

 

「さぁて…? どう御詫びしていただこうかしらねぇ…?」

「ご、ごめんなさい…!! つ、つい、あの、その…」

 

 狼狽し始める狐火鴉に、満面の笑みで詰め寄る。無論、以前のように目が笑っていないことは認めよう。だが、力も存分に発揮出来ぬ子供(幼女)を散々弄ぶなど言語道断。散々喘がされたのだ、どうしてくれる。

 

「その…春ですし……発情期なんです…」

「同性相手に発情するのも変な話ね。発情期、ねぇ…? 私はなんともないけど」

「交尾出来る雄がいないだけでしょう?」

 

 かなりの問題発言テイク2を叩き出す狐火鴉。ムッとしながら言ってくるのがなんとも…

 

「じゃあ、狐火鴉は私と交尾したかった訳? 種付けでもする気?」

「い、いや、違……うぁぁ…狼戈さん…もう反省しましたからぁ…」

 

 現在、時計の針は丑三つ時を指す。この二匹の調子では、恐らくもう眠れない。狐火鴉は反省しているのか、恥ずかしいのか真っ赤になって布団(間隣)に潜り込んでしまったし、私は快楽の感覚が抜けきらない。もういっそのこと、性技でも極めてやろうか。藍ならかなり詳しいだろうし…ああ、でも実験相手がいないな。

 

 …何を考えているんだ私は。

 

「ま、いいや。いい旦那さんが見付かるといいね」

「あ…私は、男性恐怖症といいますか、男性には…近付けないです……」

 

 どうするよこの子。発情期発情期って、どうやって子孫残すんだよこの子。この館に雄はそこまで多くないが…何故に? 何が起きて男性恐怖症に? 動物の世話は時折撫で回していたくらいだから、あまりわからない。

 

「…お楽しみのところ悪いけど」

「あ、お燐。覚悟しててね、私のモッフモフ尻尾でジャイアントスイング決めるから」

「流石にあの場にいられる訳がないだろう!? 裸体晒しといて言わないでおくれよ」

 

 ああ、そういえば私も狐火鴉も裸でした。何故こうなったし。まあ一緒にお風呂に入ったりが日常茶飯事の為、互いに何等気にしないのだが。

 

「…百合だね」

「ん、何か言った?」

「いや、何も。それより、空がずっと狼戈のことばっか話してるんだ」

「私のこと? 何で…」

 

 こんな深夜(というか既に早朝)、もう寝ていると思ったのだが…。陰口を言うような子ではないし、何かあったのだろうか。今、私が心配なのは、狐火鴉と話していたこと、発情期。動物妖怪問わず、雌達が顔を赤らめている。元が動物故、当然といえば当然なのだ…だが、かなり辛い。出掛けるのは半年ほど後でよかったやも知れぬ。

 

「…やっぱり行かなきゃダメ…かな?」

「私に狼戈のことを聞かれても、何も言えないんだ。とりあえず、御愁傷様」

 

 パパッと服を着て、動かぬ足に喝をいれる。行きたくないが…行かなければ恐らく突撃して来そうだ。腹をくくり、空のいる燐の部屋の扉を開ける。

 

「…お空? どうしたの?」

「狼戈ぁ…あのね、体がとっても熱いんだよ」

 

 “体が熱い„という言葉に、私の体がビクッと震える。この季節…真夜中に…この言葉は…禁句。これからどうなるかを全て悟り、作り笑いで後ろ手に扉のドアノブを触る。

 

「でね、なんでか狼戈の事が頭から離れないんだ…ね、狼戈」

「な、何…?」

 

 

「私と交尾しよ?」

 

 

 その後、私の部屋へ逃げ、空の部屋へ逃げの大混乱となった。同性だから無理だのああだのと大騒ぎになり、全員仲良くさとりに怒られ…るということは無く、落ち着いてと空と狐火鴉が宥められた(既に狐火鴉は比較的落ち着いていたが)。この状態で心を読まれるのはさぞ辛かっただろうな、と思いつつ、私は燐に尻尾のフルスイングアタックをお見舞いしたのだった。

 

 さて、少しだけ寝てから、出発するとしようかね。

 

 …何故全員私の部屋にいるんだ。




空が原作より遥かに幼い感じですが、お気になさらず

どうでも良い話ですが、先程久々に緋想天を起動しました。
天子に負けそうになりました。天子強いよ天子。
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