黒狼狐己録 -Life Harboring-   作:ふーか

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はたまた突拍子。
時代が現代になれば、あんなことやこんなことを(自主規制)

文章力の無さは更新速度でカバー(出来てない0w0)


三十四 日々と作戦

「よろしくお願いします!!」

「あ…ああ、うん。よろしくね?」

 

 あれから…何年過ぎただろう。もう年数は数えていない。私がこの世界に来て、何百年という時が過ぎているのは事実。千年を超えているかと聞かれると怪しいところだ。

 

 現在、八雲家と地霊殿を行ったり来たりしつつ、稀に妖怪の山に遊びに行ったり、というもの。もう天狗の山になってはいるが、元々妖怪の山に住んでいた(大嘘)ためお咎めなし。椛とは相変わらず。

 今は八雲家に丁度遊びに来たところなのだが…

 

「狼戈様!! 遊んでください!」

「こら、橙。狼戈も疲れてるから、また今度にするんだ」

 

 …この親馬鹿狐と幼い化け猫をどうすればいい。毎度の事だが、何故か子供(?)にはなつかれる。最初の狐火鴉といい、この橙といい。まさか、あの吸血鬼の妹に迄なつかれないか、と軽く心配だが、なつかれたらなつかれたで別に良いか。昔の籃みたいに、ヤンデレと化さなければ。

 …というか橙。君を好きなのは藍なのだから、そちらに行ってくれないか。別に私も好きだけど…。

 

「あ、はは…藍、橙はここに住むの?」

「いや、橙の家は妖怪の山にあるらしい」

 

 …ああ、“猫の楽園„だったかな。猫になり済まして忍び込んでみようか。

 

「…まあ、ご飯にしようか。あっちで机運んでーーー」

「終わったわよ?」

 

 …何隙間使ってるのかね、この妖怪は。楽しみなのは良い。でも自力で働いてほしい。

 

 

「…紅い館?」

「ええ。出来れば…狼戈にも来てほしいの」

 

 食後、すぐに寝た橙を膝枕していると、紫が唐突に切り出した。橙の尻尾をガシッと掴むと、ビクッと体を揺らした。可愛いけど、自重することにする。私が何時も藍や燐にやられていることだけどな!!

 それにしても、紅の館…。吸血鬼異変ですね、わかります。

 …先程、良からぬことを考えた直後の為に少し恐ろしい。

 

「…いいよ。紅の館…吸血鬼が治める、血の館」

「知っているのなら話が早いわね」

 

 霊夢に解決して貰えればいいのだが、まだ霊夢は幼い(というか会っていない為、生まれているかも知らない)。勘違いされがちだが、これは紅い霧の“紅魔館異変„ではない。スペルカードもない…正真正銘の殺し合いだ。

 …私だって、あれから必死に頑張ったんだ。簡単に負ける訳にはいかない。

 

「…決行は?」

「一週間後。何か都合でも?」

「いや、平気。一応、さとり様に伝えてこないと…」

 

 まったく、ただ遊びに来たつもりが、結局私は巻き込まれるのか。ま、文句はないし、もし誘われなくても多分私自ら進んで引き受けている。その理由はひとつ。紅魔館の面子と仲良くなりたい、以上。命を懸けるにはパッとしない(どころではない)理由だが、気にしたら負け。

 

「じゃ、一週間後に迎えに来てね。藍、橙あげる」

 

 藍に可愛らしい寝顔を見せる橙を渡す。ねぼけているのか噛まれそうになった。

 橙が藍になつかず、私になついていることに少し不満を感じているようだが、最終的にマタタビで操り始めるあたり私に咎が来ることはないだろう。私もマタタビを食らうと何故か酔っぱらうのも、理由のひとつかな。

 

「食器は自分で洗ってね♪ バイバ~イ♪」

「あ、狼戈!!」

 

 やったぜ。

 

 

「…どうせ駄目と言っても行くのでしょう?」

「はい、勿論。“家族„の頼みは断れませんので」

「…なら、狐火鴉を連れて行ってあげて。最近、貴女の事ばかり話しているから」

 

 戦力としては、狐火鴉と比べて燐や空の方が少し強い(こいしは普段居ないため論外)。だが私とのコンビネーション、その能力から見るに、私と狐火鴉は相性が良い。狐火鴉の能力で相手の時を幼少時代へ巻き戻し、私が最大の一撃を叩き込む。いとも容易くえげつない行為が行われているが、基本、殺しはしない。私も狐火鴉もお人好しだから仕方がないのだ。

 

 さとりの部屋を後にし、自室へと向かう。今は仕事のある時間ではないから、皆いるはず。そう思って扉を開けると、其処には目を疑う光景が広がっていた。

 燐に押し倒された空と、それを傍観する狐火鴉。その状況、絶句の一言。私の乱入に時間が止まり、その場の空を除く全員が固まる。

 

「お燐…遂に私じゃ我慢出来なくなったの?」

「ち、違…ッ!! これには訳があって…!!」

「うにゅ~…」

 

 慌てる燐の話を聞く限り、燐がつまずいて転んだ時に空を押し倒してしまったのだとか。確かに、部屋に入る前ドサッという音が聞こえたような聞こえなかったような…

 

「…つまんないの」

「何か言ったかい!?」

「んぐっ!? い、言ってないよ…?」

 

 今度は私が押し倒されるんですね、わかります。誰か助けてください。

 空気を読まぬ空に尻尾を撫でられつつ、燐に押し倒されつつ。流石にこのまま話すのは失礼なため、二人を振り払う。こういうことは深夜にやりましょうね~。

 

「狐火鴉…行かなくちゃいけないとこがある。最悪…死ぬかも知れない」

「…はい」

「一緒に来てくれる?」

「勿論です。家族一匹危険に晒せませんから」

 

 彼女が少しでも狼狽するようなら置いていくつもりだったが、見事に即答されてしまった。おお、優しい優しい。まあ…絶対に死なせないけどな。

 

「…決行一週間後。燐達は悪いけど無理だよ」

 

 頷く三人。仕事的にもまずいし、あまり大勢で行くのもまずい。少数の精鋭で行く方が良い。まあ、本来なら狼の狩りは群れで行うのですけどね。

 

「多分紫が主を、藍が…雑魚掃除かな?」

 

 主力となって来るのは、咲夜、美鈴、パチュリー、レミリア。フランは…どうなるのだろうか。もし戦う事になったとして、いったい誰が相手を…? 私でないことを祈る。

 レミリアの相手は確実に紫だろう。パチュリーは藍。つまり、咲夜と美鈴の相手をしなければならない。これで各々の相手が確定した。咲夜は狐火鴉、私は…美鈴だ。あれ? 雑魚掃除は誰が?

 …よく考えると、今回狐火鴉の参加は想定外。つまり、本当は私が二人を相手にしなければならなかった…? うわ、これ修羅の道じゃね?

 

「危なければ即座に退散!! OK?」

「…了解です」

 

 少し緊張した様子だが、狐火鴉のことだ。しっかりとこなしてくれるだろう。いざとなれば…私が身代わりになってでも護る。

 

「よし、寝ようか…んにゃ!? 狐火鴉の布団はあっち…」

「それなりの報酬はあるんですよね?」

「ぅぅ…仕方ないなぁ…仕事が終わってからね」

 

 なんだこの会話。おかしいだろこれ。普通有り得ないっての。

 

 ちなみにその後、狐火鴉が私の布団からでることはなかった。結果朝起きたら尻尾と尻尾が絡まってる始末。狐火鴉が絡めたんだと思う。お陰さまで、私の尻尾がしばらく痛かった。

 …本人が幸せそうだからいっか。

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