黒狼狐己録 -Life Harboring- 作:ふーか
そんな訳で、どんどん進めます(=∀=)ノ
更新スピードUP!!(出来たらいいなぁ…(遠い目
己嵐が生まれて数年。仕事も完璧に身に付いているようで安心するばかり。
あれから色々あった。突拍子に藍から一緒に住まないかと催促されたり、また、椛にも妖怪の山に来ないかと催促をされた。上の奴等に迷惑がられているなら、椛は得策ではないと思うのだが? 行きたいのは山々だが、断らせていただいた。私の家は地霊殿…何かない限りは、此処から動くつもりはない。
「狼戈さん、僕の刀知らない?」
「刀? ん~…見てないよ?」
己嵐が“しゃん„と言わなくなった。少し寂しい感じがするが、まぁいいだろう。
『此処にあるわよ? 貴女、邪魔だから持っててって渡したじゃない』
「あ、そうだっけ…てへ♪」
元気に部屋を退室していった。何がしたかったんだあの蛇二匹。
白音 己嵐。妖気自体は貧弱、更に身体能力も高くはなく、戦闘には不向きな子だ。ただ、腰に括り付けた身長の二倍はあろうかという長刀の扱いは私すら凌ぎ、彼女の居合切りは数メートル先の獲物すら一閃する。
また、彼女の能力は“影を操る„程度の能力。つまり、暗闇は彼女の独壇場だ。以前、己神とは別の影が拘束してきて本気で焦った記憶がある。リアルな拘束プレイが行われる為、夜に近付きたくはない。だが制限があるようで、自分の影が接している影しか動かせないらしい。その代わり、“己嵐の触れた影”に、触れている影は操れる。やはり、夜は独壇場のようだ。
そして、
黒い光に、白い闇…それは照らす光となるのか、呑み込む闇となるか…それは彼女次第だ。
「さて、と…仕事といきますか…」
「狼戈、頼み事があるのだけれど」
「さとり様…? はい、なんでしょうか?」
部屋に来たさとりに驚きつつも、頼み事の内容を問う。何時もならば…といいたいところだが、これは料理を作る者への“女性特有„の頼み事。他にも用具に関しても頼まれたが…とにかく、あまり考えないが吉。雄の動物もいる訳だし。
「地上で、山菜を採ってきて欲しいのだけれど」
「山菜? あ、私此処に来る前食べてました。何故今…?」
「野菜不足なの。行ってくれる?」
「はい、勿論です。自然なものも食べたいですよね」
具現化ばかりでは体も鈍るし、たまには自然のものを摂ることも必要だろう。
準備も無しに、大きめの鞄を背負って部屋を出る。からからと音をたてる一歯下駄、今日は何故か気分がいい。気ままにいくとしましょうか。
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「んっと…茸とか、薇とか…」
とある森の中。必死に背高草を分け、山菜を探す狼一匹。
今日は珍しく、なかなか見付からない。いつもならごろごろと転がっているというのに、何故今日に限って…先程までよかった気分は下がり、足取りも重くなっている。それもこれも、さとりのことを考えれば疲労なんて吹っ飛ぶのだが。
「…これ、カエンタケ…? これは流石に」
「其処の妖怪!! そのキノコ、頂こうか!!」
元気のある、若々しい声。振り向いて見れば、幻想郷に来た当初は会う事など無く私が朽ちるであろう思っていた人間が、其処にはいた。白と黒の、如何にも魔法使いといった服装。掲げた八卦炉、片手に持つ箒。
それは“普通の魔法使い”霧雨 魔理沙その人だった。
「…別にいいけど、これは食べたら基本死ぬよ?」
「食べないさ。別なことに使うからな」
疑問を抱きつつも、カエンタケを手渡す。無邪気な笑みを見せる魔理沙に心を揺れ動かしつつ、山菜を取ろうと元の場所に戻ろうとする。長い人生…ましてや異変が多発するこれから先、どうせ嫌でも会うのだ。私は地霊殿に住む者。何れは…敵として。また、味方として。
「ん、ありがとな~♪」
「…どういたしまして」
元気よく箒にまたがり去っていく魔理沙。折角だから博麗の巫女に会いに行ってみようか? 今頃、原作の主人公と遭遇、か…主人公が持機という意味で言えば、紫や幽々子、咲夜も同じ主人公だが、ね。
それにしても…彼女が茸等の山菜を集めているのだろうか。ならば、この辺りに無いことにも納得がいく。あの魔法使い、後でどうとっちめてやろうか。
「おーい!!」
「んにゃ? あら、さっきの人間。どうかした? もう山菜は持ってないよ」
「名前を聞いてなかったからな。私は霧雨 魔理沙だ。よろしく」
「…咬音 狼戈。此方こそよろしくね、魔法使いさん」
またも元気に飛びたっていった。元気過ぎるのもどうかと思うのだが…
それはともかく、此処にもう山菜は無さそうだ。移動するとしようか。
▼
「スペルカードルール?」
「ああ、何やらちょっと流行っているらしい」
そのルール、紫が広めた気がするんだけど、気のせいかな。いや、何でもかんでも紫が~と言うのはよくないか。きっと、紅魔館の異変が起きれば爆発的に広まるだろう。
また別の森の中にて。藍の遊び相手(一方的)を引き受ける代わりに、山菜探しに協力して頂いている。背後から狼戈ぁ♪なんて抱き締められた日には流石に心臓が一瞬止まったけど。
「ほら、狼戈も作っておくといい」
「…スペルカードねぇ? ま、帰ったら作ったり広めたりして見るよ」
藍に白紙の紙を渡された。まじまじと見つめても、それは本当にただの紙。いらないと言う理由はない。有りがたく頂いておくとしよう。
「ん~…よし、こんなもんかな。ありがとう藍。夜にでも迎えに来てね」
「…自分から言うのは珍しいな。どういたしまして」
一方的に襲う貴女が言うな。
さあ、山菜はたくさん集まった。ゆっくり帰るとしましょうか。
▼
白紙のカードを前に唸ってみても、ただただ時間は過ぎるばかり。山菜を渡した後ずっと考えている訳だが、やりたいことが多すぎてまったくとして決まらない。
「スペカ…うにゅ…てへっ♪」
ダメだ、全然決まらない。
炎に氷に雷に、蝙蝠に蛇に不死鳥に…宿す能力があるからこそ、出来るものは無限大。強力過ぎるものもあれば貧弱なものも…面白さ重視なら強いのは正直必要ないが…どうするべきだろうか。私としては、やはり楽しめればいいのだが…
「狼戈…制作中悪いが、ちょっと来てくれ」
「藍? うん、別にいいけど…」
数枚が出来上がる頃、唐突に現れた隙間から上半身を乗り出す藍に、何事かと話を聞く。その内容は、期待通りといえば期待通りの内容。とある館から、紅の霧が広がっているらしい。先程はまったく気付かなかったが…
本音を言ってしまえば、巫女と魔法使いが勝手に終わらせるだろうから放置したいのだけれど…仮にも“家族„が関わっている以上、放置する訳にもいかない。霧のおかげでフランが外に出れるというメリットはあるが、それでも…。問題は、私がどちら側につくか、という話。此方も本音になるが、魔理沙や霊夢と手合わせ願いたい…されど、レミリア達とも戦ってみたいのだ。自分から戦闘を望まない分、普段の日常にスリルがない。快楽しかない。
「…わかった、仮にも家族だし、後で私が様子を見てくるよ」
「…大丈夫か?」
「全然余裕。何かあったら逃げ足は自信がある」
タイミングを上手く合わせれば、巫女達にも会えるだろう。願ってもない好機。それまでにスペルカードを完成させ、披露するのもまた一興。さて、黒狼の遊戯…お見せしましょうか。