黒狼狐己録 -Life Harboring-   作:ふーか

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今話と次話は暴走しますよ。今話は控えめですが。
え? 次話? 幽々子様とか…(震え声)

え~、次話が終われば次の章へ。
次の章は…いよいよ、あの異変の開幕。
狼の奔走は、果たして家族の運命を変えられるのでしょうか…


五十四 橙とこいし (挿絵有)

 あの後萃香に今までのお返しと理不尽に遊ばれたが、とりあえずはよしとしよう。日常において戦闘には無縁の私にとっては良い刺激だった。ちょっと…やり過ぎたけど。

 

「で…なんで私はまた地上に狩り出されてんの? ん、これ甘い」

 

 まぁ、萃香が“起工記念祭と言いつつ天人を虐める祭„をやるから来いと軽く言って来たためだ。満面の笑みで狼戈なら来てくれるよね♪ とか言われたら行かなければならないだろう。狐火鴉のお菓子を頬張りながら。

 というか、何故私が天界に行かなければならないのか。私は寝ていたい。地霊殿で寝ていたい。どこぞの門番のように寝ていたい。最近運がないというか。

 

 飛翔しつつも腕時計を見る。約束の時刻まではあと数十分。いつもなら暇潰しがてら数時間早く行くのだが、色々あって遅れてしまったのだ。原因はお菓子作りと、御察しの通りである。もう…到着か。天子、元気かなぁ…。

 

「ん…!! とうちゃーく!!」

「…この前の狼。久しぶりね?」

「久しぶり。あの時は…ごめんね? あんなに挑発するつもりはなかったんだけど…」

 

 私の言葉にむすっとする天子。その後溜め息混じりに微笑する。

 

「皆あっちに集まってるわ」

「そう? わかった。悪いけど、私は相手になれないよ」

 

 虐めるとは言っていたが私としてはただ会いたかっただけだし問題ない。

 言われるがままに奥に進むと、見慣れた面子達が何やら話していた。天人虐めは終わったのかねぇ? よく考えると、あの半人半霊とかは初対面じゃないか?

 

「…登場!! 久しぶりだね」

「んにゃ、狼戈、よく来たね」

「来ないと何かするって顔が言ってたもん」

 

 笑顔の萃香。でも…何処か引っ掛かる。何故皆揃って私ばかり見るのだろう。来たばかりだから少し見られるのは当然だし、この庭師からも見られて当然。だが…先程から感じる視線は悪意の視線。普通に話しているように見えても、視線だけは此方に向けられている。とてつもない嫌な予感に萃香を睨むと、ん~? と首をかしげてくれた。可愛い…ってそうじゃねぇよ。

 

「…天人虐めは終わったの?」

「いや~? 逆にコテンパンにされたよ」

 

 …原作通り、か。私の介入によってどんな変化が…とは思ったが、今回の異変はあまり大差がないのかも知れないな。それにしても、連戦で勝ち続けるとはなかなかやるではないか、天子。私の時も手加減してたのかなぁ…?

 

「あるぇ? 霊夢は~?」

「ん~…来てないね」

 

 事の顛末は知っているが、一応聞いておく。そもそも、この祭りは壊れた神社の起工記念祭(といいつつ天人を虐める)。霊夢本人がいないと、やっぱり意味がない。…ふと、天子を見るとその姿は消えていた。霊夢の様子を見に行ったのだろう。お転婆だな、あの子は。

 

「えっと…貴女が…?」

「あ、どうも。咬音 狼戈…ってもう聞いてるかな。えっと…妖夢、だっけ」

「はい、魂魄 妖夢…です。よろしくお願いします」

「そんなに堅くならなくても。何を吹き込まれたのかは知らないけど」

 

 私に話し掛けた時の口ぶりから、粗方誰かに何か吹き込まれたということはわかる。千年以上生きているのだ、嫌でも色々な知識は持ってしまうさ。まぁ、持っていて損はないさね。

 

「あたしゃ敬語はあんまり好きじゃないし、普通でいいんだよ」

「…わかり…わかった。よろしく、狼戈」

 

 彼女の口調の使い分けはよくわからないな。私が平等過ぎるのだろうか…? この幻想郷で生きてきて、上下関係なんてどうでもいいということを悟った。いちいち上を気にしてたら人生…狼生楽しめないだろう。

 

「さて、天子はきっと霊夢を迎えに行ったけど…暇だなぁ。

 …そだそだ、妖夢、暇潰しに付き合ってよ」

「いきなり私!?」

 

 ずるずると妖夢を引きずり、少し離れた場所に移動する。視線が集まるなかで、無理矢理弾幕ごっこへ持ち込んだ。暇は潰すもの。

 仕方がないといった表情で剣を抜く妖夢。確か二刀流も出来るはずなのに、やらないのだろうか? それはともかく誘った私が準備出来ていないのは申し訳ない為に即座に戦闘準備。幽々子の視線が怖い。期待に似ているが、よくわからない悪意を感じる。

 

「…ゆゆ様、合図頼んでいいかな」

「ゆゆ様……狼戈が言うのも悪くないわね~♪ では、始め!」

 

 あれ、私以外にも同じ呼び方した人いるの?

 合図と共に、妖夢が一瞬硬直する。一閃…異常な迄のスピードで終わらせるつもり、か。成る程、読みやすい。

 横に凪ぎ払われた刀の腹を、妖気で作られた爪で上方向へ逸らす。刀を逸らされて隙の出来る妖夢。確かに、瞬きでもすれば見逃す程の恐ろしい程の速さ。だが…この幻想郷、速さで私に勝てるとは思わぬことだ。

 

「ん…と」

「がっ…は…」

 

 その顛末に唖然とする、私をよく知らぬ観客達。幽々子や萃香、魔理沙達ははあまり驚いていないが…アリスが小さく口を開け、パチュリーが目を細めた。あるぇ? 私の戦闘ってあんまり見せてないっけ…?

 

「…あれ、妖夢? 大丈夫?」

「何故…っ、あの速度で…」

「私の能力と、速力をなめないことね。ごめんね、なんかいきなりで」

 

 宿していたのは“さとり妖怪„の力。あまり使わない能力だが…その理由は簡単。つまらないから。ゲームでも戦いでも、つまらない。さとりが何故部屋からあまり出ないのか、それがわかる気がする。でも、そんな彼女の気持ちに近付ける気がするために、この能力は嫌いじゃない。

 

「ん~…ねぇ、萃香。天人虐めが終わったなら、次は何するの?」

「んふふ、よく聞いてくれたね。次は」

「遅くなりましたっ!!」

 

 萃香の言葉を遮り、聞き慣れた声が響く。振り返って見れば、可愛らしい衣服に身を包んだ狐…狐火鴉の姿があった。彼女も…誘われていたのか。

 

「お~、狐火鴉。ちょうど今から始めるよ」

「…え? 始める?」

 

 萃香の意味深な発言。次の瞬間、背後から何者かに抱き付かれ、更に力が抜けていく。その正体は来たばかりの狐火鴉で、私が脱力している原因は彼女の能力にあったようだ。体が今までやられたよりも小さくなり、その小さな体を狐火鴉の大きな尻尾が包む。すっぽり。

 

「…っ、萃香!! どういうこと!?」

「あれ、伝えてなかったかなぁ? 起工記念祭と言いつつ天人を虐めた後狼戈で遊ぶ祭」

「ふ…ふ……ふざけんなぁぁ!!」

 

 私の叫びも空しく、遊ぶ気満々の一部の妖怪達(亡霊を含む)が近寄ってきた。対して私は柔らかいもふもふ尻尾に包まれて身動きひとつできやしない状態。

 

「お、お願いだからこういうのは夜にしてよ…」

「夜にならいいんだね? わかったわかった」

「…言わせたな、この鬼」

 

 私が相手をしなければならないのは…恐らく萃香と狐火鴉に幽々子に…もう帰りたい。来るんじゃなかったと切に思う。

 

「…なぁ狼戈。あんなことやこんなことされて、恥ずかしくないのか?」

「グルル…!! はぁ…恥ずかしいよ、そりゃ。でも、毎度毎度ほぼ強制なんだもん」

 

 簡単に言えばいつも通り。

 

「…そうか。色々大変なんだな」

「ん、もしかして魔理ちゃん…私を食べたいの?」

「魔理ちゃん!? べ、別にそういう訳じゃ、ん…う…?」

 

 何をされたのかわかっていないのか、間抜けな声を出して固まる魔理沙。更にその状況にそれを見ていた面子も固まる。理由は簡単で、魔理沙の口を私が塞いだ。勿論…口で、ね。

 みるみる赤くなっていく魔理沙に悪意のこもった笑みを見せつつ、口を離す。私が無理矢理舌を絡めたせいで垂れた唾液を拭い、唖然とする魔理沙。わ、私から仕掛けることなんて殆どないんだからね…!!

 

「狼戈…お、お前、い、いいったい何を…」

「ん~、なんとなく、かな。ファーストキス、奪っちゃった?」

「…狼戈さん、いつの間にかキャラ変わってません?」

「そうだねぇ…前は胸をつついただけで悲鳴を上げたのに」

 

 端から胸を触るな。

 

「…狼戈さん、もしかして、私の机にあったお菓子食べました?」

「え? ん…わかんない。食べたかも…」

「…あれ、酒入りですよ?」

 

 それを聞いた瞬間、思い出したかのようにどんどんと意識がぼやけていく。狐火鴉はそれを知ってか知らずか能力を解かない為、このまま暫く意識が治ることはなさそうだ。

 

「あらら…あれを食べさせて色々むふふな作戦が失敗しちゃいました」

「なんでそんな作戦をむぎゅっ!?」

「どうせ酔うならもっと酔え」

 

 萃香が真顔で酒を口に注ぎ込む。窒息しつつも引き剥がせば、意識に完全に霞がかかる。これは…私を暴走させたいが為に行っているのだろうか。私に犯されたいと…? 萃香ならどうなるか、身を持って知っているはずなのに。

 

「…ん、出来上がったかな? 魔理沙、固まってないで狼戈の所に行きなよ」

 

 どうやら野次馬目当てらしい。

 ふらふらと私が魔理沙に近付いていくと、魔理沙はビクッと肩を揺らして逃げる。当然と言えば当然だし私も襲う気はないのだが、自我が定まらず体が言うことを聞かない。普段からやられ続けている性欲を、無意識に誰かにぶつけたいのだろう。

 ふと、唐突に柔らかい何かが体を包んだ。この意識を錯乱させる甘い香りは…

 

「…捕まえた。狼戈はいただいてく」

「ふにゃ~…んにゃ…」

 

 案の定、藍だった。隙間に強制連行される最中、大人びた声が遠くから聞こえる。

 

「後で…真夜中にでも来るといいわよ~♪」

 

 それは幽々子の来ないとああしてこうするという、遠回しに強制するようなお誘いだった。ああ、私まだ死にたくないよぉ…。

 皆にお別れも言えぬまま、藍の部屋に連れ去られるのだった。

 

 

 

 

 酒のせいで出来上がっている狼(更に狐火鴉にやられたのか、かなりの幼さ)と、それに今にも捕まりそうになりながら怯える猫又。藍がいい子がいると言って私を誘ったというのに、其処にいたのは小さくなって真っ赤になった狼戈。しかも、何がしたいのかずっと私を見据えている。

 

「ひゃっ…ら、藍様!! 助け…いない」

 

 …藍様ならこういう状況で放置するのもまぁ理解出来なくはない。

 いつだったか、私が狼戈を襲った時とまったく逆の立場。あの時は私も感情的になってやってしまったし…ちょっとやり過ぎたかな、とは思う。それに、私があげた首輪をずっと着けてくれているのは、内心とても嬉しい。

 

「ねぇ、橙~? なんで逃げるの?」

「ろ、狼戈様…やめて…ひゃっ!?」

 

 遂に逃げ切れなくなり、小さな体に押し倒された。垂れた狼戈の涎が床に落ちて、ピチャッと小さな音をたてる。狼戈の力が尋常ではない程に強く、まったく動けないその状況に戦慄。

 

「ふふ…大丈夫だよ? 気持ちよくしてあげるから…ね?」

 

 普段の狼戈ならばまず言わないであろう言動。だがその言葉通り、黒い尻尾に包まれただけで私の体は力が抜けていた。何か特別な力でもあるのか、驚く程に抵抗心が消えていく。それでも必死に身を捩ると、狼戈が舌を無理矢理口に入れて来た。絡む柔らかい感触に高揚する意識。

 糸を引いた舌は更に私の顔を、胸を、下腹部をと、蛇のように這い続ける。そして…

 

「いやぁぁ…っ!! らめ…ほこはぁ…らめらい…でぇ……」

 

 以前私がやったことを、倍返し以上で返されてしまう。まだ始まったばかりだというのに下着や服が完璧に湿り、息が荒く熱く変化して、頬は紅潮し、瞳も光を無くしていく。

 

「大丈夫…ふふ。可愛いね、橙? もっと遊んであげるよ~?」

「ほう…らえらよぅ…」

 

 呂律が微塵も回らず、もう自分が何を言っているのか、何が言いたいのかもわかっていない。主よりも上手の快楽により、思考は乱されて狂っていく。

 対する狼戈はちろりと舌を出し、狼の牙を覗かせている。その頬や瞳は赤く、瞳に関しては薄く光っているように見える。ごろごろと喉を鳴らしながら私を弄ぶその姿は、主人にじゃれつく子猫のようだ。

 

 不意に何を思ったのか狼戈が立ち上がり、少し上げていた私の上半身を押し倒した。成す術もなくそのまま腹の上に馬乗りにされ、顔を近付けられる。元々小さい狼戈の為、腹に乗られても息苦しさを感じない程に軽い。いや、それほど意識が錯乱しているのかも知れない。

 

「…やっぱり可愛い」

「え…? ん…うぅ」

 

 狼の口が猫の口を塞ぐ。先程とは比べ物にならない程にねちっこく、執拗で、激しい接吻。それだけならまだよかったのかも知れない。

 

「ん…!! んぅぅ…!!」

「んむ…ん~? 何言ってるのかわかんないよ~?」

 

 彼女の黒い尾は、私の服を、体を侵食し、激しくうごめいていた。私の喘ぎ声や荒い息は全て狼戈の口で塞がれてしまい、もうどうしようもない。遂には完全に力が入らなくなり、だらんと全身が項垂れる。それでも終わらぬ狼の責めに、ただただ身を委ねるしかなかった。

 

「あれ…? もうおしまいなの? もっと遊ぼうよ…♪ ね…?」

 

 これ以上やられたら…体が壊れる。そう思い始めた時、部屋の扉がすーっと開いた。

 

「狼戈、私が遊んであげるから…一旦その子を離しなさい」

「んにゅ…ん……は~い♪」

 

 私から降りる狼戈。あまりの快楽に、やはり微塵も体が動かない。藍が来なかったら、近い未来どうなっていただろう。

 

「狼戈、これを飲んで」

「にゃ~?」

「お菓子だよ。噛まずに飲んで」

 

 藍の言われるがままに、白い錠剤を飲む狼戈。するとみるみる内にその表情がうつらうつらとし始め、五分もすれば眠ってしまった。先程の妖艶で淫らな顔は何処へやら、とても可愛らしい寝顔…。

 

「睡眠薬。まさかここまでとは思わなかったけど…すまないな、橙」

「んぅ……だ、大丈夫…です…」

 

 いや、全然大丈夫じゃないです。

 藍に抱き抱えられ、狼戈の隣に寝かされと、結局のところ何がしたいのかはわからなかったけど、別段、狼戈相手なら…嫌な気分はしないな。

 そんなことを考えながら、一瞬で溜まった疲労を拭うべく、私も眠りにつくのだった。

 

 

 

 

「…なんでこうなるのさ」

 

 私が酔っている時の一部始終を記憶通りに受けとり、感情通りに噴火した訳だが。

 あの後風呂を借りて、散歩がてらということで天界に戻った。天子と少し駄弁って愚痴を共有、互いに共感して天界を降りる。結果とぼとぼと歩いている訳だが…暇過ぎる。こんなことならば、地霊殿に直接送って貰えばよかった。

 

「…ん、あの兎のシルエットは…」

 

 もう全力ダッシュで帰ろうかと考え始めた時、この世界に来て一度も話していない存在に気付く。一応、緋想天の時も活動していたはずだが…会わなかったな。

 

「おーい、ちょいとそこの兎さん」

「はい!? わ、私? 何か?」

 

 …初対面だからか、不意に声を掛けられたからか、少し慌て気味の兎。

 紅い瞳…狂気の瞳。月から逃げ出した玉兎…鈴仙・優曇華院・イナバ。なんでこんなに長い名前なのだと問いたくなる。

 

「えっと…その耳に服、赤い瞳…鈴仙だっけ。ちょっと挨拶したくてさ」

「あ…うん。…黒い狼、幼い外見、薄く輝く瞳…狼戈だっけ」

「あ…うん。あら、私って有名なのかしら。嬉しいわ」

「霊夢がぶつぶつ言ってただけ」

 

 …私霊夢に何か言われるようなことしたっけ?

 

「ねぇねぇ鈴仙、ちょっと遊ぼうよ」

「知らない妖怪には着いて行くなって師匠が言ってた」

「別に来いとは言っていない」

 

 結局断られてしまったが…まぁ関係をもてただけよしとしよう。

 鈴仙に一方的に話した後、どうせやることもないと全力帰宅…した訳なのだが。

 

「ん~、邪魔してるよ」

「狼戈、久しぶり~♪」

 

 なんでこの方達がいるのか。

 夜の静まった地霊殿の自室、こいしはまだわかるのだが、何故勇儀がいるのだろう? 萃香もいないし、珍しい。勇儀曰く最近会っていないからとのこと。私が引き起こすお祭り騒ぎには基本的にいるが…きっと少人数で会う、ということだろう。

 

「狼戈、ちょっと尻尾」

「え? あ、うん」

「ふぁぁぁ…癒されるわぁ…」

 

 勝手に癒され始めた燐を尻目に、結局のところ会って何をしたかったのか、と問うてみる。粗方、ただ話したかったとか…だろうな。鬼はやることなすこと豪快だな。呼んで貰えれば行くのだが。

 

「ねぇねぇ、狼戈。今晩あいてる?」

「あいて…ない。ちょっと行くところがあるから」

「ん~…大事な用事?」

「別にそこまで…ただ行かないと私の体が危うい」

 

 私の言葉に全てを察したのか、その場にいた全員が成る程といった表情をした。悪かったな、こんな体質もってて。どうせやられることは一緒なのだから、少しだけ寝てから行こうか…そう考えて布団に潜ろうとするが、こいしがやけにアピールしてくる。時間を聞いたり、世間話を仕掛けたり…睡眠妨害。

 

「…狼戈って鈍感。ほら、此方来てよ」

「…? え、あ、ちょっと!?」

 

 こいしにすら抱き抱えられる始末。私小さい。勇儀に助けを求めても苦笑いされて終わり、他の面子は慣れきっているのか見向きもしてくれない。正直参加して来そうだから逆に都合のいいことなのかも知れない。そしてそのまま集団強姦…嫌でもそうなってしまうのが面倒だな。

 そして、そのまま連行されたのは一人部屋。だいたい察した。

 

「…私は玩具じゃないのよ?」

「じ、じゃあ…狼戈がやっても…いいよ…?」

 

 顔を真っ赤にしながら言う言葉じゃないよ。

 問題発言を叩き出したこいしに、どうすべきかと悩む。問題発言に関してはもう慣れきっている。交尾だのなんだの…私たちはそりゃあ動物だから仕方ないといえばないのだが…。

 

「…犯“されたい„の?」

「…実を言えば、ちょっとは…」

 

 …性欲って、どういう仕組みなのだろうか。“どーぱみん„が…これは中毒か。

 正直、こいしの気持ちもわかる気もする。ずっとやられている側の私としたら、逆に犯したろうかこの野郎と思うことも少なくないのだ。こいし達の場合、私の逆という訳だな。毎度思うのだが、私の周りに百合が咲き乱れているのは雄があまり寄って来ないからだろうか…いや、寄っては来るが私が軽くあしらうだけか。私は子孫残す気が正直ないし、その時はその時でまた探す。宿すの能力特性上…恐らく私は性転換出来る(あくまで、恐らく)ため、最悪別の手もある。

 

「別にいいんだけどさ…私加減出来ないよ? 最悪数日動けなくなるけどいい?」

「………うん」

 

 恥を捨てて快楽を求められるのは、私が信頼されているととっていいのだろうか。

 

「…ベッド、広い方がいいかな」

 

 自分のベッドを具現化の応用で消し、大きめの寝具を具現化する。とりあえず、二回転したくらいでは落ちないレベルの大きさだ。ダブルの三倍程には大きい。

 溜め息混じりにはらりと服を落とす。露出した自分の体をまじまじと眺めると、見れば見るほど小さい体だと思う。細くて小さい指に手のひら、少しだけ尖った爪、低い身長。別にコンプレックスという訳でもないが、もっと大人びた狼になりたいとは思う。

 

「…ちょっと、狼戈さん」

「ん…狐火鴉、どうかした?」

 

 扉から響いた声に、私が体を向けると赤くなって視線を逸らす狐火鴉。まぁ…何も着てないから。

 

「…はい」

「ひゃっ!?」

 

 狐火鴉が私の手を掴み、瞬間体が縮み始める。成る程、最初からこうするつもりだったのか、この狐は。逃げてしまったが、後でお仕置きをするとしよう。

 

「…別にいっか。さ、こいし……こいし?」

「っ…!! もう…我慢出来ない!!」

 

 次の瞬間、視界がぐらりと動く。押し倒されたのだと気付く迄に数秒を要し、それに気付く迄に快楽が体を支配していた。

 

「んっ…う…!! は、話がちが…にゃうぅ!!」

「ん……んむ、ぐむ…!!」

 

 一心不乱に舌を絡めるその姿に驚かされつつも、抵抗も何も出来ず身を委ねる。いつぞやに犯された時よりも動きが…とても耐えられない。

 

「ん…ぁ……」

 

 私の声は空しく反響するばかり。重なった素肌がさらさらと柔らかくて気持ちいい感触を感じさせ、その感触が更に私を快楽へと導いていく。

 

「…やっぱり、夜は狼戈が一番可愛いよ」

 

 つまり別の誰かも襲った事があるのかと聞きたい。

 

「えへへ…♪ やっぱり、私はこっちのほうがいいや…」

 

 こいしの無垢で純粋な笑みにどうすればいいのかわからず、結局彼女の気の済む迄、犯され抜かれることになったのだった。

 

 …もう私、性技でも磨くことにしようかな。

 

 

【挿絵表示】

 




挿絵は“よっしぃ”様にいただきました!!
この場を借りて感謝を。ありがとうございます(*>∀<)o♪
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