黒狼狐己録 -Life Harboring- 作:ふーか
さて、今回は戦闘描写+完璧に暴走した性的描写回です(R-15範囲内)
苦手な方はご注意を~。
この章は次話で終了ですっ。
「かじるなっ…舐めるなぁ…!!」
「えへへ~」
幸せそうな白狼に、捕食される寸前の涙目黒狼一匹。まだ道中にも関わらず、何時もの如く混沌と化している。何時も…か。泣きそうだ。
私が今目指すは妖怪の山、遥か上。天界に行く訳ではないが、上にいる神様とやらに用がある。元からだが、やはり神は信じられない。諏訪子は比較的仲が良いし、まだ許さない訳でもない。それにしても、頼んだことはしてくれただろうか…?
「ふぅ…ご馳走さま。ところで、私達の山に何か用?」
「遊びに来ただけ。着いて来ないでよ。大事な用事なんだから」
「…遊びって大事な用事なのかな? あむっ」
再度手をかじられつつ(私の手が小さいため手首まですっぽり口に収まる始末)、更に歩を進める。にとりや文と会うことにも期待したのだが、なかなか出会わない。厄さんとかはまだ会ったことすらないし…。キスメは恐らく、私が気付いていないのと地霊殿からあまり出ないのが原因だろう。出ても隙間を介すか、高速で地底から出ていくのどちらかだし。それにしても、一度ご馳走さまと言ったらもう食べるんじゃない。
「…ほら、離れて。私には私の都合があるの」
「んぅ…珍しいね、狼戈の機嫌が悪いのは」
気楽にいくつもりだったが、少しイライラしてしまったようで椛に強い口調で当たってしまう。首を振って気分を直し、椛の頭をぽんと撫でた。
「ごめん。今回は本当に一人にして…ね?」
「…わかったよ。後で来てね」
「ん、りょーかい」
…まぁ、私が無事に帰って来るとは限らないが、ね。
尻尾と手を振る椛に微笑んで応え、下駄に力を込める。さて、ほんの少しだけ寄り道をしたが…行くとしようか。あの…二人の神が潜む神社へと。
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神社の外で神経を研ぎ澄ませ、誰が何処にいるのかを察知する。外出している者はおらず、巫女は建物の裏に、神達は中…か。最悪は三対一…それでも構わない。別に怒る気はないが、私達家族の間に介入する邪魔者は…お仕置きせねば、な。
「諏訪子、出て来なさい。後二人もさっさと来なさい。早苗、焼き芋置いて」
建物を壊す訳にはいかないと外に呼び出す。焼き芋を頬張る早苗がやけに可愛く見えるが…諏訪子と並ぶとやはり親子なんだな、と思う。身長とか。
「狼戈、いらっしゃい。何か用? お賽銭でもいれてくれるの?」
「わかってるでしょう、諏訪子。貴女の後ろの神様がやったことを」
ゆっくりと出てくるのは神奈子。以前少し話した程度の相手…仲が良いと言われたらどうなのだろうか? 別段話すという訳でもない、普通の関係だ。
「一応、私も楽しませて貰ったわ。色々良いこともあった。
…でも。勝手に他人の住処に上がり込んであれはないでしょう」
「…狼戈さん、これには訳が…」
「早苗は黙るの。どちらにせよ…問答無用よ。地底深くへ沈めてあげるわ」
「黙ってればずかずかと…出来るものならやってみるがいい」
神奈子の口調がよく神様にあるような口調になっているのは癖だろうか。威厳とか信仰とか、私にとってはどうでもいいや。
おどおどとする諏訪子。挙動を見る限り一応は止めてくれたのだろう。喧嘩するほど仲が良い的な関係な以上、多分喧嘩になったのだろうけど。
「…なんなら三人がかりでもいいのよ? どうせ勝てないだろうけど」
「…後悔するよ。狼戈とはいえ…手加減は出来ないから」
はて、何故に私は挑発したのか。自ら敵を増やすとは。楽しいからいいや。それに…
ーーー手加減出来ないのは私も一緒さ。
合図も無しに地を蹴り、一歯下駄で神奈子の横腹を抉る。何が起きたのかわかっていない様子の早苗に、一応は目視出来たであろう諏訪子。受け身はとらなかったが、ダメージはあまりない神奈子。この一撃は宣戦布告…軽い準備運動だ。
「本気で来ないと…貴女達何も出来ずに動けなくなるわよ?」
不敵に、淫らに微笑み、かつんと下駄を鳴らす。私のスピードに着いて来られる者は今のところ見ていない。文ですら駆ける私には追い付けないのだから。飛んだ時は知らないが、最近は妖気の操り次第で空中ですら走れるから。化け物? 誉め言葉。
「…狼戈さん、こんなに強かったんですか…!?」
「…以前はいい勝負だったんだけど。手加減してたみたいね」
「そうね。してたわ。諏訪子もどうせ全力じゃなかったでしょう」
にやりと笑う諏訪子に笑い返し、早苗をちらりと見る。少し表情が強ばっているのはわかるとして、震えなくてもいいと思う。殺気全開且つ強さを見せつけた以上、人間(?)である彼女の恐怖心が煽られるのは当然だろう。霊夢はおいといて。
不意に真横に現れた巨大な柱を避け、後ろから迫っていた別の柱を見もせず尻尾で叩き落とす。この柱なんていうんだっけ。
「いきなりとは酷いわね。ちょっとくらい格好つけさせてよ」
「嫌よ。格好いいのは私の主だけでいいわ」
ここぞという時のさとり様は本当に格好いい。
構える諏訪子の背後に回り、抱きつく。困惑する諏訪子の頬をちろりと舐めると、小さな悲鳴と共に飛び上がる姿は可愛らしい。
「ち、ちょっと…ひやっ!?」
「ん、美味しい…痛っ!? 痛い痛い!!」
早苗に頬をつねられて涙目になりつつも、一度距離を離して仕切り直し。
「…狼戈、いつからそんなキャラになったの?」
「えへへ~…椛!? なんで此処に」
「尾行しました。食べるのは私だけにしてください」
「さらっと爆弾発言したね!?」
何時もの如く周囲の人間は冷めた目で見てくるが、私の獣耳を齧る椛は幸せそうだから問題ない。本当は問題しかないが、私にとってはもう慣れていることなので。
私から離れた途端、刀を構える椛。言われずとも戦う気満々のようで…
「別に、椛が戦う必要ないのよ? 上に変な目で見られるし、止めとけば?」
「何が起きたかは知りませんが、狼戈の敵は私の敵です」
「なんで仕事口調なのよ」
苦笑しつつも、椛と同じ刀を具現化する。全て素手で終わらせる予定だったが…椛が来たのなら話は別だ。連携も頭に入れて攻める。
椛とほぼ同時に駆け出し、それぞれ早苗、諏訪子と神奈子へ向かう。放たれる柱を妖気を纏った刀で弾く。お仕置きが必要なのは神奈子だが、戦闘においては裏からの諏訪子の攻撃の方が怖い。
今回の私の目的上、椛を除いて神奈子を狙うと思っているだろう。その通りなら、諏訪子は私が神奈子に気を取られている間に仕留めようとするだろう。ただの憶測(作戦)とはいえ、少しでも不意打ちの可能性があるなら先に潰しておいて損はない。早苗は椛がどうにかしてくれるだろうし、そちらは放置で。
「ミジャクジ様に呪われないように気をつけなきゃ」
「そんなに物騒なものじゃないよ」
次の瞬間、二人から放たれる弾幕。避けるのは余裕だが、せっかく刀があるのだから弾いてしまおう。刀を更に具現化して、計四本…両手、尾、口と構える。四方八方から迫る色鮮やかな弾幕達ににやりと微笑み、片足を地面に叩きつける。
「…戟焔独楽」
全ての刀が青白い炎を纏い、発光する。妖気と熱を纏う刀を構えたまま、片足を軸に強く地面を蹴り、独楽の如く回転する。
「っ…!?」
私に近づく弾幕は刀に掻き消され、回転を乗せた斬撃が宙を舞う。簡単に言えば妖気の塊を飛ばしているだけだが…一応全方位への攻撃。椛が少し巻き込まれていたが、無傷のため問題ない。
「ちょっと!? 当たりそうになったんだけど!?」
「ごめんね♪」
謝罪も程々に地を強く蹴り、諏訪子を強く蹴り上げる。即座に一回転して大勢を立て直す諏訪子に神なんだなと再度認識しつつ、追撃をかけるべく飛翔する。一瞬で終わらせなければ、神奈子からの攻撃がくる…一瞬で…。
「“狼戟"黒爪」
一時的に刀を宙に投げ、両手に力を込める。妖気を纏って伸びた見えない爪は、風を小さく切り裂いた。
諏訪子が行動を起こす前に、全て終わらせるべく宙を強く蹴る。周囲に妖気の爆発をばら撒きつつ、黒く鈍く光を照り返す爪は、柔らかい皮膚を浅く抉った。
「っ!! …?」
「はい、諏訪子の負け。寸止めだよ。貴女は別にいいから、見物でもしててよ」
それを言ったら早苗もなのだが…ね。少し心配になって見てみると、二人とも普通に戦っている最中のようで。何故か椛だけ怒り的な感情の色が見えるが…? 天狗社会の中では、将棋でいう“歩兵”の役割をもつ椛。だがその強さは普通に銀を越えるだろう。私はたまーに訓練する程度だし。そうなると、文は金、上の奴等は王、かね。文と椛以外の天狗とはつるまないからよくわからないけど。
「さて…私はまだ無傷よ? あっちの天狗すら私を傷付けられたのだから…
…神様である神奈子に出来ない訳がないわよねぇ?」
だから私はなんで挑発してんだっつうの。
案の定先ほどとは比べ物にならはい早さで柱を操る神奈子。弾幕は避けるか弾くとして、この柱は面倒だ。邪魔過ぎる。単に弾くのは簡単だが、追尾してくるし本当にうざったい。粉砕してやろうか。
「…接近戦のがいいかねぇ? ま、いいや」
変な独り言を言い終わるや否や、一瞬の隙に背後に回る。攻撃しようとした瞬間に、上空から降ってきた巨大な何かを咄嗟に避ける。しかし避けた先に更に攻撃を重ねられ、次の瞬間、鈍い衝撃と共に地面に叩き付けられた。
「ぐぅっ…!?」
「傷ひとつ…つけたわよ?」
胸部分の布が裂け、少し血が垂れる。妖気でも武器でも防御出来なかった。追い込まれるとパニックになるもんなんだね。
「掠り傷さね。私も本気でいこうかな…♪」
宿すは九尾。ふと藍の匂いがしたのは気のせいだろうか。
自分の指をちろと舐め、にやりと笑う。今回の目的はお仕置き。私が負けてては…私が圧されていてはダメなのだ。それこそ還付なきまでに潰す…それが今回の目的なのだから。
…まあ、それなら宿すと妖力を全力で使えって話なんだけど。
妖気を足に纏い、全ての力を込める。筋肉と筋が悲鳴を上げて小さく膨張する最中、狙いを定めて四肢を地面に着ける。四足歩行は暴走時の方が楽なのだけれど。
「…終わりだよ」
一言呟き、突っ込む。この技の予備動作…それを潰さなかった時点で、もう敗けは確定しているんだよ。神奈子さん?
疾風の如く近付き、遥か高くへ打ち上げる。そのまま自身も高く飛び上がり、体勢を崩す神奈子を強く叩き落とす。それだけで終わるはずもなく…妖気を爆発させて急降下、地面に激突する寸前で更に叩きつけた。鈍い音と激しい衝撃音が轟く神社…それが止む頃、辺りは耳が痛い静寂に包まれていた。
「おーい、神奈子~?」
…まあ、こうなるよね。
「んにゃ、終わった?」
「終わった…って早苗は?」
「あっちで観戦して…た」
戦闘は早めに切り上げた、か。まあそれが懸命だろう。私はさておき、この二人(一人と一匹)が争う必要性はないのだから。早苗とも一戦交えたかったが…私が砂塵から出てくるや否や悲鳴をあげつつ突っ込んでいってしまった。看病、ご苦労様。そこまで痛めつけてはないから頑張って。
「さて、私は帰るかね。諏訪子、今度宴でもやるからまた誘いに来るよ」
「…気まぐれだね。まぁその時は喜んで行くよ。私は…神奈子を診てくるかな」
いそいそと早苗達のところに、小走りで移動する諏訪子。蛙跳び…ぴょん。
少しやり過ぎた感はあるが…やりたい事は出来た。この事は多分、後日の宴か何かで周りに広まるだろう。私自らが戦闘をしかけるのはかなり珍しい(?)為、色々聞かれるのだろうな。
まあ、それも長い命の中で、思い出になるといいな…。
さて、蛙に別れも告げたし、帰るとしましょうか!!
「…なんか寒いね」
…ごめんなさい。
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「はぅぅ…!! んぐ…っ」
「そんなに…逃げないでよぉ…♪」
私何か悪いことしたのかな。
一心不乱に私で遊ぶ椛に、抵抗しつつもじりじりと後ろに下がる。此処は小さな洞窟の中…このまま下がっていけばどうなるのか、それはもう考える迄もなく…
「っ…!?」
「えへ…つ~かま~えた♪」
もう一度聞く。私何か悪いことした?
帰ろうとした結果無理矢理担がれて連行され、今に至る訳だが…いつにも増して激しい。それこそ呼吸が苦しくなる程には激しい。勿論(皆に共通して)私が離してと言っても離してくれることはない。しかも無理矢理犯す事が好きな者達にとっては逆効果。この子とか藍とか狐火鴉とか。
「お願いだから…やめてよぉ…っ」
「…なら、狼戈が私で遊んでよ」
…私を犯すのが好きな輩は、即ち私にも犯されたがっていると解釈していいのだろうか。いや、きっとそうだ。今度全員やり返してやる。
「…後悔しても遅いからね」
紫お手製の丸薬を口に放り込む。わざわざお願いして作っていただいた。ちなみに狐火鴉に飲ませて試したところ、その後二日間、私が地獄を見ることになった。仕事放棄でずっと私を…燐が止めてくれなかったら今ごろ私はどうなっているのやら。変わりに燐が少し犠牲になったが。文句をいった結果弱いものに変えてくれたが、今は後悔している。何故、あの強いものを紫の前で飲まなかったのだろう、と。
「ん…ぅ…ぅぅ…」
「…狼戈?」
既に意識は薄れ、自我は失い始めている。さあ、始めよう。狼の淫らな夜を…。
「遊ぼう、椛ちゃん」
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「んぐ…ぁぅぅ…!!」
「ほら…ほらぁ…♪ 我慢しなくてもいんだよぉ? えへへ…」
想像とは比べものにならない狼戈の姿に戦慄しつつ、必死に我慢する。辺りに渦巻く九つの黒い尾は私の四肢を、全てを拘束し、逃れることなどさせない。これがもし下手な相手だったら、軽く受け流す自身はあった。仕事柄痛み等は慣れている。だが…狼戈の性技は恐ろしい程に淫らで巧み。躊躇もなく、ただひたすらに体の全てを弄んでくる。どういう訳か狼戈に包まれていると、触れられただけでびくっとなる程に体が敏感になる。彼女の尻尾には何か特別な効果でもあるのだろうか。
「らめ…もう……」
「いいんだよ? 快楽に身を任せなよ…気持ちよくしてあげるからさぁ…♪」
これが狼戈だと言われたら、きっと私は信じられない。それほどまでに淫らで、妖艶で…。元々、彼女自体がかなり幼く見えるのだ。身長や顔立ちが…しかも、美しさより何より可愛さが目立つ彼女の姿。そんな無垢で純粋そうな少女が、だ。他人の腹に跨がり、涎を垂らして舌をちろと出し、淫らな笑みを浮かべ、獲物を見る目で私を見ているのだ。普段の彼女を見ていれば、尚更信じられる訳がないだろう。
「っ…ぁぁ…ぅ…」
「…あはは、ほら、ね…? 我慢なんてさせてあげないから…♪」
液に濡れた指を、アイスでも食べるように綺麗に、嬉しそうに舐めとって私を見下す狼戈。私自身は脱力し、快楽に意識を奪われていた。
「…まだ、足りない…全然足りないよ…」
「ひやぁっ!! ん…ぐ…っ!!」
「騒いだらだーめ。でしょ? えへ」
突然、狼戈が背後に手を回したかと思うと、その小さな中指は私を掻き回し始めた。くちゅ…と水混じりの音をたて、私を快楽へと誘う。その快楽を我慢する術はないが…。身を捩ろうにも四肢も動きも封じられ、口も口で塞がれてしまった。もう…打つ手がない。
逃げられないならいっそのこと…全てに身を委ねてしまおうか。
そう…これは私が望んだこと。彼女に犯され、妄想を現実にすること。快楽や彼女の状況こそ、その妄想と自慰に比べれば遥か上。それでも、自分の欲は、満たされていた。
「…大人しくなった。あは、いいよ…互いに液に濡れる迄…離さないから」
狼戈の責めが激しくなり、快楽は一層強くなる。私が解放されるのは何時だろう。いっそのこと、死ぬまで彼女に搾られるのもよいかも知れない。鈍った思考はそう考え始め、少し経つ頃には力なく声を上げるだけになった。
ーーそれでも、狼の淫夜は終わらない。私が例え意識を無くしても…彼女の気が済むまでは…。
「さぁ、まだまだ…あは、ははは…♪」