黒狼狐己録 -Life Harboring-   作:ふーか

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※性描写があります※
※独自解釈が存在します。

 一章の性描写は恐らくこれで終了。

前話から呼び名を玉藻前から、玉藻に変更。


八 憶測と尻尾

 互いの精神が落ち着くまでは一週間以上を要した。私より、玉藻の方がやはり重症だったようだ。というか、私は二日で元通りになった。強いのか弱いのかわらないな、私は。

 家族というのは正直出任せだ。でも、もう家族みたいなものだろう。多分。私はこの関係で不満もないし、彼女も幸せそうだ。とりあえず、安易に私の血液は誰かに飲ませないことにしよう。問題はそれほど迄に私が美味しいとなると、問答無用で襲ってくる輩が確実にいるということ。まあ今の状況なら多分、玉藻が全力で追い払う気がする。はは、これじゃ本当に夫婦みたいだな…ま、いっか。

 

「ねぇ玉藻、私達ここにずっといるべきかな?」

「ああ…私にはわからん。狼戈が決めてくれないか?」

 

 私が決める、か。移住する宛もないし、正直この時代に何があるとか、何がないとか、そんなのは私は知らない。原作知識が役に立たないのでは、私はちょっと物知りな妖怪程度か。私も多分玉藻前よりは遥かに弱いだろうし。うぬぬ……だが、このままこの洞穴に住んでいる訳にはいかない。理由は色々あるが…とりあえず何処が良いか目星を付けておこう。

 妖怪の山は…行きたくない。私は狼だが、白狼でもないし。仮に白狼でも、萃香が天狗じゃないだろうと言っていたし。まあ、まだ鬼の統べている山である(はず)ため、最悪行けなくはない。

 地底…? いや、駄目だ彼処は。私が行ったら、一部の輩から襲われること間違い無し。私の偏見、いらない心配だったならそれでいいのだが、気は進まない。私の予想通りで玉藻に迷惑をかけるのは御免被る。

 ならば…紅魔館が出現するのは本当に何百、何千年後の未来だし…。冥界? 魔界? いや、無理だろ。魔界なら妖怪である私はかなり力を発揮出来るだろうが、如何せん危険度が高い上、行き方なんて見当も着かない。

 

「旅するのもねぇ…」

 

 萃香なら頼ったら助けてくれそうな気もする。だが偶然助けてくれたとはいえ、本来は他の鬼達といるはずだ。これは推測だが、鬼と人間の真剣勝負…それが、多分今、または近々、恐らく行われている。萃香が私と出会い、すぐに帰ったのもそのためだろう。そこへ私がのこのこと行くのは、失礼だろう。

 

「でも憶測で物事決めるのもね…うぁぁ!! 玉藻…まったくわかんないよ」

「んぅ…私もよく知らぬのでな」

 

 困ったような顔でそんなことを言われても、私は動じない。心がグラッと傾きそうになるが、それでも動じない。クッ、好きなキャラが現に目の前にいるのだ。今更だが、かなり嬉しかったりもする。いや、あの時は流石に恐怖を抱かざるを得なかったけども。

 

 さて。ここでひとつ、憶測を立てよう。

 それは、玉藻前のこの後。私の憶測が正しければ、八雲 紫は近いうちに玉藻を誘いに来るだろう。遅くても恐らくこの数十年の間に。忠実な僕…式として。問題は、恐らく玉藻前が断ってしまうだろうこと。私が居なければ普通に進んだのかも知れないけど…今更後悔はない。だが、まだ憶測は終わらない。

 紫の性格上、恐らく…いや、確実に私をも誘って来るはずだ。式にならないかと。お遊びとはいえ鬼に勝ち、且つ既に何度か全力であの量の妖気を解放しているのだ。恐らく私の存在も感知されている。

 で、問題はその場合だ。玉藻を説得し、式になってもらうのか、それとも私も紫の式となるのか。私が式となれば、恐らく玉藻も着いてくる。まだ憶測範囲。

 そして、私も断った場合。恐らく…実力行使に出るのだろうな。紫も妖怪。既に同姓の妖怪に二回も襲われている訳だし、恐らく私を…まあ、食うかどうかは別として。

 

 もし…もし私が式になるのなら…私は紫の式にはならない。本当になるのなら、私は玉藻の…籃の式になる。ま、私は誰かの式になりたいとは思っていない為、本当に切羽詰まった時だけさね。ああ、でも玉藻に全力で頼まれたら多分断れないなぁ。

 

 所詮憶測、外れれば意味を成さない。でも、何もないよりはマシでしょ? 多分。

 

「…まあ、しばらく此処にいればいっか。焦る必要ないし」

「狼戈がそういうなら、私も従おう」

 

 凛々しい、美しい。そりゃ、元々美貌に長けているし、スタイルも良いけど…うー…百合の花はまだ…あ、もう咲いてる気がする。家族とか言っちゃったし。仕草仕草が、頻繁に妖艶に見える。私がただの変態なのだろうか。ぼーっと何かを考えている玉藻を見ていると、此方の視線に気付いた玉藻がにじり寄ってきた。なんともまぁ恐ろしい微笑みを見せながら。

 

「どうした? ふふ、遊んで欲しいのか?」

「え? い、いやっ、違っ…んぅ!?」

 

 不意に仕掛けられたディープキスに成す術無く地面に倒れる。両手首を捕まれ、抵抗も出来ぬままに、くちゃくちゃと卑猥な水の音が洞穴に反響する。

 あれから少し経ったが、玉藻が(主に夜の方向で)積極的になった。妖怪は己の欲に忠実に。そう考えていた私だが、忠実過ぎやしませんか。玉藻様。

 溜まった唾液を無理矢理飲み込み、もがいても力では勝てない。問題は…散々と口を犯された後。彼女の感情が昂ると、手の付けようがない。ああ、なんて考え無しな行動を…いや、普通見詰めてただけで襲われるとは思わないでしょ?

 

「んぐ…れる……ん、ご馳走さま」

「い、いや、一方的…過ぎるって…」

 

 少し荒くなった息を整えつつ、口周りの唾液を拭う。だが次に放った玉藻の言葉に、私はまた呼吸を荒くさせることになる。

 

「なら、私を犯してみるか」

「ぶぐっ!? な、なないな何言ってんの!? 無理だよ!?」

 

 見せたことのない動揺ぶりに、玉藻がニヤリと笑う。あまりの言葉に吹き出し、呂律が回らず、何が言いたいのか、何を言ったのか自分でもわかっていない。いや、ええ。うん。いきなりそんなこと言われても…。

 

「何が無理なんだ? 狼戈にも立派な尻尾があるだろ?」

「そ、それは…」

 

 腰に巻き付けた尻尾を撫でながら、言い逃れする為に言い訳を考える。私に犯す等という度胸も勇気もない。ましてや、性技に長けている玉藻を犯すなど無理。絶対無理。私的に無理。無理。

 

「その尻尾を巻き付けて、拘束して、弄ぶ。簡単だろう?」

「あのね…私はそういう経験なんてないし、する気もなーーーきゃう!?」

 

 本日二度目、有難い押し倒しを頂いた。今度は尻尾を、怪しくうごめかせて。誰か助けてください。この九尾様私を玩具にしか見てないです。

 

「ーーーなら私が犯しても文句はないな?」

「いや、でも…私同姓だし…止めておいた方が…んぐぅ…んぅ…!」

 

 黙れと、威圧するように、口を口が塞いだ。一瞬で口を離し、私を立たせる玉藻。そのまま洞穴の奥へ連れていき、私を寝かせた。

 

「性別は関係ないだろう? 家族なんだし…な」

 

 尻尾の先でツツ…と私の頬を撫でる玉藻。その顔には欲望しか見えない。違う。家族ってそんなんじゃない。ああ、ダメだ。多分私の体質が悪い。なんで妖怪が好きになるような味に…それに、もう少し言葉を選べばよかった。そんなこと、もう嘆いても仕方ないのだけれど。

 どうもこの九尾様、私の事となると感情的に行動する。本人としては照れ隠しの類いだと思うが、犯し、犯し、犯し抜かされる感覚は、正直耐えられるものじゃない。恐らく短期間に何十回と繰り返されれば、私が崩壊する。

 私の恐怖に怯え、後ずさる姿に、玉藻は呟いた。

 

「今日も楽しませてくれよ?」

 

 ああ、私が男だったら多分もう死んでる。搾られないだけまだマシなのかなぁ。

 

 

 ちなみに明日の朝、私が尻尾を寝ている間に玉藻に巻き付けてしまったらしく、九つの尻尾で散々やり返されたのは別の話。




 次回…もしかしたら隙間妖怪、ゆかりんが出る…かもね(微笑)
 おや? 誰かが来たよううわぁ!?(スキマへ落下ーーーピチューン)

 次にあなたは「茶番乙」という!!(
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