黒狼狐己録 -Life Harboring- 作:ふーか
まあ、狼戈が犠牲になる時はいつも強引だからいいk(ピチューン
(下)にはなっていますが、このまま二話同じように、性的描写で続きます。
…目を閉じたさとり妖怪とか、歌好きの夜雀とか。
どこぞで花妖怪のお方も出したい。
また、BAD短編も変わらず溜め込んでます。いつ投稿するか…
タイトルは気にしたらピチュる。
「いらっしゃいませ~♪ って狼戈ちゃんじゃない。久しぶりね。あら、可愛い姿」
「うん、久しぶり。あれ? 妹紅達、まだ来てない? んにゃ…時間がずれたかな…?」
月が照らす屋台の中で、ぴょんと客用の椅子に跳び乗る。早速差し出された水を受けとり、一口すすった。慧音も妹紅もいないのでは話にならない。早く…来ないだろうか。
「そういえば狼戈ちゃん、前に約束通り家に行ったけど、誰もいなかったわよ?」
「…その時私誘拐されてた。ごめんね? 明後日辺りなら空いてるよ」
「ん~、じゃあ、その日にお邪魔しようかなぁ」
言うまでもなく、その誘拐犯は紫である。明日はもうこいしと約束をしてしまっているため、ノーコメント。私と他の妖怪がする約束は、基本的に一日に一人(一匹?)まで。理由は…此方ももう言うまでもなかろう。逆に言えば約束する度に私は襲われているのだ。まさか、みすちーまでそんなことはない…と思いたい。
「今度は私がご馳走する番かな? 和菓子いっぱいで待ってるよ」
「ふふ、楽しみにしてるわね…ついでに狼戈ちゃんもいただいちゃおうかしら」
「ん? 何か言った?」
何も言ってないよ? と誤魔化すミスティアだったが、どう考えても怪しい。余計に詮索するつもりはないが…まあ、楽しみにしてるだのと良い方向に考えておこう。どうせ違うだろうけど。
「…もう居たんだ。朝ぶりかな?」
「んにゃ、もこたん…に慧音。私も…今来たとこ…だよ?」
ちらと慧音を見れば、それはいつもの姿ではなく。視界に入る月は真ん丸で、綺麗に輝いている。成る程…気付かなかった。竹林の兎が普段に比べて元気だった気がしたのは、きっとこのせいだろう。今宵は満月…丸い月が輝く日。つまり、ワーハクタクである慧音は…
「ん…その姿は何事だ?」
「慧音が言えることじゃないでしょ?」
互いに暖かい笑みを溢し、全員が席につく。慧音の尻尾と角を、少し触ってみたいところだが…頭突きなど食らいたくはないし我慢しよう。どうしても我慢が出来なくなったなら、どこぞの九尾に突撃すればいいだけのことなのだし。
私の姿だか、昼の戦闘時と同じく“植物”を宿した姿。ただ、いつも同じ姿になる訳ではなく…季節が変われば植物の姿形、特性が変わるため、私の姿も大きく依存する。今は冬…冬咲きの花のみならず、花を色々と紅魔館の図書館で何度か調べたことがある。
髪飾りのように、前寄りの左側に咲くのは大きな彼岸花。尻尾は細く、穂先はススキのように別れる。衣服は菊のように真っ白なドレス型。半透明になっており、中が透ける。勿論、中も着ているため何の問題もない。どうでもいい話、髪やドレスで隠れてはいるが、首筋辺りから蔓も伸びる。伸びた蔓は体に巻き付いているため、よく見ればわかるのだが…まあ、こんな姿をじっくり見ようなんて変態はいないだろうな。
「ふむ、“宿す”か…面白いな」
「優しい狼戈らしい、可愛い能力ね」
「他にも、“化ける„と“記憶の具現化„があるけど…まあ、日常にしか使わないかな」
結構有用性はあるが、正直…戦闘で具現化するのは剣か刀くらいで。弓や、その他色々な武器も具現化出来るものの、体術が一番慣れているのでね…十字固めでも決めようか。
「…そうだ、慧音に妹紅。今日は私の家に泊まっていきなよ」
「え? 狼戈の家に? ん~…私は構わないけど…」
「…妹紅が行くなら、私も行くとしようかな」
…本人達にその気はないのだろうけど、やはり…百合に見える。慧音が世話焼きだから尚更だろう。それにしても…いいコンビだと思う。私が見ていて和むコンビに順位をつけるとしたら、間違いなく上位だ。他は…藍と橙とか、さとりにこいしとか、燐に空とか…考えるとキリがない。
「んにゃ、ゆっくりしていくといいよ~。お酒お酒~♪ あ、私の奢りね!」
猪口に注いだ酒を一気に飲み干す。小さいし、飲み干すも何もないんだけど…それでも弱い私には充分だ。正直アルコールの弱い梅酒とか飲んでた方が私にとってはいいんだけど。まぁこの状況で私一匹別の酒というのも何か申し訳ないし、ね。
「あ、そうだ。もこたんもこたん、ちょっとリボンを見ーせて♪」
「ん? これ?」
妹紅の髪に点々と付けられている髪飾り。以前のコスプレ大会で少しやってみたかったのだが…よくわからなくてやめたのだ。実物というか本人を間近で見られるため、よく観察する。
「ん…こうかな?」
「お~? 私そっくりだ」
宿すを解除して、再発動。狼の耳と尻尾を消し、化けるで髪色と長さ、衣服を捻じ変える。身長差があるため違和感しかないが…でもまぁ、自分でも可愛らしいものだと思う。おお、可愛い可愛い。
「ん…疲れるから解除っ!! みすちー、鰻ちょうだい鰻!!」
「やけにテンションが高いわね。私も混ざった方がいいのかな?」
どうぞどうぞ、是非混ざって来てください。
慣れた手つきで作業を開始するみすちーを眺めつつ、人間と妖怪の、密かな宴会は続く。飲んで食って、そして飲まれて…刻々と時間は過ぎていった。気付けば時計は真夜中の1時…丑三つ刻っていつだっけ?
「ふぁぅ…み、みすちー、お代…」
「ん、確かに頂戴しましたっ♪ じゃあ、また明後日ね♪」
酔い潰れそうになりながらも、みすちーにお代を渡す。何故か慧音の背中に背負われて…ふらふらと危なっかしいと無理矢理背負われたため、私に非は…あんまりない。家自体は妹紅が知っている為、ただただ背負われて空中散歩である。椛も狐火鴉も地底に泊まりに行っているため、いない。私も行きたかったのだが…色々と都合があったもので。勿論、不機嫌そうな椛に次は絶対に一緒に行くと約束させられた。だから、私だって行きたかったんだってば。一週間も泊まりに行くんだから…いやまぁ、乱入すればいいだけの話なのだけれど。
「…綺麗な家だな」
「えへへー…中、入っていいよぉ…。靴は脱いでねぇ…」
「…大丈夫? 寸前というか、もう酔い潰れてない?」
あたしはだいじょうぶだよ~、あはは~。
冗談はさておき、家の中では流石に、と慧音の背中から飛び降りる。靴を揃えてそのまま二階へと案内。ご飯も食べたし、既に眠魔に襲われている為に眠気が尋常じゃない。自室ではない方の寝室は、私と椛、狐火鴉専用になっているため、今回は全員自室に押し込む。勿論、私も同行。断りたかったが、妹紅に一緒に寝ようと誘われてしまった訳で。
「わたしゃもう寝るよ…明日の朝ご飯は適当に作るから…」
「ふらふらし過ぎだよ…お休み、狼戈」
「…お休みなさい」
少し低いような、色めいたような慧音の声に違和感を感じながらも、もう間も置かずに意識は暗闇へと落ちていった。襲われずに眠れるのが、とっても新鮮だ。
◇◆◇
「ん…んぅ…」
最早恒例とも言える、睡眠最中に襲う息苦しさ。ゆっくりと意識を覚醒させると、そこには私を抱き締める妹紅の姿。抱き枕のようにしているため、きっと寝ぼけての行為だろう。無理矢理剥がすのは申し訳ない故に、ゆっくりと引き剥がす。だが離そうとする程に、妹紅は私を強く抱き締める。流石に違和感を感じ、いぶかしげな表情をしながらも口を開いた。
「ね、ねぇ、妹紅…苦しいよ…っ!! ねえってばぁ!!」
「ねえ、狼戈…」
本当に人間かと問いたくなるような怪力を見せる妹紅。苦しそうに声をあげる私の言葉は気に留めていないようで、ただただ私に問いを投げ掛ける。
「…やっぱり、我慢出来ないよ」
抱き締めていた腕を離したと思った刹那、強く布団へと押し付けられる。起き上がろうとするが、両肩を押さえられては動けない。流石の状況に、慧音にも助けを求めようとするが、何故か彼女もただ、よくわからぬ表情で此方を見ているだけ。誰かの悪戯…ではないだろうし、やはり、彼女等の意思で…
「嫌…っ!! 何を…するのさ!!」
「大丈夫…ちょっと遊んであげるだけだから…」
人間も、発情ってしてるのだろうか? 慧音はともかく妹紅まで…
流石に急過ぎるため、逃げようと必死にもがく。だが…ゆっくりとすり寄って来た慧音にまで手首を押さえられてしまい、完璧に逃げられなくなった。
「…やだよ、離してよ…!! 痛い…痛いってば!! っ…ひゃっ…ぁ…!」
同時に襲う、ふたつの快楽。叫ぶように声を上げる私に、二人は淫らに笑むばかり。
「ふ…たりとも…おかしい…っ…よ…!!」
「おかしいのは狼戈だよ? ……こんなに可愛く鳴くなんてさ」
私が寝ていた間に…いったい何が起きたというのか。やはり無理矢理にでも起きておく方がよかったか…唐突で流れが読めない故に、対抗策がない。
「なんで…わた…しを…」
「慧音と少し話したんだ。とっても可愛い娘だって…それに、見てると何か…興奮する」
…妹紅って、結構変態な…いや、違う。それでは私と関わる者は全員変態だ。やはり…体質のせいか。こんな体…どうせなら快楽に対する耐性が欲しかった。私が鳴けば更に拍車がかかる…もう、どうしろと。
両隣に座る慧音と妹紅。両手に花…といいたいところだが、こんな養分を全て吸いとっていくような花は嫌だ。力の抜けた体は逃げる術をもたず、ただされるがままに弄ばれ続ける。
「なぁ、狼戈。私と遊ぶのは嫌か? 嫌なら…私は…もういい」
かなり迷ったようだったが、慧音はやめようか、と聞いてくれた。まだ会って一日も経っていないし、やはり気まずさがあるのかも知れない。だが…どうせ妹紅がやめることはないだろう。表情やしぐさを見る限りは…
「もう、いいよ…好きに……してよ…」
「…そうか」
どうせ私の末路は変わらない…受ける技が、ふたつに増えたところで。
尻尾が交わり、舐められて、撫でられて。人間と妖怪の戯れは、月が欠けるまで続いていくのだった。