黒狼狐己録 -Life Harboring- 作:ふーか
主故に、我慢せざるをえなかったんですね。
次回ですが、短編を挟もうか迷ってます。
このままではまた性描写が続いてしまうので…
「・・・・・・」
夜。時計が11の数を指し、月が家を照らしている。
こいしは空気を読んだのか、一階で寝るねと一言告げて階下へと降りていった。もしこのままの流れで進んだ場合、乱入されないか少し心配だが…まあきっと大丈夫だろう。
問題は…私とさとりが同じ部屋で、二人きりで寝ることになったということ。私としては…正直さとりに襲われるのならば何の抵抗もする気はない。今までずっと、私の為に奔走してくれた大切な主だ。何をされようが…構わない。三日三晩犯されることになろうとも、私はそれを受け入れるだろう。
「…さとり様?」
「口調を変えなくてもいいわ…ごめんなさい」
「い、いや、大丈夫だけど…」
どうやらよっぽど昼間のことを気にしているようで、ずっと暗い表情のままだ。自責の念に負けているのか…ご馳走した夕飯も、あまり喉を通らなかったようだ。こいしは元気に食べていたが…やはり彼女も姉のことは気になるようで。
「…どうする? 私は…構わないよ。大切な主になら…襲われても」
「で、でも…私は……」
少し私から離れた場所に寝転がり、布団で身を隠すさとり。このままでは埒があかないし、さとりの気分も晴れないまま…ならば、簡単なことだ。私から…私から襲ってしまえばいいのだから。
「…ご主人様…」
「…ひやっ!? ち、ちょっと…狼戈…っ!?」
布団をゆっくりと剥がし、ビクッと体を震わせるさとりを有無を言わさず抱き締める。頬を染めながら目を泳がせるさとりに、強引に唇を重ねた。その最中にゆっくりと、服を脱がせていく。まさか襲われるなどと思っていなかったであろうさとり。真っ赤になって、か細い力で抵抗してくる。
「…ご主人様が襲わないなら…私が襲うから…」
「…狼戈、どうしたの? なんで、そんな…んむっ…ぅぅ…」
舌が交ざり、唾液が混ざる。やがて微塵も抵抗しなくなるさとりから体を離し、さとりが落ち着くまで時間を置く。唾液を拭った後にじっと此方を見るさとりに、確認の言葉を投げ掛けた。
「まだ…襲う気にならない? ねぇ、ご主人様…?」
「……わかった。狼戈が望むなら…」
優しく、ゆっくりと押し倒してくるさとり。覆い被さるように乗り、唇が重ねられる。昼のように、強引で淫らなキス…少し意地悪してみようと弱く暴れた結果、予想もしていなかった形で四肢を拘束されることとなる。
「ん…んむ…ぅ…!?」
第三の目に繋がる、二本の管。その管が触手のように巻き付き、動きを封じてきた。さとりの手は私の頬に合わせられ、深い接吻を強要してくる。悪い気はしない…誘導したのも私だ。でも…主との行為は、やはり何処か背徳感を感じた。
「ひっ、ぁ…い、いきなり其処は…ひあぅっ!!」
「狼戈…もう、離さないから」
膝から下を動かして身を捩ってみても、快楽からは逃れられない。濡れた指は濡れた体に入り込み、くちゅりと掻き回す。誰にやられてもその動きは変わり、与えられる快楽も違う。だが…たてる音は、いつも一緒だった。ぐちゅり、くちゅり、ぐちゃり、くじゅり…。
「…やっ、あぁぅ!! んぁ…っ!! ぐぁぅ…っ」
「…やっぱり、可愛いのね…狼戈…?」
管に拘束され、指で犯され、舌で犯され。自分が望んだことでも…やはり耐えることは出来なかった。何度も意識が高揚し、そして真っ白になる。その繰り返しに段々と体は疲労していく…
それは私の意識が消えるまで、延々と続いていくのだった。
◆◇◆
「…こいし。貴女、覚悟はいいんでしょうね」
「そ、そんなに怒らなくても…ね、お姉ちゃん」
事の最中、自分でも自制が効かないと自覚はしていた。主人を襲う背徳感や興奮のせいだと思って放置したが…
…原因は、こいしが悪戯で仕込んだ酒らしい。酒に弱いの知っててやってるだろこれ。
「私は…少し嬉しかったし、構わないわ」
「ほら、ね!? だから…やっ!? く、擽るのは、はは、やめ、あはは…っ」
押し倒してやったぜ。
うつ伏せになって震えるこいしを放置し、朝食の準備を再開する。苦笑いしながらこいしをつつくさとりに、同じように苦笑しながら。今日の朝食は…和風に、綺麗に決めようか。そんなことを考えながら、荒い息のこいしと呆れ顔のさとりを眺めるのだった。