黒狼狐己録 -Life Harboring-   作:ふーか

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そろそろ一時停止、ですかね…
正直もうネタが続かないので、読者様的にも飽いてしまうでしょうし。

あと数話で、一時休止です。またころっと更新するかもですが。

あ、性的な描写注意です。


◆その後 黒い狼と幻想郷◆
◇ 夜雀の唄


 椛と狐火鴉を寝かせ付け、一匹静かに紅茶を啜る。濡れた体が気持ち悪いが、取り合えずば臭いも消しておいた。下着姿ということと、やけに敏感ということを除けば、いつも通りの私の姿だった。

 

「ふわぁぁ…」

「貴女ももう寝なさい、橙」

「狼戈様が寝るまで寝ません…ふぁぁ」

 

 先程階下に降りたら居た化け猫。紫と藍、どちらの仕業かは知らないが、時折橙が突然現れることがある。こういう時はだいたい、藍達が忙しい時に偶然橙が遊びに来ている時。私自身も一応了承している為、文句は言わない。

 

「客人が来るのよ。眠れないなら、快楽で寝かせてあげるわよ?」

「…狼戈様、口調もおかしいですし…壊れました?」

 

 椛と狐火鴉に理不尽に犯された後だから誰かにやり返したいんだよ。

 

「冗談よ。ほら、椛達と寝てきて。…あ、服は無理矢理着せといて」

「え〜…私がやるんですか〜…わかりました。お休みなさいっ!!」

「ん、お休み、橙」

 

 階段を駆け上がっていく橙を見届け、再度紅茶を啜った。橙に盗られかけたところを死守した水羊羹も尽きる頃、玄関から可愛らしいような声が響く。

 

「誰か居ますか〜♪」

「おおぅ、みすちー。入っていいよっ」

 

 しっかりと靴を脱いで上がってくるミスティアに手招きひとつ、すぐ隣の椅子を指して催促する。下着姿に文句を言うこともなく、とことこと椅子に座るミスティアに今更な身長差を感じつつ、適当にお茶をすすめる。世間話を始めるミスティアに、流れるほんわか日常空気。おお、平和平和。

 

「ねぇみすち〜。鰻焼いて〜」

「えぇ? でも、器具も素材も…あれ?」

「ん〜? 何か言ったかい?」

 

 目の前に現る、丸いお皿に捌かれた鰻。既に何度も見て、食べているのだ。嫌でも覚えるだろうに、増してや彼女の料理は逸品。素材を覚えてしまうほどには、何度も行っているのだ。

 

「黒ちゃん、私の屋台で働かない?」

「その呼び方は止して…私は一匹狼だよ。誰にも従わない」

「その割に、一人で居ることはないわよね」

 

 意外に痛いところを突いてくる、この夜雀。

 

「はいはい、また前みたいにお手伝いに行ってあげるから」

「ん、待ってるわよ〜。さぁ、作るとしましょうか」

 

 笑うミスティアに苦笑しながら、二匹仲良くほのぼの料理。

 味付けや焼き方を凝視しつつ、おつまみに〜、と適当に枝豆やチーズの薫製を用意しつつ、やっぱり気ままに話しつつ。流石に酒はいつも通りにすると私が潰れるため、アルコールの弱いものの焼酎に。酔ったら私、何をしでかすかわからないもので。

 

「絶対お客さん増えると思うんだけどなぁ」

「まぁ顔も広いし、増えるだろうね。でもまぁ無理よ」

 

 私は客人以外の立場で外出するつもりはないのでね。

 

「む…藍、隠れてないででておいで」

「…もう見つかったか。本当は橙を迎えに来ただけだったんだが」

「ん…色々お疲れ様だね。橙も寝てるし、寛いで行きなさい」

「…強制だな」

 

 私が何を言おうと、どうせ参加するつもりだっただろうに…瞳は嘘を吐かない。というかそもそも、私に嘘を吐くような者はいない。嘘、か…今のところ兎詐欺に遭遇したことはないが…今度鈴仙か妹紅に話してみよう。千年会わないのも…と言いたいところだが、あの船の面子だったりも会っていないんだよなぁ…

 

「うにゅ〜…藍の尻尾はもっふもふ…やっ!? くるくるだめ…ふにゃぁ…」

「ん、と…お持ち帰り料金はいくらだ?」

「今なら無料だよ」

 

 みすちー、勝手に私を売るんじゃない。

 

「そういえば、椛達は?」

「寝てるにゃ。私の犠牲の元に静かに寝てくれているのにゃ」

「私もちょっと寝れなくてな…」

「私も最近、なかなか寝付けなくって」

 

 二人が揃って私を見据える。反射的に尻尾から飛び降り、怯えるように距離を離す。今回、藍の瞳はふざけ半分だが…ミスティアの瞳が真剣過ぎて怖い。まさか私と寝れば安眠出来るなどと思ってはいないだろうな…?

 

「み、みすちー? 椛達は色々特殊だし、藍もふざけ半分だよ?」

「私も特殊だよ? 多分」

 

 いや、冗談抜きで止してください。

 

「さて…そろそろ時間だな。私は橙を連れて帰るよ」

「え? もう!?」

 

 世界の全てが私に牙を向けている気がする。

 お礼を告げて、橙を起こしに二階へ消えていく藍。口をパクパクと無様に呼び止めてみても、虚しく小さく消えるだけ。隣の席から満面の笑みを見せている夜雀に、何故か頭が痛くなってきた。

 

「わ、私もそろそろ寝ようかなぁ…はは、あはは…」

「まだ寝ないわよ〜…寝かせてあげるつもりもないけど」

 

 やけに小さい声で言われた為によく聞こえなかったが…嫌な予感がするのは変わらない。藍達の気配も消えてしまったし、結局は二人きり。藍があんなことを言わなければ、こんなことには…っ。

 

「ん…あれ? みすちー」

「あ、椛。いらっしゃい」

「いや営業すなっ!! 私の家だからっ!! 椛も財布を出すなぁっ!!」

 

 素材も器具も私のだ。

 息を荒げる私に、二人は子供のような笑みを見せて首を傾げる。橙が着せた為かよれっとしたパジャマに身を包んだ椛…視線が常に私なのだが、まさかまた襲うつもじゃないか…?

 

「冗談だよ? お水飲みに来ただけだから」

「…勘弁してください」

 

 心拍数がマッハ。

 にやにやしながら台所へ赴く椛をジト目で睨みつつ、溜め息を吐く。ウインクひとつ、スキップで戻っていく椛を遠い目で見送った後に、何を思ってかやけにくっついてくるミスティアから逃げる。幽々子に食べられる側の癖に、私に関してはは食べる側なのか。

 

「みすちー、本当に勘弁してよ…」

「ん〜…いやっ♪」

 

 守りたい、この笑顔。誰か、私の笑顔を守ってくれ。

 

「さぁ、どう料理されたい?」

「じゃあ生焼けで…って何言わせるのよっ!!」

 

 少女漫才中…

 いよいよボディタッチが激しくなって来た。舐められたり、獣耳をかじられたりということを頻繁にされる。体が湿り、瞳も虚ろになり始めた頃…ミスティアの頬は既に紅潮し、息も荒くなっていた。

 

「ね、ぇ…みすちー…やめ…わっ!?」

「ふふ…可愛いなぁ、狼戈…」

 

 変わる呼び名に、声色。遂に押し倒され、すぐそばにあった椅子ががたりと音をたてて倒れる。私の怯えたような、怒ったような表情を眺めて淫らに笑むミスティア…私の体は既に、力が入らなくなっている。

 

「屋台に狼戈が来る度に…自分の欲が増えてた…ふふ」

「あふ…ぅぅ…」

 

 肉体的な関わりなど一切なかったというのに…いつも皆いきなりで…

 絡む指、縛られる足…私の断れなかったり、誰かに口外しない性格に加え、同性な分、孕んだりということがないのが拍車をかける。軽いキスやハグだったり、日常の触れ合いならば、もう正直文句など言わない…こんなことを考えるのも、もう何度目だろう。

 

「ん…ぁ…っ」

「狼戈…好きだよ…? ふふ」

 

 服越しの快楽、卑猥な音。べったりと貼り付いた服の気持ち悪さと、よれた尻尾の痛みに意識が朦朧とし、身悶えた。

 

「やめ…ぇ…んぅ」

「じゃあ、そろそろ」

「ちょっと、落とし穴なんて掘らないでよ」

「あはは、ちょっとした挨拶だよ」

 

 突然の話し声。突然引き抜かれた五指に甲高い声をあげつつも、無理矢理に上半身を起こす。あたふたと視線を泳がせるミスティアに二階を指し、一時避難。体はどうにも出来ないために化けるで服だけ誤魔化し、ノックの音に短く応える。この聞き慣れた声に、聞き慣れない可愛らしい声…

 

「お邪魔しまー…狼戈!? なんでそんなに赤いの!?」

「鈴仙…久、しぶり…あら、てゐは…初めまして、かな…」

「…この娘、大丈夫?」

 

 色々と大丈夫じゃありません。

 因幡 てゐ。私の何倍生きてるのかまったくわからない。何万? 何億? 所謂ロリば…いや、なんでもない。

 

「いやぁ…私は、襲われるのが…日常茶飯事だからさ…

 …ああ、落とし穴は埋めといてね」

「ありゃ、ばれてた?」

「狼戈は五感も身体能力も、妖力も化け物だから」

 

 つまり私は化け物。

 じろじろと眺めてくるてゐに冷や汗をかきつつ、どうしたものかと鈴仙を見据える。正直、今の状態で兎に会うのは…うん、鈴仙が赤い。

 

「…で、ご用件はなんだい?」

「んぅ…あ、え? あ、うん。偶然近くを寄ったから…かな?」

 

 偶然寄った奴が、何故私を見詰めて淫らににやりとするのか。動揺を隠せてないし、私に聞かれても困る。

 

「…あ、そうそう。今度竹林に来なさいって、お師匠が」

「え〜…むぅ、仕方ない。今週中に行くって伝えといて」

 

 さり気なく家具をいじくるてゐを横目に見つつ、赤い鈴仙を見据える。相変わらず、苦労人の顔。どうせなら私が飼って…どう考えても私が飼われる側ですね、はい。

 

「さて、用事がないならあたいは寝ようかね…」

「突然邪魔して悪かったわね。てゐにも会わせたかったから」

「そうかいそうかい。あたいは来る者拒まずさ。いつでも来るといいよ」

「…口調がぶれまくってるわよ」

 

 いつものこと。

 一瞬の隙を見つけててゐの耳を撫でつつ。鈴仙に責任転換しつつ。騒がしい兎二羽はふらふらと帰って行った。何をしに来たのか…てゐはまた遊びに来ようかと気楽に言っていたが…まぁ、今度診療所に行った時にでもまた話すとしよう。

 

「さぁて、寝ようかな」

 

 卓上の料理を保存用の容器に詰め、倒れた椅子を直して電気を消す。わざわざ泥棒に入るような輩は居はしないが、戸締まりは確実に。

 安全確認を完了。最後に化けるでパジャマ姿に変化。欠伸をこぼしつつ二階へ上がって自室の扉を開け、力無くベッドへ倒れ込んだ。

 

「お疲れ様だね、狼戈」

「何か忘れてないかな?」

「ふぁぁ…狼戈さん虐めなら参加します…ふわぁ」

 

 抑えられる両の手。覗き込む三匹の顔。気付いた時にはもう遅く、誘われるは快楽の園。淫らな夢の中で、黒い狼は鳴くばかり…

 

 

「もう…いや…」

「さぁ狼戈…じっくり料理してあげるわ」

 

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