新人研修でシンが来てから一日が経ち、一日目は鎮守府を案内したあとに、恭二と一緒に執務作業を行っており、シンはまだ恭二より1つ年下で関わらず、執務作業を順調にこなしていき、恭二は一日見ただけで問題ないと感心する。
シン「浜松准佐、昨日分の遠征の報告書がすべてまとまりました」
恭二「すまないな、本当に助かる、書類整理は得意なのか?」
シン「はっ!浜松准佐がやっている量より少ないので、自分は得意とは思ったことはありません」
恭二「それと、敬語はなしでいいよ、年もあんまり変わらないし」
シン「いえ、軍として相手との格差は絶対です、上官の前でそのようなこと恐れ多い」
恭二「…電達もそんなに畏まってないからさ…少しずつでいいから慣れてくれ」
シン「…善処いたします」
恭二(執務は完璧なのに、この思考はちょっと難点だな…なんとかできればいいんだけど…)
シンの片苦しい思考をどうすればいいかと頭を悩ませる、恭二だがすこし時計を見る。
恭二「シン、執務はあらかた片付いたから、港の方に行くといい、このぐらいなら新人駆逐艦の訓練をしているはずだ、できれば見てきてどうだったかを報告してほしい」
シン「了解しました」
そういってシンは退室し誰もいない通路にて馴れない敬語を使っていたために、深く息を吐く。
シン「やっぱり、滅多に使わない敬語はきついな」
シン「まあ、それも数ヵ月だから耐えるとして…」
シン(クロノ提督から下された新田二尉の暗殺、提督は今回の命令は躊躇っていたけど…上からの命令なんだからしょうがないよな、裏切った方が悪いんだ)
シン・アスハは管理局の手先であり、既に息のかかった、将官を経由し海鳴鎮守府に数ヵ月だけだが配属となった、もちろん、その期間で弘樹を暗殺するのが目的である。
港に着くと先日訓練校から配属された白雪達が神通監修で練習が行われていた
弘樹「ん?シン、こんなところに何しに来たんだ?」
シンが来る前に先客で弘樹が駆逐艦の演習を見に来ておりそこ横に座る。
シン「弘樹さん、新人の艦娘はどうですか?」
弘樹「ん?そうだな見た限りだが筋は悪くないな…特に時雨が一番いい動きしてるよ」
ほらと弘樹が指差す方向には訓練をする新人駆逐艦たち、その中で一際動きがいいのが時雨の姿がある。
シン「凄いですね…艦娘って」
弘樹「艦娘を見るのは初めてなのか?」
シン「はい、ここに推薦していただいた提督からは兵器と言われましたが」
弘樹「その考え方やめとけ…これはここの先輩としての忠告な」
シン「は、はい」
シン(…何れは敵になるんだから知っておいてそんはないよな)
戦いにおいては敵を知ることが大事だとシンは考えて時雨達の訓練をじっくりと観察する。
それから数分後時雨達は完全にバテはじめて神通も考える仕草を遠目で弘樹たちが確認する。
弘樹「…にしてもそろそろ限界かな?」
弘樹がそう考えていると…
神通「はい、今日はここまでにしましょうかお昼は非番になってるから自由行動、でもはめははずさないように」
『は、はい、ありがとうございました…』
疲れが貯まっていると表情と声からわかるほどになっておりぎこちない海上走行しながら港へと戻ってくる、その中で神通がいち早く港に到着して弘樹に気がつく。
神通「ひ、弘樹くん!?もしかして見てたんですか!?」
弘樹「ああ、中々の教導だったぞ」
神通「そ、そうですか、嬉しいです…あの、もしこのあとよければお昼食ご一緒に宜しいでしょうか?」
弘樹「ん?別に構わないぞ、シンはどうする?一緒に来るか?」
シン「え?自分もですか?…えっと…それじゃあ同行させていただきます」
弘樹「それじゃあ行こうか」
誘った神通は少し落ち込むがそれを気にせずに食堂前にたどり着き入り口前で吹雪と翔鶴と鉢合わせする。
吹雪「あ…」
翔鶴「あ」
神通「あ」
弘樹(げ!この展開は)
弘樹に特別な感情を抱く三人がその場に揃いその上弘樹もいるというという状況で弘樹から冷や汗が流れる。
翔鶴「弟くん、お疲れ様、神通さんも一緒なのね」
神通「は、はい、港の方にいらっしゃいましたので一緒にお昼食をと…」
翔鶴の質問に微笑みながら返答する神通その答えに吹雪と翔鶴は頬を膨らましてむすっとした表情で弘樹を見る。
吹雪 翔鶴「弘樹くん(弟くん)!!私も同席させてもらっていい(かしら)!?」
弘樹「え!?あ…べ、別にいいぞ…」
二人同時に同じことを言われたので少し戸惑うが少し冷静になって承諾した。
弘樹「問題ないよな?神通?」
神通「…別に構いませんよ…弘樹くんのバカ…」
弘樹「え?なにかいった?」
神通「別になにもいってません!」
シン(居づらい…俺は退散したほうがいいかもな)
シンはこの場の空気の重さに耐えきれなくなりそろっと先に食堂には行っていった。
なかに入ると既に何人か昼食をとっている人たちがいてシンはあまり回りがいないところに座ろうと見渡していると後ろから入ってきた時雨にぶつかってしまう。
シン「おっと!ちゃんと前を見ろよな」
時雨「え?あっ!す、すみませんシン提督!えっとその…」
シン「別にそこまでせめてない、次からは気を付けろよ」
時雨「は、はい」
そんな注意をしてから時雨と一緒に来た白雪達が口を開ける。
白雪「あの、シン提督もこれから昼食でしょうか?良ければご一緒にどうでしょうか?」
白雪からでた提案もわざわざ断る理由もないので昼食を共にすることにして空いている席に座り料理を注文すると時雨がシンに話しかける。
時雨「あのシン提督は…」
シン「俺のことはシンでいい、ここには研修でしてるからさ」
時雨「それじゃあシンくん、シンくんは何処で生まれたの?名前からして日本じゃないみたいだけど」
シン「えっと、ハワイ島で生まれてな、だけど俺の髪が黒いのは母さんが日本人だからだ」
白雪「そうだったんですか、道理で日本語も上手なはずです」
シン「日本語は母さんに習ったからな」
シンはここに来る前にそういう質問をされるであろうと思い事前に考えており間を開けずに話を続けていく。
深雪「シンってさ彼女とかいるの?」
シン「なっ!」
深雪から問われたことは予想外であり、シンは取り乱す。
シン「い、いるわけないだろ、こんな大変なときに…」
村雨「へえ…それじゃあもしかしたら彼女になる子はこの中にいたりしてね…シンくん持てそうだしね」
シン「ないない、そんなこと」
シンはないと断言し水を一気に飲み干す。
村雨「どうかしらね、そういって、できちゃうかも知れませんね」
シン(そんなこと、任務に支障をきたすだけだ、俺の任務はヒロキ・ニッタの抹殺…敵になるやつらに好意なんか)
白露「でも、弘樹さんの所すごいよね」
不意に白露が弘樹の話をしてシン達は一斉に振り向くと一番奥の席、弘樹とその両サイドに吹雪と翔鶴、向かいには神通が座っており雰囲気から近づけないオーラを漂わせていた。
神通「吹雪ちゃん、翔鶴さん、弘樹くんにくっつきすぎです」
翔鶴「あら?私にとって弟同然の弟くんにくっついても問題はないでしょ?」
吹雪「わ、私だって幼馴染みだもん!だから問題はありません!」
弘樹「二人とも!?あの、少しは自重を…」
翔鶴「自重って弟くん、よく一緒に寝ているなかじゃないですか♪」
吹雪「ええええ!?」
神通「なっ!弘樹くんもうそんな関係まで」
弘樹「ちょっと待て!それは翔鶴さんが勝手にベッドに潜り込んでくるからだろ!?吹雪に神通!別に気にするな!そして瑞鶴!無実だから!俺に艦載機を向けるな!!」
吹雪(まさか、弘樹くんに添い寝されるなんて…)
神通(こうなれば引っ込んでは入られませんね…)
吹雪 神通(今夜にも夜襲を仕掛けよう!)
弘樹の言葉など聞こえておらず、二人は今夜弘樹の部屋に潜り込む決意をしていた。
シン「…なんかすごいことになってね」
シン(俺が知ってるヒロキ・ニッタじゃない気が…)
睦月「あははは…吹雪ちゃんたぶん聞こえてないな…」
夕立「神通さんも同じぽい」
時雨「あっ!睦月に夕立」
睦月「となりいいかな?」
白露「いいよ」
遠くで弘樹を見ていると夕立と睦月がやって来て時雨達の隣に座る。
睦月「この鎮守府はなれた?」
時雨「うん、訓練はきついけどみんな優しいし、いいところだね」
夕立「よかったぽい」
深雪「そういえば、弘樹さんとあの三人っていつからあんな状態なんですか?」
夕立「ん~こうなったのは青ヶ島を攻略した後のパーティだったぽい」
睦月「神通ちゃんが間違えてユミルさんが頼んだお酒を飲んで酔っちゃって…」
回想
神通「私…弘樹くんのことが好きなんです!愛してます!」
弘樹「はいいいいぃ!?」
神通「だから…青ヶ島で助けてくれた…弘樹くんがだいすきなの~」
弘樹「ちょっ!ちょっと待て!いきなりいわれてはいそうですかとは…」
吹雪「そうですよ!」
翔鶴「神通さん、あなたに弘樹さんは渡さないわ…だって弘樹くんは私の者なんですから」
瑞鶴「しょ!翔鶴姉!?」
加賀「あむあむ、こへぇは…おろほきまひぃた」←焼き肉をほうばっている
赤城「おいひぃでふぅね、加賀ふぁん」←同じく
弘樹「翔鶴さんも!?って!顔赤いって!酔ってるだろ!?」
翔鶴「うふふ、私が弟くんの彼女なんだから~」
弘樹「翔鶴さん!いつもの翔鶴さんに戻ってくれ!!」
吹雪「いい加減にしてください!神通さん!翔鶴さん!弘樹くんは…」
弘樹「よし!美雪!そのままいってやれ!」
吹雪「弘樹くんは私と結婚するんだから!!!!!」
弘樹「ちょっと!!!!既に彼氏彼女関係をぶっとばしてる爆弾発言!?!?」
回想終了
夕立「ってことがあったぽい、それからあんな対立が続いてるぽい」
睦月「まあ、生死に関わることで助けられたら好きになるのもわかるけど…」
時雨「なんか…壮絶だね」
シンも凄すぎると驚嘆しお昼が過ぎていくのであった。
シン達は午後の仕事などを済ませて夜の12時、用意されていたシンの部屋ではクラウディアに通信する端末でクロノと通信をしていた。
シン「以上が今日起きた、内容です」
クロノ〈そうか…全くあいつらしいというかなんというか〉
シン「あいつらしい…ですか?」
クロノ〈いや、敵になってもあいつだなとおもっただけだ…それで引き続き任務を続行してくれ〉
シン「了解しました」
そうして通信を切りベッドに倒れこむ。
シン「あいつらしいか…あれが…俺が憧れた魔導士…ヒロキ・ニッタか…」
シンは小声で呟き明日のことを考えるのであった。
翌朝…
弘樹「……何故だ」
弘樹の寝室では弘樹が寝ているベッド、中央が弘樹、そして左右には吹雪と神通が添い寝していた。
弘樹「部屋の前には迎撃用のスフィアを13個も設置したはず…ケルディム説明頼む」
ケルディム「お二人ともドアからではなく、窓から侵入してきました」
弘樹はその事実を聞いて頭を抱える。
ケルディム「あ、あと部屋の前には迎撃用のスフィアで気絶した翔鶴さんがいます」
弘樹「……」
その知らせでさらに頭を抱えたのは言うまでもない。