魔法少女リリカルなのは~飛天の剣 リリカル剣客浪漫譚~ 作:fukuchan
「「剣斗君(ケント)!?」」
俺の魂の叫びを聞いて俺の存在に気が付いたなのはフェイトが同時に声を上げる。そして驚いたように互いの顔を見合わせ・・・・・・
「「なんで剣斗君(ケント)のこと知ってるの!?」」
これまた同時に叫んでいた。一方、話の主たる俺はというと・・・・・・
「ふたりとも、夕飯までには帰るんだぞ。じゃ、俺は帰るからごゆっくり。」
思いっきり現実逃避してます。いや、もう笑うしかないよね。コスプレはともかく宙に浮かんでますよあの二人。最近のコスプレには飛行装置でもついてるのかねぇ~。
というわけで俺は来た道をさっさと帰ろうとしたが。
「「まってぇぇぇぇ」」
二人に阻まれてしまった。
「そこをどけ、なのは、フェイト。俺はコスプレごっこに付き合う気はない!」
「コ、コスプレじゃないの!私は本物なの!ていうか空飛んでるとこ見たでしょう!?」
「こすぷれ?ねぇ、ケント。こすぷれって何?」
本物だなんだとわけのわからんことを喚くなのはにどこかずれたことを聞いてくるフェイト。
「勘弁してくれーーーーー!!」
もう一度叫んでしまった俺は絶対に悪くないと思う。
本日二度目の魂の雄たけびを響かせると、一周まわって冷静になってきた。
「さて、突っ込みたいことは山ほどあるが。ひとまず、お前らはどういう関係だ?」
俺はなのはとフェイトの関係性について問いただす。ただの友達ならそれに越したことはないが。
「えっと、さっき会ったばかりなの。あ、私は高町なのは。あなたはフェイトちゃんでいいの?」
「う、うん。フェイト・テスタロッサです。」
「あ~親睦を深めてるところ申し訳ないが。お前らのその恰好は何だ?」
「そ、それは。えっとなんというか。」
なのははうまく説明しきれないようだ。そこで俺がフェイトに尋ねようとしたとき・・・・・・。
「その服はバリアジャケットという魔法で作られた防護服です。」
聞き覚えのない声が聞こえてきた。
「ユーノ君!」
足元を見ると、俺がこんな事態に陥った元凶であるフェレットのユーノ君が俺を見上げていた。
気のせいかな、さっきの声はユーノ君から聞こえた気がしたんだが。しかも魔法がどうとかって。
「あ、あの。大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だよ。ただちょっと予想外すぎる事態に頭が付いて行ってないだけだから。」
「はぁ、ならいいんですけど。あ、ぼくはユーノ・スクライアっていいます。君は剣斗だよね。なのはから聞いてるよ。」
「どうもご丁寧に。ご存知のようですが私は神谷剣斗といいます・・・・・・ってそうじゃねぇよ!いやもうフェレットがしゃべったくらいじゃ驚かないけどさ、とにかく一から十まで説明しろや!!」
「はわわわ。ケント落ち着いて。」
フェイトがなだめてくれる。
フェイトよその心遣いは大変ありがたいがお前も俺を混乱させてる当事者だからな。
「はぁ、いいや。とりあえずフェイト、お前は一旦帰れ。」
「「え?!」」
ユーノ君となのはが驚いたような声を上げる。
「お前らさっき知り合ったばかりでほとんど赤の他人何だろ?これ以上話がこじれるのはごめんだ。フェイト、今日の夕方家にこいそこで改めて話を聞かせてくれ。」
「・・・・・・わかった。」
フェイトは暗い表情を浮かべ、その場を去ろうとした。
「ま、待って。」
なのはは引き留めようとするが・・・・・・
「いきなり攻撃しちゃったことは謝る。でも、これ以上私に関わらないで。」
フェイトは冷たく突き放し、その場を後にした。
「剣斗君!!なんで帰しちゃったの!!」
「言ったろ。これ以上話がややこしくなるのはごめんだ。ただでさえ常識外れな状況下にいるんだ。これ以上は勘弁してくれ。」
「でも。」
なのはは納得していないようだったが、ユーノ君が諌めてくれた。
「なのは仕方ないよ。この世界の人である彼にとっては非常識な状況であることは間違いないから。それに一般人の彼が結界に入ってきちゃったのも僕の責任だ。」
「うっ、ユーノ君がどういうならいいけど。」
会話中にも突っ込みたい箇所がいくつもあったがグッとこらえる。
「改めまして。ユーノ・スクライアです。」
「神谷剣斗だ。説明してくれるんだろうな。」
「もちろんです。実は・・・・・・。」
ユーノ君の話をまとめると
1・大前提として、この世には地球だけではなく多数の世界は存在しているらしい。
2・ユーノ君はその多数の世界の中でも魔法が発達した世界から来た所謂異世界人らしい。いや、この場合はフェレットか。
3・ユーノ君の一族は古代遺跡の調査、発掘を生業としており、今回は発掘されたジュエルシードとかいう危険物(ロストロギアというらしい)を輸送している最中に輸送船が不慮の事故に巻き込まれその影響でジュエルシードがこの町にばらまかれてしまったそうだ。
4・発掘、輸送の責任者だったユーノ君は責任を感じ何とか回収しようとするも途中で力尽きてしまった。そこでしかたなく現地(地球)住民に助けを求め、それに応じたのがなのはだったそうだ。
5・ジュエルシードを安全に回収するには魔法による封印が必須で、たまたま魔法の才能があったなのははユーノ君のお手伝いをしているとか。
6・フェイトとはさっき初めて会ったそうだが、フェイトもまたジュエルシードを回収しているらしい。もちろん目的は不明。ちなみになのはは先ほどコテンパンにやられたそうだ。
ということだった。
「しかし魔法ねぇ、そんなもんが実在するは。」
「にゃははは、なのはも最初はびっくりしちゃったの。」
「そりゃそうだよな。魔法なんておとぎ話の中だけだと思ってたからな。ん?魔法っていえば、あの声も気のせいじゃなくてまほうだったのか?」
「あ!そうだよ。ユーノ君、剣斗君も念話が届いてたの!!。」
「ほ、ほんとうかい!?じゃあ剣斗にも少なからず魔力があるはずだよ。」
「え、まじで?俺も魔法つかえちゃうの?」
「うん、まだ魔力量がはっきりしないから何とも言えないけど。剣斗、ぼくの手を握ってもらえるかな。」
「ああ、こうか?」
「うんそれでいいよ。少しじっとしててね。」
ユーノ君ががそういった瞬間、俺の中を得体のしれない何かが駆け巡った。
「これは・・・・・・うん、大体D-てとこかな。」
「それはどうなんだ?」
「魔導士の平均的な魔力量がCだから少ないほうだね。でもこの世界の人は基本的に魔力を持ってないから持ってるだけでもすごいと思うよ。」
なるほど、特別期待してたわけじゃないが何となく残念な気がする。
「ちなみになのははどのくらいなんだ?」
「なのはは特別だよ。なにせAAA+だからね。本職の魔導士でもこれだけの魔力を持ってる人はそうそうそういないよ。」
「なぁ、なのはの魔力量を100とすると俺はどのくらいなんだ?」
「うーん、ちょっと言いにくいけど。5くらいかな。」
なぜだろうか、別に魔法に対して格段憧れがあるわけではないが負けた気がする。気のせいかなのはも勝ち誇ったような顔してるし。
「まあいいや。大体の事情はわかった。詳しいことはまた今度聞くとして今はとりあえず戻ろう、アリサ達が心配してる。」
俺がそういって屋敷に戻ろうとするとなのはが聞いてきた。
「待って、剣斗君。あの子、フェイトちゃんとはどういう関係なの?」
「どうって、友達だよ。俺も会ったのは一昨日だけどな。」
「そう。ねぇ、剣斗君、今度私に・・・・・・。」
「わかってるよ。フェイトから話を聞いたら紹介してやる。」
「ありがとうなの!!」
「ほら、さっさと帰るぞ。」
屋敷に戻った後、俺となのははアリサとすずかにしこたま怒られた。世の中の理不尽さを実感した一日だった。
第十二話でした。
次回戦闘シーン入れられたらいいな~。