魔法少女リリカルなのは~飛天の剣 リリカル剣客浪漫譚~   作:fukuchan

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残酷な真実

フェイトとアルフさんが我が家の一員となった次の日、俺とフェイト、アルフさんはなのはの実家である翠屋を訪れていた。親父とお袋もついてきたがったが、親父は斉藤さんへの借りを返すために奔走し、お袋は今日も出稽古があって泣く泣くあきらめた。まあ、それはどうでもいいとして、今回の目的は言うまでもなく今後についての話し合いだ。

 

「ほんとに大丈夫かな?」

「何回目だよその質問、俺の答えは変わらないぞ、大丈夫だ。」

「フェイト、こいつがそういってるんだからきっと大丈夫だよ。」

「でも・・・・・・」

フェイトは朝からこの調子だ。一応は敵対関係にある人間に会おうというのだから当然といえば当然の反応だけどな。

「心配すんなって。フェイトは俺の(家族として)大事な人なんだからさ、俺はフェイトの味方だ。」

「大事な人、私がケントの大事な人・・・・・・えへへ。」

俺がそういってフェイトの頭をなでるとフェイトは少し頬を赤くして嬉しそうにしている。何か特別なこと言ったかな俺?

「あんた、無自覚でいってるのかい?」

「え?何をですか?」

「はぁ、やっぱりか。こりゃフェイトは苦労するね。」

「?」

アルフさんが呆れたように言ってくる。

俺、何かしたかな?

 

 

 

「いらっしゃい、待ってたよ剣斗君。それにフェイトちゃんとアルフさんだったかな。はじめまして、なのはの父高町士郎です。」

「フェイト・テスタロッサです。よ、よろしくお願いします。」

「アルフだよ、フェイトともどもよろしくね!!」

「うん、二人ともいい子みたいだな。よければなのはと仲良くしてやってくれないかな。親の僕が言うのもなんだけど、なのははほんとにいい子だよ。」

「それは・・・・・・。」

「何か事情があるみたいだね。まあ、焦ることはない。今は無理でも少しずつ仲良くなってくれたらそれでいいよ。」

流石士郎さん、大人の貫録ってやつだな。

「士郎さん、なのははいますか?」

「ああ、部屋にいるはずだよ。」

「わかりました、それじゃお邪魔させてもらいますね。」

「ゆっくりしてくれていいからね。恭也ももうすぐ帰ってくるはずだ。」

「ははは、楽しみにしときますね。さ、行こうぜ、フェイト。」

「うん」

俺はフェイトを連れてなのはの部屋へ向かった。

 

コンコンと二回ほどノックをするとすぐになのはが出てきた。

「はいなの!って剣斗君?」

「よう、約束守りに来たぜ。」

「あの・・・・・・」

俺の後ろからフェイトが遠慮がちに声を出す。

「フェイトちゃん!!入って入って。」

なのはは満面の笑みでフェイトを迎え入れた。

「お、お邪魔します。」

「邪魔するよ。」

「おじゃまー」

俺たちは部屋に入って机を囲むように座った。

「さて、まあお互い色々あるだろうが取りあえず自己紹介からだな。まずはなのはとユーノ君からだ。からだ。」

「はーい!私は高町なのは聖祥小学校三年生です。」

「ユーノ・スクライアです。一応、ジュエルシードの発掘者です。」

「フェイト・テスタロッサです。あなたと同じ歳です。」

「アルフだよ。わかってると思うけどフェイトの使い魔さ。」

「さ、自己紹介はすんだな。それじゃ、本題に入ろうか。なのは、色々聞きたいんだろ?」

「うん!えっとフェイトちゃんって呼んでいいよね?私のこともなのはでいいから。」

「いいよ。えっとなのは。」

「ありがとうなのフェイトちゃん!にゃははは、聞きたいことがたくさんあって迷っちゃうなどうしよう。」

「じゃあ、僕からいいかな?」

「もちろんなの!」

「こしうして話すのははじめてだね。僕もフェイトって呼ばせてもらうね。まず、フェイトはどうしてジュエルシードを集めてるのかな。ジュエルシードが危険だってことは分かってるんだよね?」

「ジュエルシードの危険性は知ってる。でも、私は集めなくちゃいけないの・・・・・・母さんのために。」

「お母さんのため?ということはジュエルシードを必要としているのは君じゃなくて君のお母さんなんだね?」

「そう。」

「何のために?」

「それは・・・・・・わからない。でも、母さんがそれを必要とするのなら、私は集める。私は母さんの娘だから。」

「お母さんか、フェイトちゃんのお母さんってどんなひとなの?」

「すごく優しい人だよ。」

フェイトがそういうとアルフさんが苦虫を噛み潰したような顔になる。正直、俺も同じ気持ちだ。フェイトの母親に会ったことはないけど、いい印象なんて持てるわけがない。

「フェイト、君がやさしい子だってことはわかったよ。でも、使用目的もわからないのにジュエルシードを渡すわけにはいかない。」

「私もユーノ君と同じなの。いくらお母さんのためだからって人のものを勝手にとっちゃうのは泥棒さんと同じだよ。」

「あなた達がどう思おうと構わない。力尽くでも私が回収する。」

険悪なムードが流れ出す。一触即発といった感じだ。ちょっとまずいな。

「はいストップストップ。今日は話し合いに来たのであって喧嘩しに来たわけじゃないんだ。落ち着けよ。」

「・・・・・・うん。」

フェイトは納得できていないようだが、引き下がってくれた。

(ちょっと、ほんとに大丈夫なんだろうね?)

不安に思ったのか、アルフさんが念話で話しかけてくる。ちなみに念話と身体強化に関しては模擬線のあとフェイトに教えてもらってマスターした。思ったよりも簡単に習得できて少し驚いた、デバイス様様だな。

 

閑話休題

 

(大丈夫ですよ、おれに任せてください。)

(・・・・・・信じるよ。)

 

「さ、ファイトが話したんだ。今度はなのはのことを話してくれ。」

「わかったの。えっと、私がジュエルシードを集めるのはユーノ君に頼まれたからなの。」

「ユーノ君、それはほんとうか?」

「うん、本当は僕一人でどうにかするつもりだったんだけど僕の魔力量じゃどうしようもなくて、力尽きてたすけを求めたんだ。それに応じてくれたのがなのはなんだよ。」

「にゃはは。」

なのはは照れたように笑う。しかし“頼まれたから”か・・・・・・・

「なのは、悪いことは言わない。この件からは手を引いたほうがいい、取り返しがつかないことになる前に。」

フェイトも気が付いたみたいだな。

「え!?どういうことなの?」

「なのは、それとユーノ君には悪いが俺もフェイトと同意見だ。」

「そんな、剣斗君まで・・・・・・。」

なのはが俺に裏切られた!という目で俺を見つめる。すまんな、でも今のお前じゃ近いうちに大怪我しかねないんだよ。

「剣斗、説明してくれるかな?」

「剣斗君・・・・・・。」

なのははすがるような視線を向けてくる。

「ユーノ君、ほんとは分かってるんじゃないのか?なのはの危うさを。」

「-!それは・・・・・・。」

「え?どういうことなの?」

「なぁなのは、魔法についてどう思う?」

「魔法について?えっと、とても素敵なものだと思うの。今まで何もできなかった私に、私にしかできないことを教えてくれたすごい力なの。」

・・・・・・やっぱりか、なのはは“力”の本質をとらえていない。それに覚悟も・・・・・・。

「“剣は凶器、剣術は殺人術、どんな綺麗ごとやお題目を唱えてもそれが真実”俺の家に古くから伝わる言葉なんだ。どういう意味か分かるか?」

「えっと、剣は危ないから気をつけなさいってこと?」

「まあ、それも正解っちゃ正解なんだけどな。これは戒めの言葉なんだよ。」

「戒め?」

「そう、理由はどうあれ剣を持つということは凶器を持つということ、剣術を振るうということは殺人のための技術を振るうということ、それを肝に銘じよ。そういう意味なんだよ。」

「あの、それが魔法とどう関係するの?」

「魔法も同じなんだよ。剣術も魔法もその本質は同じなんだよ。」

「そんな!!魔法は人を傷つけたりするためのもじゃないの!!」

「じゃあ何をするためのものなんだ?」

「え!?何って、魔法は困ってる誰かのために使うものなの。」

「その心意気は立派だけどさ、例えば強盗に襲われている人がいるとする。で、おまえはその現場いる。さあ、どうする?」

「襲われる人を助けるの!!あたりまえなの!!」

「どうやって?」

「魔法を使うにきまってるの!」

「ほう、どう魔法を使うんだ?」

「もちろん犯人を、やっつけ、て・・・・・・。」

なのはの声はしりすぼみになっていく。気が付いたみたいだな。

「そういうことなんだよ。お前は被害者を助けた、それは称賛されるべきことだ。でもな、同時にお前は犯人を傷つけてるんだ、お前が素敵な力だと信じる魔法でな。」

「-っ!でも、それは犯人の人の自業自得なの。」

「そりゃそうさ、悪いのは全面的に犯人だ。それは否定しない。でもな、どんな理由であれ力、この場合は魔法だな、を使って人を傷つけたって事実はかわらないんだ。」

「そうかもしれないけど、魔法には非殺傷設定が・・・・・・。」

「だから何だ。それを言うならこの逆刃刀だって同じだ。俺が使う飛天御剣流は神速の殺人剣、逆刃(こんな)刀(もの)でも使わない限りどう手加減しても人を斬殺しちまう。逆刃刀はそれを防ぐための言わば非殺傷設定の刀だ。それでも切られれば骨の一本や二本なんて簡単に折れるし、当たり所が悪けりゃ最悪死んじまう。魔法だって同じさ、いくら肉体的ダメージがないって言っても、それは精神がダメージを肩代わりしてくれてるってだけだろ?力加減によっては後遺症が残ったりするだろうし、精神が病むことだってあるはずだ。そうだろ、ユーノ君。」

「・・・・・・その通りだよ、非殺傷設定といえど万能じゃない。非殺傷設定の砲撃魔法を受けた人が精神を破壊されて再起不能になった例もそう多くはないけど存在する。ごめんなのは、最初に説明しておくべきだった。ほんとにごめん。」

「そんな、ユーノ君まで。じゃあ私の言ってたことっていったい何なの?」

「一度も手を汚したことのないものが言う、ただの甘っちょろい戯言だよ。」

 




今回は原作の名言を二つほど入れてみました。いかがでしたか?

さて、本編中で魔法に関することをいろいろ語っていましたが、あれはすべて作者にとって都合のいい妄想です。実際の設定とはかなりかけ離れていると思います(実際の設定は知りませんが)。最初にも申し上げていますが、本作では魔法やその他諸々の設定に独自の解釈を加えています。解釈というよりはこの物語に都合がいいように改変しているといったほうが正しいかもしれません。
そういうわけですので、原作の設定を重視される方にとっては腹立たしい内容だったかもしれませんが、どうかご容赦ください。今後とも応援よろしくお願いします。
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