魔法少女リリカルなのは~飛天の剣 リリカル剣客浪漫譚~ 作:fukuchan
あのあと、なのはは家族に魔法のことを打ち明けた。
ユーノ君との出会い、ジュエルシードのこと、そして自分の想い。そのすべてを打ち明けた。意外なことに士郎さん達はなのはが魔法にかかわっていくことをあっさり認めてくれた。恭也さんは少し渋ってたけど、最終的にはなのはの意志を尊重したみたいだ。
「部外者の俺が言うのもなんですが、正直意外でした。てっきり猛反対すると思ってました。」
「なのはもそう思ってたの。」
「危険なことにはできるだけ関わってほしくないという気持ちはあるよ。でも、なのはが初めて自分自身で決断して行動しようとしてるんだ。それを応援してあげるのも親の役目だよ。それに、ケント君もついてるんだろう?」
「あたりまえです。俺は誰かを守り、救うために剣を修めてるんですから。」
「なら安心だよ。剣斗君それにユーノ君も、なのはのことをよろしく頼むよ。」
「「はい!!」」
「ふふふ、頼もしいわね。そうだ、フェイトちゃんにアルフちゃんそれにユーノ君の親睦会ってことで今日は家で晩ご飯食べていきなさい。」
「いいんですか?ご迷惑じゃ。」
「子供がそんなこと気にしないの。それに剣詩さんと香織さんにもう連絡しちゃった♪」
なんと用意周到な。
「じゃあ、ご馳走になります。」
「え、あの、よ、よろしくお願いします。」
「よろしく頼むよ!!あー、なんだかお腹がへつて来ちまったよ。」
「アルフ!失礼だよ。」
「いいのよ。ふふふ、腕が鳴るわ♪」
「フェイトちゃん、お母さんのお料理はとってもおいしいんの!!楽しみにしててほしいの。」
「そうなんだ、えへへ。楽しみだな。」
うん、なのはとフェイトも順調に仲良くなれてるみたいだな。
「剣斗君、まだ夕食まで時間があるな。」
恭也さんが唐突に話しかけてきた。
「そうですね、お腹を空かせるためにちょっとした運動なんてどうです?」
「ふっ、いいだろう。」
「今日こそ俺が勝ちますからね。」
「それはどうかな」
「「ふふふふふふふ。」」
「ケント、少し怖い。」
「あれぐらいいつものことなの。」
「へ、へー。」
フェイトに若干引かれた気がするが今はそんなことどうでもいい。
「もう、ほどほどにしておくのよ?」
「「yes mam!!」」
桃子さんからありがたいご忠告を賜った。忠告を破ったら・・・・・・やめとこう。現役時代は親父と同レベルの実力者だった士郎さんでさえ、怒った桃子さんにはかなわない。
「二人とも準備はいいな?」
士郎さんの言葉に俺と恭也さんは無言でうなずく。
「では、はじめ!!」
「小太刀二刀御神流高町恭也」
「飛天御剣流神谷剣斗」
「「参る!!」」
俺と恭也さんが同時に前に飛び出す。
ガキィィィィン!!逆刃刀と二刀の小太刀が激しくぶつかり合う。
「ほう、また腕を上げたみたいだな。これは・・・・・・俺もうかうかしてられんな!!」
恭也さんが小太刀を力任せに強引に振りぬく。
「グッ!!」
体格差がある以上、力勝負ではどうしてもむこうに分がある。俺は後方に跳躍し、距離を取る。
「む、武器を弾き飛ばすつもりだったんだが。」
「そう簡単にこいつは手放せませんよ。ハッ!!」
俺は狙いを定め、上空に舞い上がる。
「飛天御剣流・龍槌閃!!」
「フンッ!!」
再び互いの得物が交差する。だが、今度は俺が押している!!
「チッ!御神流・神速。」
恭也さんの姿が消える。御神流の奥義の一つ神速、集中力を極限まで高め、脳のリミッターを解除し、人間の限界以上の速度を引き出す歩方だ。その速さは御剣流に勝るとも劣らない。。
「御神流・徹!!」
「その手は食いませんよ!!」
俺は構えを維持したまま真横に跳躍して回避する。
「神速からの徹を避けるか。ほんとうに腕を上げたな!!」
御神流・徹、小太刀による打撃の衝撃を裏側へ徹す技だ。逆刃刀で受けていれば腕をやられていただろう。
「まだまだ行くぞ!御神流・虎乱!!」
恭也さんは二刀の小太刀による乱撃を放つ、ならばこちらも乱撃で対応するまで!!
「飛天御剣流・龍巣閃!!」
ガガガガガガガガガッ!
幾閃もの剣激が交差する。手数は向こうが上だが、一撃の威力はこちらが上。五分と五分の打ち合いが続く。結局お互い決定打を決められず、いったん距離を取る。
「はあ、はあ。さすがですね。」
「君もかなり強くなったな。ふむ、時間もない次の打ち込みで決着をつけよう。」
「望むところです。」
互いに技を繰り出すための構えを取る。恭也さんは恐らく突進系の技、俺は抜刀術の構え。
互いに間合いを測り、少しずつ距離を詰めていく。先に動いたのは恭也さんだった。
「御神流奥義之三・射抜!!」
「飛天御剣流抜刀術・双龍閃!!」
神速の連続突き、神速の抜刀術、二つが激しくぶつかり合う。
恭也さんのひと突き目を逆刃刀が弾く、しかし俺も突きの威力に押されて逆刃刀を落としてしまう。恭也さんは勝利を確信した目でふた突き目を放ってくる。
抜刀術は強力な技だが、失敗した場合には致命的な隙ができてしまう。その隙を見逃す恭也さんじゃない。突きは的確に俺の喉に向かってきている。
恭也さん、あなたは一つ失念している。飛天御剣流は常勝不敗の最強の剣術、そして飛天御剣流の抜刀術はそのすべてが・・・・・・
「二段構えだ!!」
「なにっ!?」
恭也さんの二突き目を俺は鞘を使って弾き飛ばす。
双龍閃、刀と鞘の二段攻撃で確実に相手を葬り去る飛天御剣流抜刀術の一つだ。初見だった恭也さんにはかなり厳しい技だ!!。
「クッ!」
体制を立て直そうとしているようだけど
「もう遅いですよ。」
「そのようだ。」
俺は鞘を恭也さんの喉元に突きつける。
「それまで!剣斗君の勝ちだな。」
士郎さんが判定を下す。
「よっしゃーー!!」
俺は思わずガッツポーズをとる。でも、喜んでばかりもいられないよな。
「やれやれ、まさか本当に一本取られてしまうとはな。完敗だよ。」
「はい、めっちゃうれしいです。でも、俺は“射抜”を見せてもらったことがありましたから。双龍閃ははじめて見せますよね?」
そう、俺は恭也さんが放った奥義“射抜”を一度見たことがあった。だからうまいこと対処できたのだ。初見同士であれば、負けていたのは俺の方だろう。
「ああ、まさか二段構えの抜刀術とは恐れ入ったよ。だが、そこも含めて俺の完敗さ。俺も君に見せたことの無い技で挑むべきだった。」
「恭也の言う通りだ。確かに、剣士としての地力はまだ恭也に及んでいないだろう。だが、君はそれを覆したんだ。誇りに思いなさい。」
「ありがとうございます!!」
こうして、俺と恭也さんの軽い運動は幕を閉じたのだけれど・・・・・・
「ケント、大丈夫?」
「ああ、いつものことだからな。しばらくすれば動けるようになるよ。」
俺は御剣流の反動でぶっ倒れてしまった。夕飯をご馳走になるころには何とか動けるようになったんだけど、壊れかけのロボットのようにぎこちない動きしかできなかった。ちなみに今回俺は魔法を使用しなかった。戦場ならともかく、これは手合せ。フェアな状態で戦いたいという俺の意地だ。まあ、その結果こんな目に合ってる訳だが。
「すまないな剣斗君、少しやりすぎたようだ。」
「いえ、俺の未熟さが原因ですから。」
そういいながら俺はトンカツに箸を伸ばす。しかし、口に運ぶことができずに途中で落としてしまう。
「あらら、結構重症みたいだね。よし!お姉さんが食べさせてあげるね♡はい、あーん♪」
「うっ、あ、あーん。」
見かねた美由紀さんが食べさせてくれた。恥ずかしいことこの上ないが背に腹は代えられない。フェイトから殺気を感じるけどきっと気のせいだ、そうに違いない。
「美味しい?」
「はい、とっても。」
「よかった!私が食べさせてあげたからおいしさ倍増だね!!」
「あはははは。」
美由紀さんは俺をおもちゃにできて満足したのか、満面の笑みを浮かべている。ちくしょう、この屈辱はいつの日か絶対に晴らしてやる!
俺がそう心に誓っていると、フェイトが顔を赤らめながら俺の方をチラチラ見てくる。
「フェイト?どうしたんだ?」
「え、えっとね。私もケントに食べさせてあげたいな、なんて。」
「ありがとう、でも、もう大丈夫だよ。」
「ほんとうに?」
フェイトが上目づかいで聞いてくる、くそっ!それは反則だ!
「お願いします・・・・・・。」
「うん!!」
俺が折れるとフェイトはこの日一番の笑顔になった。
「ケント、あ、あーん。」
フェイトが恥ずかしそうにトンカツを口に運んでくる。フェイトよ、恥ずかしいのなら最初からやらないでくれ。ほら、桃子さんがカメラ構えてるじゃないか。なのはもニヤニヤしてるし。
「あーん。」
「美味しい?」
「ああ、うまいよ。」
「よかった、えへへへ。」
ま、フェイトのこんなに可愛らしい笑顔が見れたんだ。今日のところはそれで良しとしよう。
後日、桃子さんが撮影した写真のせいで親父とお袋に盛大にからかわれることになるのはまた別な話だ。
今回は剣斗が勝ちましたが、実力的には恭也が上という設定です。
本作において恭也はかなりチートな存在になっています (笑)
何せ小太刀二刀流ですからね、あのお方の技を・・・・・・ゲフンゲフン
近いうちのもう一度恭也との勝負を入れたいと考えてたりします。
ではまた次回!!
感想お待ちしてます!