魔法少女リリカルなのは~飛天の剣 リリカル剣客浪漫譚~ 作:fukuchan
俺の家からバス停までは子供の足で10分、走ったとしても7分くらいはかかる。普通の奴なら。だが、俺は普通じゃない。俺はバス停に向かって全力で駆け、3分程で到着した。
「ふう、思ったよりギリギリだったな。」
俺は汗をぬぐい、バスを待った。そうこうしていると、バスが来た。
「おはようございます、今日もよろしくお願いします。」
「ああ、おはよう。君は相変わらず礼儀正しいねぇ。感心感心。」
俺は運転手のおじさんとあいさつを交わし、バスに乗り込んだ。あいている席を探していると、三人の美少女が声をかけてきた。
「おはようなの、剣斗君。ここあいてるよ。」
「おはようございます剣斗さん。」
「おはよう、剣斗。」
「おはよう。ここ、座らせてもらうな。」
俺は三人の右端に腰を下ろした。さて、ここで三人のことを紹介しておこう。まずは俺の隣に座っている金髪の活発そうな美少女は、アリサ・バニングス。世界的大企業、バニングスグループの社長令嬢である。子供ながらも、全身から気品があふれ出ている。お次はその隣にいる紫色の髪をした清楚な印象を受ける美少女、月村すずかだ。九歳とは思えないほど大人びており、まさに大和撫子といった感じだ。ちなみに実家はお金持ちらしい。そして最後は左端に座っている栗色の髪をツインテールにまとめた美少女、高町なのは。アリサや、すずかのように何かしら突出した印象を受けることは無いが、年相応の可愛らしい子である。実家は翠屋という喫茶店で、結構な人気店であろ。ちなみに、この三人は私立聖祥大付属小学校三大美少女としてあがめられている。ファンクラブも存在しているらしい。他人事ながら、ファンクラブ会員の将来が心配でならない
|閑話休題≪それはさておき≫
俺はこいつらとそれなりに付き合いが長い。所謂、幼馴染ってやつだ。
「あ、剣斗君。お兄ちゃんが週末に一緒に稽古しようって言ってたの。」
「お、ほんとか?よっしゃ!恭弥さんに“ぜひご一緒させてください”って伝えてくれるか?」
「了解しましたなの!」
なのはの実家は喫茶店だが、それだけではない。御神流という古流剣術の道場でもある。なのはの兄である恭弥さんはその正統後継者で、かなりの実力者だ。ちなみに親父となのはの父、士郎さんは昔の仕事仲間らしい。今でもたまに酒を酌み交わして、昔話に花を咲かせている。俺がなのはと知り合ったのも、この父親同士の関係が由来している。まあ、それはいいとして。一刻も早く強くなりたい俺にとって、恭弥さんの提案は渡りに船だった。
「あ、あんた。相変わらずね、あの恭弥さんとの特訓を嬉々として受け入れるなんて。正気の沙汰じゃないわ。」
「あははは・・・・・・。」
アリサとすずかは呆れたような顔をする。
「む、失礼な。恭弥さんほどの実力者と手合せできる機会なんてそうそう無いんだぞ。喜ばない方がおかしいだろう。」
「だからその思考回路がおかしいって言ってるのよ!!だいたいあんたはまだ小学生でしょ!?それが何で恭弥さんと渡り合えてるのよ!」
「いやいや、アリサ。それは恭弥さんに失礼だぞ。俺の実力じゃまだ恭弥さんには及ばなおい。」
「そういう問題じゃない!!」
「まあまあ、落ち着いて、アリサちゃん。みんな見てるよ。」
すずかに諌められ、アリサは我に返ったようだ。バス中の視線を集めていることに気づき、恥ずかしそうにうつむいている。ふむ、少しからかいすぎたかな?
「もう、アリサちゃんをからかいすぎちゃダメなの。」
「ははは、ごめんごめん。」
俺は軽い謝罪を口にしながらアリサの頭にぽんと手を置いた。
「シュークリーム・・・・・・」
「へ?」
「翠屋のシュークリーム。」
このお嬢様は言葉だけでは満足しなかったらしい。
「はぁ、わかったよ。今度おごってやるから。機嫌直してくれ。」
「「「やった!」」」
「おろ!?ま、まて。全員におごるとはひと言も・・・・・・」
「じゃあ今日の放課後、翠屋に集合ね!」
「お、おい」
「「「おー!」」」
結局、三人分おごる羽目になった。そんなやり取りをしているうちに、バスが学校に到着した。俺は六年生、美少女トリオは三年生の教室にそれぞれ向かった。
いかがでしたか?お楽しみいただけたなら幸いです。
もう2話くらい日常パートが続きます。それが終われば、いよいよ物語が動き始めます。気長にお付き合いください。