魔法少女リリカルなのは~飛天の剣 リリカル剣客浪漫譚~   作:fukuchan

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真実の扉

抱きかかえていたフェイトをそっとおろす。緊張の糸が切れたのだろう、気を失っているようだ。

「あなたは誰かしら?あなあたのような見ず知らずの人間を招いた覚えはないのだけれど・・・・・・。」

フェイトの母、プレシアさんが鋭い視線を投げつけてくる。

「神谷剣斗、フェイトの友達だ。」

「そう、ならさっさと出って行ってちょうだい。私は(フェイト)と話してるの、たかだか友達風情がしゃしゃり出てこないで。」

「あんたの言う話ってのは娘を縛り付けて鞭でひっぱたくことなのか?」

俺は怒りを込めてプレシア(・・・・)を睨み付ける。

「・・・・・・あなたには関係ないことよ。わかったら出ていってもらえるかしら?」

「ああ、わかったよ。よくわかった。あんたがフェイトを苦しめてるってことがな!!」

俺は逆刃刀を構え、プレシアと対峙する。

「礼儀というものを教わらなかったようね。他人様の家に無断で上がり込んできて、挙句の果てに武器を突きつけるだなんて。いいわ、私もちょうどむしゃくしゃしてたのよ。気晴らしに礼儀を叩きこんであげるわ。」

プレシアは気怠そうに椅子から立ち上がり、杖(おそらくはデバイスだろう)をつかむ。

(アルフさん、フェイトを安全なところまで運んでください。)

(―!!何があったんだい!?)

(フェイトが虐待を受けてました。)

(あの鬼婆また!!フェイトは、フェイトは無事なのかい!?)

(気を失っていますが、傷はそれほど深くありません。すぐに治療すれば跡も残らないと思います。)

(そうかい・・・・・・。あんたはどうするんだい?)

(俺はこの人と少しばかりおはなししてきます。だから早くフェイトを安全なところへ)

(・・・・・・わかった。)

俺が念話を送ると、アルフさんはすぐに駆けつけた。傷ついたフェイトの姿をみて、プレソアを殺意に満ちた目で睨む。

「すまない。」

そう言い残し、アルフさんはフェイトを抱えて姿を消した。多分、どこかに転移したのだろう。

「もういいかしら。」

プレシアはうんざりしたように言ってくる。

「ああ、これであんたと心置きなくおはなしできるからな。」

「そう、ならすぐに終わらせましょう。」

言い終わるや否やプレシアはとてつもない数の魔力玉を生み出した。その数はフェイトの比ではない。体からはフェイトやなのはよりもさらに強大な魔力があふれ出ている。

「死になさい。」

魔力弾が一斉に放たれる。

「おおおおおおぉぉぉぉ!!」

俺は回避し、弾き、切り払いながら進んでいくが・・・・・・

「くそっ!いくらなんでも数が多すぎる!!」

あまりに膨大な物量に押されつつあった。

・・・仕方ない、多少の被弾は覚悟だ。強引に突っ切る!!

「飛天御剣流奥義・|九頭龍閃≪くずりゅうせん≫!!」

飛天御剣流の奥義、九頭龍閃。剣術における九つの斬撃を飛天御剣流の神速を最大限に発揮して同時に叩き込む技だ。九つの斬撃一つ一つが必殺の威力を持つ、回避も防御も寄せ付けない。

俺は被弾しながらも、弾幕を突破する。

「なっ!あの弾幕を突破してくるだなんて。なるほど、少しなめていたようね。でも、これでおしまいよ。サンダーレイジ!!」

 

おいおい、弾幕を抜けたと思ったら今度は砲撃かよ。しかもなのはに見せてもらったやつより強力じゃねぇか!でも、選択を間違えたなプレシアさんよ。|砲撃≪そんなもの≫は飛天御剣流の前では無力だ。どんなに強力な砲撃だろうが・・・

「当たらなければどうということは無い!!はっ!!」

プレシアの目に驚愕の色が浮かぶ。回避されるなんて考えもしてなかったって顔だな。

「飛天御剣流・龍鎚閃!!」

狙いは頭部ではなく右手のデバイスだ。

「クッ!」

プレシアも何とか防ごうとしてくるが、純粋な筋力勝負なら俺の圧勝だ。俺はそのままデバイスを砕いた。プレシアは威力に押されて膝をついている、戦う力は残されていないだろう。俺は逆刃刀を納刀し、プレシアに詰め寄る。

「教えてもらおうか。お前がジュエルシードを必要とする理由、そしてフェイトにあんなことをする理由もな!!」

「ふん、貴方のようなガキに言うことなんて・・・・・・ガフッ!!」

プレシアが吐血する。それもかなりの量だ。

「おい!大丈夫か?」

俺は思わず肩に触れる。

「自分でやっておいて、滑稽ね。」

「俺はあんたのデバイスを砕いただけ。あんたの身体そのものには大した衝撃は無かったはずだ。」

「チッ!これだからガキは。妙なところで察しがいい。」

「あんた、やっぱり体が・・・・・・。」

「ええ、そうよ。私はもう長くないわ。不治の病ってやつね。」

なるほどな。ジュエルシードを集める目的は己の身体の治療、フェイトへの態度は病の進行や焦りによるノイローゼ。おそらくはそんなところだろう。

「いくつ必要なんだ?」

「は?」

「あんたの身体を直すのにジュエルシードはいくつ必要なんだと聞いている。」

プレシアは少しの間呆けたような顔をしたかと思うと、狂ったように笑い出した。

「あはははははははは!!あなた、勘違いしているようね。体を治すためにジュエルシードを使う?あんな不安定で制御もままならないものを?馬鹿馬鹿しい、自分で治療法を探す方がいくらか賢明よ。」

「な!?なら何に使うというんだ!!」

「・・・・・・いいわ、ここまで話したのだから教えてあげる。ついてらっしゃい。」

「分かった。」

俺は警戒心を最大限に高めながら、プレシアの後をついていった。やがて、かなり厳重なセキュリティの張られた扉の前についた。

「入りなさい。」

セキュリティを解除したプレシアが俺を招き入れる。

「-!これは・・・・・・。」

おれがそこで目にしたのは。

「フェイ、ト?」

液体で満たされたカプセル、そのなかには、フェイトと瓜二つの女の子が目を閉じたまま漂っていた。

 

 




前回更新ペースを上げるというようなことを言いましたが、無理でした。
今後はこのくらいのペースになるかと思います。

奥義に関してご指摘いただきましたので追記しておきます。
奥義を九頭龍閃としているのはわざとです。
天翔龍閃は後々登場します。
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