魔法少女リリカルなのは~飛天の剣 リリカル剣客浪漫譚~   作:fukuchan

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何とか早めに仕上げることができました。では、お楽しみください。


不思議な石

そして昼休み、俺は約束通り屋上に来ていた。

「おーっす。」

「あ、やっと来たわね。」

「すまんすまん、授業が少し長引いてな。」

「ふーん。まあいいわ、早くお昼にしましょう。」

「ふふふ、そうだね。」

「なのはもお腹ぺこぺこなの!」

「「「「いただきます。」」」」

 

「ねぇねぇ、みんな今日の作文どうだった?」

アリサは唐突に話し出した。

「作文?」

俺は何の事だか分からず、少し戸惑ってしまった。

「えっと、今日私たちのクラスで作文の課題が出たんです。」

そんな俺を見かねたすずかが助け舟を出してくれた。

「なるほど。それで、どんなテーマなんだ?」

「“将来の自分について”なの。」

今度はなのはが答えた。

「へー、面白そうだな。それで、みんなどんなことを書いたんだ?」

「私はもちろんパパの会社を継ぐわ!!」

「なるほど、アリサの立場を考えれば当然のことだな。」

「うーん、私は機械工学の道に進みたいかな。お姉ちゃんもそうしてるし。」

「そうか、そういえばすずかは機械いじりが得意だったな。」

将来のヴィジョンをしっかりともてている二人に俺は感心してしまった。しかし、感心したのは俺だけではなかったらしい。

「ふぇぇー、二人ともすごいの。ちゃんと将来のこと考えてるんだ。」

「ん?なのはは翠屋を継ぐんじゃないのか?」

「うん、それもヴィジョンの一つではあるんだけど、何かほかにやりたいことがある気もしちゃって、まだよくわからないの。」

「ふーん。ま、焦ることはないさ。俺たちはまだ子供なんだからな、これからゆっくり見つけていけばいいさ。」

「でも、私皆みたいに取柄もないし・・・・・・にゃっ!」

なのはがそうつぶやいた途端、アリサはお弁当のレモンをなのはの顔に投げつけた。

「バカチン!取柄がない?なに寝ぼけたこと言ってるのよ。あんた理数系の成績は私よりいいじゃない。それが取柄じゃなくて何なのよ。」

「そうだよ、なのはちゃん。それに私はなのはちゃんのすごいところいっぱい知ってるよ。」

「アリサちゃん、すずかちゃん・・・・・・ありがとうなの。」

俺は三人の友情を目の当たりにして、思わず頬が緩んだ。

「ところで、あんたはどうなのよ。」

アリサが俺に尋ねてくる。

「俺か?そうだな、なのはと一緒で明確なヴィジョンがあるわけじゃないけど、たくさんの人を理不尽な不幸から守れるようにはなりたいかな。」

俺は妹を、香澄のことを思い出しながら言った。

「「「・・・・・・」」」

三人は沈黙してしまった。何かまずいことを言ってしまったのだろうかと不安になった。

「おーい、どうしたんだ?急に黙り込んで。」

「ハッ!な、何でもないわ。ちょっとぼーっとしちゃっただけよ。」

アリサは何かをごまかすように慌てていった。ほかの二人も同じなのか、アリサに同意するように首を縦に振っていた。気のせいか、皆すこし顔が赤い。

「変な奴だな、まぁ、別にいいけどさ。っと、そろそろ時間だな。教室に戻るとするか。」

「そ、そうなの!急いでもどるの!!」

「そうだね!早く行こう!。」

三人は逃げるようにしてその場を後にした。

「まったく、何なんだ?いったい。」

 

(な、なによさっきのあいつの顔。いつもはヘラヘラしてるくせに、あんな悲しそうな顔して。でも、少しだけかっこよかったな。)

(剣斗さん、やっぱりまだあの事を引きずってるんだ。そうじゃなきゃ、あんな顔できないよね。でも、剣斗さんかっこよかったなぁ。)

(剣斗君、なんだかさみしそうだったの。なのはがちからになれないかなぁ。でも、剣斗君のあの顔、すごくかっこよかったの。)

 

剣斗の憂いを帯びた大人っぽい表情は三人の胸に深く突き刺さっていた。もちろん、本人はあずかり知らぬことだが・・・・・・

 

 

放課後、俺は一人で帰路についていた。なのは達と帰る予定だったが、三年生のほうが一時間早く下校してしまった。時間割のことを失念していた、そういえば今日は三年生は5限までだったな。そんなことを思いながら、俺はなのは達との約束を果たすため、翠屋を目指していた。

「まいったな、今日が6限までだってこと完璧に忘れてた。急がないと、あいつら待ってるよな。」

俺は足のギアを一段上げて、加速しながら翠屋へと急いだ。ちなみに今の俺のスピードは50メートルを7秒台で走るくらいのものだ。全力ではないが、これならそんなに待たせることはないだろう。

「ん?なんだあれ。」

俺の前方に青白い光とともに、小さな石が空から降ってきた。俺は思わず足を止め、石を拾い上げた。

「これ、今空から落ちてきたよな。あれか、飛○石か?」

俺は手の中にある石をまじまじと観察する。なかなか綺麗な石だ、外側は空色で、中央に行くにつれて深い青に変化している。よくみると、中心部にⅢという数字が刻まれている。

「うーん、Ⅲって書いてあるってことは少なくともあと二つは同じものがあるのか?でも見当たらないな。まぁいいや、明日交番にでも届けよう。それよりも今は急がないとな。」

俺はギアをさらに一段上げ、目的地へ急いだ。

 

今思えば、このときから俺の浪漫譚は始まっていたのかもしれない。

 




第三話でした。お楽しみいただけましたか?
さて、今回登場した石ですがもちろんあれです。無印編のキーアイテムであるあれです。
では、次回もお楽しみに。
あ、感想とかいただけたらすごくうれしいです。
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