魔法少女リリカルなのは~飛天の剣 リリカル剣客浪漫譚~ 作:fukuchan
奇妙な石を拾った後、俺はそう時間をかけずに翠屋に到着することができた。
「こんにちは~」
「あら、剣斗君。いらっしゃい。」
俺が店に入ると、なのはの母である桃子さんが声をかけてきた。
「桃子さん、こんにちは。なのは達と待ち合わせしてるんですけど・・・・・・」
俺はそう言いながら店内を見回した。しかし、なのは達の姿は見当たらなかった。俺は不審に思い、桃子さんに尋ねようとした。
「すまないね、剣斗君。さっき連絡があったんだが、なのはは怪我をした動物を病院に連れて行ってるみたいなんだ。もうすぐ帰ってくるはずだから、適当に座って待っていてくれないかな。」
すると、店の奥からなのはの父、士郎さんが出てきて、おれの疑問に答えてくれた。
「あ、そうなんですか。それじゃあお言葉に甘えて。」
俺は店の奥にある席に腰かけた。しかし、自分のペットでもない動物を助けるためにわざわざ病院まで行くなんて、あいつららしいな。そんなことを考えていると・・・・・・
「ただいまなの!」
「「おじゃましま~す」」
あいつらが帰ってきた。
「おかえり、なのは。そしていらっしゃい、アリサちゃん、すずかちゃん。剣斗君が向こうで待ってるよ。」
士郎さんがそういうと、なのは達は少しあわてて俺のところに来て、謝罪の言葉を口にした。
「ごめんなさいなの。おそくなっちゃったの。」
「すみません、剣斗さん。待たせちゃいましたよね。」
「ごめん、私から誘ったのに・・・・・・」
「いいよ、士郎さんから事情聴いたし。それに俺も今きたとこだから、そんなに待ってないよ。」
「あら、じゃあ問題ないわね。二人とも早く座りましょ。」
お許しの言葉を聞くや否やアリサはさっさと席に座った。とてつもない変わり身の早さである。なのはとすずかは苦笑しながらも、席に着いた。それからは、楽しい(俺の財布以外)お茶会だった。翠屋特製の絶品シュークリームに舌鼓をうちながら、会話を楽しむ。
「そういえば、動物を助けったってきたけど、どんな動物だったんだ?」
「フェレットよ。怪我はしてたみたいだけど命に別状はなかったみたい。すぐによくなるって先生もいってたわ。」
「そうか、そりゃ良かったな。ん?どうした、なのは。」
ふとなのはのほうを見てみると、なにか言いたそうな表情をしていた。
「ね、ねぇ剣斗君。声が聞こえなかった?“助けて”って声が。」
「声?いや、きいてないなぁ。急いでから聞き逃したのかもしれないけど。」
「そっか、じゃあやっぱりなのはの気のせいだったのかなぁ。」
「何かあったのか?」
「そうなのよ、なのはったら“声が聞こえる”って言ったかと思うと林のほうに急に走り出しちゃって。」
「そしたらそこにフェレットがいて、びっくりしちゃいました。」
「ふーん。アリサとすずかも聞こえなかったのか?」
「はい、私たちには何も。」
「不思議なこともあるもんだな。あ、不思議っていえばさ、俺も変なもの見つけたんだ。」
俺は例の奇妙な石を取り出し、三人に見せる。
「急に青白い光が見えてさ、そしたらこれが空から落ちてきたんだ。」
「綺麗な石なの。宝石かなぁ。」
「確かに綺麗だけど、こんな宝石なんてあったかしら?」
「うーん。色はサファイアに似てるけどこんなグラデーションみたいな模様はないよね。」
「あれ?なのははともかくアリサとすずかもわからないのか?」
「はい、確かに剣斗さんやなのはちゃんよりは宝石を見る機会は多いですけど、こんなものは見たことないです。」
「私も同じね、お母様のコレクションの中にもこんな宝石はなかったわ。」
「そうか、お前らなら何か知ってるかもって思ってたんだけどな。知らないなら仕方ないな。」
「剣斗君、その石どうするの?」
「うーん、どうするかな。高価なものなら交番に届けるつもりだったんだけど、詳細が分からないんじゃあな。もしただの綺麗な石コロだったらおまわりさんに悪いし。」
「私たちも特別宝石に詳しいわけじゃないから、何とも言えないわね。よかったらお母様に聞いてみるけど?」
「悪いけど、そうしてくれるか?」
「じゃあ、私もお姉ちゃんに聞いてみます。」
「すまんな、頼む。とりあえずこいつは俺が預かっとくかな。」
俺は石をポケットにしまった。ふと時計を見ると、そこそこ遅い時間になっていた。
「っと、そろそろお暇しなきゃな。」
「あ、ほんとだ。ピアノのお稽古があるから急いで帰らなくちゃ。」
「私も、そろそろ帰らないとお姉ちゃんが心配しちゃう。」
そんなわけで、お茶会はお開きになった。あ、ちなみに料金はしっかり払わされました。
その日の夜・・・・・・
夜の稽古を終え、風呂から上がると、声が聞こえた気がした。
(た・・・て。力を・・・・・・て。)
「ん?親父、なんか言った?力がどうとかこうとか」
「いや、何も言ってないぞ。どうかしたのか?」
「なんか、声が聞こえた気がして。」
「俺には何も聞こえなかったが、テレビか何かじゃないのか?」
「うーん、親父に聞こえなかったのならそうなのかも。ま、いいや。多分空耳だな。お休み。」
俺は挨拶をしてから、自分の部屋に向かった。
「ん?そういえばなのはが似たような話をしてたな。つくづく今日は不思議なことが起こるな。まあいいや、さっさと寝よ。」
俺は部屋の明かりを消して、眠りについた。
さて、第4話でした。少しづつではありますが、物語が動き出していますね。お楽しみいただけたでしょうか。
次回は明日か明後日には投稿しようと思っています。お楽しみに!
感想とかいただけたら幸いです。ではまた次回お会いしましょう。