魔法少女リリカルなのは~飛天の剣 リリカル剣客浪漫譚~   作:fukuchan

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母親

親父との手合せの後、俺はいつものように学校に・・・・・・いけませんでした。理由は至極単純で、体が全くいうことを聞いてくれないからだ。飛天御剣流、我が家に代々伝わる一子相伝門外不出の秘剣。“陸の黒船”と例えられるほど圧倒的な強さを有するわけだが、当然誰でも扱えるようなものではない。剣才はもちろんのこと、恵まれた体躯、鍛え上げられた筋肉、そのすべてを兼ね合わせたいわば超人の剣術なのだ。さて、親父はともかく俺はまだ体が出来上がっていない。そんな未成熟な体で飛天御剣流を多用すればどうなるか、火を見るより明らかだった。そんなわけで、俺は今飛天御剣流の反動に苦しまされている。

「イテテッ!はぁ、毎度のことながらこればかりは慣れないな。」

今日は特にひどかった。いつもなら少しひどい筋肉痛程度なのだが、今は指一本さえ動かせない。やはり、御剣流の連発は俺にはまだ早いようだ。でも、そうでもしなければあの親父から一本取るなんて絶対に不可能だった。たとえ、手加減されていたとしても。

「親父、最後の打ち合いの瞬間力を抜いてやがった。取ったというより、取らせてもらったって感じか。俺もまだまだだな。」

そう、親父は最後の瞬間わずかに刀を握る手を緩めた。あの時は興奮していて気が付かなかったが、今になって思い返してみると、親父の一撃はいつもよりほんの少し軽かった。逆刃刀と“緋村”の名を託してくれた以上、ある程度は俺の力を認めてくれたのだろう。しかし、俺はまだ親父には及ばない。だがいつか、絶対に・・・・・・。

 

「剣斗、大丈夫?少しは動けるようになったかしら。」

そんなことを考えていると、お袋が様子を見に来た。ちなみにお袋もただの主婦ではない。我が家に伝わるもう一つの剣術、神谷活心流の師範なのだ。神谷活心流は明治時代初期に考案された道場剣術だ。道場剣術とはいえ非常に実戦的であり、実戦でも十分に活躍することができる。飛天御剣流が殺人剣であるのに対し、活心流は、人を活かす剣、“活人剣”を掲げている。そのため、活心流は相手を殺すことなく無力化することに特化している。また、神谷活心流は門外不出というわけではない。それどころかお袋は週に一回道場で

活心流を門下生に伝授している。他の道場剣術に比べ非常に実戦的であるため、中学高校の剣道部員が結構習いに来てたりする。そういえばこの間門下生が団体戦で全国ベスト4になったって言ってたな。俺も活心流は修めているが、なかなか使い勝手がよく重宝している。なんといっても体にかかる負担が少なく、いくら使ってもこんなことにならないのが魅力だな。師範なだけあって、お袋の実力はかなりのものだ。その気になれば剣道祖世界大会で優勝することもできるだろう。もっとも、俺が飛天御剣流を使うようになってからは負けたことないんだけどな。お袋曰く「飛天御剣流に勝てる剣術なんてこの世に存在しない。飛天御剣流を打ち負かすことができるのは同じ御剣な技だけ」とのこと。

閑話休題(それはともかく)

まあ、普通の主婦とは言えないお袋だが、とても優しい自慢のお袋だ。

「ごめん、まだ全然動けない。こりゃ夕方くらいまでかかるかも。」

「あらあら。まったく、あれほど御剣流は多用するなって言ったのに。あなたはまだ体が出きてないんだから、無理してると取り返しのつかないことになるわよ。」

「返す言葉もございません・・・・・・。」

「反省なさいね。それはそうと、何が有ったの?お父さんったら急に逆刃刀と名をたくしちゃうんだもの、びっくりしたわ。」

「あははは、それは俺も予想外だったんだけどね。」

「でもすごいわ、お父さんから一本取っちゃうなんて。私じゃもう相手にもならないわね。」

お袋は誇らしげに、でもどこか寂しそうな表情を浮かべながらいった。

「取らせてくれたって感じだけどね。」

俺は苦笑しながら返す。

「それでもよ。一本取らせてやってもいいってお父さんに思わせるくらいには強くなったってことじゃない。今日はお赤飯ね♪」

「お袋・・・・・・」

俺は少し呆れてしまった。大げさすぎやしないか、お袋よ。

「で、ほんとうになにがあったの?急に大きくなっちゃって。」

お袋は俺の目をのぞき込むようにして訪ねてくる。

「あいつに、香澄に会ったんだ。夢の中でだけど。そして俺は誓ったんだ。」

「そう、あの子に・・・・・・。」

それだけで、お袋はすべてを察してくれたのか、俺をやさしく抱きしめてくれた。お袋にこうされるなんて、何年振りだろうか。少し気恥ずかしかったが、とても心地よかった。余りの心地よさに俺は眠気をおぼおえ、そのまま眠りについた。

「ふふ、寝顔はまだまだ子供ね。剣斗、これから先あなたの前にはいくつもの壁が立ちはだかってくるはずよ。でも、あなたならきっと乗り越えられる。私の自慢の息子だもの。だから、今はゆっくりおやすみなさい。」

香織はやさしく語り掛け、剣斗の頭をやさしく撫で部屋を後にした。

 




というわけで第七話でした。
さて、次回はいよいよあの原作キャラが登場します。誰とは言いませんが、何となく察しがついていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
ここで一応次話に関する注意事項を上げておきます。
次話に登場する原作キャラですが性格が若干原作と異なるかもしれません。そうひどく変えたつもりはないのですが念のため。このことに関してはお目こぼしいただけたら幸いです 

こんな拙作ですがこれからも応援よろしくお願いします!
感想などいただけたら嬉しいです。
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