広い講堂にはスーツを着た多くの人間が並び集まっている。これほど人がいるのに、浮かれた学生のような私語は一つとしてない。
静かではあるが決して無人故の静けさではなく、講堂にいる一人ひとりが各々の熱い思いを秘め、その思いが体から立ち上るように存在を主張している。
そんな人たちの中に場の空気に馴染んでいない俺がいた。
壇上に一人の男が現れ話し始めた。偉い髭のおっさん――名前を忘れた訳ではない、ホントに忘れた訳じゃないんだからね!――が溌剌と話し始めた、力にあふれた言葉はマイクがなくとも講堂に響き渡るだろう。
「
髭のおっさんは名前を呼び始め
「
それに呼応するかのように一人また一人と壇上に上がっていく。
「比企谷 八幡」
俺の名前が呼ばれた。
「はい」そう返事をし、まるで卒業式のようだと思いながら、前に呼ばれた連中と同じく壇上へ上がっていく。
おっさんの前まで来ると、激励の言葉を受け、紙切れを渡されて
「比企谷 八幡、貴殿を本日付で三等捜査官とする」とそう告げられた。俺は頭を下げ壇上から降りていき元の場所へと戻っていき、おっさんは次の名前を呼んでいく。
俺の意識はこの場から離れ自分の中に、あの時へと沈んでいった。
~高校卒業数日後 夜~
三年生であった俺も卒業式を迎えたことで高校生でも大学生でもない中途半端な状態になっていた。
ちなみに、大学は私立文系で早々に決めたため周りの連中を嘲笑うかのように、余裕を見せていた。もちろんやれるだけのことはしたし、自分の限界では無いかもしれないが、また同じだけ努力しろと言われてもできる気がしない。
奉仕部の面々とは、ぎくしゃくとしたものの今は関係も悪くなく、部員や他のやつとも割と頻繁に連絡を取り合っている。平塚先生の恋愛はどうなるのか(悪寒が!)、
そんなことを自室で考えていると「一階にカステラがあるよ、お兄ちゃん一緒に食べよー」どうやら
リビングに行くと小町がカステラを用意していた。
俺は冷蔵庫を開け「小町何飲む?・・・・・・!?」衝撃の事実に直面した。
「私はホットミルクにしようかな、ちなみにホットなところが小町的にポイント高・・・ってお兄ちゃんどうしたの?うなだれてるけど」
「無いんだ、Maxコーヒーがまったく無いんだ。常備しているはずの粉すらない、俺はあの粉がないとダメなんだ不覚だ」
「お兄ちゃんその言い方は危ないよ、というかカステラを食べるっていうのにMaxコーヒーなんてダメだよ、カステラの味分からなくなるよ」
ああ、プンスカしてる小町も可愛いなぁ
「小町すまない、俺はちょっとMaxコーヒーを買いに行ってくる」
「お兄ちゃん、もう十時過ぎだよ危ないよ」
心配してくれる小町は可愛いなぁ
「大丈夫だってすぐ帰るから」
「お兄ちゃん不審者と間違えられるかもしれないんだよ」
「・・・・・大丈夫だ、問題ない」
妹の言葉に少し傷つきながらも、俺は