喰種捜査官 比企谷   作:名無しのどん兵衛

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始まりの理由

髭のおっさんによる再びの激励と〆の挨拶により喰種捜査官任命式は終了し、俺は場違いに感じていた空気からようやく解放されると、肩の力を抜いた。

 

喰種対策局

喰種対策法を背景に活動する国の行政機関。英語名「Commission of Counter Ghoul」の頭文字から通称「CCG」と呼ばれている。主な活動内容は喰種の捜索および駆逐で、捕食殺害事件で身寄りを失った児童の保護なども行っている。

これはWik○pediaにも載っている情報であるし、案外Yukipediaさんならより詳しく知っているかもしれない、欠点としてはU○cyclopediaのように心に来る鋭さを持っているであろうことだ。彼女は群れようとせず一人だけでがんばろうとするので、喰種対策局をも嫌っているのであろう。事実、嫌っていた。

話が逸れたが、俺の任命された喰種捜査官はこの喰種対策局に所属している国家公務員である。国家公務員なのである(どやぁ)

国家公務員だから安定した収入で定年まで勤めて、老後はのんびり第二の人生を楽しめるかといったら大間違いである。

喰種捜査官は銃器やクインケと呼ばれる武器を用いて喰種を駆逐することが一番大きな役目である。

こちらに武器があるとはいえ、喰種は基本的な身体能力が人間の何倍もあり、喰種のみが体内に保有する赫包から赫子と呼ばれる捕食器官を作りだし武器として扱うのである。

ゲームなら「チートや!チーターや!」と言われコントローラーを投げられるような相手と戦うのである。

そのため、喰種捜査官は殉職率が高い。定年退職するまで戦えるような人はいないのであろう、いたら捜査官の方が化け物である。

そんな危険な仕事に就くのは、それ相応の理由があるものたちばかりだ。

両極端な例だが、人一倍正義感が強く世のため人のために戦うことを決めた者だったり、

友人を、家族を、愛する人を喰種に奪われた故に復讐を決めた者だったりする。

確かに、親を喰種により失う子供は後を絶たない。

だが、俺の理由はそのような御立派なものじゃない。俺は正義感にあふれた人間じゃ無いし、家族は健在だし、妹は可愛いし。

俺の理由は、由比ヶ浜を捕まえることにある。殺すためでは無い、話をするためだ。

由比ヶ浜と会えたとしても彼女は、きっとあの夜のように逃げ去ってしまうだろう、話をする為にも力がいる、彼女を逃がさないように捕えるクインケもあるかもしれない。

そして、捕えたら彼女にあの夜ちゃんと伝えられなかったことを伝えねばならない。

簡潔にすれば、女の尻を追っかけ捕まえる為に捜査官になったということで大丈夫だ。

 

講堂からはどんどん人が減っていく、「比企谷」俺もそれにならって立ち去ろうとしたら声を掛けられてしまった。

俺の名を呼ぶのはアカデミーの同期かつ主席の真戸 暁であった。

「比企谷は何処に配属された」

「二十三区、千之(ちの)准特等のところ」

「そうか、私は有馬班だ。おたがい精進してつとめよう」

「ああ」

そう言って真戸は立ち去った、彼女の言葉簡潔で余分な所がない。急いている訳では無いのだろうが、時間の無駄を嫌っている。

俺も必要以上のことを話す――相手もいないが――性質じゃ無いので彼女とはアカデミーでも関わりがあった。

「さて、俺も千之さんに挨拶に行きますか」

真戸を追うように、俺も独り言とともに講堂を後にした。

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