~香霖堂~
結論から言って、霖之助の推測は当たっていた。
「……まさかここまでとは思いませんでした。」
文が驚きを通り越して呆れている。
霖之助に頼まれ、勢いを弱くしたパチンコの玉を文に当てた。
そして文の妖力が、しばらく消える現象が起きた。
「おまけに能力も使えなくなるとは……。」
「これで効果が永続的だったらやばかったわね。」
「そうですね……。体感的に5分くらいですかね?」
「5分ね……長いと取るか短いと取るか。」
そんな2人の雑談を尻目に、チンクル達は魔理沙の八卦炉を修理している。
「ふむ……。こうすれば……。」
「まだできないのか?」
「無茶を言うな。初めて使う素材なんだ、慎重に加工しないと直せるものも直せないよ。」
「それは解ってるんだけどさぁ…。」
魔理沙は少し不貞腐れ気味の様だ。
そんな時、チンクルは店の中を見ていて何かに気づいた。
人が座れるスペースがある事に。
「ああ、そこは常連客……なのかな?兎も角そういう人が本を持って読む場所かな。」
作業しながら霖之助が答える。
「そういえばあいつ居ないけど、まだ着てないのか?」
「なんでも新しい本が入荷したって言って、人里に行った筈だけど。」
「こんな朝早くにか?」
「それを言うなら君達だってそうだろう?」
「それもそうか。」
チンクルも頷く。
しばらくして
「ふぅ……、何とか第一段階は終了したかな。」
「まだ掛かるのか?」
「流石にあと少しで終わるとは思うけど、午後を過ぎるかな。」
「うへぇ…。」
「でも終わりが見えてきたのは確かだから、そう落ち込まなくても良いのでは?」
文が諭す。
「しかし、いくらなんでもそれまでに時間を潰せと言われてもね。」
「そうだな……、午後を少し過ぎた辺りで取りに来てくれないか?」
「そうですね、此処で待ってても進展はありそうに無いですし。」
「暇つぶしの玩具も無いのぜ。」
「言っておくが此処は玩具屋じゃないぞ。」
「解ってるって。んじゃまた午後になー。」
そう言って魔理沙は店を出る。
チンクルも店から出ようとした時、霖之助に呼び止められる。
「ああ何、直に終わる質問だから。」
爽やかな笑顔でチンクルに尋ねる。
「君は、この幻想郷で何をするんだい?」
チンクルはそう尋ねられ、考える素振りを取る。
そして、彼は答える。
「………そうか。そうそう、あんな子だけど魔理沙を頼むよチンクル。」
チンクルは頷き、店を出る。
そのやり取りを見ていた2名はからかう事もせず、店を出て行った。