~鈴奈庵~
あれからチンクル達は話をしたりして時間を潰していた。
小鈴と朱鷺子がチンクルのあの話を聞いて同情してくれたり、魔理沙は本をかっぱらおうとしたり(霊夢が札で止めた)、文は朱鷺子がチンクルから貰った鳥の巣を見て懐かしい気持ちになると共に複雑な気持ちになったりと、密度の濃い時間潰しとなった。
「そろそろこーりんが八卦炉を直し終わっている時間だぜ。」
確信めいたかの様に魔理沙が言う。
「霖之助さんは何でも直せる訳じゃないと思うわよ…。」
呆れ顔で言う霊夢。
「あやや、私も一回情報を纏めに山に帰りますかねぇ。」
文は今までの事を整理する様だ。
「あら皆さん、お帰りですか?」
小鈴が茶菓子を持ってきながら言う。
「私もそろそろ帰るかな。」
朱鷺子もそろそろ帰るらしい。
因みに朱鷺子は、付き合いやすい相手には砕けた口調で話すらしい。
チンクルは付き合いにくい訳では無いのだが、どうにも遠慮がちになる。
「オッサンはどうするんだ?」
チンクルは本の事を何とかしたいと言う。
「ん~、八卦炉を取りに行くとなると逆方向だな~……。霊夢。」
「あのねぇ……。」
「硬い事言うなよ。それに贈り物が無くなると、霊夢の食糧事情だっt「良し直にでも行くわよ。」……言った私もなんだけど、それで良いのか?」
黄金の鉄の塊でできた騎士が言いそうな台詞を吐く魔理沙であった。
そんなこんなで、チンクルは霊夢と共にある場所に向かっている。
チンクルは何処に向かっているのかを尋ねた。
「そうね、強いて言うなら“吸血鬼の館”かしらね?」
意味有りげに言う霊夢。
チンクルは吸血鬼については知らなかったが、蝙蝠などが吸血行為を行う事を知っている為、蝙蝠の仲間なのかなと思った。
「まぁその顔じゃ知らないって顔よね。少しだけ吸血鬼について話をすると強力な妖怪……て言うのかしらね。まぁその分弱点も多いんだけど。真夜中は特に強いわね。妖怪も真夜中に活動するのが多いけど、あれは別格。まぁ当人はカリスマがブレイクしっぱなしでもあるわ。」
チンクルは吸血鬼が強大で弱点も多い事は理解できた。
でもカリスマがブレイクって何の事なのだろうか?
チンクルがその答えを知るのはまだ先の話である。
しばらくして、大きな湖に出た。
「ここは霧の湖と呼ばれているわ。名前の通り霧が張っているけど、空中じゃ余り関係無い……訳でも無いみたいね。」
霊夢の口調が少し強張る。
どうやら普段とは何か違うようだ。
「………何よあれ。」
霊夢の視線の先には、湖の中心から塔の様な物が突き出ていた。