~稗田家~
何とか精神的に持ち直したチンクル。
もう大丈夫とアピール(筋肉)する。
「何のアピールよ…」
「まぁ元気になって良いじゃないか。」
そんなやり取りの後、此処に着た目的を思い出す。
「ああそうだ阿求。授業で使う教材を借りたいのだが、何か歴史の本とかを借りれないか?」
「歴史の授業で使う本ですか……。う~ん、そう言われましても……あっ。」
「なにか思いついたのか?」
「ええ、あの子の店に新刊が入ったとかで。外の世界の教材も流れてきたらしいですよ。」
「なるほど。それなら帰りに寄って行くよ。」
どうやら慧音の用事はあと少しで終わりそうだ。
「そういえば、チンクルの話を聴くついでに此処に寄ったのよね。」
「そっだったのかー」
「いや、あんたも聞いてたでしょ…。」
チンクルも忘れてたらしい。
「ま、まぁ良いじゃないか。元々話が長くなりそうだから落ち着ける場所を探していた訳だし。」
「チンクルさんの話ですか。興味がありますね、お聞かせ頂けますか?」
チンクルは了承した。
そして話し出す。
あの冒険を。
チンクルは話を終えた。
「……なんというかその……。」
「感想に困るんだぜ……。」
「重いな……。」
「……なのだー」
「酷い話ですね……。それだけの為にチンクルさんの心を利用するなんて。」
女性陣達にとって今の話は嫌悪感をもたらした様だ。
チンクルの様な男が持つ力(妄想)を吸収する為だけにあんな舞台を用意するマジヨ。
ある意味性質が悪かった。
「しかし、オッサンの妄想力……フェロポンだっけか?そんなに凄いのか?」
「話の内容によると、年を取らなくなり若さを保つ。強大な力を得る。都合が良すぎるわね。」
幻想郷の主人公2名としては、そんな強力な力を持ち若さを保った人外共とやりあっているので実感が湧かない様だ。
「……まぁでも、可笑しくは無いだろう。」
「どうしてですか?」
「考えても見ろ。人は想像する生き物だ、例えば霊夢にしたって魔理沙にしたって想像の一つや二つ思い描いた事があるだろう?」
「確かにあるわね。」
「賽銭か?(笑)」
「あんたは茸でしょうが…。」
「想像と言うのは自分に都合の良い展開を思い浮かべる事だ。もしそれが現実に使えたならそれは強力な力になるだろう。」
「なるほど、だから想像力を手に入れる為にチンクルさんを犠牲にしようと。」
納得する阿求。
そんな会話の中、ルーミアが尋ねる。
「そのふぇろぽんって使えないのかー?」
チンクルは多分使えないと言う。
しかし、ルーミアは否定した。
「それは無いと思うのだー。」
「ん?どうしてだ?」
「だってあんな運動神経、普通の人間にはできないのだー。」
「そういえばそうね。」
「インパクトが強すぎて忘れてたぜ……。」
あの人里での運動神経はやばかった…。
「つまり、チンクルは無意識の内にフェロポンの力……妄想力を使っていたと言う事か?」
「確かに……幻想郷ならありえそうですけど……。」
「さしずめ"妄想を実現できる程度の能力"かしら……条件付きだと思うけど。」
「条件?」
「恐らくイメージが整っていないと発動しないタイプだろうな。」
「イメージがブレたりした瞬間、効果が消えますねそれ。」
チンクルは実感が湧いていなかった。
そもそも条件反射で贈り物をしていた。
話も大体纏まった頃、鳥の鳴き声が聞こえてきた。
「もう夕暮れか。」
「そろそろ帰るぜ。」
「そうね、晩御飯でも買って帰ろうかしら?」
「私も帰るのかー。」
「そうですか、またいらしてくださいね。」
チンクルも帰り支度をした。
「霊夢、お前お金あるのか?」
「………チンクルの鞄にある食料でも貰おうかしら。」
チンクルは涙目になった。