短いです。
ちゃんと『ありがとう』伝えてる?
ドイツ支部での実験と研究は一段落して今は極東支部に帰ってきている。
一段落といってもこの研究は長期的でないと効果の有無がわからないので定期的にドイツ支部に行くことになっている。
帰るときにアネットさんとまた一緒にミッションに行く約束をした。
短い間だったがドイツ支部の人達はいい人達ですぐ馴染めたんだよなぁ。
アバドンもみんなのマスコットのようなポジションで可愛がられていたから別れは寂しそうだった。
帰投のヘリに乗る際に研究者の皆、アネットさん、鈴木さんから『ありがとう』を言われたけど……
『ありがとう』を返せないこの体を初めて不便だと感じた。
「よし、キグルミ。今日はお前とアバドンのお帰り会をやるぞ!」
極東支部に帰ってきて一週間がたった日。
いつものエントランスでコウタ隊長に呼び止められてそんなことを言われた。
コウタ隊長……お帰り会ってなんですか……
「お帰り会ってあれだよ……
おかえりなさいって意味を込めた歓迎会みたいなものだよ……」
後半につれて声が小さくなっていった。
自分でも上手く説明出来ないんですか……
でも、絶対に口には出さないけどそういうのってなかなか嬉しかったり。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずかコウタ隊長はいつもの笑顔を浮かべる。
「へへ。ま、部下が大変な仕事を終えて帰ってきたんだ。労ってやらねぇとな。
それにぶっちゃけ、これを口実に騒ぎたいだけだしな」
コウタ隊長……
その言葉が嘘か本音かはわからないけど……なんか…………悪くない。
こんな怪しい俺を受け入れてくれて、心地いい居場所に置いてくれて、仲間になってくれて……
『……ありがとう……』
あ、れ? 今、俺……
「……え?
い、今の、キ、キグルミか? お、お前、今声が……」
コウタ隊長も驚いている。
と、言うか俺が一番驚いている。
なんで、声が出たんだ?
周りを見てみるが俺とコウタ隊長の他には誰もいない。
じゃあ、やっぱりさっきのは……
俺が喋ったのか?
「な、なあ。キグルミ、も、もう一回。もう一回、言ってみてくれよ!」
コウタ隊長が少し取り乱しお願いしてくるが、残念。
さっきのは俺もどうやったのかはさっぱりなんだ。
コウタ隊長を落ち着かせるべく頭部にチョップをかます。
コウタ隊長は頭を押さえてうずくまってしまった。
3分としない間に立ち上がると恨みのこもった目で俺を睨んでいる。あえて言おう。俺は悪くねぇ。
「悪かったな。急に取り乱して。」
はい。まったくです。その意識があるのなら反省してください。
「さて、じゃあ行こうぜ。
実はもうお帰り会の準備はすんでんだ。
ブラッドの皆も手伝ってくれたからな直ぐに始められるぜ」
そうなのか……
何て言うか、皆は俺の為にやってくれたと思うとなんだかくすぐったいな。
「今日の主役はお前とアバドンだ。
ほら、早くアバドン連れてラウンジに来いよ!
ムツミちゃんもお前に久しぶりに会うからって腕によりをかけて料理してたぜ!」
それだけ言うとコウタ隊長は「先に行ってるからなー」と言ってラウンジに入っていった。
胸にあたたかいものを感じながら俺はアバドンを連れてくるために自室に向かった。
まったく。ホント、ありがたいなぁ、もう。
なに書いてるのか自分でわけわかんなくなってきた。