お待たせしてごめんなさいね。
なに書くかまったく、決まんなかったから……
サカキ支部長に頼まれた資料を研究室に届けて自身の受けたミッションまで時間があったからラウンジで休憩する。
ラウンジではお帰り会で仲良くなったのかアバドンとカルビがまるで会話をしているようにじゃれあっていた。
極東のマスコットが遊んでいる姿はとても和む。
俺はカウンターに座ってコーヒーを飲む。
「キグルミさん、カノンさんに教えてもらってクッキー焼いてみたんです。
味、見てもらっても良いですか?」
とても可愛らしく首を傾げながらムツミちゃん両手でお皿を目の前に置いた。
綺麗なキツネ色に焼けたクッキーがとても美味しそうだ。
一口かじる。
なるほど、程よく火が通っているためコーヒーによく合う。
美味しいだけでなく、俺の好みの味だ。
手が止まらない。
「もう、キグルミさん。
そんなに焦らなくてもいっぱいあるんだから無くならないよ。もっと落ち着いてよ」
ムツミちゃんに注意を促されたけど顔を嬉しそうに綻んでいた。
でもね、本人は気づいてないようだけど……
後ろに救い用の無い変態の集団が列をなしてるんだよなぁ……
「……ムツミちゃんの…………クッキー……独り占め……」
「…………チクショウ……我らが女神…………あんな近くに……」
「……ムツミちゃんと……結婚…………子作り……」
「…………俺が…………俺たちが、お父さんだ!!」
所々、聞こえる声を纏めるとこんな感じ。
基本的に嫉妬の声なんだが変なものが混ざっている。
ちなみに何故こんな集団がここにいるのかと言うと、これまたこの前のお帰り会のときのことだ。
もともと、ムツミちゃんは人気があった。
変な意味では無く、単純に頑張り屋で一生懸命な彼女を嫌う人はいなかったのだが、あと片付けの最中に何人かのいい歳したおっさんたち、一人一人に水を手渡しながら心配をした。
その結果がこれだ。
幼くとも優しくて思いやりのあるムツミちゃんは独身なおっさんたちの心を射止めた。
このロリータコンプレックスどもは時間が出来るといつもムツミちゃんの近くをうろつく。
そのうち、犯罪を犯しそうなロリコンどもの抑止力として俺は自主的にムツミちゃんの周りにいるのだ!!!!
「どうしたんですか?
キグルミさん? どこを見てるんですか?」
物陰に潜むロリコンを睨んでいたらムツミちゃんに心配された。
そのときに見ていた物陰が少し騒がしくなったが無視。
視線をムツミちゃんに向ける。
うん。この子は俺が守らなければ……
とりあえず、ロリコンを矯正するために支部長に進言しとくか……
「へぇ~。
そんなことがあったんですか。
大変ですね」
うん。そうなんですよ。
あの後、何だかんだで面倒見のいい、ソーマさんと出来る女のアリサさんが来たのでムツミちゃんを任せて、現在俺はミッション中のため移動中の車の中です。
ちなみに今日の運転手は、吉田さん。
今では数少ない極東の常識人だ。性別、男。あと、既婚者。
「まあ、確かにムツミちゃんはロリコンホイホイなところがありますから仕方ないと思いますよ?
その分、貴方がしっかりと守ってあげれば良いんですし」
ロリコンホイホイって……
酷い言いようだ。
ちなみになにかがあってからでは遅いので既におまわりさんには通報済である。
おまわりさんって言うか支部長なんだけど……
「アバドンとも最近はスキンシップを積極的にとってるでしょう?
他のゴッドイーターの方たちとも積極的に近づいていっている。
いい方向に変わってくれて私としても嬉しい限りですよ」
笑顔で話しかける吉田さん。
いや、あんたここが初登場だから。
いままで俺の保護者っぽい描写はゼロだったから。
「……あ!
キグルミさん。
そろそろミッション指定区域につきます。
いつでも行ける準備だけしておいてください」
急に真面目になりやがったよ。
ため息を吐く真似をしながら傍らの神器を握る。
車は急ブレーキをかけて止まった。
衝撃に逆らわず、その勢いで車から飛び降りる。
「言うまでも無いですが、貴方の帰りを待ってる人はいっぱいいます。
ですから生きて帰ってくださいね。
ご武運お祈りしています」
真面目な口調の吉田さんに右腕をあげて答える。
さてと、今日も明日も明後日もこのクソッタレな職場で頑張りましょうかね。
穴の開いたビルから見える太陽はいつもより明るく見えた。
完結です☆
最後の方は完全にダレてしまったけど……
最終回って難しいね……
ホント嫌になっちまうよ。
こんな小説で楽しんで頂けたら幸いです。
じゃあね、バイバーイ♪