1日目に感想をもらえてかなりテンションがあがっています!
・・・ところでUAってなんですか?
明かりが1つしかない部屋で俺は泣いていた。
誰かに助けてほしいと願い。
寂しい、辛い、苦しい。
そんな感情が俺の頭の中を占めていた。
~キリトside~
俺はこの街の出口へ向かい左右に曲がりくねる細い通路を駆け抜ける。
この世界で始めてできた友達に背を向け。
胸を塞ぐような奇妙な感情に歯を食いしばって飲み下し、俺は駆け抜けた。
門を抜け走る速度を緩めようとしたそのとき。
ピュッ!っと耳の横を通っていった石に俺は一気に飛び退き背中の剣に手を伸ばす。
「誰だ!」
石が飛んできた方向に叫ぶと少し痩せ型の身長は俺と大差ないか少し大きめの男が歩いてきた。
奴は歯並びの悪い口の両端を持ち上げると、敵意がないように両手を挙げた。
「ごめんごめん、驚かせる気はなかったんだ。スマン」
男の悪気はない、といった表情に俺は一応剣から手を離すが男が何かしようと動けばすぐに切りかかる覚悟でいた。
俺が剣から手を離したことに安心したのか奴は右手を振り何らかの操作をしている。
数秒後俺の視界に見慣れたメニュー画面が出てくる。
その内容は・・・
「俺とデュェルしてくれよ」
そう、奴が出してきたのは初撃決着モードのデュェル画面。
この状況で警戒しないほうがバカなのだが、奴の表情を見る限り何か裏があるとも思えない。
プレイヤーネームは〈akuseru〉・・・アクセルとしか読めないようなので奴の名前はアクセルなのだろう。
とにかく今は奴の情報を抜き取りたいため俺は少し迷いながらもOKボタンを押す。
アクセルという名のプレイヤーは笑みをとくと途端に真剣な表情となった。
あっという間に30秒がすぎ、俺は剣を担ぐように構えると剣がライトグリーンの光に包まれる。
俺は相手の出方を警戒するが奴は剣を左手1本で持ち右半身を引いたままソードスキルを起動させるようなことはしない。
よく見れば相手が握っている剣は紛れもなくアニールブレードである。
もしかしたらβテスターなのかと警戒しているうちに残り10秒を切る。
無駄な思考を振り払い勝負に集中する。
[DUEL]の文字が2人の間で弾けた瞬間俺は片手剣のソードスキル、ソニックリープをさらに加速させ相手に向けて飛び込む。
が、最高速度で切りかかったにもかかわらず、奴は右に体をずらし避けるとスキル後の硬直時間に3度切りつける。
そして、流れるような動きで剣を水平に移動させライトエフェクトが剣を包み込むと同時に単発ソードスキル・ホリゾンタルを撃つ。
合計4発受けた俺のHPバーは7パーセントほど削られていた。
それと同時に奴がβテスターでないことを悟る。
奴の最後に撃ったホリゾンタルは俺が使った体を使ってソードスキルの速度、威力を上げるという動きを一切使ってこなかった。
もしも奴がβテスターならここで俺のHPは1割削られていただろう。
ようやく硬直が解けた体で奴に右下からの切り上げを撃つが体をそらし頬を掠める程度しかあたらなかった。
俺は体制を整えるために一気に飛び退き距離をとる。
息を一気に吸いこみ再び集中力を取り戻す。
一気に地面を蹴り上段から両手を使って全力で相手を切る。
無論、奴がこんな大振りの一撃を避けることは予想していたため避けていった方向に追撃を仕掛ける。
横なぎの一撃は奴に吸い込まれるように当たる、続けて3度奴を切りつける。
4度目はあたらなかったが確実に奴のHPバーを減らした。
~アクセルside~
あれから何度も剣を打ち合い少しづつお互いのHPを減らしていく。
あのアナウンスの途中から逃げ出した後ふと、1番最初に出てきた奴と戦ってみたいと思った。
そして、今戦っている〈kirito〉という少年は正直装備の差のおかげでギリギリ勝っているといったところだ。
もう何度目とも知れない打ち合いから鍔迫り合いの体制になる。
お互いのHPバーを確認すると大差はなく、どちらも1、2発程度で半分といったところだ。
お互い一気に距離をとり息を整える。
息が整え終わり俺と奴が地面を蹴って一気に距離を縮めようとしたのはほぼ同時だった。
1つ違った点といえば。
「しまっ!」
俺は足を滑らせたことだ。
勝ちを確信したように奴は勢いを強める。
負けた。
そういった考えが頭をよぎる。
・・・いや、攻撃手段は何も剣だけじゃない。
俺は倒れながらも必死にあるものを探す。
(よし!あった)
倒れながらにそれをつかむと、かなり不安定ながらソードスキルが発動することに感謝し突進してくる奴に向かって投げる。
投げた物は狙いたがわず奴の顔に当たり残りのHPバーを削りきる。
瞬間狂ったようなファンファーレとともにデュェルの勝者が決定させる。
キリトという少年の顔を見ると苦笑いを返してくる。
俺はそれに答えるようにVサインを返す。
「驚いた、正直あそこで石を投げてくるとはなぁ」
「いやいやただの偶然だって」
そう、ただの偶然でしかない。
俺が石が落ちているのに気づかなければ負けていただろう。
「強いな。アクセルさん、あんたもしかしてβテスターか?」
「さんはいらねぇよ。俺は、βテスターじゃない。まぁ、あんたらが極秘で使っていたスレットのパスワードは知ってるけどな」
俺が皮肉交じりに答えると困ったようにキリトは笑った。
キリトは俺はこれからホルンカの村にいくと言って走っていった。
追うべきかどうかしばらく考えたが妙な胸騒ぎに狩られ俺はキリトの後を追うようにホルンカの村へ走っていった。
ホルンカの村へ着きアイテムほ補充しながらキリトを探したが村にはプレイヤーは1人もおらず、アニールブレードのクエストを受けて近くの森に言ったのだろうと推測する。
アイテムを補充し終えると俺は急いで森に向かった。
森に入るがおかしいまでにモンスターがいない。
アナウンス前は森を埋め尽くすほどではないとはいえどこを見ても必ずいたはずのモンスターが。
ふと一つ、浮かんだ考え。
モンスターを引きつける効果があるリトルネペントの実、それを誰かが破裂させたのだろう。
βテスターであるキリトが犯すミスではない…だがそれ以外には考えられない。
疲労など考えず走る速度を早める。
やがてモンスターの集団が二つあることに気づいた。
片方にはキリトが、もう片方には知らないプレイヤーがいる。
犯人は恐らくもう片方だろう。
「キリト!!」
唐突な第三者の声にキリトは視線を一瞬こちらに向ける。
一瞬あれば十分。
俺は事前に用意していたアイテムをキリトへ向けて送り付ける。
返事をする余裕はないのかで視線だけこっちに向けるとすぐさま先頭に戻っていった。
キリトは大丈夫、問題はもう1人のプレイヤー。
「大丈夫か!」
「ごめん、本当にごめん」
プレイヤーはこちらの声が届いていないようでただただごめんとつぶやいている。
俺が近づいているネペントを1匹倒したところでやっと俺の存在に気づいたらしく彼は目を丸くしている。
そいつに向かって回復ポーションをひとつ投げると彼は意味を理解したのか消えそうな声でありがとうといいながらポーションを飲み干し剣を握りしめゆっくりと立ち上がった。
いったい何分経っただろう。
ネペントの群れ2つ分を倒しきったところでへなへなと座り込む。
「マジかよ…」
勝利を喜ぶ余裕もなく二人の安否を確認するために視線を向けたが俺以外の2人は疲労で眠っているようだった。
~コペルside~
あれからどれだけ経ったのだろう。
僕はホルンカの村のベンチの上で眠っていた。
隣にはキリトがいた。
そう、あの時僕がネペントの実を叩いてMPK(モンスタープレイヤーキル)をしようとした彼は僕の隣で眠っている。
「目が覚めたか?」
不意に後ろから声がして背筋を伸ばしてしまう。
振り向くとあの時ネペントの群れの中に飛び込んできたプレイヤーがいた。
「あの時は…その…ありがとうございました」
「あぁ、別にいいよ。キリトはまだ起きないしさ…何があったのか教えてくれ」
僕はあの森であったことをすべて話した。
そうしているうちにキリトが目を覚ます。
キリトは僕のほうを見て目を細め背中の剣に手を回すが隣にいる彼のほうを見て警戒を解く。
キリトは隣にいる彼(アクセルと言うらしい)にお礼を言うと僕のほうに向き直る。
やらなければいけないことはわかっている。
僕は地面に手と頭を着いた。
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」
キリトは何も言わない。
当然だろう、自分を殺そうとした相手を簡単に許せるはずがない。
寧ろ話を聞いてもらえるだけありがたい事なのだろう。
「こいつも反省してるみたいだしさ、許してやってくれ」
「まぁ、お前が言うならここは許してやってもいいが」
隣にいたアクセルの言葉で僕は助けられる。
結果として僕は少しの間2人のパシリとして働き許してもらった。
また僕は彼に助けられた。
いつか僕は彼を助けられるようになりたいと強く思いモンスターのはびこるフィールドへ向かった。
前回よりは文字を増やしましたがやはり少ないですね。
残念ながら受験前の更新はたぶんこれで最後になります。
2週間ほど間が開きますが皆様に読んでいただけるように書きますのでまた見てください!