キャラの考えていることはカッコ書きになるとおもいます。
そしてなにより原作よりかなりかけ離れています。
ご注意ください。
一話
ここは幻想郷、遠い昔、妖怪の大賢者と呼ばれる八雲紫という大妖怪が作り出した世界である。この世界の特徴は現代で否定されたもの、歴史の中から消されたものが幻想入りをする特殊な世界。その世界には人間をはじめ妖怪や妖精など多種多様な種族が暮らしている。そして妖怪は人間を襲い、人間が妖怪を退治することで幻想郷は世界の均衡を保ってきた。
全てを受け入れる幻想郷は非常に残酷な世界である。
いろんな種族がいるこの世界の中でも人間はとても弱い立場である。その人間の半分は人里と呼ばれるところに集まっている。人々は妖怪に怯えながらも長く生き続けている。そんな人里の隅の家に小さな少年が一人でほそぼそと暮らしていた。
彼はこの残酷な幻想郷に生まれ、最終的に死の螺旋に囚われた幻想郷の被害者になる。
とある日、彼はいつものように籠を担いで人里の外に出て彼の管理している畑にやってきた。彼の家は農家で野菜などを育てている。家族がいない彼は一人ですべての作業をこなしていた。
彼の両親は数年前に畑の近くに現れた妖怪から彼を守るために立ち向かって行きそのまま帰らぬ人となった。その為今は一人で畑仕事をしている。
この日も彼は野生の動物に作物を食い荒らされないように仕掛けを作ったり作物に水をやったり畑に生える雑草取りをしていた。しかし彼が考えていた以上に雑草取りに時間を取られ日が暮れようとしていた。
「どうしよう……あたりも暗くなっちゃって道が分からなくなっちゃったよ……」
ガサガサ!
そんな時、茂みの方から音がした。
彼はその音にびっくりして走り出した。草をかき分け、森を抜ける。兎に角全力で走った。そのまま走り続けて後ろを見ると何も追ってきてはいなかった。
「はぁ……はぁ……さっきのは一体なんだったんだろう」
彼はその場に座り込んだ。そしてその時自分がどこに来たのか分からなくなっていた。
「ここはどこだろう……」
立ち上がり、ウロウロし始めた。
しばらくして彼はその場に倒れた。最早意識もないように動かなくなった。
しばらく時間がたち彼は目を覚ました。
「なんで僕部屋の中で寝てるんだろう」
彼はゆっくりと起き上がりあたりを見回す。一面紅い部屋。ベッドも、絨毯も、テーブルもすべてが紅い色に染まっていた。
「誰か助けてくれたのかな?」
すると部屋の扉が開いた。
「あ、目を覚ましたんですね」
「え……」
彼は驚いた。それもその筈、部屋に入ってきたのはメイド服を来た少女だった。それだけならまだいいが背中に羽が生えている。
「申し遅れました。私は妖精メイドのユメといいます。あなたのお名前をお伺いしてよろしいですか?」
「僕は新藤新(しんどうあらた)と言います。ユメさん、ここは一体どこなんですか?」
「ここは紅魔館と呼ばれてまして高貴な吸血鬼であるスカーレット家の当主レミリアスカーレット様のお屋敷でございます」
「吸血鬼!?昔父さんの話には聞いたことあるけど本当に実在するなんて……」
「とりあえずお嬢様報告に行きますのでこちらのお部屋で少々お待ちください」
彼女はそう言って深々と礼をしてから部屋を後にした。
「お嬢様、昨日美鈴さんが助けた方が目を覚ましたのですがいかが致しましょうか?」
「そうね、とりあえずここに連れてきて頂戴、私直々に話をするわ」
「かしこまりました」
命令を受けた彼女は一礼をしてから少年の部屋へ向かった。
しばらく待っていた新は扉をじっと見ていた。
すると扉がノックされユメが入ってきた。
「新さん、お嬢様はあなたと直々に話をしたいとおっしゃられましたのでこれから案内致します」
「わ、わかりました」
新は不安そうな顔をしながらユメについていった。
ついていった先、豪華な扉の前に案内された新はユメに注意を一つされる。
「よろしいですか?お嬢様はものすごく偉い方です。失礼のないようにお願いします」
「はい……」
新はユメについて行きレミリアの前に通された。
「お嬢様、こちらがさっき報告いたしました方です」
レミリアは鋭い目つきで新を見る。新はその目つきに圧倒されているのか少しずつ汗をかきはじめていた。
「なるほど、どうやら普通の人間のようね、ふふふ、そんなに怖がらなくてもいいわ。そう言えば自己紹介がまだだったわね。私はこの館の当主レミリアスカーレットよ」
レミリアの見た目はとても幼く、子供のように見えるが言葉や所作などの一つ一つの行動はとても大人びていて美しかった。
「僕は新藤新と言います。あの、助けてくださってありがとうございます」
新は感謝を込めて深く頭を下げた。
するとレミリアは新に対して質問をした。
「新、あなたはなんであんなところで倒れていたのかしら?」
レミリアの話では新は紅魔館の門の近くで倒れていたそうで門番をしていたレミリアの従者の美鈴が見つけて館に連れてきたのだ。
「それは……自分の畑の近くに何かが居て、びっくりして必死に走って逃げたらいつの間にか道に迷ってしまいまして、朝になればわかるだろうと思っていたらそのまま倒れて意識を失ったんです」
「そんなことがあったのねそれは災難だったわね。それで新は帰れるの?」
再びレミリアが質問する。
「ここら辺は来たことがないので帰れないです……」
「やはり帰らないと家族が心配するんじゃないのかしら?そこにいるユメを護衛に付けるから日が暮れないうちに帰るといいわ」
「実はもう家族は他界していていません。帰る家も借りていた家でお金のない僕にはもう住めない所なんです」
「じゃあどうしたいの?」
「お願いします!僕をこの館で働かせてください。厚かましいお願いだと承知しています。でも帰れる場所もありませんし、レミリアさんには助けてもらった恩があります。雑用でもなんでもします!なので僕をここで働かせてください」
新は土下座をして必死にお願いした。
「あなたは私が吸血鬼であることを知ってのうえでそれをいうのかしら?」
「はい!例え種族が違うとしてもあなたは僕の命の恩人なのです。だから少しでも恩を返したいんです」
レミリアはそれを聞いて納得をしたのか新の元へ歩み寄る。
「新、顔をあげなさい」
新は言われたとおり頭をあげレミリアを見る。レミリアは真剣な眼差しで新を見つめる。しかしその目にはどこか暖かいものも感じられる優しい目にも見えた。
「なかなか珍しい律儀な人間ね。いいわ。ここで働かせてあげる。その代わり、私に恩を返すと言うのなら私の召使いになりなさい」
「レミリアさんの召使いですか?」
「えぇ、そうよ。あなたにはいつも私の世話をしてもらうわ。ユメ、新に仕事の内容を教えてあげるのよ」
「かしこまりました」
「それじゃあ新、明日から早速やってもらうから今日はゆっくり休んで頂戴、あと部屋もちゃんと用意させるから後でユメに案内してもらいなさい」
「本当にありがとうございます」
「それじゃあ新さんついてきてください」
そう言ってユメと新はレミリアに一礼して部屋を後にした。
部屋に戻った新は次の日の予定をユメから聞きベッドに横になって眠りについた。