レミリアと新の一夜も明け、既に日も上り午後の時間になろうとしていた。しかし二人は時間を気にせず寄り添うように寝ている。
そんななか紅魔館の図書館では‥‥
「まだあの二人は寝ているのね」
「はい、起きる気配もありませんからね」
パチュリーと咲夜が話をしていた。
「それにしても、まさか再び会えるなんてね。正直安心したわ」
「私はまだ新さんのことを良く知らないのでなんとも言えませんね」
「彼はほかの人間にはないものを持っているわ。多分あなたもそのうちわかるようになるわよ」
「そうですか‥‥」
「今度一緒に仕事してみなさい。今のあなたと十年前の状態の彼の仕事の熟練の差を。正直圧倒されると思うわね。半年で今のあなたよりも動けていたのだから」
「なんだかそう言われますと気になりますね」
「じゃあ私から彼に伝えておくわ」
「ありがとうございますパチュリー様」
パチュリーとしばらく話をした咲夜は仕事に戻った。一方パチュリーは再び本を読み始めた。
場所は変わりここは博麗神社、本殿の前では博麗の巫女と妖怪の大賢者が会話を交わしていた。
「ねぇ、一ヶ月ほど前なんだけどここに妙な気を感じたのだけど紫何か知らない?」
「そんなのわからないわよ、だって幻想入りさせたりしてないもの」
「うーん、じゃあいったいなんなのかしら」
「もし何かあったのなら私だってすぐわかるわよ。でもそうじゃないなら大丈夫なんじゃないかしら?」
「まぁそれもそうね」
二人とも考えるのをやめてお茶を飲み始めた。
再び場所は変わりここは紅魔館のレミリアの部屋。
新とレミリアはようやく目を覚まし紅茶を飲んでいた。
「それにしてもあなた少し雰囲気変わったわよね」
「そう?」
「えぇ、何と言うか弱さを感じなくなった様な‥‥」
「それは間違ってないよ。だって俺はもう人間じゃないから」
「どういうこと!?」
レミリアは急に強い口調で質問してくる。
「転生したことによって能力も得た。体も人間とは別格さ。完全に人間ではなくなったんだ。そのおかげで死ぬことはほとんどないんだ」
新は落ち着いてレミリアの質問に答えた。
「そう‥‥なのね。ならこれでずっと一緒に居られるわね」
「そうだな。寿命も飛躍的に延びるだろうからな」
「あ、あなたにちょっと協力してもらいたいことがあるの」
「協力?いいよ、レミィの頼みだからな」
二人は怪しい会談を始めた。その内容を全て話終わり新が納得するまで数時間の時間を要した。
「‥‥というわけなの」
「よしわかった。じゃあしばらく準備が必要だな。パチュリーにも話をしておくか」
「そうしてもらえると助かるわ。ほかのみんなには私から伝えておくから」
新は頷きレミリアの部屋を出て図書館へ向かった。しばらく歩いていくとすぐに図書館へ着いた。
そして新が図書館に入ると中で小悪魔が待っていた。
「おはようございます新さん。よく寝れましたか?」
「まぁね。パチュリー様いる?」
「奥のほうで本を読んでいらっしゃいますよ」
「そうか、ありがとな」
小悪魔に言われたとおり奥の方へ歩いていくと机に向かって本を読んでいるパチュリーがいた。
「おはようお寝坊さん」
「おはようございますパチュリー様」
「ちょうどあなたに用があったの。そこに座ってちょうだい」
新は示された椅子に座る。ちょっとすると小悪魔が紅茶を入れて持ってきた。
「それで用件とは?」
「今度咲夜と一緒に仕事をしてもらいたいんだけどいい?」
「構いませんが急にどうしたのですか?」
「あなたの半年で練り上げた仕事っぷりを咲夜に見せてあげたいの」
「わかりました」
「それじゃあそれは頼むわよ。あとはあなたの話ね」
「そうですね。実はレミィから伝言がありまして、かくかくしかじか‥‥という訳なので、協力してくれますか?」
「なかなかおもしろそうじゃない。いいわよ」
「それでは詳細が決まり次第再び報告しますね」
「わかったわ」
新はレミリアからの伝言をパチュリーに伝えて図書館を後にした。
新はパチュリーに言われた咲夜と仕事をするという頼みを答えるために咲夜と一緒にいる。
今日の仕事は紅魔館内の掃除と洗濯である。
「とりあえず掃除から始めましょうか」
「わかりました」
新は早速掃除に取り掛かる。しかし咲夜は唖然としていた。何に唖然としているのかというと掃除の仕方だ。
箒の掛け方に無駄がない。何度も箒を往復させなくてもしっかりホコリを集めている。
「すごいですね」
「そう?普通にやってるだけなんだけどね」
「そうなんですか?」
「うん、さぁ掃除はこんなところだね」
咲夜がいつも掃除を終えるまでの時間と新が掃除を終えるまでの時間の差はかなりの差があった。咲夜の掃除を終える時間の半分の時間で新は掃除を終えていた。
咲夜にはいい勉強になったようでしっかり見てメモをとっていた。
次に洗濯に取り掛かる。
紅魔館の洗濯物はメイド達の服もあるため山のようにあるのだ。毎日するのは骨が折れる仕事である。
「さて相変わらずの洗濯物の量だな。さて、あれ使うか」
「あれってなんですか?」
「え?あれっていうのはここにある特殊な洗濯機だよ」
頭にはてなを浮かべている咲夜を尻目に新が壁を押すと別の部屋に繋がる隠し扉が開かれた。
「こんなところに隠し扉があったなんて知らなかったです」
「あれ?レミィかパチュリー様から聞いてないの?ここにみんなの服をまとめて洗濯出来る大型の洗濯機があるんだよ」
奥へ進むとスイッチがあり押すと部屋の電気がつき洗濯機の姿を照らし出した。
「こんなに大きな洗濯機があったんですね。ずっと手洗いでしていたのが無駄だったように感じます」
「さぁこれに全部入れてこいつを回せば後は畳むだけの作業だからしばらく休んでいていいよ」
「わかりました、それでは私は少し妹様の様子を見てきます」
「‥‥あぁ」
新の顔は強ばっていた。昔の記憶があるのでフランのことに触れる度あの事件のことを思い出してしまうのだ。
「くっ、どうして嫌な記憶は消してくれなかったんだよ」
新は近くにあった椅子に座り考え込んだ。どうして記憶を消さずに転生させたのかを。だが難しいことだと考えたのか少し目を瞑ってやすんだ。
三十分ほどで洗濯機は止まり中の洗濯物を取り出して一枚一枚丁寧に畳んでいく。
軽く百着はあろう服の山をほんの十分ほどで全てたたみ終えた。
「さぁ仕事はこれで終わりだ。とりあえず部屋に戻るか」
新は自分の部屋に戻った。そしてベッドに横になりただ天井を見つめていた。
「まさか十年間ずっとメイドの仕事をしていたのにあそこまで差が出ていたなんて」
「どうだった?」
図書館で再び話をしている咲夜とパチュリー、内容は新の事について話していた。
「圧巻ですよ、掃除は私よりも倍近く早いですし洗濯なんて私の知らない洗濯機を使ってましたから」
「掃除は本当に効率の良いやり方をしてるもの。洗濯機は私が魔法で作ったのよ」
「パチュリー様が作ったのですか?」
「えぇ、新と一緒にね」
「私あんな便利なものがあるなんて知りませんでしたよ」
「それは…新のものだからよ」
「でも新さんは教えてくれなかったのかと仰っていましたよ」
「まぁこれから使っていけばいいわよ。新がいるんだし」
「はぁ…」
パチュリーは軽くお茶を濁す様にしていった。話が終わった咲夜は夕食の準備をしに厨房へ向かった。
夕食も食べ部屋にいた新のところにレミリアがやってきた。
「新起きてる?」
「起きてるよレミィ」
「ねぇ、昼間に話したことなんだけどね、一週間後に決行することに決めたわ」
「一週間もあれば充分だ!楽しみだな」
「ふふふ、そうね」
ある計画が決行されるまで一週間、紅魔館のメンバーは着々と準備を進めていくのだった。
今回伏線少し入れてみましたがなかなか難しいですね。
とりあえずゆっくりですがしっかりと更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします。