流石は博麗の巫女、到着が早い。まだ計画が始まってから30分と経っていないのに。
美鈴の心境は驚きで埋まっていた。しかし顔には出さずに振る舞う。
「ようこそ紅魔館へ。私は門番の紅美鈴です。以後お見知りおきを」
「へぇ、門番までいるなんて余程主は力を持っているのね。でも異変を起こしたからにはタダでは済まないわよ?」
「そう簡単には負けませんよ。それにお嬢様からは殺しても構わないと仰せつかってますので」
「なかなか物騒なお嬢様なのね、まぁいいわ。力ずくでも突破してやるわ」
霊夢は札とお祓い棒を出して戦闘態勢に入る。美鈴は既に戦闘態勢に入っていた。
「先手必勝です!」
先に仕掛けたのは美鈴だ。一瞬で間合いを詰めて接近戦に持ち込む。霊夢もそれに応戦するように札で攻撃するが美鈴には当たらなかった。
美鈴は霊夢に向かって真っ直ぐ拳を突き出す。霊夢はお祓い棒で防ぐ。単発の攻防は発展していき乱打戦になった。
「はぁあああ‼︎」
「やぁあああ‼︎」
互いに激しい攻防を繰り広げる。しかし美鈴は激しい攻防の一瞬の隙を突いて霊夢の足をなぎ払った。
霊夢は不意のことに反応できず足を掬われる。
「しまった!」
「一瞬の隙も見逃しませんよ」
美鈴の正拳突きが霊夢を捉え数メートルほど吹き飛ばす。
流石の霊夢も見事に捉えた正拳突きには顔を歪めた。
間合いを取り再び構える。口に滲む血を吐き捨て一呼吸おきすぐに間合いを詰める。お祓い棒を固く握り締めて全力を込めて殴りにかかる。
「これで決めるわ‼︎」
「いいでしょう、こちらもこれで決めます‼︎」
美鈴は気を拳に集めて攻撃のタイミングを見計らっている。目前に迫る霊夢だけに集中をし狙いを定める。
そしてついにその時は来た。残り数メートルほどの間合いで両者ともに攻撃を出す。
だが攻撃を受けたのは霊夢だった。紙一重の差で美鈴の攻撃が速さを上回っていた。
「ふぅ、紙一重でしたが私の方が速かったようですね。まぁあとはお嬢様の判断次第ですかね」
「随分簡単に油断しちゃうのね」
「なに⁉︎」
「はぁあああ‼︎」
霊夢の渾身の一撃が美鈴の腹を捉えそのまま門まで吹き飛ばし門を粉々にした。
「くっ‼︎」
「まぁなかなか歯応えのある相手だったわね。でも異変解決するためには手段は問わないわ」
「なぜしっかり捉えた筈なのに後ろに…」
「あれは札で作ったダミーよ。まぁ札をたくさん使っちゃうからあまり使いたくないんだけど負けるよりはマシね」
「まさかダミーだったなんて…お嬢様申し訳ありません…」
美鈴はそのまま気を失ってしまった。
霊夢は美鈴の横を通りゆっくりと中に入っていった。
「それにしてもこの館の住人は強者が揃ってるようね。長引かせると大変だしいっそのこと全て全力でやることにしようかしら。そうじゃないと異変解決大変そうだし」
そんなことを言いながら館の奥へと進んでいった。
霊夢が着々と奥へ進んで行くと妖精メイド達が応戦し始めた。
「侵入者よ‼︎」
「ここで食い止めるのです‼︎」
「あらあら、やっぱりこうなるわよね。でも妖精程度に私は止められないわよ」
霊夢が弾幕を放つ。狭い廊下では避けるのが難しくたくさんの妖精メイドが被弾していった。
「きゃぁ‼︎」
「まぁざっとこんなものね。さて先に進みましょ」
あっさりと突破されてしまった妖精メイド達を尻目に霊夢は更に奥へと進んで行く。
場所は変わり広間では…
「報告します。博麗の巫女は依然として紅魔館内部を進行中、美鈴はやられ、妖精メイド達も全滅だそうです」
「博麗の巫女って呼ばれる奴はなかなか強いんだな」
「それはそうでしょ、だって幻想郷の要とも言える存在らしいからね」
「私からの報告は以上です」
「それじゃあ咲夜応戦頼むわよ」
「承知しました」
咲夜は広間を出て行き戦闘の準備に移った。
「俺も戦うときは昨日も言ったように殺していいんだろ?」
「えぇ構わないわ。でもあなたは死なないでね」
「約束しただろ。絶対に死なないしこの計画を必ず成功させてみせるさ」
「ふふふやっぱりあなたはそうでなくちゃいけないわ。お願いね新」
レミリアは新に近づいてそのまま離さないように抱きしめた。新もしっかりと受け止めるように抱きしめる。この計画を必ず成功させるために。そして二人の愛を改めて確かめるために。
永遠に思えるその時間はあっという間に過ぎていく。
そんなところに大きな地響きが起き紅魔館全体を大きな揺れが襲った。
幸い壊れたものなどは無かったが二人はかなり驚いていた。
「びっくりしたなぁ、レミィ大丈夫か?」
「あなたがいるから大丈夫よ」
「しかし何が起きたんだ?」
地響きの正体、それは紅魔館の地下にあるヴワル図書館にあった。