偽書魔法少女アヤメ☆マギカ PSEUDEPIGRAPH PUELLA MAGI AYAME MGICA 作:ジャックノルテ
自分的にはアリだと思いますが・・・。
追記、ドラマCDの事を忘れてたので、それも反映しました。
2015年8月4日
あー。本日は晴天なり。本日は晴天なり。
うん。マイクテストは順調と。
やや!
どうやら見ているようですね。
あたしの事を。
はーい。みんながご存知の《魔法少女》のさやかちゃんです!
はい。元気がとりえのさやかちゃんです。
痛みを消しちゃえる、あのさやかちゃんです!
えー。あたしは今、円環の理にいる所です。
まあぶっちゃけた話、死んじゃってる訳です。
テレビの12話、劇場版後編の最後なんです。
《魔獣》との戦いで力を使い果たした所です。
この世の因果から外れている訳なんです。
つまりは新編までやる事が無い訳です。
まあこれで分かったと思いますけど、この作品世界ではまだ新編に至って無い訳です。
つまりヒマなんです。
そんな訳で本日は特別に円環の理の内部について説明したいと思います。
まどかからは許可を取っていますから問題は無し!
さあ始めましょうか。
まずはこの円環の理がどうなっているのか説明しましょう。
円環の理の内部と言うのは無限に広い空間となっておりまどかの力で歴代、《全ての魔法少女》たちが《魔女》となる事無くここへ導かれている訳なんです。
無限に広いからそれぞれの文化圏等で集まって《魔法少女同士》でコミュニティを作ってみんなで仲良く暮らしている訳なんです。
たまには諍いがありますけれどもぶっちゃけた話、もう死んじゃってるんで戦っても何にもならないんですよね。
今回、カメラを回して私がリポーターを勤めているのは訳がありまして。
何故かこの作品、《偽書 魔法少女 あやめ☆マギカ》においてあたしだけ出番が無かったんですよ。
マミさんとほむらは朱奈といちゃいちゃしていたし杏子は顔見せだけとは言えちゃんと戦闘シーンが描かれていたのに、まどかはそれと判る描写で登場したのに何故かあたしだけ出番がまったく無かったんですよね。
仁美や恭介、外伝キャラの方が出番、多いんじゃないのと突っ込まれる位に。
どういう事なのか作者のジャックノルテを問い詰めたら時間軸の関係上、登場するのが不可能だったと回答した訳ですよ。
そんな事を言われてもこっちが納得すると思ったら大間違いですよ。
毎晩、ジャックノルテの夢の中で《魔女化》して暴れてやった訳ですよ。
そうしたら「世界再編の章に出すから許して」と大の大人が泣き付いて来る訳ですよ。
それでようやく登場したんですよ。
《魔法少女》として。
でようやく戦闘シーンが描かれた訳ですよ。
《魔獣》との戦いのシーン。
ところが、戦闘シーンを終えた後、どう見てもこれマミさんの方が朱奈といちゃいちゃしてますよね?
まあだからこそ再度、ジャックノルテを締め上げて、了承を取って《円環の理リポート》をしている訳ですよ。
そんな訳でカンの鋭いあなたはもうお分かりですね。
そうです。
あたしはこれから朱奈が生きていると言う事を筒地綾女さんに伝えに行ってきます。
え?
こんなめちゃくちゃな状態で話を進めるのかって?
良いじゃないですか。
だってようやくあたし、美樹さやかがメインで話を進められるんですから。
まああたしも他の用事があって筒地綾女さんの元へ行かなきゃ行けないんだけどね・・・。
さあ朱奈のメッセージを伝えに出発!
変な邪魔が入らないうちにね!
○
「なんなのよ。これ・・・」
さやかは大抵の事には動じない自信があった。
と言うよりも実際にはもう死んでいるから驚く事が起きるとは思わなかった。
だが目の前にあるこれを見ては驚かずにはいられなかった。
それはキュウべえの形をした家だった。
キュウべえの体系を完璧に再現しキュウべえの目の部分が窓となっている家だった。
円環の理の内部では《魔法少女達》がそれぞれ文化圏や国等で集まって街などを形成している。
家や建物は《魔法少女》の持つ想像力で構築する事が出来た。
この円環の理の内部では《歴代の魔法少女》の見聞きしたありとあらゆる文化や出来事が蓄積されていた。
平行世界の物も含めて。
ちなみに今、さやかのいる場所は日本の文化圏の場所である。
死した後も《魔法少女》の大半はキュウべえを嫌っていた。
大抵の場合、キュウべえに騙された事に怒りを感じていたからだ。
円環の理に来て怒りを思い出す《魔法少女》も存在していた。
けれどさやかの目の前には堂々とキュウべえの形をした家が建てられていた。
近くの玄関にある表札には丁寧に《筒地綾女》と彫られていた。
「何でキュウべえの形をした家に住んでいるんですかね?この人は・・・」
さやかは心底、飽きれそう言った。
しかし仕事は仕事である。
さやかは今、まどかの依頼で円環の理の内部における行政官とも言える仕事をしていた。
行政官と言っても平たく言えばトラブルの解決が主な仕事だった。
さやか以外にはジャンヌ・ダルクや卑弥呼、クレオパトラ等が円環の理内部のトラブルを解決していたが、どうにも筒地綾女の案件だけは解決不可能と匙を投げられさやかがやって来た次第でもある。
「じゃあ気が変わらない内に行ってみますか」
そう言ってさやかはキュウべえハウスの壁にある呼び鈴を鳴らした。
きゅっぷい!
と言う音が響き呼び鈴がなった事がさやかにも分かったが正直、この呼び鈴事態、どうかしていると感じられた。
「はーい」
返事が返って来たのでどうやら筒地綾女は在宅しているらしい。
「すみません。円環の理行政官の美樹さやかですけどお話したい事がありまして」
さやかは少し下手に出て筒地綾女の様子を窺った。
「良いわよ」
その返事と共にドアを開いてこのキュウべえハウスの主である筒地綾女は現れた。
(家は住む人を表すと言うけど何なのよ・・・)
さやかは筒地綾女と言う人物を自分より年上だと聞いてはいた。
年上らしい落ち着きのある人物だと思っていた。
しかし目の前にドアを開いて現れたのは全身を半分ずつに赤と青に染め上げ左右非対称な髪型と左右非対称な服装に身を包んださながら何処ぞのビジュアル系アーティストとも言える《魔法少女》だった。
おまけに目は赤と青のオッドアイで背はさやかよりも遥かに高い。
さやかの知る範囲で言えば女性としては一番、背の高い人だと思われる。
(これがこのハウスに住んでる家主ね・・・。なんか大丈夫?って感じだ・・・)
それが、さやかの抱くストレートな感想でもあった。
見滝原中学の制服に身を包んでいる今のさやかとは釣り合わない《魔法少女》としての服装をしている筒地綾女に対するストレートな感情。
さやかにそう思わせる様に玄関には等身大の少女と思しきマネキンが飾られている。
しかしそのマネキンの髪型はさやかの見覚えのあるものでもあった。
(あれってまさか朱奈のマネキン?この人、これであたしよりも年上なんだよね・・・。人って解らないもんだわ・・・)
さやかはそう思いながら筒地綾女を見ていた。
「ところで行政官さんは何の用かしら?」
年相応の落ち着きを見せながら筒地綾女はそう問い掛けて来た。
どうやら服装の様に感情の起伏が激しい訳では無いらしい。
「ああ。そうだ。すみません。実は・・・。この家の形に《多数の魔法少女》から苦情が送られて来て・・・。出来れば家の形を変えて欲しいなーと」
「お断りよ」
「え?」
さやかの要請を筒地綾女は間髪入れずに切り捨てた。
反論の余地が無くさやかが言葉に詰まっていると筒地綾女は言葉を続けた。
「これは私とキュウたんの友情と愛の証なのよ。簡単には変えられないわ!」
筒地綾女は左手を上に振り上げてそう語った。
その様子からは微塵の揺らぎも無かった。
まさに自信満々と言った表情を見せている。
(困ったな・・・。こんな困った人物だとは思っても見なかったよ!)
さやかの抱く正直な感想だった。
けれどまどかの友達と言う事でこの円環の理の行政官をやっている訳だからそう簡単に引き下がる訳には行かなかった。
必死に説得の言葉を組み上げて畳み掛ける様に筒地綾女に反論を告げる。
「あのですね。まどかの元にはあなたの家に対する批判的な嘆願書がたくさん来たんですよ。一例をあげますと《何であんな奴の姿をここで見なきゃいけないの!?》。また《よくも騙したわね!殺してやる!》と言った物から《あの家を焼いてスッキリしたい》と言う物が幾つも送られて来る訳ですよ。流石にあたし達、行政官もこれだけ嘆願されたら動かない訳には行かないんですよ。と言う訳で出来たら今すぐこの家を建て替えて欲しいんですけど!」
一気にまくし立ててさやかは肩で大きな息をした。
(ここまで一気に言えば少しは文句を言うけど従ってくれるでしょう)
そうさやかは踏んでいた。
しかし目の前の筒地綾女は動じた様子を見せる事も無くあろう事か欠伸をした!
「ごめんなさい。話が長くて聞いて無かったわ」
その返答にさやかは流石に怒りを覚えた。
目の前にいる筒地綾女が自分より年上であろうと流石にこの怒りを解く訳には行かないと思った。
「それに同じ事を言って来た行政官がいたけど私が少し説得をしたら引き下がってくれたしそれで良いじゃない」
そう筒地綾女が言っても駄目な物は駄目である。
それに確か筒地綾女の行った説得は説得と言う名の暴力だった。
さやかはもう言葉を選ぶ事を放棄して自分が思った言葉をそのまま述べる事にした。
「単刀直入に言うとこの家をぶっ壊せと言ってるんですよ!」
「嫌よ」
さやかの叫びに再び筒地綾女は間髪要れずに答えた。
「あなたは分かっているの?」
筒地綾女は両手を高く広げて天を仰ぐ様にさやかの前で右向きに回った。
「この家は私の愛の証と言ったでしょう?私はキュウたんが大好きよ。他の誰がどんな非難をしようとそれは変わらないわ。キュウたんのお陰で私は人生を謳歌する事が出来たんだから!その証としてこのキュウたんハウスを作ったのよ!」
その筒地綾女の表情には、さやかでも分かるほど、自己陶酔の色が表れていた。
(完全に自分の世界に入っているよ。この人・・・・)
さやかはもう帰りたいと思いながらも説得を続ける事にした。
流石にまどかに直接頼まれたこの仕事を投げ出すのは友達としてどうかと思えたからだ。
けれど説得の前に少しはこの筒地綾女と言う年上の女性を言い負かしたいとは思った。
「あんた・・・。友達いないの?」
「キュウたんが私の友達よ!キュウたんは《私の最高の友達》よ!」
「ちょっとそれまどかのセリフじゃん!なにパクッてるのさ!」
突然、暴言とも言える発言を吐き出した筒地綾女にさやかは戸惑っていた。
「《本当の気持ちと向き合えますか》、らキュウたんとの友達宣言に《後悔なんてある訳無い》じゃない!」
「ちょっとちょっと!仁美やあたしの台詞までパクってるんじゃない!しかも全部、テレビシリーズのタイトルだし!」
さやかの突っ込みを聞いているのか聞いていないのか自己陶酔の色を込めたまま言葉を続ける。
「キュウたんと友達になって《それはとっても嬉しいなって》って思ったしキュウたんは私に《奇跡も魔法もあるんだよ》って教えてくれたわ!キュウたんが友達で良いじゃない!私、《もう何も怖くない》わ!」
「あーもう。まどかやあたし、マミさんの台詞まで!あんたどんだけ自分勝手なのよ!」
さやかがいくら声を荒げてもこの筒地綾女は聞いてない様に台詞を続ける。
「世の中はね《こんなの絶対におかしいよ》と思う事が起きる物なのよ!たとえば《夢の中で逢ったような》事も起きるし《あたしってほんとバカ》だから《最後に残った道しるべ》が《もう誰にも頼らない》事だったりもするのよ。だからこの家を取り壊すなんて《そんなの、あたしが許さない》わ!」
「だーもう!この人、テレビシリーズ全話のタイトルをパクったよ。杏子やほむらの台詞まで・・・。何、考えてるのよ!」
憤慨するさやかの様子を知ってか知らずか筒地綾女の言葉は続いて行く。
「世の中、言った者勝ちよ!それに私はこの作品、《偽書 魔法少女あやめ☆マギカ》の主人公なんだからここでは誰も私に適う筈が無いじゃない!」
そう言って筒地綾女は満面の笑みを浮かべた。
「でも主人公って言う割には内容の前半に当たる朱奈の章では台詞にしか登場してないですよね」
さやかはボソッと当て付ける様に呟いた。
「それはね、私が朱奈に出番を譲ってあげたのよ!これは私と朱奈の《始まりの物語》であり《永遠の物語》でもあるのよ!」
「劇場版までパクったよ・・・」
さやかは呆れ気味に小さな声で呟いた。
正直、この筒地綾女の独壇場は暫く納まりそうには無いとさやかにもはっきりと感じられた。
「良い?美樹さやかさん!私の《想いは現実を越える》事を証明しているわ。キュウたんと《邂逅》したからこそ《運命はきっと変えられる》と思ったのよ。それまでの人生と決別する為にはキュウたんこそが《私が願った奇跡》を叶えられる《残された最後の希望だったんだ》と言う事よ」
「とうとうポータブルやすずね☆マギカのタイトルまでパクったよ・・・」
さやかは呆れて小声で呟くだけにしていた。
たださやかの名前を覚えていると言う事はまだ交渉の余地があると思い取り敢えず話を聞き続ける事にした。
「まったくこの円環の理にいる、召された《魔法少女達》は私に言わせれば
《noisy citrine》(騒々しい黄水晶)と言った所かしら。
まあ私とは《Symmetry diamond》(対照的なダイヤモンド)と言えるかも知れないわね。
大体、《愛は無限に有限なんだ》《私の世界を守るため》《そのために私はここにいる》《そのために今のわたしはある》と言う位、強い気持ちが無いから《迷い》を抱いてキュウたんを憎む位だったら《魔法少女になろうなんて考えるな》と言う所よ。
キュウたんに対して《ただのやつあたりだよ》と暴力を振るうのだってどうかしているとして言いようが無いわ。
そもそもキュウたんこと《インキュベーター》は、願いを叶えると言う《代償》を支払って少女から《魔法少女》へと《変貌》させたんだから悪くは無いじゃない!
《そんなの聞いてない》なんて言うのは、そもそもちゃんと契約の内容を確認もせずに契約をしてキュウたんを《絶対に許さない》とか言って《自責》と《悔恨》の念を抱いて《決裂》、《隔絶》するのは勝手だけれど、それこそ《the last agate》(この関係の最後)と言う事じゃない。
《真実》と向き合う《覚悟》も無いのに《わたしなんかで、良かったら》なーんて簡単に《魔法少女ってのもやっているわ》なんて自慢するのがどうかしているのよ。
まったく良い事があるのなら、その出来事の《表裏》をきちんと考えるべきでしょ。
どんな出来事にも一見すれば楽しい《記憶》だけなのかも知れないけど《哀しみも、苦しみも》を含まれているだろうし《それが本当に正しいのか?》と熟考する事を疎かにしているから簡単に《わたし、サイテーだよ》と思って心が《黒暗》に満たされて簡単に絶望してしまうのよ。
例えば《友達なんて、いないんだから》と友達が欲しくて願いを叶える為に重要なのは《わたしが、心を決める時》なのに、それを《本当にあの時だったのかな》なんて中途半端に考えるから絶望と言う《罪の重さに潰されてしまわないように》《気配》を感じ取れずに《魔女化》して《収斂》(しゅうれん)してしまうのよ。
《いつかはいまじゃないよ》と未来の事を疎かに考えるのは本当にどうかしているわ。
まあ最も《あなたも、わたし》も《わたしは繰り返す、この終末を》と言う台詞の通りに何度も何度も暁美ほむらによって《The different story》(異なる物語)の終末を繰り返した訳ではあるのだけどね。
まあそれはさて置き、キュウたんだって被害者なのよ。
《sadness prayer》(悲しみの祈り)のせいで《あの少女には出会えない》し、久しぶりに《再会》した《魔法少女》が《こんなにいい子にしてるのに》と予期せぬ《魔女化》してしまう事だってあるんだから十分に被害者よ。
私だって何度かキュウたんの為に《一回くらいは頑張ってあげようかな》と思って毎回、《魔法少女》の暗殺をしていたわ。
《プレイアデス》の様に《ピック ジェムズ》をしていたのは確かだけど。
私の実験のお陰で《生まれ変わったような気分なんだ》とある程度は救われた《魔法少女》も存在するのは確かなんだから。
あーでも《アクトウワカルガノフ》や《ポットデルドッグ》《カズミックス》や《ボケツパフェ》《テンプラアイス》見たいに食べただけで《魔法少女》としての有益性が分かる《デッド オア ライス》があれば良いんだけど・・・。
勿論、《カクシアジ》は《イーブルナッツ》とよーく《レイトウコ》冷やした《チチンプリン》が必須よね。
それで《マギカアラビアータ》の完成よ。
まあ最低でも《イチゴリゾット》位の味が出せないと意味が無いわね。
《カズミマギカ》ではキュウたんの改悪版とも言える《ジュウベエ》を作ったり《トモグイ》をする事で驚異的な再生能力を見せる《マレフィカファルス》が登場したけど《カズミノモト》を使用しようと《サトミノモト》を使用してもどの道、最終的に《魔女》になって《グリーフシード》になるのが目に見えているのに続けたのよね。
そう言えばこの《あやめ☆マギカ》では私って《コネクト》を持つ聖カンナさんに魔法を提供しているのよね。
と言っても本当に私の魔法を複製したのか、はっきりと分からないけど。
それはさて置いてやっぱり私と朱奈で《サニーデイライフ》の様なぽのぼのとした話を書いて貰うのも良いわね。
《フェアウェル・ストーリー》や《Memories of you》見たいな悲しいお別れ話はこの間、経験したばかりだし」
「ちょっと・・・。この話何処まで続くの?」
流石にさやかは口を挟んでいた。
さっきから余りにも話が長い。
「そうね。現在進行形の隔月の雑誌にしたら20号必要ね。マンガの単行本なら52冊。小説なら上下巻の二冊だけどリリース方式によって3バージョンが必要だし脚本集やガイドブックが5冊、それにPS○やP○Vのゲームが2つにドラマCDが4本。ゲーム攻略本が一冊、イラスト集が一冊必要と言った所ね。それに幾つかのソーシャルゲームも」
「長過ぎるわよ!もっとコンパクトに纏められないの!?」
さやかは自分でも驚くほどの悲鳴を上げた。
「仕方ないじゃない。2015年7月20日の時点では概ね、こんな感じでしか纏められないんだから。それに《魔獣編》も始まったし・・・。どうしてもって言うのなら単行本、2冊にするわ。ただし連載中だから11話で話を途中で切る事になるけど」
「要するに、あたしは黙って話を聞く以外に選択の余地が無いって事ですか?」
「良く分かっているじゃない」
呆れたさやかの視線に動じる事無く筒地綾女はそう答えた。
まだまだ終わりそうに無い。
しかも口が挟めない。
何なの。この状況。
それがさやかの正直な気持ちだった。
○
筒地綾女の独壇場はそれから一時間も続いた。
口を挟む暇も与えずに筒地綾女の思う考えだけを喋り続けていた。
「と言う訳で《あなたが側にいてくれるなら》と私は涙ぐんだ朱奈に言ってあげた訳なの。そうしたら朱奈は嬉しそうに《泣いてなんか無いよ》と言ったのだけどその様子が凄く可愛かったのよ」
「とうとうポータブルのマミさんルートのタイトルと《おりこ☆マギカ》のタイトルまで全てパクったよ。本当にこの人、無邪気な悪意の塊だわ・・・」
「《イノセントマリス》と言う事ね!《かずみ☆マギカ》からも全て頂いたわ!」
そう言いながら筒地綾女は左手で得意げにVサインを決めていた。
「この私こそがキュウたんの事が大好きな《伝説の筒地綾女》と言う所よ!」
(あーあ。たると☆マギカ The Legend Of “Jeanne d`Arc”
直訳すると伝説のジャンヌ・ダルクまでパクったよ・・・。もうやってられない。この人に交渉の余地なんか存在しないわ)
そう思うとさやかは無言のまま魔法少女姿に変身した。
白いマントを翻してfを2つ重ねた髪飾りに剣を構えた姿に。
「あら美樹さやかさん。変身してどうしたの?」
笑顔を崩さずにいる筒地綾女の目の前でさやかは両手に持っていた剣の切っ先をキュウべえハウスに向けると柄にある引き金を引いた。
《シューティングスティンガー!》
その瞬間にさやかの握っていた剣の刀身が発射されキュウべえハウスに突き刺さった。
「きゃあああああああ。ちょっと私の大切なキュウたんハウスに何するのよ!?」
流石に筒地綾女もキュウべえハウスに刀身が突き刺さった事に悲鳴を上げてしまった。
さやかは多少、良心がチクリとしたがそれを上回る苛立ちと怒りを筒地綾女に向けた。
「あんたの悪意にこっちは耐えられないのよ!こうなったらもう実力行使でこのキュウべえハウスを破壊させて貰うわ!」
そう言ってさやかはマントを翻すとその場に数本の剣を出現させた。
「やる気ね・・・。じゃあ私も《叛逆の物語》を演じようかしら!」
「とうとう新編までパクったよ」
呆れて呟いたさやかの目の前で筒地綾女も武器を構えた。
事前に筒地綾女の事をある程度、聞いていたさやかだったが、構える武器が箒の形状をしている事に驚きを隠せなかった。
更にその箒の鋭い穂先が自在に発射可能だと言う事も聞いており対処の方法を考えあぐねていた。
「こうなったら美樹さやかさん。あなたをハリネズミにしてあげるわ」
そう言って筒地綾女は箒の穂の先をさやかに向けた。
確かにあれに刺されたらハリネズミの様になるだろう。
「あっ。でもあたし、痛みを消せるからハリネズミになっても良いかな」
さやかは笑みを浮かべて余裕を見せた。
《痛覚遮断》を使えばどんなに鋭い針で刺されようと気にする事は無い。
それにぶっちゃけた話、この円環の理で戦った所で死ぬ事は決して無い。
けど目の前の筒地綾女はその言葉を聞いても動じる事は無かった。
「じゃあどうしてくれようかしら?」
そう言って筒地綾女は右手の掌に魔力によって《魔法の種》を生成した。
さやかには種類が分からない為、注意は向けていた。
「いっその事、爆発させて見ようかしら?」
そう言いながら筒地綾女は右手に生成した《魔法の種》を一気にさやかに向かって投げて来た。
とっさに避けたさやかの背後で爆発が起きる。
僅かに衣装が漕げた事を焦げの臭いで察したさやかは直ぐに決着を付けた方が良いと感じた。
これでは他からの苦情も殺到してしまう。
それに対処するのは自分なのだから勘弁して欲しい。
「じゃあさっさと勝負を決めさせて貰うよ!」
そう言ってさやかは自分の身体の痛みを《痛覚遮断》によって消すと自分の心臓に剣を突き立て、引き抜いた!
吹き出る鮮血の中から自身の《魔女の姿である人魚の魔女》が姿を現した。
さやかは剣を指揮棒の様に構えて楽譜の足場に乗って《人魚の魔女》を操っていた。
「これでどう?怪我したくなきゃ諦めた方が良いわよ」
さやかは勝利を確信してそう言ったが筒地綾女の表情は変わらなかった。
「そっちがその気なら私も《魔女化》しちゃおうかしら」
そう言って筒地綾女の全身を漂う魔力が穢れたかと思うと筒地綾女を包み込みその姿を全身が布の様な物で覆い左右で長さの異なる手足を持つ《マダラ模様の魔女》へと変身させた。
「これでどうかしら?勝負はまだまだこれからよ!」
さやかの指揮する《人魚の魔女》と筒地綾女が変身した《マダラ模様の魔女》は真正面から一気に激突した!
大きさは《人魚の魔女》の方が大きかったが《マダラ模様の魔女》はそれを補って余りある怪力を発揮して勝負は拮抗していた。
「たくっ。あんたがキュウべえハウスを作らなきゃこんな事にはならなかったのに!」
さやかは思わずそう叫んでいた。
「そう・・・。じゃああなたの事を食べちゃおうかしら」
そう言いながら《マダラ模様の魔女》は顔の半分だけを筒地綾女へと戻した。
その表情は妖しさに溢れている。
「あんた。何言ってるのさ?」
「あら。知らないのなら教えてあげるけど私こと《マダラ模様の魔女》が持つ性質は
《矛盾》よ。そして私は《魔女喰らいの魔女》とも呼ばれていたわ。あなたの事を色々な意味で食してあげても良いのよ」
妖しい笑顔でそう話す筒地綾女の表情を見てさやかは全身に怖気が走った。
この人はやば過ぎる。
色々な意味で食すって意味が分かって言っているの!?
ここは逃げた方が良いみたい。
そんな事が頭を過ぎるとさやかは《人魚の魔女》を体内にしまい《魔法少女》としての姿を解いた。
戦闘する意思が無いと言うアピールでもある。
《魔女化》した筒地綾女もそれを察したのか攻撃を止めた。
「はぁー。分かりました。あたしの負けで良いです。正直、そんなに大切だと思っている人の家を壊すつもりは無かったから・・・。あたしは帰らせて貰いますよ」
「そうね。それが賢明よ。このキュウたんハウスは大切な私の家なんだから」
そう言って筒地綾女も《魔女化》を解いて《魔法少女姿》へと戻った。
さやかはため息をついて背を向けてキュウべえハウスを立ち去ろうとしていたが急に立ち止まった。
「そうだ。1つ伝言を頼まれてたんだった」
そう言ってさやかは筒地綾女の方を振り返った。
「筒地朱奈からの伝言。私はちゃんと生きているよって」
さやかの言葉を聞いた筒地綾女の表情は一変した。
その表情には、遠くもう逢う事も叶わない大切な人への想いに満ちた寂しげな表情を見せた。
初めてさやかは筒地綾女と共感していた。
さやかももう一度会いたい友達や大切な人々が今の世界に存在しているから。
「そう・・・。朱奈が・・・。あの子は筒地と言う苗字を使っているのね・・・。私の苗字を・・・」
筒地綾女の瞳からは一筋の涙が流れた。
この場に留まるのは悪いと思いさやかは別れの言葉を告げる事にした。
「伝言は伝えたからね。じゃああたしはこれで」
そう言ってさやかは再度、歩を進めようとした。
「美樹さん!」
「何です?」
「伝言をありがとう」
「良いんですよ。これがさやかちゃんの仕事ですから」
筒地綾女の感謝の言葉を聞いてさやかは再び歩を進めた。
これで朱奈からの依頼は済ませたのだ。
もう帰って休みたいと言うのがさやかの本音だった。
○
「朱奈・・・。ちゃんと生きていてくれるのね・・・。良かった・・・」
さやかの去った後、綾女はもう逢う事の出来ない、愛する朱奈への想いを募らせ再び涙を流した。
だがそれは悲しみから来る涙では無く嬉し涙でもあった。
愛する朱奈が生きてくれる。
ただそれだけが綾女の喜びなのだから・・・。
○
えー。さやかちゃんです。
今回のリポートはどうでしたか?
これが円環の理の内部の日常ですよ。
あっ!
勿論、非公式な物ですけどね。
だってこの《偽書 魔法少女あやめ☆マギカ》ってタイトルに偽書と付いてるじゃないですか。
どう見てもパチモンって事ですよ。
まあ、さやかちゃんは、この《円環の理リポート》でかなり出番が貰えたから満足してる訳ですよ。
うん?
おっと。
今度は杏子やまどかも出番を欲しがっているみたいですね。
けれど今回はここまでの様です。
作者はネタが無いと言っていますし。
では次回があればまたお会いしましょう!
以上。さやかちゃんからの《円環の理リポート》でした!
今回の話は番外編みたいなモノです。
次回、新編叛逆の物語に合わせた話を投稿しようと思います。
後、もしかしたら単行本や雑誌の計算なんかは間違っているかも知れません。
予めご了承下さい。