「召喚された?そんなスペル私には...」
ポケットを探ってみるとあるはずがないカードが3枚入っていた。
「(いつの間に?)」
「取り敢えず、ここは私におまかせください」
そう言って、桃太郎は送り犬の大群に向かっていった。
「来い!犬猿雉!」
桃太郎のそばから犬、猿、雉が現れた。
「桃太郎のお供の!?」
「ガルゥ!」
犬が送り犬に噛みつき、肉を引きちぎる。
「キャウン!」
「ウキー!」
「クエー!」
犬に続き、猿、雉も送り犬に向かったいった。
「私も!」
「ご主人はそこで見ていてください、一気に決めますよ!」
3匹が桃太郎の近くに寄ってくる。
「必殺...鬼斬り!」
刀を横になぎはらい、送り犬を一掃した。
「...」
あっけにとられてしまった。昔話の登場人物が突然現れて、ピンチを救ってくれたのだから。
「あなたたちは...」
正体を聞こうとしたが、桃太郎たちの体が薄れ始めた。
「どうやら時間のようです。またピンチでしたら必ず助けに参ります」
そう言って桃太郎たちは消えていった。
「...本当になんだったの?」
・
・
・
「ちょうど良かったわ。あなたに渡すものがあったの」
琢磨は今、永遠亭にいる。そこで、永琳という幻想郷唯一の医者に薬をもらっていた。
「なんだこれ?ピンクとか怪しすぎるだろ」
「ただの薬よ。馬鹿にしか効能はない」
「馬鹿にしただろ」
「馬鹿にしたわよ?」
「そこは認めるのかよ...で、この薬はなんだ?」
「それは時間を遡るための薬よ。所謂時渡り、ができるようになるわ」
時渡りはその名の通りに、時空を遡ることができる。といっても普通の人間じゃあまず時渡りは出来ない。失われた時は2度ともとに戻らないからだ。
「誰かに届けたりするものなのか?」
「優曇華に試薬をしようと思ったけれど今外出してるのよねぇ...てゐも見つからないし、姫様で試すのも気が引けるじゃない。そこで、あなたが来たってこと」
「俺に一体なんのメリットが...」
「メリットなんてものはないわ。でも安心して、効果は1時間だけよ」
「安心できるか!」
「もし命に別状があってしまったら、私が丁重に弔ってあげるわ」
「ますます安心できねぇ...」
もう一度ピンク色の薬を見る。
「飲まなきゃ終わらない?今回の話」
「メタな発言は言いたくないけど飲まなきゃ上の会話が永遠に続くわけよ」
「....男石川琢磨!いきます!」
「早く飲みなさい」
「ええい、ままよ!」
琢磨はピンク色の薬を口に含み、一気に飲み込んだ。
「どうだ!」
突如、琢磨の体は光だし、粒となって飛んでいった。
「....成功かしらね」
・
・
・
「ん?ここどこだ?」
見知らぬ土地に琢磨はいた。近くに老人が通ったので声をかける。
「そこのおばあさん。すいませんがここはどこですか?」
「あんれまー。ここを知らないとはなんたること!ここは織田信長様が治める土地ですぞ!」
「え?」
「織田信長様が治める土地ですぞ!」
「織田....信長....?」
「そうですぞ」
「それっていつの時代だよー!」
田んぼが立ち並ぶ道に琢磨の声は虚しく響いた。