筋肉質の男「それは本殿の方だ!」
琢磨「わかりました~!」
琢磨が木材を担いで移動する。ルーミアとの激闘から一週間。今は守矢神社の復興を手伝っている。
琢磨「よし...後は...にとり~!」
にとり「準備はいいよ!」
にとりがある機械を器用に操る。
にとり「いくよ~!スイッチON!」
にとりがスイッチを押した瞬間、木材が宙に浮いた。
琢磨「...外にない技術だな...」
にとり「ひゅい?ロボットというものがないの?ほら、青い狸型の...」
琢磨「四次元ポケットはありません」
だんだんと木材が重なり、神社の形になっていく。
早苗「琢磨さ~ん」
にとり「ほら、彼女が呼んでるよ」
琢磨(...すぐに消えるけどな...)「わかってるよ」
早苗のところに行く。
琢磨「何か用か?」
早苗「いくら能力カードで吸血鬼になっても無理はいけません!本殿以外はできましたから少し休んでください」
琢磨「ああ...」
琢磨がその場を去る。
早苗(...琢磨さん...随分と大人しくなった感じがします...)
ここ一週間で琢磨は一度も本気で笑っていない。苦笑いだけだった。
早苗(やっぱり...ルーミアちゃんのことで...)
・・・
さらに一ヶ月が過ぎた。妖怪の山はすでに冬景色になるための準備を始めていた。守矢神社も復興を終えていた。
琢磨(...そろそろか...)「皆、居間に来てくれ」
早苗「わかりました...」
神奈子も諏訪子も何も言わずに早苗の後をついていく。
・・・居間
琢磨「ちょつと重要な話がある」
琢磨の表情は真剣そのものだった。早苗はこれが永遠に続くように思えた。
琢磨「俺は...もうじきこの世界から消える」
守矢一家「.........え?」
しばらくの沈黙のあと、守矢一家は声をそろえて驚きの声をあげた。
早苗「ど...どういうことですか!」
琢磨「言った通り...いや、すこし語弊があったな。俺はではなく、この世界が...だ」
神奈子「...何でそんなことが言える?未来でも見えたのか?」
琢磨は一度死んだこと、妖怪少女のこと、過去に戻ることを話した。
諏訪子「聞いたことないよ...過去に戻るなんて...」
琢磨「言ってみれば俺は『時の旅人』。そんなところだ」
早苗「...せっかくまた会えたのに...また行ってしまうのですね...」
早苗が居間から出ていった。
琢磨「しょうがない...それしか言う言葉が見つからない...」
神奈子「...過去の世界に戻る...またルーミアが暴れるんじゃないのかい?」
諏訪子「確かに...」
琢磨「そこは大丈夫だ。俺がここにこなければいい。それだけで運命は変わる。だけど、また何かの異変が起こるだろうな」
早苗「それなら!」
いきなり襖が開き、早苗が出てきた。
早苗「琢磨さんに...この音楽を授けます!」
早苗が手に持っていたのはピッコロと言われる笛だった。
早苗「琢磨さん!これを覚えて...私達も覚えといてください!」
琢磨もオカリナを出す。
琢磨「ああ...」
早苗「吹きます...」
早苗がピッコロを口にくわえ、吹く。
~~♪♪♪
早苗が吹いたのは『信仰は儚き人間ために』の一部だった。琢磨もそれに合わせてオカリナを吹く。
~~♪♪♪
辺りに音楽が響きわたる。琢磨のオカリナに蛙の模様が小さくついた。
琢磨「...そろそろね...」
琢磨の体が薄く輝く。
琢磨「お別れだな...」
早苗「私達のこと...覚えておいてくださいね!」
神奈子「また会おうね...」
諏訪子「絶対だよ!」
琢磨の体がどんどんと薄くなっていく。
琢磨「もう限界だ...あばよ...」
琢磨の視界が暗くなった。