仮面ライダーディケイド 《インフィニット・ストラトスの世界》   作:URUTORA

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第3話 成すべきこと

「ここがIS学園…デカいな」

 

地図に従って『IS学園』というところにたどり着いた士は、高校にしては大きすぎると言ってもいいスケールに少しばかり圧倒されていた

 

校門からはタワーのようなものが伸びているのが見えたり、徒歩以外にもモノレールが通じていたりと、555の世界で通っていた『スマートブレイン学園』とは随分違っているようだ

 

「来たか、ディケイド」

 

すると、校門正面の建物の陰から男が現れた

 

「…鳴滝か?」

 

現れたのは確かに鳴滝だったが、少々出で立ちが変わっていた

 

いつもの薄い茶色のハットはそのままだが、裾の長いコートではなく、茶色のジャケットに同色のジーパン、腰のベルトからはレンチをぶら下げていたりと、いかにも『作業服』と言ったような服装だった

 

「無事についたようだな。さて、まずは場所を変えよう。ここに君がいるのは『今は』まずい」

 

「今は、だと?」

 

「理由は移動しながら説明する。こっちだ」

 

「なっ、おい!」

 

士の意思を確かめず、鳴滝はさっさと歩き出した

______________________________________________________________________________________________________

 

 

士が連れてこられたのは、広い車の整備室のような場所だった

 

周りにはコードで繋がれたパソコンやその他電子機器などがスリープ状態で待機している

 

「おい鳴滝、いい加減説明しろ。この世界じゃ危機がせまってるって話だったが、とてもそんな風には見えなかったぞ」

 

いい加減ここまで説明なしに振り回す鳴滝に、士は痺れを切らした

 

「ISの世界、とか言っていたな。…この世界での俺のやるべきことってのは何なんだ?」

 

鳴滝はいくつもあるパソコンの内の一つを操作し、パソコンの画面を別の大型ディスプレイに映した

 

「この世界は、確かに争いのない平和な世界だった。もちろん人間同士の争いは絶えないが、仮面ライダー達の戦いによる被害に比べれば些細なものだ」

 

「…なつみかんが言っていた『ライダー』も『別の何か』もいない、ってやつか」

 

「そうだ…彼女の思う『戦いの無い世界』とは大分違うがね」

 

大型ディスプレイには動画再生の準備完了との通知が出ていた

 

「確かに怪人達がいないこの世界は『平和』だった。だがこの世界で約10年前、『平和』なはずの世界で作られる必要のないものが作られた」

 

そういうと、鳴滝は動画を再生させた

 

「その『必要のないもの』がこれだ。」

 

そこには二種類の目を引くものが映されていた

 

 

 

 

ミサイル、ミサイル、ミサイル

 

 

 

 

数えるのが億劫になるほどの大量のミサイルと

 

 

 

 

切り裂き、撃ち抜き、迫りくるすべてのミサイルを食い止めんとする

 

 

 

 

一人の白い騎士の姿が

 

 

 

「なんだ…これは!?」

 

「これが《インフィニット・ストラトス》、通称ISと呼ばれる機体の最初の戦闘記録だ」

 

士が驚いている間にも、白いISは次々とミサイルを撃墜していく

 

まるで、自分の後ろにある大切なものを守り抜くように

 

だが、その戦う姿はまるで…

 

「今でこそ改良されて第三世代と呼ばれるものにまでなっているが、初期のIS…『全身装甲』。これはまさに……」

 

 

―――『仮面ライダー』―――

 

 

「じゃあISってのは…人工的に作られたライダーってことか?」

 

「そうとも言えるし、そうでないとも言える。そもそもISの本来の使用目的は、宇宙空間での活動をより円滑にするための、言ってしまえば宇宙服のようなものだ」

 

「宇宙服??」

 

士はチラッと画面をもう一度見てみる。そこでは、わずかに被弾しながらも仕上げだと言わんばかりにビームをぶっ放している

 

「どこがだ!荷電粒子法装備した宇宙服なんて聞いたことねえぞ!」

 

「そう、その通りだ」

 

鳴滝はパソコンを操作すると、画面に大量の論文が表示された

 

「確かにISの性能は素晴らしい。これがあればこの世界の宇宙開発の進歩は目覚ましい物になるだろう。しかしこの『白騎士事件』をきっかけに、世界各国はISその性能を軍事利用する方向に力を注いでしまった。」

 

一呼吸おいて、鳴滝はつげる

 

「おそらく…ISの開発者である『篠ノ之 束』。私は、彼女がこうなることを仕組んでいたのではないのかと予想してる」

 

「…わざわざ宇宙服として発表してから、なんて回りくどい事をしてまでか?」

 

「ISは未だ謎が多い。ISの核となる『コア』の製造方法も完全なブラックボックスだ。いったい何のつもりでISを製造したのかは、開発者である篠ノ之束しか知らないというわけだ」

 

鳴滝は何十何百と表示されていく論文を見上げながら呟く

 

「『インフィニット・ストラトス』…この正体不明の『宇宙服』が世界に『兵器』として出回ってしまったあの瞬間から、この世界も崩壊を初めてしまった。これ以上の世界の崩壊を止めるには、『コア』の製造を世界で唯一知っている篠ノ之束の居場所を突き止め、これ以上のIS増加を食い止めるしかない」

 

「おい、ちょっと待て」

 

士が鳴滝の言葉をさえぎる

 

「もしおまえの言う俺のこの世界でのやるべきことってのが、そのIS製作者である篠ノ之束ってやつを探しだすことだ、ってんなら、俺は関わるつもりはないぜ。前にも言ったが、この世界の後始末はこの世界のやつでやらせるべきだ」

 

そもそも士は自分から進んで皆を助ける、というようなヒーローじみた考えは最初から持ち合わせていない。あらゆる世界のすべてを救う、なんてことは不可能だということは分かり切っているからだ

 

「そもそもこんだけ強力なものを作り出してるのが分かってるなら、わざわざ俺を呼ばなくても……」

 

と、不意に士の言葉が途切れる

 

呼ばなくても、なんだ?

 

俺は今、何をISが俺の代わりに成してくれると言おうとした?

 

仮に俺がこの世界にいなかったとして、ISが俺の代わりに『世界の崩壊』を止めるためにすることはなんだ?

 

これまで、門矢士は崩壊していく世界を救うため『何をしてきた』?

 

 

 

「お前にこの世界でやってもらうことは、もちろんそんな『人探し』などではない」

 

 

士の言葉の続きを待たず、鳴滝は確信を告げにいく

 

 

「言ったはずだ、『破壊者』である君にしかできないことがあると。本物には遠く及ばないが、『インフィニット・ストラトス』、あれもある種の『仮面ライダー』には違いない。そして……《ライダーがいるところ、必ず対となる敵が現れる》。だが元々平和な世界に『敵』などそう都合よく現れない…。つまりそれは、『新たな敵を呼び寄せる』ということに繋がるということだ」

 

「………そういうことか」

 

『対となる敵』を呼び寄せる。それは、もともとある筈のないモノを『別の世界から呼び寄せてしまう』ということ。つまりは………

 

 

 

「様々な世界から、怪人が無差別にこの世界にやってくる。『人探し』、なんてちゃちなことは言わないさ。ディケイド、君には、『IS』、『怪人』、この二つを破壊し、この世界の平和を取り戻してもらいたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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