仮面ライダーディケイド 《インフィニット・ストラトスの世界》   作:URUTORA

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第4話 IS学園

IS学園

 

アラスカ条約に基づいて日本に設置された、IS操縦者育成用の特殊国立高等学校。操縦者に限らず専門のメカニックなど、ISに関連する人材はほぼこの学園で育成される。その広大な敷地内にはIS訓練用のアリーナの他、2人1部屋の学生寮や食堂、大浴場が設けられているなど、およそこれまでの一般の高校とは一線を画する場所である

 

またIS学園には『学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されない』という規約が『国際IS委員会』によって制定されている。これは最新技術などの情報漏洩を防ぐためであると共に貴重な『IS適正者(生徒)』を守るためでもあり、そのため基本的に学生は二人一組でペアを組み寮生活を行っている。

 

しかし外出を禁止されているわけではなく、休日などは私服でに校外に出かけたりすることも可能だ。制服も個人でのカスタムが自由であるなど、生徒のストレスが溜まらないよう校則で配慮されている

 

そして、ただでさえ女性が高位な存在とになっている社会の中で育ってきた彼女達が自分を『選ばれた特別な人間』と思ってしまうのは、思春期な子供達ということだけが理由にはならないだろう

 

 

 

そんな女尊男卑当たり前な女の子達が集う学園のとある一室、1-1と書かれた表札がつけられた教室で、一人の『男子生徒』がだらだら汗をかきながら迫りくるプレッシャーを最前列の机にて耐え忍んでいた

 

(こ……これは………想像以上に、きつい……)

 

男子生徒の名前は織斑一夏

 

プレッシャーの正体は『視線』

 

(覚悟はしてたけど…やっぱりこうなるよなぁ……)

 

自分の席が一番前なことに見えない悪意的なものを感じながらも、一夏はなんとなくこうなることを予想していた

 

数か月前、彼は間違えて辿り着いた『IS学園』の受験会場で、偶然ISを動かしてしまった。女性にしか動かせないISを男性が動かした、という今の社会の根本を覆すような一大事をやらかした一夏は、様々なところから文字道理引っ張りだこだった。

それこそテレビや雑誌の取材から研究機関、あげくは一夏を連れ去ろうとする他国の暗部組織的なのに狙われたりと、夜もおちおち眠れない生活が続いてていた

 

この前代未聞な事態に政府も対策が追い付かず、とりあえずの一夏の身柄安全確保としてこのIS学園への入学が決定されたのである

 

(し…視線が!背中に刺さる視線が痛い!自意識過剰とか抜きに本気で誰か変わってくれぇ……)

 

全国の男子達が聞けばすぐさまぶっ飛ばされそうだが、女子高同然の学校に男子が一人だけというのは想像以上にヤバいようである

 

主に精神的に

 

「……ら君!織斑君!織斑一夏君!!」

 

「っ!?は、はい!」

 

と、物思いにふけってしまっていた一夏はいきなり名前を呼ばれて思い切り立ちあがってしまった

 

目の前には、今日から1クラスの副担任である山田真耶先生が出席簿を自己主張の激しい胸に抱えていた

 

「え、えぇと…ごめんね?次は『お』から始まる織斑君なんだけど…自己紹介、してくれますか?」

 

「あ、あぁ、はい…」

 

恐らく元々押しの弱い性格なのだろう、前かがみになって上目ずかいでこちらを覗いてくる。そのせいで、ただでさえ出席簿で押さえつけられている胸がより強調されしまっている。一夏としては非常に目のやり場に困るので、さっさと自分の自己紹介にはいってしまおうと無理やり視線を前に向けた

 

「えーと…織斑一夏です、よろしくお願いします」

 

「……………………」

 

(な、なんだ!?この『え?それだけ?』的な感じの視線は!?)

 

どうやらたった一人の男子生徒の自己紹介に相当期待しているらしい

 

一夏はチラリと助けを求めるように、窓際の列に座っている幼馴染の篠ノ之箒へと視線を向ける

 

(ほ、箒っ!へーるぷ!)

 

が、なぜかプイッと顔を背けられてしまう

 

(ぐっ…なんだ!?6年ぶりで忘れられてんのか!?)

 

なんにせよこのままだと『暗いやつ』のレッテルを張られてしまう

 

(だァァああ!何まごついてんだよ織斑一夏!ここで決めなきゃ、男じゃねぇ!!)

 

すうっ!と大きく息を吸い込む。

皆の視線がより強くなったの見計らい―――!

 

 

 

「以上です!!」

 

ガタタタッ!!と視線を投げかけていた女子生徒が全員綺麗にずっこける

 

これ以上ないくらい気合いを入れた割には新喜劇よろしくな皆の反応に、え?これで正解じゃないの?的な顔ではてなマークを浮かべる一夏。と、周りの反応においてかれている彼に……

 

スパァン!!

 

「ふげぇ!!」

 

謎の強烈な衝撃が頭のてっぺんに叩き込まれた。

情けない声をあげならがら一夏は恐る恐る後ろを振り返る

 

「げっ!千冬(スパァン!!)ねばぁ!?」

 

「まったく、自己紹介もまともに出来んのか馬鹿者め。それとここでは織斑『先生』と呼べ」

 

さらにとどめと言わんばかりの出席簿をもう一度くらわせたのは、一夏の姉であり全世界の女性の憧れである織斑千冬だった

 

「は、はい…織斑せn「キャアア千冬様ァァァアアアアアア!!!!」耳がああああああああ!!」

 

出席簿2連撃を受けた直後、今度は彼女が現れると同時に巻き起こった耳をつんざかんばかりの歓声が今度こそ一夏にとどめをさした

 

女子たちの黄色い歓声に、千冬はハァ…と、本気で呆れているような顔でため息をつく

 

「全く……毎年毎年よくもまあここまで集まるものだ。それとも私のクラスだけ馬鹿者を集中させているのか?」

 

確かに歓声の中には「叱って罵って!!」や「お姉様のためになら死ねます!!」など、16歳の女子高生の発言としてはいささか問題がありそうな感じである

 

「山田君、クラスの挨拶を押し付けて済まなかった。少々『厄介なこと』になってしまってな」

 

「い、いえ、それは全く構わないんですけど……あの、厄介ごとというのは?」

 

「ああ…今朝になって、『特別編入』という形で新入生が一人私のクラスに入ってくることが決定した」

 

「『特別編入』?『留学』ではなく『編入』ですか?」

 

IS学園には一般の高校よりも多くの外国の生徒が留学してくる。それは純粋にISの操作技術を学ぶためであったり、日本のIS関係の開発技術を学ぶためであったり、これらのような理由で留学してきた他国の『代表候補生』と呼ばれる者の機体データを『スパイ』するためであったりと様々である

 

しかし他国からの留学ともなれば、それなりに必要な手続きが必要になってくる。加えてここはIS学園。たとえ留学生でなくとも入学式当日にいきなり入学してくるなんてことが出来るとは真耶には考えられなかった

 

「とにかく新入生を紹介しよう、とにかく話はそれからだ…いつまでそうやってるか馬鹿者!」

 

机に突っ伏して「耳がうぁ…」とか唸っている一夏に、千冬は目覚めの一発(追い討ち)を叩き込もうとする

 

「ちょおっ!?まってくれ千冬姉!ちゃんと起きたか「織斑先生と呼ばんか!」ぎゃー⁉︎」

 

結局は無駄に終わった抵抗に、なんかもういろいろとボロボロな一夏だった

 

「シャキッとせんか織斑。『お前にも大いに関係ある話だ』」

 

 

 

「ぐふぅ…か、関係あるって……?」

 

 

 

「……門矢、入れ」

 

 

 

千冬の声と同時に前の扉がガラッと開かれる

 

 

 

その入ってきた『編入生』に、千冬以外のその場にいた誰もが信じられないようなものを見たような顔になった

 

 

 

それは、スラッと伸びた長身の体と水準以上の整った顔立ちに見惚れたわけでも

 

 

 

白地の制服に大きく『Ⅹ』と描かれたカスタム仕様な制服に目を見張ったわけでも

 

 

 

首から下げたマゼンタの二眼レフカメラに視線を奪われたわけでもなかった

 

 

 

これらの特徴が『些細な事』になってしまう、IS学園で最も際立つ特徴を持ったその人物は―――

 

 

 

 

 

 

「初めまして、門矢士だ」

 

 

 

 

 

「「「「お…男ォォォォオオオオオオオオオオ!!??」」」」

 

 

 

 




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