仮面ライダーディケイド 《インフィニット・ストラトスの世界》   作:URUTORA

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第5話 新たな出会い

「趣味は写真をとること、得意なことは全部だ。俺がこのクラスに来たからには、お前らを世界…いや、宇宙に名を轟かすIS乗りに導いてやる」

 

いまだに理解が追い付いていないクラスメイト一同と真耶を全力で置いてきぼりにして、士は一人自己紹介を自信たっぷりに続けていく

 

「門矢はつい先日まで世界各国で行われていた『男性IS適正検査』にて発見された、二人目の男性IS適正者だ。織斑同様、政府の意向のもと急遽IS学園に編入することになったという訳だ」

 

現在の女尊男卑の原因は、『女性しか乗れない』というISの特性によるところが大きい。そんな世界に『織斑一夏という男性がISを動かした』なんてニュースが飛び込んでくれば、人々――主に女尊男卑に染まり切った女性達――が混乱におちいってしまうのは火を見るより明らかだった。

特に、女性優先の権利(そもそもそんな権利などどこにもないのだが)を悪用し犯罪まがいな行為をしでかす者達は何をしでかすか分かったものではない。

これらの事態を予測したIS委員会は、各IS先進国へ男性に対するIS適正調査を依頼し、適正あるものは速やかに保護するよう指示していた

 

「織斑、二人しかいない男子だ。お互い助け合っていけ」

 

「え?あ、あぁ…」

 

千冬の若干命令気味な言葉に、一夏も何とか頷く

 

事情が分かったことで他の女子たちにも余裕が生まれたのか、突然現れた顔立ちの良い編入生に先程とは別の意味で見とれつつ周りとヒソヒソやりはじめた

 

当の士本人はそんな好奇の視線をものともせずさっさと自分の席に向かっていく。ちなみに席は一夏の左隣だ

 

「山田君、進めてくれ」

 

「ふぇっ?あ、はい!」

 

どちらかと言えばざわめきだしたこの空気を切り上げる意味合いで放った千冬の言葉だったが、士の登場に最後までポカンとしていた真耶はいつまでたっても自己紹介を進行しない自分への叱咤と捉えたらしく、全員の生徒の名前をよび終えるまで必要以上に背筋を伸ばしていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「改めまして、織斑一夏だ!よろしくな士!」

 

「おう。同じ男同士よろしく頼むぜ、一夏」

 

全員分の自己紹介が終わり千冬の漢気ありすぎる教育方針宣言でHRは締めくくられ、今は1時間目の準備時間。

席が隣同士の一夏と士は『肩身が狭い』という共通認識の元、うちとけるのにそう時間は掛からなかった

 

だが、そのわずかな時間にどこからか噂を聞きつけガラス越しに視線を送りつけてくる他クラス・他学年の女子達が完全に気にならなくなるほど、『一夏は』気持ちの切り替えがはやくなかった

 

それにくらべて……

 

「なんか士って、割と落ち着いてるっていうか…なんとも思わないのか?この視線の山を受けてさ」

 

確かに、これから1日の殆どを生活していくであろう場所で男が2人しかいないという今の状況に士も同様に肩身の狭さを感じている

 

だが、それだけだった

 

肩身が狭いからと言って、うろたえる必要も理由も無い。

その程度のことでへこたれる程、破壊者(門矢士)の精神は脆弱ではなかった

 

「別にうろたえる必要なんてないだろ。確かにちょっと視線が多すぎる気がするが……」

 

カシャン、と。

士は首からぶら下げていたマゼンタの二眼レフカメラのシャッターを切りながら断言する

 

「そもそも、俺が注目されるのは当然のことだしな。全く、どこへ行っても(・・・・・・・)俺のカリスマを隠すことは不可能、ってところか」

 

「カ、カリスマか…なんか士が言うと様になってるって感じだな」

 

どうも新しく出来た友人はとにかく自信家であるらしい。一昔前に『俺様系』という言葉が流行ったらしいが、彼の様な男のことを言うのだろうか

 

知り合ったばかりの人にそんな事を言えるはずもなく、とりあえず無難な返事を絞り出した一夏だが、救いの手(?)は唐突に第三者から差し伸べられた

 

「ちょっといいか」

 

「?」

 

「お、箒」

 

2人が振り向くと、そこには長い黒髪を白のリボンで縛ったポニーテールの女子生徒が立っていた。凛とした雰囲気を漂わせてながらもやはり何処かに少女らしさを感じさせる、大和撫子という言葉がピッタリ合いそうな美少女だ

 

「一夏の知り合いか?」

 

「ああ、俺の幼馴染だ」

 

「篠ノ之箒だ。門矢、以後よろしく頼む」

 

「士でいい。よろしくな箒」

 

「そうか。で、では士。さっそくだが……一夏を借りてもいいだろうか?」

 

チラッ、と箒は一夏の方を横目で回って見ながら何故か急に小さくモジモジし始めた。なんとなく顔も赤く染まってきている

 

いきなりの呼び出し宣言に一夏は頭に『?』を浮かべていたが、士はすぐに『だいたい』事情を把握した

 

「なるほどな……いいぞ、次の授業には遅れないようにな」

 

にやりとしながら一夏借用を認可した士に箒は内心ドキリとしながら(内心で済んだと思ったいるのは彼女だけだが)、『す、すまぬな、でででは一夏、屋上で待っているぞ!』と言い残して行ってしまった

 

「……なんなんだろうな、一体?」

 

「いいから行ってこい朴念仁」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

新しく出来た友人からのいきなりの辛口になおも首をかしげながら一夏が箒を追いかけて十数分後、一時間目の授業が開始された(箒は満足げに帰ってきた)

 

「はーい、次は整備室に向かいますよー」

 

一時間目の授業は所謂『学校案内(しせつせつめい)』。IS学園は通常の高等学校とは異なり、ISの技術向上を主とした目標にしている。それゆえ、およそ15、6の女の子の人生経験では目にしないような施設・機材も数多く存在する。

そのため、毎年新入生最初の1日の授業は各クラス時間を分けて校内の設備を確認する、という仕来たりになっていた

 

士たち1クラスは副担任の麻耶が先導し、現在は闘技場(アリーナ)を回り終えたところだ

 

「しっかし、『運動場(グラウンド)』じゃなくて『闘技場(アリーナ)』か。つくづく規格外な高校(トコ)に来ちまったんだなー俺たち」

 

「全くだな」

 

「……お前達が言うな」

 

恐らく現代の社会でぶっち切り規格外の2人の言葉に箒は呆れ気味な声をあげながらアリーナを背にした

 

「グラウンドはグラウンドで別にちゃんとあるのだぞ。それでも、そこらの高校のそれとは比べようもないようだがな」

 

「ISも元々は戦闘ではなく宇宙での活動に特化したもの。加えて今じゃスポーツにまで発展している。ISの用途ごとに必要な『舞台』を用意しているあたり、流石IS学園ってとこだな」

 

IS学園にも『部活動』というものが存在する。ただし、部活動、特に運動系の部に入部する者のほとんどの理由は、ISの技術向上のためという意味合いが強い。

それはISの操縦が自身の『身体(からだ)』を使う延長線上にあるからだ。それは格闘・射撃技術であったり、敵との間合い取り方であったり、行動の予測であったりとなど様々である

 

「そいえば箒、お前はやっぱり剣道部に?」

 

「当然だ。久しぶりのお前との手合わせ、楽しみにしているぞ」

 

「ギクッ」

 

「あん?」

 

そして、そういったいわば授業の中で積んでいく下積みをするための下積みをするところとして、最も人気を有しているのが剣道部・および射撃部なのだが、箒は『そういった』理由で一夏に剣道部に入るのか、と聞いたのではないことは士にも大体分かった

 

だが、士が一夏の微妙な反応に関して理解することはできなかった

 

「なにか…前の方がさわがしくないか?」

 

ザワザワと、先頭を歩いていた他のクラスメイト達がざわめきだしたのに箒が気付き、士たちの意識がそちらにとんだからだ(なぜか一夏は胸をなでおろしていた)

 

士たちは話しながら移動している間にアリーナ内に設置されている整備室にすでに到着していたが、その整備室前の入口で誰かが通せんぼしているようだった。

 

「先輩のISの整備中で立ち入り禁止になったのではないか?」

 

「新学期の一時間目にか?っていうかなんか……」

 

なんか自分はこの女子達の反応をしってる気がする。しかも結構最近、わりと身近なところで。

 

「………」

 

「ん?士?」

 

と、唐突に士が無言で女子達の群れをさいて先に進み始めた

 

そこには、真耶が注目の的である人物の自己紹介を進めていた

 

「みなさん静かにー!こちら、今回の織斑君と門矢君の入学にあたり、IS委員会から派遣された……」

 

その人物は、士の予想道理の

 

 

 

 

『男』だった

 

 

 

 

 

「鳴滝、と呼んでくれ。よろしく頼むよ、一夏君、ディk…士君」

 

「…マジで来たのかぁ……」

 

 

 




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