ラブライブ!~輝きの向こう側へ~   作:高宮 新太

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EX 病気の時ってなんか異様に心細い

「うえっごほっごほっ」

 風邪をひいた。

 年始のあれやこれやが祟って肉体的に疲れていたのか、はたまた前回の9股騒動で精神的に疲れたのか。ただ単に疲れたのか。

 とにかく、風邪をひいてしまった。

 僕が大なり小なり風邪をひくのはそう珍しいことではない。一年に何回か、特に季節の変わり目なんか病気がちだ。

 ただ、大抵ひとりで何とかこなしてきた。こなしてこれた。

 孤独にだって耐えてきたし、病院にだってひとりで行けた。

 マスクをして、布団で寝て、風邪薬を飲んで。

 全部、ひとりでできた。

 ひとりでできたのに。  

「ごほっごほっ!」

 咳をするとき、のどが痛い。咳をしたいのに、したくない。

 はなが詰まって息苦しい。のどがイガイガする。 

「あー・・・・」

 なんだか声もおかしい。がらがらだ。

 マスクをして、布団を敷こうと思って、そこで体力が尽きた。

 今僕は、何畳もない畳の上で倒れている。

 何畳もないはずなのに、本来狭いはずのその家が、やたらと広く感じる。

 体がだるく、何もする気が起きない。腕を上げるのも、足を使って立つのも。

 何もできなかった。

 こんなことになったのは人生の中で思い出してみてもないはずだった。 

 頭がぼやけてあんまり思い出せなかったけど。

「ぼく、このまま死ぬのかなぁ・・・・」

 声を出すのはつらかったけど、声を出さないでいるのはもっとつらかった。

 じわじわと瞳に涙が溜まるのがわかってしまう。泣いたら糸がぷっつりと切れてしまいそうな気がしたので、泣くのだけは我慢した。

 じっとしていると、シンという静脈音におしつぶされそうで。

 孤独に殺されそうだった。

 いままで風邪になっても、耐えてこれたのに。

 きっと、そうなったのは、みんなのせいだ。

 みんなが僕と一緒にいてくれるから。だから、僕はこんなにもひとりによわくなってしまった。

 まだ引っ越して間もないこの家には、もう既に前の家よりもみんなの匂いが染みついている。

 それが、とてつもなく、寂しかった。

「大丈夫!?雪君!!」

 その時だった。

 ガラガラと大きな音を立ててことりが家に来たのは。

 もうあまり反応することもできなくなっていた僕に、ことりは大きなビニール袋をもって家に入ってきた。

「ふえええええ」

「え?ええ!?本当に大丈夫雪君!?」

 なにがなんだかよくわからない。我慢していたものが、たちまちに我慢できなくなった。

 よくわからないけど、きっと、僕は安心したんだ。

 むぎゅうと、ことりを抱きしめる。人肌が恋しくて、その温かさが羨ましくて。

 暖かくて、温かくて、そしてあったかい。

 ――――――――――あ、あれ?熱い?

「――――――――――――――――――。」

 ことり、沸騰してた。

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫だよ。はいこれ、とりあえず張って」

(あ、気持ちいい)

 よくわからない間にことりは復活して、額に何か張られた。ひんやりと冷たくて、気持ちよかった。

「あとこれね、バンザイして」

 テキパキと指示していくことりに、僕はただ従っていた。

 バンザイして脇に何かを入れられる。

「布団しいちゃうね」

 ぼーっと見ているとあっという間に環境が整っていた。

「38、9分か、ちょっと高いね」

 熱の話だ。

 さっき入れられたのはどうやら体温計だったらしい。

 なんだか微妙に違和感がある。

「あ、そのたいおんけい、ぼくのといっしょだ」

「っ!!」

 違和感の正体はそれだった。なんか見覚えあるなと思ったら、僕の家にある奴と全く一緒だった。あれ?そういえばあれどこにやったっけ?

 病気の時って記憶力もあやふやになるんだ。

 布団の中でそんなどうでもいい発見をした。

 さらにどうでもいい発見。

「ことり、そのたいおんけいどうするの?」

「」(ギクッ)

 ことりが僕が使った体温計を自分のバックにしまい込んでいるところを。

「これは、私の私物だから」

「え?でもさっき、そのふくろからしんぴんのやつだしてたよね?」

「そ、それは・・・・・雪君の気のせいだよ♪」

「そっか」

「それより食欲ある?おかゆ作ってあげよっか?」

 その問いに、僕はフルフルと頭を振って答えた。頭を振ったせいでずきずきと痛んだ。

「あたまいたい」

「そっか、大丈夫?よしよし」

 頭を抱きかかえられ、よしよしとナデナデされる。

「いや、そうじゃなくて」

 風邪のせいもあってか、うまく言葉がつながってくれない。

「あ!そっか」

 どうやら察してくれたらしい。

「痛いの痛いの飛んでいけ~」

「いやちげえええええよ!」

 思わず声を荒げてしまう。そのせいで深まる頭痛と咳。

「びょういん・・・・つれてって」

 一人じゃいけないということは火を見るよりも明らかだった。

 だから、ちょうどいいところにきたことりに連れて行ってもらいたかった。

「あれ?・・・ちょっとまって。まずことり、なんでうちにいるの?」

「それは、ちょっと盗・・・・・撮してたら雪君が具合悪いの見かけて」

「ごめん。ほんと、ぼくいまつっこめるじょうたいにないから」 

 盗撮って何?とか、・・・使うなら否定してとか、もはやつっこむ体力すらなかった。

「とりあえず、びょういん・・・」

 ごほごほと咳込みながら、それでもなんとか起き上がろうと頑張る。

「あ。ダメだよ、まだ寝てなきゃ」

「いや、だから。びょういん」

 このままは死ぬ。完璧死ぬ。

「だったらはい。これ飲んで」

 そういって渡されたのは何かの錠剤。

「なにこれ」

「いいから飲んで?」

 何かを焦っているかのようなしぐさと、期待する視線。

 もう完全に風邪薬ではないと、僕は分かった。確信できた。理由はないけど。

 そのことりの圧力に、とうとう僕は抗えなく。きっと健康ないつもでも、断れなかったと思うけど。

 とにかく。僕はそれを飲んだ。

「ど、どう?」

「いや、そんなそっこうせいはないとおもう」

 仮にこれが本当に風邪薬だとしたらの話だが。

「なんかぽわーっとするとか、ことりを見てドキドキするとか、ない?」

「もうぜったいかぜぐすりじゃないよね、これ」

 とにかく再度水で流し込んで、ぐったりと横になった。

 薬の影響かどうか知らないが、眠気が襲ってくる。

 僕は、結局病院に行くこともなく、ぬくもりの中で眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・なんで?」

 目を覚ましたそこにあったのは、ことりの顔だった。

 ついでにいうなら、とても満足そうに寝ていることりの顔だった。よだれとか垂らしてた。

 むくりと僕は起きる。窓の外を見ると、もうすでに日は落ちかけていて、あたりはオレンジに染められていた。

 額を触ると、張り替えられたと思しき冷えピタ。まだひんやりと気持ちいい。

 枕は氷が敷かれているし、辺りには水や濡れたタオルが常備されている。

「・・・・ふふ」

 ことりが看病してくれていた。その光景を想像するだけで、体が自然と軽くなって、あったかくなる。

 よいしょと、ことりを起こさないように気を付けて布団から出た。

 ことりのカバンから体温計を引っ張り出す。

 脇にさして、数分待つ。

「ありゃ」

 38,2分。下がったといえば下がったが、まだまだ全然だった。

「ゆき、くん?」

「あ、おきた」

 その体温計の音で小鳥は目を覚ました。というか、起こしてしまった。

 片手で体温計のスイッチを切ってから、ことりに向き直る。

「あれ?ごめん、もしかして私寝ちゃってた?」

「うん、ぐっすり」

 そう言うと、ことりは少々バツが悪そうに下を向く。

 僕はできるだけ、元気を装って「もう熱は下がったからさ、暗くなるしことりは帰りなよ」と言った。

 これ以上は、きっと、風邪を移してしまうだろうから。

「嘘」

「え?」

「嘘、ついちゃやだよ。そういうの、わかるんだから」

 いつになく、真剣そのもの。

 いつの間にか、目と鼻の先にまで近づいた顔が、そう言っていた。

「はい」

 だから僕も、思わずそう返事をしていた。

「うん」

 納得したように笑顔で頷くことりに、僕は――――――――――。

 なんだか無性に、嬉しくなってしまって。

 こんなときに、変かもしれないけれど。

 それでも、幸せだと、感じたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

「じゃ、じゃあお着替えしよっか?」

 元気に振る舞った反動か、ぼーっとした頭でそれでも考える。

 なるほど、確かに寝汗がびたびたしてて気持ち悪い。着替えたい。

「ん」

 なぜかハンディカメラをもって、息が荒いことり。

 そんなことりには気づかずに、僕は着替えさせてもらうために大人しくする。

「・・・・え?」

 一瞬、ことりが固まった。

「かた、いたいし、からだ、うごかないし」

 そう説明すると、ことりの停止した脳がフル回転していくのがわかった。

「そ、そっか!そうだよね!風邪だもんね!なにもいやらしい意味なんかにゃいんだもんね!」

 あ、噛んだ。

 ピポ、と何かの音がする。

 カメラの起動音だった。

「はぁはぁ、じゃ、じゃあ脱がすね」

「うん」

「だ、大丈夫痛くない?」

「いたくない、よ?」

 その会話とハンディカメラは違う意味で大丈夫ではなかったが、まあ、それはそれ。

 熱で上気した頬と、普段より蕩けた目元。寝汗で濡れた首元。額に張り付いた前髪、そしてシャツから除く鎖骨。

「―――――?」

「」 

 ことりは、なぜか撃沈していた。 

「抱き着いていい?」

 なんか言い出した。

「いや、それは、かぜうつしちゃうし」

「いいよ!雪君のウイルスなら!私の体を犯してもらっても!」

 さっきも言ったが、犯すの字ちがくね?と、ツッコム体力は僕にはない。

「いいや、ダメ。ことりがぼくを想ってくれてるように、ぼくだって、ぼくのせいでくるしむことりは、みたくないから」

「雪君・・・・///」

 

「元気そうですねー」

 

「きゃああああ!!」

「あがががが」

 ことりの甲高い声。それに伴う僕の頭痛。

「う、海未ちゃん!?」

「なにここぞとばかりイチャイチャしてるんですか?ことり?」

 なんか海未が怖かった。後ろにゴゴゴって効果音が見えた。

「ちょっとー、海未ちゃん早いよー」

 後ろには、穂乃果もいた。なんかスーパーの袋を持ってる。

「なんで?」

 

     

「「女の勘です」だよ」

 

 

 その女の勘ってなに?とは、だから突っ込めなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局、僕の家には看病をしに来たことりと海未、それに穂乃果で、計四人もいた。

 四人もいれば、僕の家はぎゅうぎゅうな缶詰状態が、一丁できあがってしまう。

「いいですかことり。雪は今風邪を引いている状態なのです。ですからあまり大声を出させるようなことは・・・」

「わかってるよー、でも風邪の時ってなんだか心細いでしょ?だから温っためてあげようと思って」

「雪ちゃん!お薬飲むゼリー、イチゴ味とオレンジ味どっちがいい?」

「「穂乃果!!」ちゃん!」

 なんだか、ひどく騒がしい。

 けれど、嫌ではなかった。

 ことりの言う通り、寂しいよりは。

「それじゃ、イチゴ」

「よし!イチゴだね」

「もう、雪もしっかり寝てないと駄目ですよ。ほら、お布団」

「うん」

 海未に寝かされて、穂乃果がゼリーを持ってきた。薬を飲むときに飲みやすくなるやつだ。

 ついでにいうなら、子供用のやつだ。

「穂乃果・・・・いくらなんでもそれは。雪はもう高校生なんですよ」

「え?でも、お薬って苦くない?」

「それは良薬口に苦しといってですね・・・・・」

 その後も、海未のありがたーいご高説は続き。

 いてくれるのはありがたいのだけど、正直気が休まらない。

 寝返りを打つと、海未とは正反対にことりがいた。

 なんだかこそこそと隠れるように。

「ことり?」

「うわあ!」

 僕が呼ぶと、少々大きな声が返ってきた。

 そして、手元に持っていたものを落とす。

「それ・・・・・」

 落としたのは、僕がさっきまで着ていて寝汗が凄かったから着替えた私服。

「何を、しているのですか?」 

 あ、海未も気づいたみたい。

「ち、違うの!これは・・・・洗濯、そう洗濯をしようと思って!」

「ああ、それなら、そこのかどをまがったところにコインロッカー」「本音は?」

 僕の言葉を遮って海未が鋭く聞いた。

「雪君の私物を持って帰りたかったんです!ごめんなさい!でも離しません!」

 ぎゅーっと僕の私腹を体で丸め込んでその意思を示すことりに、海未は鬼の形相だ。

「許しません!そんなの!知ってるんですよことり!あなた度々雪の私物を盗んでいるでしょう!?」

「ぴゃっ」

 え?そうなの?・・・・・うっ、頭が・・・・。

 頭痛がするのは風邪のせい。だよね?

「ち、違うよ!盗んでないよ!ちゃんと新品と交換してるよ!」

「だから許させるとでも!?」

「うぐぐぐ」

「い、いいからその服ちょっと渡しなさい!わ、私が管理しておきます///」

「ずるいよ海未ちゃん!そうやって独り占めするんでしょ!?」

「な!そ、そんなことしませんよ・・・・」

「ウソ!声がちっちゃいし、ことりの目を見てない!大体それ言うんだったら、ことりだって海未ちゃんが毎日雪君に見立てた人形相手に話し込んでるの知ってるんだからね!」

「わー!わー!わー!な、なんで知っているのですか!?って、違います!そんなことしてません!」

 なんだか話がどんどん脱線していく。その服、僕のなんですけどね。ぼくの意見はなしですかそうですか。いえいいんです。慣れてるんで。ああ、慣れって怖い。

 若干僕の瞳から光彩が消えかけていると。

「はい雪ちゃん。お薬だよ」

「ああ、ありがとう」

 穂乃果がゼリーに包まれた薬を持ってきてくれた。 

「?」

 しかし、その薬がおかしい。

 僕が頼んだのはイチゴ味のはずだ。

 けれどそこに見える色は黄色。

 どう見てもオレンジ味だった。

 ・・・・・・・。

「おいしかった?」

「うん!」

 あ、やっぱり食べたんですね。

 にっこりと満面の笑みで満足そうな穂乃果に僕はそれ以上何も言えなかった。別にいいんだけど、ちょっと期待しちゃってたから。そういうの食べたことなかったし。

 乾いた笑みを浮かべながら、それでもオレンジ味のゼリー(薬入り)を口に運ぼうとすると。

「駄目だよ!」

「え?」

「穂乃果が食べさせてあげるんだから、雪ちゃんは口開けて。はい、あーん」  

「あーん」

 どうでもいいから早く薬を飲ましてほしかった。

「「あー!!」」

 もぐもぐとゼリーを食べていると、先ほどまで喧嘩していた二つの大声が響いた。あれ?みんな、看病しに来てくれたんだよね?

「ず、ずるいです穂乃果!」

「そうだよ!それことりがやろうとおもってたのに!」

「へっへーん」

 そうこうしながら、いつの間にか日は完全に落ちていた。辺りはもう真っ暗だ。

「どうします?食欲あります?おかゆ作ってあげましょうか?それともうどんのほうがいいですか?」

 やっと、二人は落ち着いてくれたようで、僕も布団で静かにできた。

「おかゆがいい」

「わかりました。今すぐ作るのでちょっと待っててください」

 そういって、海未は髪を一つに結んで、エプロンに着替えて台所に立つ。

「いいなーいいなー、雪ちゃんゼリー食べれておかゆ食べれてー」

 僕を覗き込みながらそんなことをいう穂乃果。ちょっとまじで一回黙っててほしいな、この子。

「穂乃果ちゃん、雪君風邪だから・・・・・」

「そうですよ、あなたは特に静かにしててください」 

「えー」

 ぶーぶーと分かりやすくふて腐れる穂乃果。

「ほら、おかゆできましたよ」

 そんなことを言っている間に、手際のいい海未が簡単におかゆを作ってくれた。

「うーん・・・味が薄い」

「なんで穂乃果ちゃんが食べてるのかな?」

 よかった。僕の代わりに突っ込んでくれる人がいた。

「違うよー、雪ちゃんは風邪であんまり噛めないでしょ?だから口移ししてあげようと思って」

 ???

 僕の聞き間違いかな、口移しって聞こえたんだけど。

 あ、ダメだ。ホントダメ、ほんと頭痛い。

「ほら雪ちゃん口開け――――――がふっ」

「穂乃果ちゃん?」

 近づいた穂乃果の顔が、一瞬にして遠ざかった。

「まったく穂乃果は、ふーっ、ふーっ。はい雪、口を開けてください」 

「んむ」

 スプーンですくったおかゆが僕の口に運ばれていく。あったかい。けど、あんまり味はしない。

 

 

 

 

 

 

 おかゆも食べて、僕は眠かった。

「あの、これは?」

「あのね!昔みたいに川の字で寝ようかなって!」

 ああ、泊まる気なんですね。

 当然のように布団が二組敷かれる。

 抵抗する元気などない。

「えへへ、狭いね」

「当たり前です」

 高校生が四人も、二組の布団に入るわけなかった。畳全部布団で埋まっているのに。

「ほのかは、なんでそんなにうれしそうなの?」

 あんまりにもにこやかに笑うので思わず聞いた。

「だって、久しぶりでしょ。こうして四人で過ごすのは」

 ああ、そういえば。そうだ。

 昔はずっと四人だったけど。今は、みんないる。

 にこちゃんや、真姫ちゃんや絵里先輩や、ツバサさんや。

 みんな、いるから。

 だから、四人だけっていうのは確かに減ったかもしれない。

 みんなでいるのもいいけれど、たまにはこういうのも悪くない。 

 風邪のときに、こんなことを思うのは、やっぱり変なのかな?

「て」

「え?」

「て、にぎって」

「・・・・はい」

 ぎゅうっと、固く握られる。その温かさに、僕はやっぱり安心して。

「――――――スッ」

 もう片方の手も、ことりに握られて。 

「~~~~っ!!」

 なんだか膨れた海未がいて。

 突然と立ち上がったかと思うと、僕の腕で、腕枕をしだした。

「かぜ、うつすよ?」

「・・・・・・・」

 返事はなかった。

 ああ、でも暖かい・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日、僕は学校を休んだ。

 昨日よりも熱は下がったけれど、やっぱり微熱程度はあったし、なにより穂乃果たちに釘を刺されたから。

 その穂乃果たちは朝のうちに学校に行った。

 よって、僕は今一人。

「暇だなぁ」

 なまじ体力が回復しただけに、よりそう感じた。

「雪ー!?いるー!?」

「ちょっとにこちゃん、そんな大声出したら」

「看病しに来たにゃー」

 どうやら、また騒がしくなりそうだ。

「はーい」

「あ、雪?大丈夫なの?これプリンとかゼリーとか買ってきたんだけど」

「絵里先輩。ありがとうございます」

「雪さん!病気大丈夫なんですか!?」

「ああ、大丈夫だよ。亜里沙ちゃんも来てくれたんだ」

「ほら、だから言ったじゃない。大袈裟だって」

「雪穂もありがとう」

「ま、まあね///」

「それにしても、やっぱりこの人数は無理やったね」

「雪ー?看病しにきたわよー、ってあれ?イッパイいる」

「あ、アライズ!」 

「これは~、お邪魔だったかしら?」

「ほい、これ私のおすすめのスポーツ飲料だ。飲むといい」

「ありがとうございます」

「それじゃ、私たちはこれで」

「あれ?帰っちゃうんですか?」

「ええ、この人数じゃゆっくりできないでしょ?」

 笑う絵里先輩に、寂しくなる僕。  

 だけど、そんな僕をよそに、みんな行ってしまった。

「残ったほうがいい?」

「・・・いえ、別に」

「強がりね」

 最後に残ったツバサさんもやっぱり行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?真姫ちゃん?」

 今日は生憎の雨だが相反するように、全快した僕は、学校に行く準備をしていた。

「風邪は?もう治ったの?」

「うん。おかげさまで」

 もうすっかり良くなった。

「そう」

 それだけ言うと、真姫ちゃんはポケットから何かを取り出した。

「なにそれ?」

 取り出したのは、注射器?

「ふふ、いや、私だけ看病してないのはおかしいわよね?」

 なんだか、不穏な空気。

「ダイジョブよ、ちょっとチクっとするだけだから」

「いや、待って。まってまってまってまってまってまって」

 

 

 

 

 

 

 

「うえっごほっごほっ」

 風邪をひいた。

「大丈夫?雪」

 

 そして、ふりだしに戻る。




 どうもファイナルライブ高宮です。





 ファイナルライブ、HP先行もはずしたああああああああああああ!!
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