主人公。男の娘。
不老不死。
F-R
Fighter-R。
プロローグ
不老不死。その言葉に惹かれる物は、沢山いるだろう。
歳を取らず、頑丈で、何をされても死なない肉体。
しかし、現実には、それは苦しみと等価だろう。
俺は、不老不死だ。呪いを受け、そうなった。
人は、自分と違うものを、恐れる。増して、不老不死など、恐ろしいだけだろう。俺は、排除されようとしている。
今も、俺をなんとか殺そうとするやつを、逆に殺しているところだ。
「がっ」
最後の敵の頭を撃ち抜く。
俺は周りを警戒する。人の気配はない。死体だけだ。
雨が降り続いている。
「……これから、どうするかな」
俺の居場所は既にない。どこにも。
「……流浪うか」
行く宛はないが、足はある。
F-Rを呼び出す。今まで乗ってきた戦闘機。
すぐに上空から、特徴的なコクピットをもつ白い機体が、降りてくる。
F-R。宇宙で回収した、どこのものとも知れない戦闘機。
慣性制御を利用した、高い機動性。小型の永久機関による、無限の航続距離と、空間跳躍機能。高い威力をもつ、レール・マシンキャノン。極めて汎用性の高い、フレキシブルレーザーユニット。
コクピットには、ゴミなどから食料や消耗品を作り出せる装置や、洗浄ユニット、サバイバルキットを備え付けてある。一人での長旅にそなえて載せた。
キャノピーを開け、乗り込む。
機体を上昇させる。雲の上へ。
とりあえずは、どこか落ち着ける場所。雨が降っていない場所へ、だ。
雲のないところまで、機体を飛行させる。
眼下に草原が見えた。ランディングギアを降ろして、垂直着陸。
キャノピーをあけ、降りる。ボックスから、着替えを出す。
周りを確認してから、着替える。脱いだ服は洗浄ユニットへ放り込む。
体はすっかり乾いている。水筒を取り出して、水を飲む。
キャノピーを閉めてから、F-Rの横に腰を下ろす。
ふう、と息を吐き、空を見上げる。雲の白と空の青が美しい。
吹いてきた風が、草原の草を揺らす。さぁー、と。
「のどか……だな」
呟きながら、荒んでいた自分の心が澄みわたっていくのを感じる。
空か。じっくり眺めた事はなかったな。こんなに綺麗なものだとは。
俺はしばらくの間、空に見とれていた。
F-Rに乗り込み、キャノピーを閉じる。
「むぅ……」
行き先は、決まらない。
目指す場所なんて、考えつかない。
F-Rを離陸させる。F-Rか。旅の相棒にそれは、いささか素っ気ないな。何か、名前を付けようか。
俺は、行き先を迷っている。
そう考えると、「ストレイド」という単語が浮かんできた。
ストレイド。随分前にやったゲームに出てきた言葉で、意味は確か──
「道に迷ったもの、か。」
これでいいか。とりあえず、機体識別名を変更しておく。
あとで機体にも書いておこうか。
スロットルを操作し、加速させる。
行き先は、考えるのを止めた。
無くてもいい。旅なんだ。気の向くままに流浪えば、いいさ。
「空間跳躍用意」
〈jump ready〉
まずは、この星から出る。ジャンプ先は、引力圏の外。
「空間跳躍、開始」
〈jump start 10s………5、4、3、2、1 〉
〈go〉
そして、機体は跳躍に入る。と、同時に、俺は微かな違和感を覚え、次の瞬間、意識が消えた。
次から原作キャラ登場。