不老不死の幻想入り   作:人生脇役

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四話連続投稿。 
ちょっと慧音が親切過ぎだろうか。


夕食と雑談

出来上がった夕食を居間へ運ぶ。時間は6時。早めの夕食だ。

夕食は一般的な和食だった。それこそ、一汁三菜の典型的な。

作っている時に、今日は妹紅も一緒だと聞いた。どうやら、色々と話をしたいらしい。

居間のテーブルへ、盆ごと料理を置く。

すでにいた妹紅が、うまそう、と漏らした。

俺としては料理を人に振る舞ったことがないので、若干不安なのだが。

ちなみに俺が作ったのは味噌汁だ。

どういうわけか、俺のいた惑星とこの惑星は文化や言語が気味の悪いほどに似通っており、和食も味噌汁も知っていた。

慧音が自分の分を持ってきた。テーブルへ置き、座る。

俺が座ったのを確認すると、慧音は手を会わせた。俺と妹紅も手を会わせる。

「いただきます」

三人でそう言ってから、料理に手をつける。

俺はまず味噌汁から。

ずず、と啜る。よし、ちゃんと出来てるな。

味噌汁を置き、米を食べる。

一口食べて、お、炊き方が上手いな、と思った。

やわらかすぎず、固すぎずのちょうどいい食感。

「この味噌汁は、ルートが作ったんだって?」

妹紅が話しかけてきた。

「そうだ。味はどうだ?」

「美味い」

とりあえず安心した。

「これだけ美味しく作れるということは、自炊をよくしていたのか?」

と慧音。

「ああ。しょっちゅう野宿していたからな、野生の食材を使って料理をすることもあった」

それこそ、山に生えている食用可能な茸やらを使ったりも。

「なるほど。料理自体は手慣れているのに包丁を使いなれていないのもそれが理由か?」

「サバイバルナイフを使っていたからだな。包丁はそれこそ始めて使った」

包丁なんてサバイバルで使うものじゃないからな。

「へぇ、野生の食材を使っても料理できるってことは、知識があるんだ」

「最低限、食用可能かどうかはわかる」

「まぁそうだろうね」

それからも談笑を続け、気づくと食べ終わっていた。

 

 

「で、ルート」

「ん」

食器を片付けて居間に戻った。そうしたら、妹紅が話しかけてきた。

「ルートは、どうやって、どうしてここに来たんだ?」

妹紅の質問に、慧音も興味を抱いたらしく、二人でこちらを見つめてくる。

「ああ、それはな」

特に隠す理由もないので、すべて話した。

不老不死になった経緯と、狙われ始めたこと。

旅に出ようと空間跳躍して、気づいたらここに来ていたこと。

まとめると、なんともシンプルな話だ。

話し終わると、慧音が口を開いた。

「ふむ、なら、そのストレイドという乗り物は、今どこだ?」

「上だ」

「上?」

「光学迷彩という見えなくなるものを起動して、空で待機している」

「野宿するのに、それに載せた荷物を使ったって言ってたけど、何を載せてるんだ?」

今度は妹紅から。

「野宿に使ったテントとか、寝袋とか、着替えとかだな。あとは色々な物に使える洗浄ユニットも」

話しながら、部屋に荷物を置いておこうと考えたのを思い出す。

「そうか。ところでルート」

俺は慧音の言葉に耳を傾ける。

「ルートはここに来たばかりだから、住むところも、目的もないのだろう?」

「ああ、確かにそうだが……」

「なら、ここに居候すればいい」

その言葉を聞いて、耳を疑った。昨日あったばかりの俺を一晩泊めてくれるのみならず、居候すればいい、だと?

「いい、のか?」

「私は構わない。部屋は余っているしな」

驚いた。その言葉が浮かんだが、それ以上は考えられなかった。

ここまで優しくされたのは、初めてだ。

「……なら、お願いするよ。本当にありがとう」 

「ああ」

ああ、いい人に出会えてよかった。妹紅にも感謝しなければ。

「ところで、慧音」

「うん?」

「着替え、取ってきたほうがいいか?」

「ああ、あったほうがいいな」

「なら、今からとってくる。直ぐ済むから、待っててくれ」

「そうか。わかった」

ふと妹紅を見ると、すごくニコニコしていた。何故だ。まぁいいか。

俺は立ち上がり、玄関の方へ向かう。

さすがにストレイドを降ろすわけにはいかないし、こちらから飛んでいくかな。

 

「で、とりあえずこれが俺の荷物だ」

そう妹紅と慧音に話しかける。

「わかった。荷物を置いてきたら、風呂に入ってくるといい」

慧音が提案してきた。 

「ああ」

「よし。順番はどうする?」

慧音曰く、今日は妹紅も家に泊まるので、風呂にも入るらしい。

「ルートが最初に入って、綺麗にしてきなよ」

と妹紅。

「いいのか?」

慧音に聞く。

「私はいいぞ」

「なら、先に入らせてもらう」

「ああ。今タオルを持ってくる」

「頼む」

会話のなかで、タオルというものはあるのだな、と思った。そこら辺はよくわからん所だ、ここは。

 

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