人里は、和風な、というよりは、時代劇そのままのような街並みだった。
その癖して、人々の格好は、和服だったり洋服だったりと、いろいろいて、俺からすると奇妙な風景だった。
そのおかげで、あまり浮かないで済んでいるのだが。
とりあえず、換金できそうな所はないだろうか。
あれば、ストレイドに積んでいるレアメタルとかを金に出来るのだが。
仕事柄、どこに行っても希少価値のある物品という形の財産を、必要に応じて通貨に変える、と言うことをしていた。
が、通貨に変えられなければ意味が無くなる。
「あ、あの人!」
突然、大声が聞こえた。子どもの声。聞こえた方を見ると、さっき助けた男の子だ。
青い服に銀髪の少女の手を引いて、こっちに歩いてくる。
「先生、このお姉ちゃんが助けてくれたんだよ!」
「え」
お姉ちゃん、だって?また、女に間違われた?
「貴女か。この子が助けてもらったと言っていたので、私からもお礼を言いにきたんだ。私は……」
「あ、いや、ちょっとまって」
「?」
首を傾げる少女。
とりあえず、俺は男の子に言う。
「あのな?俺は男だから、お姉ちゃんは止めてくれないか?」
「えっ」
「えっ」
驚愕された。少女にまで。
「そ、それは、本当、か?」
少女が話しかけてくる。ああ、この子確実に動揺してるよ。
「本当だ」
「それは……失礼、私も女だと思っていた」
うん、それはさっきの反応でよくわかったよ。
「とりあえず、自己紹介でもしよう。俺は、ルート・フォンクと言う」
「私は、上白沢慧音だ。この里で、寺子屋の教師をしている」
上白沢慧音、ね。寺子屋の教師か。さしずめ、男の子の担任、ってところか?クラス分けされてるかも知らないが。
「この子を助けてくれたそうだな。ありがとう」
「当然のことをしたまでさ。それよりも………」
「何?」
「俺は、そんなに女に見えるか?」
「少女にしか見えないな。男の格好をしていても、女だと思ってしまった」
「………ぁー」
久しぶりに性別を間違えられたので少々混乱していたが、この人の言う感じだと、もしかして風見幽香とか八雲紫とかにも女だと思われているんじゃないか?
「まぁ、なんだ。俺は、まだ幻想郷に来たばかりでな。色々教えてくれると、助かる」
「わかった。わからないことがあったら、聞いてくれ」
「ああ、頼むよ。上白沢さん」
「慧音と呼んでくれて構わない」
「ん、そうか。なら、慧音さん」
「ああ」
「早速だが、金とかそういう類の物を換金できそうな所を知らないか?」
「それなら、香霖堂という店に行くといい。あそこはいろんな物を扱っているからな」
「それは、何処にあるんだ?」
「ここから西に行けばいい」
「わかった。教えてくれてありがとう」
「ああ」
「では俺は行くよ。また会おう」
そう言うと、俺は人里の外へ向かう。
香霖堂か。書店にありそうな名前だな。
人里の外に出て、ストレイドを呼び出す。
降りてきたストレイドに乗り込み、西に機首を向けた。