クロスアンジュ イレギュラーと熾天使の輪舞   作:ヌオー来訪者

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(゚∀゚)よーしナインボール=セラフ目指してACE:Rやるぞー
【Chase System】
(;´・ω・)メンドクセ
【Not Skip Movie】
(#^ω^)イラッ☆

 現在NSKイベントの隙間に執筆中。
 冒頭部分が初代ACEの独白部分を再現、リスペクトしたものとなっております。誰の独白なのかはまだ内緒です。


第12話 モモカが、来た

 沢山の、戦争があった。沢山の、悲しみがあった。

 けれども、コロニーが出来て100年近くに上っても人々は争いを忘れる事は出来なかった。

 

 そんな中シャア・アズナブルは人類の革新を信じて革命を起こそうとしたのだけれど、彼のやり方は地球上に居る人類を抹殺しようというやり方だった。

 僕自身は当事者でもないし、僕が生まれるずっと前の人なのだけれど、シャアの考えはおかしいと、僕は思う。……そう思いたかった。けれど、否定したあと、外宇宙からの更なる脅威が襲い掛かっても人類は利権争いを繰り返し、スペースノイドへの弾圧を繰り返し続けていた。

 

 シャアが生きていたら、この世界をどう思っていただろうか? 恐らくは絶望していただろう。メビウスの環から抜け出せぬ地球の重力に魂を引かれた者たちに。

 

 メビウスの環から抜け出せぬまま地球は外宇宙からの脅威に晒されていた。圧倒的な戦力を以て地球へと向かいつつあるのだと言う事実を人類は突きつけられた。相手は対話も不可能で無言で人類を刈り取る。敵の先遣隊で散々苦しめられたというのに拘わらず、地球はコロニーとの戦争を、弾圧を止めなかった。

 

 そんな絶望的な状況下だが、まだ希望はあった。

 コロニーとの戦争を望まない者たちは同じ志を持つコロニーの者と手を取り合ったのだ。彼らは戦争をしている者たちを尻目にとある作戦を立てた。艦隊を以て、地球圏外に居る敵の中心にて改良型E2を爆発させて根絶やしにするという計画だ。

 

 その計画に、僕は参加した。

 何者か知らないものに地球を潰されるのは嫌だった。祖父が居たラー・カイラム隊がシャアを否定し、守った地球を潰されるのは屈辱だった。

 幸い、僕には素質があったようで、チームに参加する事は苦こそあったが、不可能な事では無かった。

 

 かくして僕らは地球を護る為に戦場へと赴いた。

 帰った先は『何もかもが終わった跡』だと、知る訳も無く……

 

 

 アンジュ発見から数週間後。リオスも完全に異物ながらもこのアルゼナルに溶け込んでいた。男が得体のしれない何かだと思って警戒していたのであろう人間も時々話しかけてくれるようになった。

 尚、肉食獣のような人々からの視線は相変わらずであり、妙な所でヘタレなリオスを恐怖させている。

 

 そういう連中に隙を見せないように、リオスはここ最近副業を始めるようになった。所謂「俺は忙しいから話しかけてんじゃねーぞ」アピールである。

 副業として搬送などといった事をやってお金を稼ごうと言う魂胆もある。どうもここ、アルゼナルの物価は高いような気がしてならないのだ(下着とか特注になるからどうしても物価が高くなる。その為注文に時間が掛り一時期は洒落ている女性陣たちの中で非常に不摂生極まりない生活を送っていた。南無三)。

 

 因みに、エルシャは副業としてコックと農業をやっているとか。

 

 ジャスミンの指示に従い、資材及び生活用品の入った箱をナインボール=セラフで運び切ったリオスはホッと一息入れて、スピーカーを用いてジャスミンに問うた。

 

『これでいいっすか?』

「うん、ご苦労」

 

 椅子に座って寛いでリオスと従業員の仕事を監視していたジャスミンの許可が下りると、近くにいた犬が一吠え。終わりだという事を知らされたリオスは機体を格納庫に戻すべく、機体を海中に沈めてハッチに向かわせた。

 

【解せない事があるのだが】

「何だ」

【一応、兵器である私が、私だけが何故資材運搬をしているのかという事だ】 

「別に良いだろ。兵器だって使いようだ」

【私の存在意義は戦い、排除する事にある筈なのだが】

 

 唐突にH-1が不満な事があるのか、つらつらと文句を述べ始めた。戦う為にプログラムされたAIであるH-1には自分が行っている事に違和感を感じずには居られなかったらしい。H-1の発言に対しリオスは少し悩み考え込んだ。

 

「んー、お前は人によって作られたんだろ? 誰かの役に立つためにさ。誰かの役に立ってるならそれでいいでしょ」

【…………そういう物なのか?】

「多分な。兵士が言う言葉ではないけれど」

【……まったくだ。兵士が言うべき台詞ではない】

 

 H-1は辛辣なひと言を吐くと、それ以上リオスに問いかける事は無かった。H-1は一体何を考えているのだろうか? 表情を持たぬAI相手では分からない。そして人で無い事もあって得体のしれなさを醸し出していた。

 

「規則を守りつつ柔軟にそして我儘に生きて見ろよ。そしたら『人間』が分かるさ」

【善処しよう】

 

 機械に生きるという言葉が適切かどうかは疑わしいのだが、それについてはH-1は突っ込まなかった。何故コイツは人間を知ろうとしているのだろうか?

 それがリオスにとっての大きな疑問であったが、それについてはやはり話してはくれなかった。

 

 第9番格納庫に辿り着き、機体から降りて再び一息。

 搬入作業を行う前に行った今回の戦闘ではアンジュ程で無いにせよそれなりに活躍出来たとリオスは自負していた為、今回の収支報告が非常に楽しみであった。あの月光丸が正直欲しいのだが恐らくサリアに先取りされてしまうであろう。だが、大人しく先取りされてやるつもりも無い。

 さて今日は幾らなのやら。娯楽の少ないアルゼナルではこれが楽しみになりつつあるのが悲しい所だが、まぁ致し方ない。

 第9番格納庫から出ようとした矢先、警報が鳴り響いた。

 

「―――ッ!?」

 

 何事だ。リオスは天井近くに設置されたスピーカーに耳を傾けた。

 

『総員に告ぐ。アルゼナル内部に侵入者有り。侵入者は上部甲板を逃走中。付近の者は確保に協力せよ』

 

 侵入者だ?

 リオスは耳を疑った。こんな世界でアルゼナルに侵入するような奴が居るのかと。もしかしたら小型ドラゴンの可能性も無い事は無いが、ドラゴンだったら逃げも隠れもせずに圧倒的な力で暴れまわっている事であろう。

 

「なんだよ侵入者って!?」

 

 通路を走って上部甲板へと向かう途中、サリアと遭遇し聞いてみるが―――

 

「知らないわよ! これまでにこんな事例は聞いたことも無い!」

 

 と、まぁぞんざいに返されてしまった。

 

 

「いたぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ囲めえぇぇぇぇえぇぇぇぇ」

 

 警備部隊の、洋画でよく聞きそうな雄々しい絶叫を耳にしながら上部甲板の人混みを掻い潜っていると、何か緑色の光が見えた。

 

「何の光っ?」

 

 リオスの疑問に近くに居たアンジュがリオスの質問に答えたのかと言われれば怪しいが呟くように答えた。

 

「マナの光……!」

 

 ノーマでは無い者をここでは『人間』というらしい。ここ、アルゼナルに居る『人間』はリオスの知る限りエマ・ブロンソン監察官のみ。エマが侵入者と戦っているのだろうかと一瞬リオスは思ったのだが、どうやら違うようで、光を取り囲んでいる人々をリオスとアンジュ、サリアが掻い潜ると、そこにはボロボロで煤を被ったメイド服を纏ったショートヘアの少女が。

 

「やめて下さい! 私はアンジュリーゼ様に会いに来ただけです!」

 

 マナの光を纏って己が身を守る少女の叫び声に、銃を構えていたアンジュはハッとした表情で口を開き、銃を下げた。

 アンジュリーゼとは嘗てのアンジュの名前だったはずだ。つまり彼女は恰好からしてメイドなのだろう、と驚くアンジュを他所にリオスは頭を無駄に働かせていた。

 

「モモ……カ?」

 

 アンジュの驚愕の入り混じった声に気付いたモモカと呼ばれた少女は恐る恐る、アンジュの言葉に言い返し、問うた。

 

「もしかして……アンジュ…リーゼ様?」

 

 まさかの再会だとでも言うのか。何とか手探りながらも何となくながら状況を掴めたリオスは顔を顰めつつ「どーすんだこれ」と軽く頭痛を覚えていた。

 ノーマが戦っている事は『人間』は知らない。そして、ドラゴンの存在も。つまりモモカは知ってはならない機密を知ってしまった事になる。普通の軍隊ならば、拘束されるなりされるし、かなり厳しい部類の軍隊ならば銃殺だって有り得る。つまり、この後アンジュにとって辛い事になるかも知れないという事は覚悟した方が良いのだ。

 アンジュに喜びのあまり抱き着くモモカに、リオスは良かったなと言わんばかりの安堵と、辛さが入り混じった複雑な心境に置かれていた。 

 

 

 

「プラズマステーク……セット!」

 

 モモカという異物が来ても第一中隊の送る日々にはあまり変わりは無かった。訓練して、シュミレーターで戦闘を行い、飯を食って、寝る、そして時々出撃してドラゴンを倒す。そんな中に喧しいのが混じっただけである。

 まぁ随分それにヒルダ3人衆とサリアは苛立っているようだが。

 実際、郷に入っては郷に従えという事をせずに外の世界での生活をアンジュに押し付けようとしているのだから仕方あるまい。

 

 特に部隊長であるサリアは更に場を引っ掻き回すモモカの行動にあきれ果てつつストレスを凄まじい程立てていた為、ストレス解消にとシュミレーター内のドラゴンをプラズマステークで殴殺していた。

 

「あっちょっと、そんな距離の取り方だと……」

 

 多少ゲシュペンスト乗りの戦い方を知っていたリオスの制止を聞かず、大型ドラゴンの懐に苛立ちのままに突っ込んだ為に、蠅たたきで叩き落とされるように尻尾で殴られてしまいサリア機ゲシュペンスト撃墜された。

 案の定の結果にサリアの戦闘を見ていたリオスは溜息を吐き、サリアは舌打ちした。

 

「苛立ってますね。威力は落ちるものの距離が取れるプラズマカッターにしてしまえば良いんじゃないですか? 力加減関係なくズバッと斬れますよ」

「苛立ってないわよ……!」

 

 明らかに苛立っている様子で否定して意固地になってもう一度シュミレーションを再開するサリアに少々同情しながら、リオスは仕様書を片手に再びナビゲーションを始めた。

 

 

「付きあわせて悪いわね。有難う」

 

 ドラゴンを殲滅して漸く気が鎮まったらしいサリアはシュミレーターから降りた。機体を乗りこなし、自分のものにしようとする気合いは見事だ。だが、これではストレスで頭が禿げるのではないだろうかと軽く心配したくなる。

 まぁ部隊長としての気苦労は部隊長を行った事の無い身にはあまり分からないが、ノインやアムロの後ろ姿を見て来た身としては放っては置けない。

 

「休んだらどうです?」

「……気にしないで」

「苛立ってると明らかに動きが悪くなってますし、気晴らしに何か趣味に走る事を提案します」

「…………」

 

 リオスがそう言うと、一体何を思ったのかサリアは一度沈黙した。そして―――

 

「忠告有難う」

 

 そうそっけなく言ってサリアはペットボトルの水を呷った。

 

 

 

 何と言うか、行動を共にする人間がここ最近固定されつつあるような気がする。

 

 リオスはそんな事を思いながら、昼食の乗ったお盆をテーブルに置いて席に着いた。同じテーブルにはヴィヴィアン、サリア、エルシャ、シエナというリオス含め計5人。まぁあまり対立しなかった、というよりアンジュに対して強く敵視しているか否かによって派閥が分かれている。ミランダはココと一緒に昼食をとっているのでこのテーブルには居ないが、ヴィヴィアン側に居るものと思われる。

 尚、ミランダと一緒に昼食をとっているココが目をキラキラと輝かせて食堂のカウンターで並んでいるアンジュとモモカを見ていて、それに対しミランダは「子供だなぁ」と背伸びして笑っている姿が見られた。相変わらず中の宜しい事である。

 

「やっぱり私たちと住む世界が違うのね……アンジュちゃんは」

 

 エルシャもモモカとアンジュたちを遠目で見ていたのだが、エルシャはそう言った。その字面だけだと嫌味っぽく聴こえるか、厭味には聴こえずある意味羨ましがっているように感じられた。

 

「所で、侍女ってなんぞや」

 

 ヴィヴィアンはモモカの肩書である、ミスルギ皇国筆頭侍女というものの意味について問うた。それにリオスは昼食のポテトフライを齧りながら答えた。

 

「偉い人のお世話をする人。よーするにメイドの一種みたいなものかね」

「はえー、メイドさん。お帰りなさいませーって言うのかね」

 

「……人によるんじゃないかしら?」

 

 口元にケチャップを付けたままわざとらしくテンプレートで大袈裟なジェスチャーをしながら言うヴィヴィアンにサリアは首を傾げた。それにエルシャが「ケチャップついているわよ」とヴィヴィアンの口元についたケチャップを拭った。

 そうした後、ヴィヴィアンは思いついたようにポンと手を叩いた。

 

「って事はエルシャとサリアとリオスは私の侍女って事だねぇ!」

 

「「違います」」

「や、おれは男だから強いて言うなら執事だからというか執事でもねーから」

 

 サリアとエルシャが即座かつ同時にツッコミ、リオスも言い方は違ったもので懇切丁寧に長台詞で否定した。

 ……とまぁ、何時ものように馬鹿な会話をしていると、モモカの叫びが食堂に木霊した。

 

「なんたる事! アンジュリーゼ様をお待たせするなんて! 席を譲りなさい! アンジュリーゼ様ですよ!」

 

 怒鳴り声にリオスたちが眼を向けるとモモカがヒルダたちに怒鳴っていたのが見えた。

 何故そんな面倒くさい相手に喧嘩を売ったのか。新参者で状況もわかっていないモモカにそれを求めるのも酷なのだが、呆れずには居られない。

 ……まぁ、国の権威なんてここアルゼナルには通用しないしアンジュは皇女では無くなったと聞く。そんな状況下でそのような行動は自分の首を絞めているだけ、所謂自殺行為だ。

 

 近くに居るアンジュも呆れたような表情をしており、場がしらけるだけだった。

 

「余計な事しないで」

 

 うんざりしたように言うアンジュだが、モモカは引き下がらない。忠誠心は見上げたものだが……仕える存在が嫌がっているのにそれはどうなのだろうか。

 サリアとリオス、シエナは「なんなんだよこいつ」と言わんばかりに呆れた表情で事の成り行きを見守った。

 

「へぇ、席を譲れだって……良いご身分だねぇ塵溜め女が」

 

 案の定、偉そうにする人間に人一倍反抗しそうなヒルダがモモカとアンジュを罵倒し始めた。そして後に続くように腰巾着の二人が口々に煽り、罵倒する。

 隊長を殺した悪人たるアンジュの侍女なものだからヒルダたちにとっては排除の対象なのだろう。浴びせる言葉は全く持って容赦ない。

 

「いくらノーマが野蛮で好戦的とは言え……!」

 

 モモカも負けじと剣幕で返すが、ヒルダも負けてはいない。アンジュがノーマである事実を突き付ける。それをモモカが否定すると、一斉にヒルダたちは笑いだした。

 モモカが以前のアンジュにそっくりだとか、痛い姫には痛い侍女が付くものかなどと言いたい放題言い散らかす。

 そして火に油を注ぐようにアンジュは鼻で笑いヒルダたちを低俗だとばっさり斬り捨ててしまい。まさに一触即発、何時殴り合いになってもおかしくない空気となったその時、モモカがアンジュの前に庇うようにして立った。

 

「これ以上のアンジュリーゼ様への無礼はこの私がッ……! 私が……ぁ」

 

 ……が、先ほどまでの勢いは何だったのかふらりふらりと千鳥足になったかと思うと、そのまま崩れ落ちてしまった。

 流石のヒルダたちも倒れてしまったモモカに対し驚きを隠せず、両者は毒気を抜かれたか今回の喧嘩はお開きとなった。

 

 

 その様子を見ていたリオスは、更に荒れる第一中隊の和に四苦八苦するサリアと、モモカに振り回され気味のアンジュに同情を禁じ得なかった。

 

「サリア隊長、申し上げにくいのですが……ご愁傷様です」

「……同情するならアンタもヒルダと喧嘩して余計な問題を造らないように努めなさい」

「……さーせん」

 




 何時に成ったらナインボール=セラフ使えるんじゃーッ(現在ACER6週目)
 NSKと操作性の悪さが辛い。


 冒頭の独白キャラの出番はまだ先です。
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